• 検索結果がありません。

博 士 ( 工 学 ) 西 脇 志 朗

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博 士 ( 工 学 ) 西 脇 志 朗"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 工 学 ) 西 脇 志 朗

学 位 論 文 題 名

Sr エ Bal̲ エ Nb206 ( 0 . 2< x<0 . 7 ) セ ラ ミ ッ ク ス の 作 製 と      そ の 強 誘 電 性 に 関 す る 研 究

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  変 位型強 誘電体 は、結 晶内の イオン が平衡 位置か らずれる ことに よって 自発分 極が生 じ る も ので ある。 これは ぺロプ スカイ ト型構造 を持っ チタン 酸バリ ウムに 代表さ れるが 、タ ン グ ステ ンプロ ンズ型 構造の 強誘電 体の中に も、優 れた電 気的、 光学的 、機械 的性質 を有 するものが多く、実用材料への応用が可能である。

  近 年、赤 外線検 出器に 対する 需要が 高まり 、安価 で取扱い が容易 な赤外 線セン サーの 開 発 が 活発 に行わ れてい る。な かでも 、応答速 度が速 く、室 温で使 用でき る強誘 電体の 焦電 現 象 を利 用した もは、 その高 性能と 使用しや すさの ため、 電子レ ンジ、 火災報 知器、 進入 警報器等に応用されている。

  SrエBal ‑エNb20。(以後SBNと略記する)は0.25 <x <0. 75の組成域でタングステンブ口ンズ 型 構 造を 有する 強誘電 体であ り、室 温付近で 大きな 焦電係 数を有 するた め、高 感度の 焦電 型 赤 外線 センサ ーとし て期待 できる 材料であ る。焦 電型赤 外線セ ンサー 用材料 には、 室温 付 近 の 焦 電係 数 が 大 きい こ と に 加え 、 そ の 強誘 電 性 相転 移温度(Tc)が室温 よりも 充分高 い ことが 必要で ある。SBNは大き な自発 分極を 有し、そのTcは、xが0.25からO.75に増加す る にっれ て、約200℃から 約50℃に 直線的 に減少 する。 したが って、 この強誘電体をセンサ 一 用 材料 として 応用す るには 、Ba含有 量が多 い組成 が対象と なるが 、これ まで実 用的な 材 料は作製されていない。

  そこで本 研究で は、ま ず、Tcが175℃付 近のx O.3の組成の実用的な赤外線センサー用材 料 を 作製 するこ とを目 的とし た。緻 密な焼結 体を作 製して その微 細構造 と誘電 特性の 関係 を 詳細に 調ベ、 実用に 供する ことの できる 焦電特性を有するセラミックスの作製を試みた。

さ らに、Ba含有量 の多いx≦0.4の 組成に ついて も誘電 特性を 調べる とともに、その結晶系 や相転移挙動を明らかにした。

  x O.3の 組成に ついては、常圧下で焼結体を作製し、その相対密度と誘電特性を調べた。

こ の 焼結 体は、Sr含有量 の多い 組成と 比較す るとプ 口一ドな 誘電率 ピーク を示し 、また 、 そ の焦電 係数は 市販の 材料の1/IOO以下であり、きわめて小さな値であっ,た。これを赤外線 セ ンサ一 用材料 として 応用す るには 、その 焦電特性を改善しなければならない。このため、

溶 液 法に よりSBN粉 末を調 製し、 高温、 長時間 の焼結 、また はHIPを用 いた焼 結を試 みた。

し か し こ れ ら い ず れ の 方 法 で も 、 そ の 誘 電 特 性 の 改 善 は 認 め ら れ な か っ た 。   そ こで、 添加剤 による 誘電特 性の改 善を期 待し、 種々の酸 化物を 加えた 。中で も、VzOs をImolX加え ると、 焼結時間 にっれ 粒子形 状の異 方化し 、c軸方 向に仲 長した 柱状粒 子が大

9 ‑

(2)

部 分 を 占め る 焼 結 体に な った。 この試 料は、 粒子の 粗大化 にっれ て誘電 率ピー クが鋭く な るとともに、自発分極も無添加の1.8x 10ー Cm―。から6.2x10‑ Cm‑。に大幅に増加し、焦電 係数は最大で80皿Cm−。Kー ̄の値が得られた。この値は、市販の材料と比較できるものである。

こ のよう に、V:0ヨを添 加する と、液相 焼結に より粒 成長が 促進されるとともに焦電係数が 大 き く なり 、 赤 外 線セ ン サー用 材料と して実 用でき るもの となる ことを 初めて 明らかに し た。

  っぎに、x 0. 2〜0.4の組成に対してもV20。をIm01?6添加した焼結体を作製した。いずれの 組 成にお いても 、c軸方 向に伸長 した柱 状粒子 が大部 分を占 める焼 結体を 作製す ることが で き た。こ れらの 組成の誘 電率の 温度依 存性を 測定し たとこ ろ、す べての試料におし、てシャ ー プな誘 電率ピ ークが認 められ た。と くに、 これま で強誘 電性が 報告さ れていな かったx O.2の組成 におい て、273℃ で明確 なピー クが確 認でき た。また 、D一Eヒステリ シス曲 線を 観察し、この組成が強誘電体であることを明らかにした。

  さ らに、x 0. 2〜0.4の結 晶系を明 らかにするために、これらの焼結体をHF水溶液で粒界 腐 食を行 って柱 状粒子を 取り出 し、そ の伸長 方向、 すなわ ちc軸を 試料ホ ルダ一 面と平行 に 並 べた。 これら の配向試 料のXRDパター ンから結 晶系を 決定し た。こ のよう な試料 を用い る と 、XRDパ 夕一 ン にc面 の寄 与がな くなる め、a軸 とb軸の わずか な違い が高角側 で明瞭 にな り 、 初 めて 結 晶 系 を明 確 に区別 できた 。この 結果、 室温に おける 結晶系 は、x>0.25で は正 方 晶系で あり、x≦0. 225では斜方晶系であった。したがって、0.225くxく0.25の組成範囲 内 に正方 晶系一 斜方晶系 の相境 界が存 在すると推定できた。また、室温で斜方品のx 0.2、 O. 225の組成 は、120℃および90℃でそれぞれ斜方晶系から正方晶系に相!ほ移することも見 い 出 し た。 こ の 転 移は 自 発分極 の方位 を変え ない、 強誘電 体相内 での正 方一斜 方転移で あ ると結諭した。

  以 上、本 研究に おいて は実用 に供する ことが できる 焦電型 赤外線 センサ 一用SBNセ ラミッ ク スを作 製する とともに 、0.2≦x≦0.4の組成域の強誘電性、および結晶学的性質を明らか にした。

10 ‑

(3)

学位論文審査の要旨

     学位論文題名     1

Sr エ Bal̲ エ Nb206 ( 0 .2 ≦ x ≦0 .7 )セラミックスの作製と      ‐その強誘電性に関する研究

  近 年 、 赤 外 線 検 出 器 に 対 す る 需 要 が 高 ま り 、 安 価 で 取 扱 い が 容 易 な 赤 外 線 セ ン サ ー の 開 発 が 活 発 に 行 わ れ て い る 。 な か で も 、 強 誘 電 体 の 焦 電 現 象 を 利 用 し た も は 、 そ の 高 性 能 と 使 用 し や す さ の た め 、 電 子 レ ン ジ 、 火 災 報 知 器 、 進 入 警 報 器 等 に 応 用 さ れ て い る 。 SrエBaトXNb206( 以後SBNと略 記す る) は0.25≦x≦O.75の組成域でタングステンブ ロンズ型 構 造 を 有 す る 強 誘 電 体 で あ り 、 室 温 付 近 で 大 き な 焦 電 係 数 を 有 す る た め 、 高 感 度 の 焦 電 型 赤 外 線 セ ン サ ー と し て 期 待 で き る 材 料 で あ る 。 し か し 、 こ れ ま でSBNの 焼 結 体 を 用 い た実用的な センサー材料は作製されて いない。

  本 論 文 は 、 赤 外 線 セ ン サ ー 用 材 料 と し て 実 用 的 なSBN焼 結 体 を 作 製 す る こ と を 目 的 と し た 。 セ ン サ 一 用 材 料 に は 、 焦 電 係 数 が 大 き い こ と に 加 え 、T。 が 室 温 よ り 十 分 高い こ と も 必 要 で あ る 。 そ こ で 、T。 が175℃ 付 近 とSBNの 中 で は比 較 的高 いx O.3の 組成 の試 料 を 焼 結 し 、 赤 外 線 セ ン サ ー と し て 実 用 に 供 す る こ と の で き るセ ラミ ック ス の作 製を 試み た 。 さ ら に 、Sr含 有 量 の 少 な いx≦O.4の 組 成 に つ い て も 誘 電 特 性 を 調 べ る と と も に 、そ の 結 晶系や相転 移挙動を明らかにした。

  x=0.3の 組 成 は 、 常 圧 下 で 焼 結 体 を 作 製 し 、 そ の 相 対 密 度 と 誘 電 特 性 を 調 べ た 。 こ の 焼 結 体 は 、Sr含 有 量 の 多 い 組 成 と 比 較 す る と ブ 口 ー ド な 誘 電 率 ピ ー ク を 示 し た 。 ま た 、 そ の 焦 電 係 数 は 市 販 の 材 料 の1/100以 下 で あ り 、 き わ め て 小 さ な 値 で あ っ た 。 そ こ で 、 添 加 剤 に よ る 誘 電 特 性 の 改 善 を 期 待 し 、 種 々 の 酸 化 物 を 加 え た 。 な か で も 、V205を Imol% 加 え る と 、 焼 結 時 間 に つ れ 粒 子 形 状 が 異 方 化 し 、c軸 方 向 に 伸 長 し た 柱 状 粒子 が 大 部 分 を 占 め る 焼 結 体 に な っ た 。 粒 子 の 粗 大 化 に っ れ て 誘 電 率 ピ ー ク が 鋭 く な り 、 自 発 分 極も無添加の1. 8x l0‑2Cfrl‑2から6. 2x l0‑2Crrl‑2に大幅に増加した。また、焦電係数は市販の 材 料 と 比 較 で き る80いCm‑2K‑2の 値が 得ら れた 。こ の よう に、V205を添 加 する と、 液相 焼 結 に よ り 粒 成 長 が 促 進 さ れ る と と も に 焦 電 係 数 が 大 き く な り 、SBN焼 結 体 が 赤 外 線 セ ン サ一用材料 として実用可能なものにな ることを初めて明らかにした 。

  っぎ に、x O. 2〜0.4の組 成に 対し て もV205をImol%添 加 した 焼結 体を作製した 。いずれ の 組 成 に お い て も 、c軸 方 向 に 伸 長 し た 柱 状 粒 子 か ら な る 焼 結 体 を 作 製 す る こ と が で き た 。 こ れ ら の 組 成 の 誘 電 率 の 温 度 依 存 性 を 測 定 し た と こ ろ 、 す べ て の 試 料 に お い て 鋭 い

平 夫

郎 一

紘 道

志 順

平 垣

田 橋

授 授

授 授

   

   

(4)

誘 電 率 ビ ー ク が 認 め ら れ た 。 と く に 、 こ れ ま で 強 誘 電 性 が 報 告 さ れ て い な か っ た x=0.2の組成にお いて、293°Cで明確なピークが確認できた。また、この組成でDーEヒス テ リ シ ス 曲 線 を 観 察 し 、 こ の 組 成 が 強 誘 電 体 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。   さらに、x=0.2〜O.4の結晶系を明らかにするために、これら焼結体の柱状粒子だけを 取り 出し 、そ の伸 長方 向、 すな わ ちc軸を試料ホ ルダ一面と平行に並べた。このような 配向 試料 を用いると、そのXRDパターンにc面の寄 与がなくなるめ、a軸とb軸のわずかな 違 い が 高 角 側 で 明 瞭 に な り 、 初 め て 結 晶 系 を 明 確 に 区 別 で き た 。 こ の 結 晶 系 は 、 xz0. 25では正方 晶系であり、x0. 225では斜方晶系であった。したがって、O.225<x<0.2 5の 組 成範 囲内 に正 方晶 系― 斜方 晶系の相境界が 存在すると推定できた。また、室温で 斜方晶のx=0.2、0.225の組成は、それぞれ120°Cおよび90°Cで斜方晶系から正方晶系に 相転 移す ることも見い出した。この転移は自発分 極の方位を変えない、強誘電体相内で の正方ー斜方転移であると結諭した。

  以 上、 本論 文に おい ては 実用 に 供することができる焦電型赤外線センサ一 用SBNセラ ミックスを作製するとともに、O. 2<Xs0.4の組成域の強誘電性、および結晶学的性質を 明らかにした。

  こ れを 要す るに 、著 者は 、SBNの焼結にV205を 添加することにより実用に供すること ので きる 焦電型赤外線センサー用セラミックスを 作製するとともに、その誘電的および 結晶 学的 性質に新しい知見を得ており,工レク卜 口セラミックスの進歩に貢献するとこ ろ大である。

  よ って 著者は、北海道大学博士(工学)の学位 を授与される資格あるものと認める。

12 ‑

参照

関連したドキュメント

[r]

  

[r]

ベントナイトのN 「・ p(V) 収着保持性能をべントナイトに含まれる随伴鉱物のカルサイ トに着目して検討した。その結果、カルサイトによる

   第 3

   第 6 章では、 PbF2/mF3 系単一モード光ファイバを用いた3 種類のPDFA モジュールの開発に ついて示している。プラグイン・夕イプPDFA モジュールでは、△n −―6 .6 %のPbF2/hF3

[r]

 知能情報を考えるうえで,人工知能(AI: