博 士 ( 工 学 ) 志 賀 正 男
学 位 論 文 題 名
夕 ー ビ ン 用 高 強 度 ・ 高 勒 性 プェ ラ イ ト 系耐 熱 鋼 の 開 発 と 実 用 化 に 関す る 研 究
学 位 論 文 内容 の 要 旨
火力発 電プラン トは、こ れまでの日 本経済発展に必要な電力需要の伸びを支え、今 日約60% の電カを 供給して いる。そし て、火力発電は今後も電力供給の主役であると 考えら れている 。しかし 、火力発電 プラントには地球環境及び化石燃料枯渇問題から 効率向 上が求め られてい る。また、 原子力発電プラントが台頭してきたために、火力 発電プ ラントに は毎日起 動停止、急 起動などの厳しい運転が要求されるようになって きた。 さらに、 火カプラ ントには建 設コスト低減及び立地面積有効活用のためのコン パクト 化も求め られてい る。これら の問題に対処するためには、蒸気タービンではロ 一夕シ ャフト、 ガス夕一 ビンではデ ィスク材料の開発が重要である。そこで本研究で は、蒸 気夕ービ ンロー夕 及びガスタ ービンディスク用高強度・高靭性フェライト系耐 熱 鋼の 開 発と 実 用 化に つ い て研 究 した 。 本 論文 内 容は 以 下 のよ う に要 約 され る。
第1章は 序論であ り、火力 発電用ター ビンに必 要とされ る各種耐 熱鋼の諸性質と目 標値、それを達成するための方策などについて述べた。
第2章は 蒸気ター ビン用高 強度・高靭 性Cr‑ldoーV低合金鋼口一夕材の開発について 述べた 。CrーMoーV低合金鋼の脆化は不純物元素の結晶粒界偏析が原因であるとされて いるが 、どの元 素が原因 であるかに ついては特定されていなかった。本研究では、Si 濃度を 変化させ た鋼を溶 製し、クリ ープ破断強度などの機械的性質の変化を測定した 結果、 鋼中Siを低 減させた 場合、著し く脆化特性が改善された。また、他の不純物元 素の効果についても検討したところ、焼もどし脆化係数をX=(10P+5Sb+4Sn十As)i/100
(ppm)と 定めた場合、脆化特性(FATT値)及びクリープ破断強度が最も相関良く表現 される ことを見 出した。 この脆化係 数の低下と低Si化の組み合わせにより、脆化感受 性は一 層低減す るととも に、クリー プ破断強度が著しく高くなることが明らかとなっ た。さらに、金属組織学的調査によ、り、Cr―Mo−V低合金鋼脆化の主因はPの粒界偏析 で あ り 、 Siは そ の 偏 析 を 助 長 す る 作 用 を 有 す る . こ と も 明 ら か と な っ た 。 これら 基礎研究 を基にし て、実規模 大の低Si、低脆化係数ロータを試作し、現用材 よりも クリ―プ 破断強度 が高く、脆 化しない ことを実 証した。 本開発材は実機bー夕 15本に適用され、問題なく運転が続けられている。
第3章は 高い低温 靭性と高 温強度を兼 ね備えた 高低圧ー 体型蒸気 タービン用口一夕 材の開 発を目的 に研究さ れたもので ある。蒸気夕一ビン発電機のコンパクト化のため 高圧と 低圧一体 型の口一 夕を開発す るには、低温における高靭性と高温における高強 度という矛盾する性質を兼ね添えた材料が要求される。このため、まずCr ‑¥loーV低合
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金 鋼 の 高 温 強 度 及 び 靭 性 に 及 ぼ す 合 金 成 分 の 影 響 を 調 査 し た。 そ の 結果 、 現 用Cr―Mo‑
V低 合金 鋼ロ 一夕材 よりも、 低Si(≦0.05% )、低Mn(約O.2% )化し 、且つ、Niを約1.8
% 、Crを 約2% ま で 増 加 す る こ と に よ り 、 ク リ ー プ 破 断 強 度 を 損 な わ ず に 靭 性 を 著 し く 高 め る こ と が で き た 。 ま た こ の 効 果 は 、 結 晶 粒 界 部 分 の 偏 析 が 軽 減 す る こ と に 加 え NiとCrが べ ー ナ イ ト 組 織 の ラ ス 構 造 を 微 細 化 す る た め に 生 ず る こ と を 明 ら か に し た 。 これ ら の 基礎 研 究 をも と に 開発 し た1. 8Ni−2Cr‑Ho−V低 合金鋼 で実機 規模の高 低圧一 体 型 タ ー ビ ン ロ ー タ を 試 作 し た と こ ろ 、 溶 製 も 容 易 で 、 鋳 造 性 も 優 れ て お り 、 開 発 目 標値を十分満足できる性能を有することを確認した。
第4章 は593℃ 超 々 臨 界 圧 蒸 気 タ ― ビ ン 用12Cr系 耐 熱 鋼 ロ 一 夕 シ ャ フ ト 材 の 開 発 を 目 的 に 研 究 し た も の で あ る 。12Cr系 耐 熱 鋼 の ク リ ー プ 破 断 強 度 は 高 温 下 で 炭 化 物 の 粗 大 凝 集 化 が 生 ず る た め に 低 下 す る こ と が 知 ら れ て い る 。 こ れ を 改 善 す る た め に 、 合 金 成 分 の 影 響 に つ い て 調 べ 、Moの 増 加 及 びWの 添 加 が 炭 化 物 の 凝 集 粗 大 化 を 抑 制 す る こ と を 明 ら か に し た 。 こ の 結 果 に 基 づ き 、C、Si、Nbを 低 減 し 、MoとWを 増 加 さ せ た11 Cr―1.2Sf0−0.3賈―O.2V−0.05Nb−0.05N鋼を開発した。
本 研 究 に な る 新12Cr鋼 で 実 機 規 模 の 口 一 夕 を 試 作 し た と こ ろ 、593℃ 、10゜hク リ ー プ 破 断 強 度 は 、150Mpaに 達 し 、 開 発 目 標 値 =l08Pdpaを 十 分 満 足す る こ とを 確 認 し た。
本開発鋼は実機蒸気タービン口一夕に適用され実用化されている。
第5章 は625℃ 超 々 臨 界 圧 蒸 気 夕 ー ビ ン ロ ― 夕 用 と し て 超 高 強 度 材 料 を 開 発 し た 研 究 で あ る 。593℃ よ り も さ ら に 高 温 の 条 件 で 使 用 す る に は 、 ク リ ― プ 破 断 強 度 を さ ら に 高 め る 必 要 が あ る 。 本 研 究 で は 炭 化 物 の 微 細 分 散 と マ ル テ ン サ イ ト 母 相 へ の 固 溶 効 果 を 狙 い と し て 、12Cr耐 熱 鋼 の 機 械 的性 質 に 及ぼ すN、B及 びCoの 影 響に つ い て調 べ た 。 そ の 結 果 、Nの 低 減 、B及 びCoの 添 加 は 、 ク リ ー プ 破 断 強 度 を 著 し く 高 め る こ と が 明 ら か と な っ た 。 電 子 顕 微 鏡 に よ る 調 査 の 結 果 、NbC化 合 物 が 炭 化 物 析 出 の 核 に な り 炭 化 物 を 微 細 化 す る こ と 、Coは 炭 化 物 を 安 定 化 さ せ て ク リ ― プ 強 度 を 増 加 さ せ る こ と が わかった。
この基礎研究により、llCrー2.6W−2.5Co―0.2Mo−0.2Vー0.lNb−0.02N−0.015B鋼が開発 され、現在、実用化に向|士た研究が続けられている。
第6章 で は 高 温 ガ ス タ ー ビ ン デ ィ ス ク 用 高 強 度12Cr系 耐 熱 鋼 を 開 発 す る 目 的 で 行 わ れ た 研 究 に つ い て 述 べ た 。 高 温 ガ ス タ ー ビ ン デ ィ ス ク は 高 速 で 回 転 す る た め 、 蒸 気 用 タ ー ビ ン ロ ー 夕 材 よ り さ ら に 高 い 耐 高 温 ク リ ー プ 性 能 が 要 求 さ れ る 。12Cr鋼 の 合 金 濃 度 を 変 え て 試 験 し た 結 果 、Moとvの 炭 化 物 に よ る 強 化 に 加 え 、NbC炭 化 物 を 微 細 分 散 さ せ る こ と に よ り 、 一 層 ク リ ー プ 破 断 強 度 が 高 め ら れ る こ と を 見 い だ し た 。 衝 撃 値 に 対 しMoはvの2倍 の 効 果 を 持 つ こ と 、Nbは オ ― ス テ ナ イ ト 結 晶 粒 を 微 細 化 さ せ る 効 果 を 合 わ せ 持 ち 靭 性 を 高 め る こ と 、 な ど の 新 し い 知 見 も 明 ら か と な っ た 。 こ れ ら の 結 果 に 基 づい て、従 来の12Crー2.5Ni−1.7NIoー0.35V鋼にく らべ、Vを低 減してMoを 増加し 、 さら にNbを添 加した高 強度12Cr―2.5Ni−2NIo―O.2Vー0.08Nb−N鋼の開発に成功した。新耐 熱 鋼 で 実 物 大 の デ ィ ス ク を 試 作 し た と こ ろ 、450℃ 、10 hク リ ー プ 破 断 強 度 は569Mpa と 著 し く 高 く 、 開 発 目 標 値 =49 0ldpaを 十分 満 足 する こ と を確 認 し た。 現 在 、新12Cr耐 熱鋼製ディスク4台が実用プラントに採用されている。
第7章 は 高 温 ガ ス 夕 ― ビ ン 用 高 靭 性12Cr鋼 デ ィ ス ク 材 を 目 的 に 研 究 し た 結 果 に つ い て 述 べ た 。 第6章 で 開 発 さ れ た 新12Cr耐 熱 鋼 の 高 温 靭 性 を さ ら に 高 め た 耐 熱 鋼 の 開 発 が 要 求 さ れ た 。 低 合 金 鋼 の 脆 化 特 性 改 善 に 関 す る 研 究 成 果 (第2章 )を ふ ま え、 低Si、 低Mn及 び 不 純 物 元 素 の 低 減 が12Cr耐 熱 鋼 に も 有 効 か ど う か 検 討 し た 。 そ の 結 果 、12Cr 耐 熱 鋼 に つ い て も 低 合 金 鋼 と 同 様 な 効 果 を 認 め た 。 こ れ に 基 づ き 、12Cr耐 熱 鋼 のSiと lfnを 低 滅 し 、 且 つ 非 金 属 介 在 物 を 極 限 ま で 低 下 す る 、 いわ ゆ る スー パ ー クリ ー ン 化を 行 っ た と こ ろ 、 靭 性 及 び 耐 脆 化 特 性 が 著 し く 改 善 さ れ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 こ の
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試作鋼による大型ディスクは、低温靭性FATT値がー9〜―11℃と極めて優れた特性を示 すことが確認された。
第8章は本論文の総括である。
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学位論文審査の要旨
学 位 論 文 題 名
夕・二ビン用高強度・高勒性フェライト系耐熱鋼の 開発と実用化に関する研究
日 本 の 電 力 需 要 を 支 え て い る火 力 発 電 プ ラ ントに は、a) 地球 環境 及び 化石燃 料 枯 渇問題 に対 処す るた めの 効率 向上 、b) 毎日 起動 停止 、急 起動 などの過酷な運転、
c)プ ラ ン ト の 建 設 コ ス ト 低 減 及 び 立 地 面 積有 効活 用の ため のコ ンパ クト 化、な ど が 求 め ら れ て い る 。 こ れ ら の 問題 を 解 決 す る に は 、 よ り 一 層 の 高 温 で 使 用でき 且 つ 安 価 な 蒸 気 夕 ー ビ ン 用 口 ー タシ ャ フ ト 材 や ガ ス タ ー ビ ン 用 デ ィ ス ク 材 の開発 が 不 可 欠 で あ る 。 本 論 文 は 、 こ れら 部 材 の た め の 高 強 度 ・ 高 靭 性 フ ェ ラ イ ト系耐 熱 鋼 の開発 と実 用化 につ いて 述べ たも ので ある 。
第2章 は 、 蒸 気 夕 ー ビ ン 用 高 強 度 ・ 高 靭 性Cr―Mo−V低 合 金 鋼 口 ー 夕 材 の開発 に つ い て 述 べ た 。Cr−l(oーV低 合金 鋼の 脆化 特性 (FATT値 )に つい て、 不純 物元素 の 効 果を検 討し 、焼 もど し脆 化係 数をX〓 (10P+5Sb+4Sn+As)/lOO(ppm)と定めた場合、
FATT値 及 び ク リ ー プ 破 断 強 度 が最 も 相 関 良 く 表 現 さ れ る こ と 、 こ の 脆 化 係数の 低 下 と 低Si化 の 組 み 合 わ せ に よ り、 脆 化 感 受 性 は 一 層 低 滅 す る と と も に 、 クリー プ 破 断 強 度 が 著 し く 高 く な る こ とを 明 ら か に し た。ま た、Cr―Moーv低 合金 鋼脆化 の 主 因 はPの 粒 界 偏 析 で あ り 、Siは その 偏 析 を 助 長 す る 作 用 を 有 す る こ と を 金 属 組 織 学 的 調 査 に よ り 明 ら か に し た。 さ ら に 著 者 は 、 こ れ ら 基 礎 研 究 に 基 づ き、実 規 模 大 の 低Si、 低脆 化係数 ロー タを 試作 し、 現用 材よ りも クリ ープ 破断 強度 が高く 、 脆 化しな いこ とを 実証 した 。
第3章 は 、 蒸 気 夕 ー ビ ン 発 電 機 のコ ン パ ク ト 化 の た め 、 高 い 低 温 靭 性 と 高 温 強 度 と い う 矛 盾 す る 性 質 を 兼 ね 備え た 高 低 圧 一 体 型 蒸 気 夕 ー ビ ン 用 口 ー 夕 材の開 発 研 究 に つ い て 述 べ た 。 現 用Cr−Mo―V低 合 金鋼 ロー 夕材 の多 種に わた る合 金成分 に つ いて精 査し 、低Si(≦0.05% )、 低Mn(約O.2% )化 し、 且つ 、Niを約1.8%、Cr を 約2% ま で 増 加 す る こ と に よ り 、ク リ ー プ 破 断 強 度 を 損 な わ ず に 靭 性 を 著 し く 高 め る こ と を 見 出 し た 。 そ し てこ れ が 、 結 晶 粒界偏 析の 軽減 、お よび 丶iとCrに よ
宜 夫
行 郎
ヒ
邦 朝
昌 平
井 木
藤 橋
石 鈴
工 高
授 授
授 授
教 教
教 教
査 査
査 査
主 副
副 副
る べ ー ナ イ ト ラ ス 構 造 の 微 細 化 、 の 複合 効 果で あ る こと を 明ら か に した 。 ま た、
実機規 模で試作 された高低 圧一体型 夕ービン ロ一夕用1. 8Niー2Cr‑Mo−V低 合金鋼は 溶製も容易で、鋳造性にも優れていることを確認した。
第4章 は 、593℃ 超 々 臨 界 圧 蒸 気 夕 ー ビ ン 用12Cr系 耐 熱 鋼 ロ ー タ シ ャ フ 卜 材 の 研 究 に つ い て 述 べ た 。 ク リ ー プ 破 断 強度 低 下の 原 因 とな る 、炭 化 物 の凝 集 粗 大化 に 及 ぼ す 合 金 成 分 の 影 響 に つ い て 調 ベ 、Moの 増 加 及 びWの 添 加 が 炭化 物 の 凝集 粗 大 化 を 抑 制 す る こ と を 明 ら か に し た 。 こ の 結 果 に 基 づ き 、C、Si、Nbを 低減 し 、 Moを増加しWを添加しllCr―1.2Mo−0.3W−O.2V―0.05Nb―O.05N鋼を開発し、593℃、
105hクリープ破断強度150hIPaを達成した。
第5章 は 、625℃ 超 々 臨 界 圧 蒸 気 夕 ー ビ ン ロ ー 夕 用 と し て 超 高 強 度12Cr耐 熱 鋼 を 開 発 し た 研 究 で あ る 。593℃ よ り も さ ら に 高 温 で 使 用 す る た め 、炭 化 物 の微 細 分 散 と マ ル テ ン サ イ ト 母 相 へ の 固 溶 効 果 を 狙 い と し て 、Wを 高 め た 材料 を べ ース に し てN、B及 びCoの 影 響 に つ い て 研 究 し た 。 そ の 結 果 、Nの 低 減 、B及 びCoの 添 加 は 、 ク リ ー プ 破 断 強 度 を 著 し く 高 める こ とを 明 ら かに し た。 そ し て、 電 子 顕微 鏡 観 察 及 びEDX分 析 に よ っ て 、 炭 化 物 中 のWの 富 化 とM23(CB)6の 析 出 に よ り 、 炭 化 物 の 凝 集 粗 大 化 を 抑 制 し 、 ク リ ― プ強 度 を増 加 さ せる こ とを 示 し た。 こ れ によ り、llCr―2.6W―2.5Co−0.2Moー0.2V―0.lNb−0.02NーO.015B鋼を開発した。
第6章 は 、 蒸 気 夕 ー ビ ン 用 口 一 夕 材 よ り さ ら に 高 い 耐 高 温 ク リ ―プ 性 能 が要 求 さ れ る 、 高 温 ガ ス タ ー ビ ン デ ィ ス ク 用高 強 度12Cr系 耐 熱 鋼の 研 究で あ る 。@MOと Vの 炭 化 物 に よ る 強 化 、 ◎NbC炭 化 物 の 微 細 分 散 で ク リ ― プ 強 度 が 向 上 、 ◎Vは 衝 撃 値 を 低 下 さ せ る 、 @Nbは オ ー ステ ナ イト 結 晶 粒を 微 細 化さ せ 靭性 を 高 める 、 な ど の 新 知 見 を 明 ら か に し た 。 こ れ ら に 基 づ い て 、 従 来 鋼 のvを 低 減し てMoを 増 加し、さらにNbを添加した高強度12Cr―2.5Ni−2Mo−0.2Vー0.08Nb―N鋼の開発に成功 し た 。 新 耐 熱 鋼 の450℃ 、l05hク リ ー プ 破 断 強 度 は569Mpaと 著 し く 高 く 、新12Cr 耐熱鋼製ディスク4台が実用プラントに採用されている。
第7章 は 高 温 ガ ス タ ー ビ ン 用 高 靭 性12Cr鋼 デ ィ ス ク 材 の 研 究 に つ い て述 べ た 。 前 章 で 開 発 さ れ た 新12Cr耐 熱 鋼 の 低 温 靭 性を さ らに 高 め るた め 、12Cr耐 熱 鋼 のSi とMnを 低 減 し 、 且 つ 非 金 属 介 在 物 を極 限 まで 低 下 する 、 い わゆ る スー パ ー クリ ー ン 化 を 行 い 、 靭 性 及 び 耐 脆 化 特 性 が 著し く 改善 さ れ るこ と を明 ら か にレ た 。 この 試 作 鋼 に よる 大 型 ディ ス クは 、 低 温靭 性FATT値が −9〜 −11℃ と極 め て 優れ て い る ことを示した。
こ れ を 要 す る に 、 著 者 は 、 フ ェ ライ ト 系耐 熱 鋼 の一 層 の 高靭 性 化、 高 強 度化 に 成 功 し た も の で あ り 、 金 属 材 料 学 の 進 歩 に 貢 献 す る と こ ろ 大 で あ る 。 よ っ て、 著 者 は、 北 海 道大 学 博士 ( 工 学) の 学位 を 授 与される 資格ある ものと認 める。