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工業用有機リン酸エステル類の環境化学的研究

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Academic year: 2021

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

工業用有機リン酸エステル類の環境化学的研究

石川, 精一

https://doi.org/10.11501/3064614

出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

ヨ二三長

F

日手ヨ「務髭リニノ蕗変こc.:;えラニノレ美頁

OJ

王策与量イ七全学白勺1VF多記

平 成4年2月

石 川 精 一

(4)

第 1章 結 論

ーーーー一一一ーーーーーーーーーーーーー. 一一一一一一一一ーーーーーーーーーーーーー一一一ー

ーーーーーーーーー・ーーーーーーーーーー一一ーー一一一一

第 2主主 環 境i試料t[tの 有 機 リ ン 俄 エ ス テ ル 類

(0 

P E) の 分 析 法 の 開 発 6 

2.  1 序 ・"ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑‑‑‑‑‑‑ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑

2 .   2 

実験 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一‑ーーーーーーーーーー

2.  2.  1 試 楽 及 び 装 置 一 ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ーーーーーーーーーーーーーーーーー合ーーーーーーー 7  2.  2.  2 抽 出 操 作 の 最 適 条 件 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ‑ 7  ( 1 )  水 試 料 ーー ー ー 一 一 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ‑ 7  ( 2 )  底 質 試 料 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 一 ‑

2 .   2 .   3 

妨 害 物 質 の 除 去 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー ー 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 一 ー

8  2 .   2 .   4 

ガスクロマトグラフ

(G  C)

及 び マ ス フ ラ グ メ ン ト グ

ラフ (M F)分 析 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ーーー ー 一 一 一 一 ー 9  2.  2.  5 試 料 の 保 存 性 一 一 ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー 一 一 一 ー ー ‑‑ 一 一‑14  2.  3  結 果 と 考 察 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー ー 一 ー ー ー ー ー 一 一 一 ‑‑ 一 一 一 一 ー14 

2.  3. 

2.  3.  2  2.  3.  3  2.  3.  4  2.  3.  5  2.  4  総 括

G Cカ ラ ム 液 相 一 ー ‑‑ 一 一 一 ‑‑ 一 一 ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ‑ 一 ー ー ー ー ー ー 一‑14  抽 出 溶 媒 ‑ 一 一 一 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー ー ー ー 一 一 ー ー 一‑16

フ ロ リ ジ ル カ ラ ム に よ る 妨 害 物 質 の 除去 一 一 一 一 一 ー ー‑17 添 加 回 収 率 及 び 検 出 下 限 ‑ 一 一 一 一 ‑ ー 一 一 一 一 一 一 一 ー ー ー ー‑19  試 料 の 保 存 性 ー ー 一 一 一 一 一ー ー ー ー ー 一 一 一 一 一 一 ー ー ー ー 一 一 一 ‑2 0 

ー‑2 1 

第 3章 都 市 域iこ お け る 河 川 水 , 海 水 及 び 底 質 試 料 中 のO P Eの 定 量 分 析23 

3.  1 序 ‑ーーーーーーーーーーー一‑ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑ーーーーーー‑ーーー‑2 3  3.  2  実 験 ‑ 一 ー ‑‑‑‑司ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑2 5  3.  2.  1 試 料 採 取 地 点 及 び 採 取 方 法 ー ー 一 一 一 一 一 司 ー ー ー 一 一 一 一 一 ‑2 5  3.  2.  2 分 析 方 法 ーーー一ーーーー一一ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー"ーーー‑‑‑‑25 

(5)

3.  3  結果と考察 一ーーーーー‑ーーーーー一一一一‑‑‑‑ーーーーーーーーーーーーーーーー一一一一‑2 5  3.  3.  1 河川水 ーーー一一ー・ーーーーーーー齢ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑2 5  3.  3.  2 海水 ーーーーーーー一一‑ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一一ー‑‑3 1  3.  3.  3  底 質 ーーーーーー畑一ーー一‑ーーーーーーーーーーーーーーーー,ーーーーーーーーーーー一一一‑3 1  3.  4  総 指 一ーー一一一一一一一一一一一一一一一一ーー一一一ーー一一ーーーー,ー‑33 

第4章 OP E発生源の調査 一一一一一一一一一一一一一一一一ーー一一一一‑36 

4.  1 序 ‑ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑‑‑・ーーーーーーーー‑ーーーー‑‑‑‑‑ーーーーーーーーー‑3 6  4. 2  実験 ・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一一ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑ーーー‑‑‑3 6  4.  2. 1 北九州市域の工場排水及び生活排水の処理と放流経路 3 6  ( 1 )  工場排水 ‑一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一‑3 6  ( 2 )  生活雑排水 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一‑36  ( 3 )  し尿 ー一一ーー一一一一一一ー‑‑‑一一一一ーーーー‑一一一一一一‑38  4.  2.  2 調査対象事業場及び採取方法 一‑‑‑ーー一一一一ーーーー一一‑3 9  4.  2.  3  分析方法 ‑一一一一一一一一一一一一一一一ーー一一一一一一‑39  4.  3  結果と考察 一一一一一一一一一一一一'ー一一‑‑一一一‑‑一一一一一‑3 9  4.  3.  場排水 一ーーー一一一一一一一一一一一一一‑ー一一一一一一‑39  4‑.  3.  2  下水処理場流入水及び放流水 一一一一一一一ーー一ーーー一‑46  4.  3.  3  し尿処理施設流入水及び放流水 一一一ーー一一一一一ー‑‑‑‑46  4.  3.  4  排水の負荷及び環境汚染への寄与 ーーーーーーーーーーー一一一‑5 0 

4.  4  総 括 ‑‑5 1 

第5章 水処理過程における OPEの挙動に関するモデル実験 一一一一‑5 3 

5.  1 序 ‑ーーーーーーーーー‑ーーーーーーーー四ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ー一ーーーーーー‑‑‑5 3  5.  2  実験 ・ー一一ーーーーーー‑ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‑ーー一一一‑54  5.  2.  1 試薬及び装置 ‑‑‑ー一一ーー一一一ーーーーーーーーーーー一一回国一一一‑54  5.  2.  2  検水中のOPEの定量 ーーーー一一ーーーーーーーーーーーーーーーーーー一‑. 5 6 

5.2. 

3  O PEの物性 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一一ーーーーし

7  ( 1 )  オクタノール/水分配係数 一一ーーーー一一ーーーーーーーーー一一 5 7 

11 

(6)

( 2 )  ( 3 )  5.  2.  4  ( 1 )  ( 2 ) 

5 .   2 .   5 

5.  2.  6  5.  2.  7  ( 1 )  ( 2 ) 

5 .   2 .   8 

( 1 ) 

(  2  ) 

5.  2.  9  ( 1 ) 

(  2  ) 

水 溶 解 皮 ‑一一一一一一一一一一一一ーーーーー‑一一一ー‑一一一 57  紫 外 吸 光 係 数 ーー一一一ー,一一一一ーー一一ーー一一一一一ーー一 57  活 性 汚 泥 に よ る 生 分 解 ーーーーーー一一ーー一一一一一ーー一ーー一‑5 8  初 期 生 分 解 一一一一一一一唱ー一一一一一一一一一一一一一‑5 8  馴 養 後 の 生 分 解 一一一一一一一‑ー一一ーー一一一一一一一一‑5 8  酸 及 び ア ル カ リ 分 解 処 理 ‑一一一一一一一一一一一一一一‑5 9  凝 集 沈 澱 処 理 一一一ーー一一一一一一一一一ー一一一一ーー一‑5 9  活 性 炭 に よ る 吸 着 一一一ーー一一一一一ーー一一一一一一一一‑59  競 合 吸 着 ‑ー‑一一一一一ーー一一一一‑‑一一一一一一一一一一‑59  平 衡 吸 着 ‑一一一一一一一一一一一一一一一一ーー‑ーーー一一一‑59  紫 外 線 照 射 ーーーー一一一一一一一一一一一一ーー一一一‑一ー一‑60 

OPE

の 紫 外 線 分 解 ー一一ーー一一ーー一一一一一一ー'一ー‑‑.

6  0 

紫 外 線 分 解 生 成 物 一一一一一一一ーーーー一一ーー一一一ーー一一

6 0 

塩 素 処 理 ‑一一一一一ーー一一一一一一ーーー一ーー一一一

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 60  p H  

の影響 ‑ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 60 

塩 素 濃 度 の 影 響 一一一一一一一一ー"一ーー一一一一ー‑一一ーー‑60  ( 3 )  処 理H寺問の影響 ーー一一ーーーー一一一一ーー一一一一一一一一一‑60  5.  3  結 果 と 考 察 ‑‑ー一一一一一一一一一一一一一一一一ーー一一ーー国ー一一‑6 1 

5.  3.  1 検 水 か ら の 回 収 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一‑6 1 

5 .   3 .   2  OPE

の 物 性 一ーーーーーーーー一一一ーーーー一ーーーーーーーーーーーーー一一

6 1 

5.  3.  3 活 性 汚 泥 に よ る 生 分 解 一一一一一一一一ーー一‑‑一一一一一‑6 3  ( 1 )  初 期 生 分 解 ‑一一一一一一一一ーーーー一一一一一ーー一一一一一‑63 

(  2  ) 

馴 養 後 の 生 分 解 一一一一ーーーー一一一一ーー一一一一一一一‑‑‑

6  3 

( 3 )  生 分 解 実 験 中 の 活 性 汚 泥 の 性 状 変 化 ー一一ーー一一ーー一一‑65  5.  3.  4  酸 及 び ア ル カ リ に よ る 分 解 処 理 ‑ーーーーーーーーーーーーーーーーー一一‑6 7  5.  3.  5  凝 集 沈 澱 処 理 一ーー一一一一一一ーー一一一‑‑一一一一一一一‑70  5.  3.  6  活 性 炭 に よ る 吸 着 ‑ーーー一一一一一一一ーーー‑‑‑一一ーー一一一‑73  5.  3.  7  紫 外 線 照 射 ・ーー一一一一一一一一一一一一一一一一ーー一一一‑76  ( 1 )  0 P Eの 紫 外 線 分 解 ー一一一一一一一一一一一一ーー一一一 76 

(  2  ) 

紫 外 線 分 解 生 成 物 一‑一一一ーー一一一ーー一一‑‑一ーーーーーー・

7  8  5.  3.  8 

塩 素 処 理 ‑ーーーーー一一一ーーーーーーー一一一一ーー一一一一一一一

‑ 85 

111 

(7)

( 1 )  pII  の影響 ‑‑ーーーーーーーーーーーーーー一ーーーー‑ーーーーーーーー一一ーーーーー‑8 5  ( 2 )  塩 素 濃 度 の 影 響 一 ー ー 一 帯 ー ー ー ー ー ー ー 一 一 ー ー ー ー 一 一 一 一 一 一 一 一‑87  ( 3 )  接 触 時 間 の 影 響 一 一 一 一 一 ー ‑ 一 一 ー 一 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ‑8 7  ( 4 )  塩 素 処 理 生 成 物 一 一 一 一 一 一 一 一 ー ' 一 一 ー ー 一 一 一 一 ー ー 一 一 ‑8 9 

5. 4  総 括 ‑95 

6

章 結 論 一 一 ー ー ー ー ー ‑ 一 一 一 一 ー 一 一 一 一 一 ー ー ー ー 一 一 一 一 一 ー ー 一 一 一 ‑‑

9  8 

引 用 文 献 ー ー 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 ‑‑‑ ‑ 一 一 一 ‑ ー 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 一 一 一 一 102

IV 

(8)

多自

主主 来者 詰

i t z

人 類 が 作 り 出 し た 化学 物 質 は 数 百 万 種 に も 及 ぶ と 言 わ れ , さ ら に , 年 々 約

1 0

万 種 も の 新 た な 化 学 物 質 が 人 類 の 生 活 の 向 上 に 寄 与 す る た め に 開 発 さ れ て い る 。 化 学 物 質 の 中 に は そ の 有 用 性 の 反 面毒 性 を 有 す る も の が あ り , 古 く か ら 製 造 や 流 通 ・ 取 抜 の 場 で の 危 険 防 止 の 注 意 が 払 わ れ て き た 。 し か し , 化学 物 質 の 利 用 の 結 果 と し て , あ る い は 利 用 後 の 廃 棄 に よ っ て , 化学 物 質 そ の も の あ る い は そ れ か らj沈 導 さ れ た 物 質 が 環 境 を 約 染 し , 人 類 の 仏

t t J

ぷと安全 に 倫威 を 与 え る と い う 新 し い 問 題 が 生 じ て き た 。

BHC

DDT

あ る い は ア ル キ ル 水 銀 な ど の 残 留 農 薬 の 生 態 系 へ の 影 響 が 顕 在 化 し , ま た , P C Bに よ る 地 球 的 規 模 で の 汚 染 が 明 ら か に さ れ る な ど , 化 学 物 質 の 利 用 と 環 境 保 全 の 関 係 に 対 し て 地 球 規 模 で 重 大 な 関 心 が 寄 せ ら れ る よ う に な っ た 。 わ が 国 に お い て も , P C Bによる 汚 染 を 契 機 に 化 学 物 質 全 般 に つ い て の 環 境 安 全 対 策 の 必 要 性 が 強 く 認 識 さ れ る

よ う に な り , 昭 和 48年 に 「 化 学 物 質 の 審 査 及 び 製 造 等 の 規 制 に 関 す る 法 律 (化審法) Jが制定された。

環 境 庁 に お い て も , 昭 和

4 3

年 に 制 定 さ れ た 大 気 汚 染 防 止 法 あ る い は 昭 和

4 5

年 制 定 の 水 質 汚 濁 防 止 法 等 に 基 づ く 環 境 調 査 と と も に , 一般 環 境 保 全 の 立 場 か ら

PC  B

, 

B  1 ‑ 1  C

, 重 金 属 な ど の 有 害 物 質 の 調 査 が 行 な わ れ て き た が , 化 審 法 の 施 行 に 合 わ せ て , 水 質 汚 消 防 止 法 や 大 気 汚 染 防 止 法 な ど の 対 象 に な っ て

い な い 化 学 物 質 対 策 の 調 査 ・ 研 究 を 実 施 す る こ と に な っ た 。

こ の プ ロ ジ ェ ク ト で は 数 百 万 種 に も 及 ぶ 化 学 物 質 の う ち , 有 害 化 学 物 質 約 8500種 の 中 か ら 生 産 量 や 用 途 を も 考 慮 し て 約 2000種 を 選 び , 環 境 庁 で 分 析 法 の 開 発 と 環 境 調 査 を , 通 産 省 で 環 境 中 に お け る 挙 動 調 査 と 生 分 解 性 テ ス ト を , 厚 生 省 で 生 物 濃 縮 性 テ ス ト と 毒 性 テ ス ト を 担 当 し ,

1 0

年 計 画 で 調 査 と 研 究 を 実施している。

わ が 国 に お け る 社 会 環 境 の 工 業 化 , 都 市 化 の 急 速 な 進 展 は 多 く の 環 境 汚 染 問 題 を 引 き 起 こ し た 。 こ れ に 対 処 す る べ く 水 環 境 に つ い て は 排 水 基 準 や 環 境 基 準 が 設 定 さ れ , そ の 基 準 達 成 の た め , 下 水 道 の 整 備 , 廃 水 処 理 方 法 の 開 発 や 処 理 装 置 の 設 置 等 多 く の 施 策 が 行 な わ れ て き た 。 し か し , こ れ は 視 覚 や 臭 覚 で 感 知 で き る 程 度 の 高 濃 度 の 一 般 有 機 汚 濁 物 質 や 鉱 害 な ど で 知 ら れ て い る 有 害 金 属 イ

(9)

オンやシアン化合物に対するものが主で,化学物質については, P C Bや 有 機

リ ン 系 農 薬 を は じ め と す る こ , 三 の 物 質 に つ い て の み 対 象 と さ れ て い る に す ぎ ず , 他 の 数 百 万 種 も の 化 学 物 質 に つ い て は 法 的 な 規 制 あ る い は 対 策 が 構 じ ら れ ないままに置かれている。

化 学 物 質 に よ る 環 境 汚 染 は ppbあ る い は ppt レ ベ ル の 低 濃 度 汚 染 の 場 合 が 大 部 分 で あ り , 人 や 生 物 へ の 影 響 を 問 題 と す る 場 合 , 多 く は 蓄 積 性 や 遺 伝 毒 性 , 生 態 系 の 変 化 と い っ た 長 期 的 な 視 点 で 見 な け れ ば な ら な い 場 合 が 多 い 。 そ の た

め に , こ れ ら の 化 学 物 質 に 対 し て 高 感 度 で 選 択 性 及 び 再 現 性 の 高 い 分 析 方 法 を 確 立 し , そ れ を 用 い て 環 境 中 の 微 量 濃 度 を 正 確 に 把 媛 す る こ と が 前 提 と な る 。

ま た , 環 境 中 に 流 出 し た 化 学 物 質 が 光 , 酸 素 , 生 物 な ど の 諸 条 件 に よ り ど の よ

うな形態に変化していくか,廃水の必〈流時や環境水の利用 H寺の用・廃水処理に

お い て ど の 程 度 減 少 し , ど の よ う に 変 化 し て い く か を 調 べ て お く こ と も 重 要 で あ る 。 さ ら に , 人 や 生 物 , 生 態 系 へ の 影 響 が 明 白 な 場 合 に は 発 生 源 と そ の 流 出 経 路 を 調 べ , そ の 除 去 対 策 を も 検 討 す る こ と を 迫 ら れ る で あ ろ う 。 こ の よ う な 観 点 か ら , 重 化 学 工 業 都 市 で あ り , ま た , 水 産 資 源 が 比 較 的 豊 富 な た め 化 学 物 質 に よ っ て 汚 染 さ れ た 魚 介 類 が 流 通 す る 可 能 性 が あ る 北 九 州 市 を モ デ ル 都 市 と し て , 都 市 環 境 に お け る 化 学 物 質 の 動 態 を 総 合 的 に 把 慢 す る 目 的 で , 開 放 系 で 広 く 使 用 さ れ て い る 化 学 物 質 の 代 表 と し て 有 機 リ ン 酸 エ ス テ ル 類

(0 P  E)

を 選 び 環 境 水 系 中 の 分 布 を 調 査 し , 環 境 水 中 で の 自 然 分 解 及 び 除 去 処 理 工 程 に お , け る 分 解 反 応 挙 動 に つ い て 研 究 を 行 な う と と も に そ の 動 態 に つ い て 考 察 し た 。

O P Eは , プ ラ ス チ ッ ク 製 品 の 可 塑 剤 や 繊 維 製 品 の 難 燃 加 工 剤 と し て 民 生 用 工 業 製 品 に , ま た , 工 場 で は 抽 出 溶 剤 や 重 合 触 媒 , 潤 滑 油 添 加 剤 と し て も

! 1 r

日さ れており 1〉,さらに,水に対する溶解性が

PCB

よ り も 高 い た め , 環 境 水 を 経

[(Jしての広域的な汚染が懸念される化学物質である。 O P Eはリン隊の水般基‑

を ア ル コ キ シ ル 基 や ア リ ー ロ キ シ ル 基 で 置 換 し た 化 学 構 造 を 有 し , ア セ チ ル コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 阻 害 を 示 す 有 機 リ ン 系 農 薬 の 構 造 と 類 似 し て い る た め , 生 理 活 性 が 比 較 的 高 い こ と を 推 測 さ せ る 。 事 実 , 難 分 解 性2)3)の リ ン 酸 ト リ ス ( ジ

クロロプロピル) ( C 

P) は 遺 伝 毒 性4)を 有 し , 生 物 濃 縮 さ れ や す い3)5)リ ン 酸 ト リ ク レ ジ ル (T C P) は 神 経 毒 性6)を 有 す る 。 ま た , リ ン 酸 ト リ ブ チ ル

(TBP)

, 

CRP

, リ ン 酸 ト リ フ ェ ニ ル

(T P  P)

の メ ダ カ 及 び キ ン ギ ョ に 対する

9 6 n

寺問

L D

50

1 ' " ' ‑ '10μg/mL

で , 有 機 リ ン 系 農 薬 の マ ラ ソ ン や ジ メ

n /

(10)

トエートと同松皮であり, この濃度・レベルで脊純'骨の奇形も発現したことが報 告 さ れている7)。しかも,

L e b e  1

8) らは人の脂肪組織 115試 料 中 31試 料 か ら

CRP

を平均

2 8 . 7n g / g

検出したことを報告しており,

0  P  E

による人や生 物 へ の影 響が危倶さ れる。環境庁の化学 物 質 環 境 調 査 で は , 昭 和 50,52, 53  年度 の 調査対象品目 に指定されて調査が行なわれたがれ 1 1〉,これらの調査で

は対象

OP E

の種 類も少なく, 一つ の 都市を詳細に制査していないため, われ わ れ が 銭 す る 身 近 な生 活 環 境の濃度レベルがど の 程 度 で あ る か判断する にはあ い ま い な 点 が 多 い 。 ま た , 分 析 操 作 方 法 や 使 用 し た 機 器 の 検出限界の点で検出 されなかった

OP E

も考えられ, 0 

P  E

による汚 染の実 態 を明確にするこ とは できなかった。また, 0 P Eの発生源 や 環境中 及 び種々 の 水 処理 工 程 に おける 動 態 に つ い て は ほ と ん ど 調 査 さ れ て い な く , 除去技 術 の 開 発 や 人や生態系への 影 響 を 評 価 す る 上 か ら も , 汚 染 の実態 や 発生源、 環境

r f

t及 び 水 処 理工程におけ る 動 態 に つ い て 明 確 に す る 必 要 が あ る 。 こ う し た

OP E

の 動 態 に 関 す る 総合的 な 調 査 の 成 果 は , 同 機 な 用 途 で 使 用 さ れ て い る 他 の 化学物質の 環 境 中 における 動 態 を 予 測 す る上でもきわめて有用である。

本 論 文 は , 北 九 州 市 域 環 境 水 の 予 備 調 査 で 検 出 さ れ た T B P, リ ン 酸 ト リ ス

(  2 ‑

クロロエチル)

(TCEP)

及 び

CRP

3

物質の ほ か に 使 用 頻 度 の高 い ア ル キ ル 鎖 の 長 い リ ン 酸 ト リ オ ク チ ル

(TOP) 

, 疎 水 性 が高いアリ ール 型 の

TPP

及 び

TC  P

, 生 物 分 解 し に く く 環 境 水 中 に 残 留 す る ことが予想 さ れ る 塩 化 ア ル キ ル 型 の リ ン 酸 ト リ ス ( ク ロ ロ プ ロ ピ ル )

(TCP P )

の 4物質を 加 え た

7

種 類 の

o P  E 

(用途などについては

T a b l e

1‑1に示 した)について,

高 感 度 で 選 択 性 及 び 再 現 性 の 高 い 分 析 方 法 を 用 い て , 北 九 州 市 域 の 環 境 中 の 残 存量を 把 尿 し , あ わ せ て , こ れ ら の

OPE

の発生源 と 水 処 理 過 程 に お け る挙動 について調査・研究を行なった結果をまとめたもので, 6主主から成っている。

本 章 で は 研 究 の 目的 及 び 意 義 を 述 べ た 。 第 2主主で は , 水 試 料 及 び 底質試 料I~I の 7種 類 の

OPE

n g / L

及 び

n g / g

濃 度 レ ベ ル で の 同 時 定量方 法 に つ い て 検 討 し た 結 果 及 び 抽 出 溶 媒 や ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ

(G C)

のカラム液相の選択,

ク リ ー ン ア ッ プ 方 法 , マ ス フ ラ グ メ ン ト グ ラ フ ィ ‑ (M F) を 用 い た 微量

OP

Eの 確 認 方 法 に つ い て 述 べ た 。 第 3章 で は , 開 発 し た 分 析 方 法 を 用 い た 北 九 州 市 域 の 河 川 水 , 海 水 及 び 底 質 中 の

OP E

濃 度 の 測 定 結 果 に つ い て 述 べ , 第

4

章 で は , 発 生 源 と 考 え ら れ る 工 場 排 水 , 下 水 処 理 場 排 水 , し 尿 処 迎 施 設 排 水 ,

2

n︿u

(11)

Table  1‑1.  Properties  and  use  of  OPE, (RO)3P=01) 

Spaci fic  b. p.  (760 mmIIg) 

OPE  P(OR)3  M. W.  gravi ty  CC)  Use  (20 OC) 

TBP  n‑C411 266  0.978  289  Plasticizcr  for cellulosics  and chlorinated  rubbers,  TCPP  C311C 1‑ 328  1. 290  Flame  retardant 

(Isomers) 

TCEP  CII2CICII2‑286  1. 429  210~220 Flame  retardant  for  PVC,  (20  mmHg)  polyurethane  foam 

TOP  n‑CI1 I 434  0.920  220~250 Plasticizer  for  PVC  and  (5  mmHg)  synthetic  rubbers 

CRP  C3 H5 C 1 431  1. 504  Flame  retardant  for  PVC,  (Isomers)  polyurethane  foam 

TPP 

326  1. 185  Flame  retardant  for  PVC,  (25 OC)  cel1ulosics, synthetic 

rubbers, phenolics and PPO 

resln 

TCP  368 1. 16~ 1. 17 420  Plasticizer  for  PVC wall  paper  and  film  for 

(Isomers)  agricultural  use 

庭 雑 排 水 等 のO P E濃 度 の 測 定 結 果 及 び そ れ ぞ れ の 環 境 水 汚 染 へ の 寄 与 に つ い て の 考 察 を 述 べ た 。 第 5掌 で は , 既 存 の 用 ・ 廃 水 処 理工 程 に 用 い ら れ る 活 性 汚 泥 処 理 , 般 及 び ア ル カ リ 分 解 処 理 , 凝 集 沈 澱 処 理 , 活 性 炭 処 理 , 紫 外 線 照 射 ,

‑4‑‑

(12)

塩 素 処 理 の モ デ ル 実 験 を OPEに つ い て 行 な い , 各OPEの 分 解 に 対 す る 処 理 条 件 の 効 果 を 明 ら か に す る と と も に , 加 水 分 解 , 紫 外 線 分 解 及 び 塩 素 処 理 生 成 物 の 同 定 を 行 な い , 廃 水 中 の OPEの 環 境 水 中 へ の 流 出 割 合 や 上 水 用 原 水 か ら 飲 用 水 中 へ の 流 入 割 合 の 推 測 , 環 境 水 中 に お け る 運 命 予 測 , さ ら に は , 0 

E  廃 水 の 処 理 方 法 開 発 の 指 針 を 提 案 し た 。 第 6章は以上の研究結果の総指である。

h

υ

(13)

多怠 2 主言~i-

1 5

詫;民党言dに来三千中

0:>

→ 

0:>

タ〉ノ

f f i

之友

。〉日目多~

2.  1 Jj'; 

O P Eの よ う に 主 と し て 日 常 の工 業 製 品の 添 加 剤 と し て 使 用 さ れ て い る よ う な 化 学 物 質 に よ る 環 境 汚 染 は , ppbあ る い は ppt レ ベ ル の 極 低 濃 度 で あ る こ と が 予 想 さ れ , 特 に , 汚 染 物 質 に よ る 人 や 生 物 に 対 す る影 響 を 主 体 と し て 汚 染 状 況 を 正 { 確 に 把 援 す る に は 高 感 度 で 選 択 性 及 び 再 現 性 の高い 分 析 方 法 の 確立 が J

必 須 で あ る 。 ま た , 環 境 試 料 の 保 存 方 法 も 検 討 す る 必 要 が あ る 。 一 般 に , 環 境 試 料 中 の 化 学 物 質 を 分 析 す る に は , 妨 害 す る 他 の 有 機 物質を除 き , 対 象 物 質 に つ い て 十 分 な 感 度 と 選 択 性 を 有 す る 検 出 方 法 を 選 び 出 さ な け れ ば な ら な い 。 ま た , 分 析 ・ 検 出 に お け る 困 難 の 度 合 は , 対 象 物 質 の 濃 度 の 低 下 と と も に 急 激 に 増大し, ppb, pptレ ベ ル の 濃 度 に お い て は , 分 析 の 精 度 と 再 現 性 を 維 持 す る

た め に は , 高 水 準 の 技 術 と 対 応 す る 高 性 能 の 分 析 機 器 を 必 要 と す る。

環 境 水 中 のO P Eの 分 析 に は , 第 一 段 階 と し て , 水 及 び 他 の 有 機 物 質 か ら の 分 離 と 濃 縮 を 兼 ね た 溶 媒 拙 出 操 作 が 必 要 で あ る 。 比 較 的 極 性 が 強 く 水 に 溶 け や す い T C P P,TCEp12)13)や 底 質 へ の 吸 着 性 が 強 いTP P, T C P 12) " J  4 )が あ る た め , 抽 出 溶 媒 の 選 択 に お い て は , 全 て のO P Eを 効 率 良 く 抽 出 で き

る こ と , 並 び に Kuderna‑Danish法 濃 縮 時 に O P Eが 揮 散 し な い よ う に 溶 媒 の 沸 点 な ど 操 作 法 上 の 諸 問 題 を 考 慮 し て 検 討 し た 。 分 析 に はG C法 を 選 び , 対 象 と す る 全 て のO P Eに 対 し て 分 離 効 率 の 高 い カ ラ ム 液 相 の 選 択 に つ い て 検 討 を 行 な っ た 。 水 試 料 や 底 質 試 料 中 の 他 の 有 機 物 質 に 比 べ , 0 P Eの 濃 度 は 遥 か に 低いレベルであるため, G C測 定 時 に 共 存 す る 有 機 物 質 に よ る 妨 害 が 予 想 、 さ れ

る 。 そ の た め , 検 出 器 に リ ン 選 択 的 な 炎 光 光 度 検 出 器 (F P D) を 用 い てO P

E

検 出 の 選 択 性 と 感 度 の 向 上 を 図 る と 同 時 に ,

G  C

妨 害 ピ ー ク を 除 く た め に フ ロ リ ジ ル カ ラ ム を 用 い た ク リ ー ン ア ッ プ 方 法 に つ い て 検 討 し た 。 pgレベルの O P E量 を 同 定 確 認 し な け れ ば な ら な い の で , F P D ‑ G Cの 保 持H寺間のほか にM F法 を 用 い て 同 定 の 信 頼 性 の 向 上 を 図 っ た 。

分 析 操 作 に 伴 う バ ッ ク グ ラ ン ド に つ い て は , 蒸 留 水 か ら C R Pが 131.....74500 ng/L, T P P が 5100~7200 ng/L, Super‑Q精 製 水 か ら リ ン 酸 ト リ ブ ト キ シ エ

‑6  ‑

(14)

チル (TBXP)が 105‑‑‑‑195  ng/L検 出 さ れ た 報 告15)が あ り , プ ラ ス チ ッ ク 製 の ロ ー ト 台 や ク ラ ン プ にOPEが 使 用 さ れ て い る 可 能 性 も あ る た め , 精 製 水 や 実 験 器 具 か ら のOPEの混入には特別の注意を払った。

2.  2 

~験

2.  2 .   1 

試 薬 及 び 装 鐙

OPEは 東 京 化 成 社 製 試 薬 l級品を用いた。 T B P,TCEP, T O P, T  C P  (異性体の混合物)は減圧蒸留により精製し, T P Pは 帯 溶 融 精 製 し て 使 用した。 TCPP及 びCRPは 市 販 試 薬 (異性体の混合物)をそのまま使用し た 。 有 機 溶 媒 は 残 留 農 薬 分 析 用 ま た は 試 薬 特 級 品 を 蒸 留 し て 使 用 し た 。 こ れ ら の有機溶媒からは, 200倍 に 濃 縮 し で も 分 析 対 象 のOPEはFPD‑GC法 で 検 出 さ れ な か っ た 。 精 製 水 は 水 道 水 を ヤ マ ト 科 学 社 製 WA‑715オ ー ト ス チ ル を 用 い て 精 製 し た 。 フ ロ リ ジ ル は キ シ ダ 化 学 社 製 (60‑‑‑‑100  mesh) を 130oCで

15時 間 加 熱 し て 活 性 化 し , デ シ ケ ー タ ー 中 で 放 冷 後 使 川 し た 。 然 水 硫 酸 ナ ト リ ウ ム は 試 薬 特 級 品 を 約 800oCで 4時間加熱し,放冷後使用した。 O P E標 準 液 は 各O P Eをアセトンに溶解して調製した。

G C装 置 は 日 本 電 子 ( 株 ) 製 JGC‑20KP, FPD‑111付 き 装 置 を , ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ / 質 量 分 析 計 (GC/MS)は 日 本 電 子 ( 株 ) 製 JGC‑20KP/JMS‑01SG‑2 GC/MS装置を使用した。

2.  2.  2 

l J i

: U

操 作 の 最 適 条 件 ( 1 )  水 試 料

試 料 3 Lを 5Lの 分 液 ロ ー ト に と り , ジ ク ロ ロ メ タ ン 100 mし ず つ で 10 分間, 2回 振 と う 抽 出 し た 。 抽 出 液 を 合 わ せ , 無 水 硫 酸 ナ ト リ ウ ム で 脱 水 し , Kuderna‑Danish濃 縮 器 (Fig.  2‑1) を 用 い て 常 圧 で 約 1mし に な る ま で 濃 縮 1

し た 。 窒 素 気 流 で ほ ぼ 完 全 に 溶 媒 を 除 去 し た あ と ア セ ト ン で 全 量 を 2mLとし,

G C及 びM F測定に供した。

( 2 )  底 質 試 料

試 料 50 g (泊i!と重量)を 300mLの 共 絵 付 き 三 角 フ ラ ス コ に と り , ア セ ト ン 100  mLで 30分 間 振 と う 抽 出 し た 。 抽 出 液 を ガ ラ ス ウ ー ル を 用 い て 総 過 し , 残 澄 を ア セ ト ン で 洗 浄 泌 過 し 全 量 を 250 mLと し た 。 泌 液 100 mLに精製水 1L 

‑7 ‑

(15)

を 加 え , ジ ク ロ ロ メ タ ン 100 mL ず つ で 10 分間, 2 @l振 と う fitllUした。 fullfJ 液 を 合 わ せ , 以 下 水 試 料 と 同 様 に 操 作 し て

GC

及 び

MF

測定に供した。

0 5  10 15Cm 

S P C   1

S P C   1 4  

Ta

u 

ハUU

噌目﹃A

Fig.  2‑1.  Kuderna‑Danish evaporative concentrator. 

2.  2 .   3 

妨 害 物 質 の 除 去

GC

ク ロ マ ト グ ラ ム 上 に 妨 害 ピ ー ク が 見 ら れ る 場 合 , フ ロ リ ジ ル カ ラ ム を 用 い た ク リ ー ン ア ッ プ を 次 の 操 作 で 行 っ た 。 2.2.2で 溶 媒 を 除 去 し た あ と の 抽 出 物 を 少 量 の ベ ン タ ン に 溶 か し , 無 水 硫 酸 ナ ト リ ウ ム を上部 に

1

cm の 厚 さ で 積 層 し た フ ロ リ ジ ル カ ラ ム (内径 1cm,長さ 10 cm) 上 に 移 し た。はじめに,

ジ ク ロ ロ メ タ ン 含 有 ペ ン タ ン (10 

v / v

児)を 2 mL/min の 流 速 で 100 mL 通 し て 洗 浄 を 行 な い , つ ぎ に , エ チ ル ア ル コ ー ル 含 有 ジ ク ロ ロ メ タ ン (1  v/v%) 

δ

(16)

100 mL を 同 じ 流 速 で 通 し O P Eを 流 出 さ せ た 。 流 出 液 は 2.2.2と 同 様 に し て 溶 媒 を 除 去 した あ と ア セ トン を 加 え 全 量 を 2mLとし, G C及 びM P測 定 に 供J

した。

2.  2.  4  G C及 びMF分 析

G C及 びMF測定 は次の条件で行ない, 試 験 液は 5μLを 注 入 し た 。 検 量 線 はO PE標 準液 の濃 度とピーク高 さより作 成 した。

< G C条 件 >

カラム

注 入 口 温 度 カ ラ ム 温 度

2見OV‑17

2出PZ‑179 / Uniport IIPS (60~80 mesh) 

, 

2 mm  i.d.  x 2 mガ ラ ス カ ラ ム .

300  oC 

定 性 の 場 合 200~300 oC,昇温 10oC / m i n. 

定 量の 場 合 T B P, 210  oC  ; T C P P, T C E P,  235  oC  ; T 0 P, C R P , 290  oC  ; T P P, T C P ,  310  oC. 

検 出 器 温 度 :  300  oC 

キ ヤ リ ヤ ー ガ ス : 窒素 流 速 40mL/min. 

< M F条 件 >

カラム

注 入 口 潟 度 カ ラ ム 温 度

キ ャ リ ヤ ー ガ ス : イ オ ン 化 エ ネ ル : ギー

2児OV‑17

2見PZ‑179/ Uniport HPS  (60~80 mesh) 

, 

2 mm  i.d.  x 2 mガ ラ ス カ ラ ム .

250  oC 

T B P , 210  oC  ; T C P P, T C E P, 235 oC  ;  T 0 P, C R P , 290  oC  ; T P P, T C P , 3 ,10 oC.  ヘ リ ウ ム , 流 速 20mL/min. 

75  eV 

‑9 ‑

(17)

マ ス フ ラ グ メ ン :

TBP 

m/z 99, 155, 211 ; 

ト 特 性 イ オ ン

TCPP 

m/z 99, 125, 277 ; 

TCEP 

m/z 99, 125, 249 ; 

TOP 

m/z 99, 323 ; 

CRP 

m/z 99, 321, 381

TPP 

m/z 170, 233, 326

TC P 

m/z 261, 368 

(Fig.  2‑2, 2‑3, 2‑4 2‑5)

D

nD

 

T

99 

155  50 

冶4

2∞ 

.

150 

〉、

+>  100  50 

(/.) 

100 

+Q) >  211 

p4 Q)  so 

;:> 

.~・4

+

‑‑< 

Q) 

0::::  200 

m/Z 

Fig.  2‑2.  Mass  spectrum of  TBP. 

‑ 10 ‑

(18)

p a   p a  

ρ

TE

10Cq‑ 99  125 

157  50 

~ミ

+J3 

F吋 50  100  150  2∞ 

cn  100  (J) 

+>  277 

QJ  50 

ro 

4

(J) 

ρ::::  200  250 

3∞  350 

m / Z  

TCEP 

109 

63  50  治4

〉、

2∞ 

+.....>.   50  100  150  cn 

100  (J) 

+> 

...... 

(J)  50 

.......  +> 

(J4) 

:::: 200  250  3ω 

m / Z  

Fig.  2‑3.  Mass  spectra of  TCPP  and TCEP. 

‑11  ‑

(19)

1001 199 

T O P  

5

113 

:

50 

L U  

100  150 

100 

50  323 

4 211  .

〉、

3∞  JSO 

~ 200  250 

. ......   

CI) 

Q) 

~

.......  Q)  50 

....... 

~ 434 ",+ 

ro 

Q) 

:::: 350  4∞  450 

m / Z  

'01) 75. I 

I fl  11

C R P  

135 

111 

. 寸一一← 2

so  100  150 

209 

321  50 

4 .

:>. 

11 

~ 350 

200  250  3∞ 

. ......  CI) 

100 

Q) 

~ ...... 

381  Q) 

50 

........ 

~ ro 

431

  φ

 

" '

園剛司

Q)  11. 

=: 350  4∞  450 

m / Z  

Fig.  2‑4. 

M a s s   s p e c t r a  o f   T O P   a n d   C R P .  

‑12  ‑

(20)

S

. .  

〉、

~

u

(l) 

~ ...... 

(l) 

~

‑ 四 噌

(l) 

4

4

+J

.......  ω 

Q) 

~ ...... 

(l) 

+J 

C3

(l) 

α= 50 

50 

50 

200 

100 

50 

SO  100 

50 

200 

50 t

3S0 

TPP 

77  94 

170 

100  150 

L

→ 2∞ 

M

215 

250  3∞ 

m/Z 

TCP 

77  t08  165 

100  150  2∞ 

250  3∞  350 

1368  M

361 

4∞  450 

m/Z 

Fig.  2‑5.  Mass  spectra of  TPP and TCP. 

‑13  ‑

(21)

2 .   2 .   5 

試 料 の 保 存 性

精 製 水,河川水及び海 水 500

m

し を そ れ ぞ れ 1Lの共 栓 付き三角フラスコ に入れ, 各OP Eを 10μgずつが!え た 。 密 絵 を し て マ グ ネ チ ッ ク ス タ ー ラ ー で 脱 伴 し な が ら 50oC のH音所 に 放置し, 経 時 的 に 50mし ず つ 分 取 し た 。 分 取 し た 試 験 被 は ジ ク ロ ロ メ タ ン 10

r n L

ずつで 2回nflllJし,お11山被を 合わせて 然 水 硫 酸 ナ ト リ ウ ム で 脱 水 後 , ほ と ん ど 乾回す る ま で溶媒を除去してアセトンで 全量を 2

r n L

とし, GC測定に供した。

2.  3 結 果 と 考 察

2.  3.  1  G Cカ ラ ム 液 相

O P E分 析 用 のG Cカラムについては, Saegerら5)が シ リ コ ー ン 油 OV‑17 を 用 い て 検 討 し て い る が , 本 研 究 の 対 象 と し た 7種 類 のO P Eについて,種々 の 固 定 相 液 相 を 用 い て 分 離 効 率 を 検 討 し た と こ ろ , 強 極 性 液 相 よ り も 低 極 性 シ

リ コ ー ン 油 系 液 相 が 良 好 な ピ ー ク を 与 え る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 シ リ コ ー ン 油 OV‑l, OV‑17, OV‑IOl, SE‑30で は , 液 相量が 増 加 す る ほ ど ガ ス ク ロ マ ト グ

ラ ム に お け る 分 離 は 良 好 で あ っ た が , た だT C P PとT C E Pとの分離が悪く,

テ‑リングも見られた。 一方 , 液 相 が ポ リ フ ェ ニ ル エ ー テ ル ス ル ホ ン 系 の pz‑

179の 場 合 に は C R PとT P Pとの分離は不十分であったが, T C P PとT C E Pと を 分 離 す る こ と が で き た 。 シ リ コ ー ン 油 の 中 で 熱 耐 久 性 の高い OV‑17 と PZ‑179と の 各 種 割 合 の 混 合 系 に つ い て O P E混合物の分離効率を検討し,

両 液 相 の 等 量 混 合 系 に お い て 7種 の O P Eに 対 し て 満 足 す べ き 分 解 効 率 を与 える G Cカ ラ ム を 得 た (Fig.  2‑6)。 な お , 液 相 量 は ガ ラ ス カ ラ ム へ の 充 填 操 作 の 容 易 さ を 考 慮 し て , 各 液 相 を 固 定 相 に 対 し て 2

w / w

児 と し た 。 ま た , 窒 素

ガ ス 流 速 40

r n L / r n i n

の と き の F P D検 出 器 の 最 高 感 度 を 示 す 空 気 及 び 水 素 ガ ス 圧 は ? そ れ ぞ れ

O .9  k g /  

cm, 1. 

0  k g /  

crn2 であった。

こ の カ ラ ム を 用 い て

2 . 2 . 4

のG C条 件 で , 各O P Eの

O .1

'"'J 

O .  6  r n g  /  L

アセ トン溶液を 5μL注 入 し て 各O P E量 と ピ ー ク 高 さ よ り 検量級を求めると,

Fig.  2‑7に 示 す よ う に こ の 濃 度 範 囲 で 直 線 性 (相関係数 0.994以 上 ) を 示 し た。

‑14  ‑

(22)

TBP 

TPP 

Retention  tlme, mln  2

∞ 

220  240  260  280  300 

Retention  temp., 

o c  

300  3

∞ 

3

∞ 

Fig.  2‑6.  Typical  FPD‑GC chromatogram of  model  mixture. 

Column  temperature was programrned  from  200  to  300 

o c   a 

t 1 0 

o c  /  m 

n  . 

20  r = 0.994 

15 

c) 

.

= 1.000 

~ 6 r = 1 0 0 0  

b

r = 1.000 

Q) 

AQ) 4

タとヂ

0.999 0.999 

。 。

Amount  of  OPE, ng  Fig.  2‑7.  Calibration curves  of  OPE. 

TBP;

TCPP;()  TCEP; TOP; 

CRP; A TPP;

TCP.

Fh u 

EEA

(23)

2.  3.  2 

Ih  l l U

溶 媒

精 製 水 1Lに各O P Eを lμgずつ添加したモデル試料に対して, 6種類、

の 溶 媒 (各 100mL) を用いて 2.2.2 (1)及 び 2.2.4に 述 べ た 方 法 に し た が って O P Eを 抽 出 分 離 し , 各O P Eの回収率を調べた。 Table2‑1に示すよう に ジ ク ロ ロ メ タ ン , ベ ン ゼ ン , 酢 酸 エ チ ル は 7種 のO P Eに対し 83児 以 上 の 回 収 率 を 示 し た が , ペ ン タ ン 及 び ヘ キ サ ン 等 の 炭 化 水 素 溶 媒 は 極 性 の 強 いT C

E Pに対して 6%という低い回収率を示した。

Table 

2‑1. 

Recoveries  o f  O P E  

extracted  from aqueous  solution  (1 L) 

w i t h  v a r i o u s   s o l v e n t s  

(100 

m L )  

Recovery 

(児)

Solvent 

T B P   TCPP  TCEP  T O P   C R P   T P P   TCP 

Dichloromethane 

87  93  100  90  120  107  112 

n‑Pentane 

83  71  6  98  103  100  107 

n ‑ I I e x a n e  

81  67  6  98  110  100  107 

Benzene 

85  92  90  93  117  103  107 

E t h y l   a c e t a t e  

83  90  93  93  110  100  108 

E t h y l   e t h e r  

77  80  57  87  97  92  100 

剣持ら14)

O V ‑ 1

S E ‑ 3 0

を カ ラ ム 液 相 に 用 い た 場 合 , 試 料fl[IU¥液 に 標 準 液 を 添 加 し て

GC

に 注 入 す る と , 標 準 液 に よ る ピ ー ク 高 さ の 増 加 分 は 標 準 液 の み の ピ ー ク 高 さ よ り も 大 き く な る 傾 向 が あ る こ と を 述 べ て い る 。 こ の 原 因 は 明 か で は な い が , 抽 出 液 中 に 微 量 に 含 ま れ る 水 分 な ど と カ ラ ム 固 定 相 聞 と の 相 互 作 用 に よ り テ ー リ ン グ が 小 さ く な り , ピ ー ク が 鋭 く な っ た こ と が 推 測 さ れ る 。

‑ 16 ‑

(24)

本 研 究 に おいて 用 い た カ ラ ム 液 相 に お い て も CHP,TPP, TCPに同様な 現象が認められた。また, T B P及 びTCEPは エ ー テ ル 中 の 過 酸 化 物 や エ チ ルアルコール中のアルデ ヒ ド 類 , ジ ク ロ ロ メ タ ン 中 の 酸 分 な ど の 不 純 物16)と反 応す る の で注 意を要 す る 。 本 研 究 に おいて は , ジ ク ロ ロ メ タ ン は 海 水 試 料 に 対

しでも良好な回収率を与え,また低 沸点 で 比 重 が lよ り 大 で あ る た め に 濃 縮 及r

び分液操作がしやすいので,この溶媒を水試料からの ~htB 溶媒に選んだ。

底質 試料については, 0 P Eに対して良 好な抽 出 効 率 を 与 え る ア セ トン10) 11> 

を 用 い , 次 い で ア セ ト ン 抽出液から 7種 類のOPEを 効 率 良 く 抽 出 す る ための 水 ー ア セ ト ン ー ジ ク ロ ロ メ タ ン 抽 出 系 に つ い て , 各 溶媒の割 合 を 検 討した。ア セ ト ン 抽 出 液 100mLか ら ジ ク ロ ロ メ タ ン 100 mLで l回抽出する場合,アセ

トン抽出液に加える精製 水 の 量 を 50

∞ o 

mL戸戸,...Ph、、.、、、.......,、、、.句.

らず 75先 以 上 が回収 さ れ た 。 ア セ ト ン が ジ ク ロ ロ メ タ ン層に溶けるこ とによっ て 妨害物 質量が 増 え る の を 避 け る た め , 加 え る精製 水 の量を 1Lとして 2回 抽出操作を行ない, 90児以上の回収率を得た。

2 .   3.  3 

フ ロ リ ジ ル カ ラ ム に よ る 妨 害 物 質 の 除 去

2 . 2 . 3

に 述 べ た フ ロ リ ジ ル カ ラ ム を 用 い て 非 極 性 及 び 弱 極 性 妨害物質の除去 方 法 を 検 討 し た 。 低 沸 点 で 非 極 性 の 溶 媒 と し て ペ ン タ ン を選び , 各O PEを 200μgず つ 含 む ペ ン タ ン 溶 液 を カ ラ ム 頂 部 に 添 加 し , 抽 出 溶 媒 の ジ ク ロ ロ メ

タ ン と ペ ン タ ン と の 混 合 割 合 を 変 え て 妨 害 物 質 の 除去の 効 果 を 調 べ た 。 混合溶 媒 100 mLを 通 し た と き , ジ ク ロ ロ メ タ ン の 割 合 が 50

v /

悩 ま で は い ず れ の O

PEも流出しなかったが,

7 0   v  / v %

を越えると CRP,TPP, TCPは添加 量 の 約 10%が 流 出 し た 。 試 料 中 に 脂 肪 が 多 く 共 存 す る と OPEは 脂 肪 と と も に 流 出 し や す く , ま た フ ロ リ ジ ル の 活 性 が 変 動 す る こ と な ど を 考 慮 し て , 洗 浄 用 浴 媒 と し て ジ ク ロ ロ メ タ ン 含 有 ペ ン タ ン (10 

v / v % )  

100  mLを用いた。 O P

Eの 溶 離 液 に つ い て は , ジ ク ロ ロ メ タ ン に エ チ ル ア ル コ ー ル を 添 加 し て 混 合 溶 媒 率 を 検 討 し た 。 エ チ ル ア ル コ ー ル 含 有 ジ ク ロ ロ メ タ ン (1 

v / v % )  

100  mLを 通すことにより, 7種 類 のOPEを 100児 流 出 さ せ る と 同 時 に , 極 性 の 妨害物 質 の 流 出 を 最 少 限 に 抑 制 す る こ と が で き た 。

2 . 2 . 3

と 同 様 な 操 作 を 行 な っ た と1

き の 破 過l曲線を Fig. 2‑8に 示 し た 。 こ の 操 作 を OPEを 添 加 し た実際 の 底 質 試料について行なってみると, FPD‑GCク ロ マ ト グ ラ ム 上 に 妨害ピ ー ク は

‑17 ‑

(25)

ほ と ん ど の 河 川 水 及 び 海 水 で は ク リ ー ン ア ッ プ 操 作 な し で も 妨 害 ピ ー ク は 認 め ら れ な か っ た 。

良好な回収率が得られた。 なお,

また,

501 100 ~-

見られず,

冶4

aM]仏()℃ωJF

200  H

10Y/v./. dichloromethone一 一 州 + ー 1vlv ./D  ethyl  olchol ‑‑.吋

in  n ‑penlone  in  dichloromethone  150  50  100 

IL  

E l u t i o n  v o l u m e

, 

T C P .   口

c o l u m n   c l e a n ‑ u p .  T P P ;  

p

l 

nHH 

PU

 

i n   F l o r i s i l 

T O P ;   T C P P ;   ( )   T C E P ;  

E l u t i o n   c u r v e s   o f   O P E  

2 ‑ 8 .   F i g .  

T B P :  

底 質 試 料 の 中 に は 希 に 有 機 イ オ ウ 化 合 物 に よ る 妨害ピ ー ク が 見 ら れ る 場合が そ の 場 合 に は 硫 酸 抽 出 処 理 を 行 な う こ と に よ っ て有機 イ オ ウ 化合物を あるが,

フ ロ リ ジ ル カ ラ ム ク リ ー ン ア ッ プ 後 の乾 固 試料 に ヘ キ すなわち,

除去できた。

硫 酸 抽 出 2回拍出する。

2 mL で (96 

4) 

氷 冷 後 硫 酸 5 mL を加え,

サン

5児 硫 酸 ナ ト リ ウ ム 溶 液 ジクロロメ 2問抽 出 す る。

5 mし ず つ で 5回洗浄したあと,

で 30 mL  50 mL, 

ジ ク ロ ロ メ タ ン 液 を 氷 冷 ヘ キ サ ン

E を加え,

L 

UU

EEA

‑18 ‑

(26)

タン抽出液を 0.5N水 酸 化 ナ ト リ ウ ム 溶 液 , つ づ い て 日 硫 酸 ナ ト リ ウ ム 溶 液 で洗浄後,無水硫酸ナトリウム上で乾燥し, Kuderna‑Danish濃縮を行なう。

こ の 硫 酸 抽 出 処 理 に よ り 有 機 イ オ ウ 化 合 物 の ほ か 有 機 塩 素 系 農 薬 , P C Bを除 去 で き る 。 こ の 操 作 に お け る 回 収 率 は 95児以上であった。

2.  3.  4  添 加 回 収 率 及 び 検 出 下 限

精 製 水 , 河 川 水 , 海 水 及 び 底 質 に 各O P Eを 0.3",‑,3μg添 加 し た と き の フ ロ リ ジ ル カ ラ ム ク リ ー ン ア ッ プ 操 作 も 含 め た 全 行 程 の 回 収 率 を Table2‑2に示 し た 。 全 体 的 に 良 好 な 回 収 率 が 得 ら れ た が , 精 製 水 に 0.3μg添 加 し た と き の T B P及 び 底 質 に 3μg添 加 し た と き の T O Pの 回 収 率 が そ れ ぞ れ 71及 び 78児とやや低かった。

Table 2‑2.  Recoveries  of  OPE  added  to  purified water  (3 L)

, 

river  water  (3  L)

, 

sea  water  (3  L)  and sediment (50  g) 

Recovery  (Mean 

SD,見)

nH U 

p a  

ハU

Purified water  River water  Sea water  Sediment  0.3μg  lμg  1μg  lμg  3μg 

TBP  71 +4.5  88 + 3. 4  89+4.0  92+4.1  88+ 8.6  TCPP  83 + 5.2  86+3.2  90 + 5. 1  97 + 3.8  94+ 5.6  TCEP  95 +4.5  97 + 2.1  97 + 3.1  98+ 2.0  90 + 6.1  TOP  95 + 3.4  96 + 2.3  97 + 1. 7  96 + 3.1  78+ 5. 2  CRP  94+3.0  97 + 1. 5  98+ 2.0  96 + 2.5  95 + 3.6  TPP  88 + 6.  1  95 + 1. 1  95 + 6.0  98+ 2.2  87+4.3  TCP  94 +4.9  94+ 2.0  92 + 3. 0  97+ 2.1  83 + 6. 0 

(n 

3) 

‑19  ‑

(27)

S/N 3としたときの検出下限を Table2‑3に 示 し た 。 な お , 精 製 水 中 の

OPE

のバックグラウンド濃度は定量分析に影響しない程度であった。

Table 2‑3.  Detection  limits  of  OPE 

OPE  Water sample  Sediment sample  (ng/L)  (ng/g) 

TBP  5  2 

TCPP  10  5  TCEP  10  5  TOP  20  10  CRP  10  5  TPP  10  5  TCP  20  10 

2.  3.  5 

試 料 の 保 存 性

F i g .   2 ‑ 9

に 河 川 水 及 び 海 水 に

OPE

を 添 加 し た 時 の 濃 度 変 化 を示した。

TB P

及 び 塩 素 原 子 を 含 む

TCPP

TCEP

, 

CRP

は比較的難分解性であるが,

TOP

, 

TPP

, 

TCP

2 4

時 間 後 に は

1 0

'"'J

4 0 %

の減少が見られた。 一方

7

種 類 の

OPE

を用いて 2.2.2の操作で調製し,

G  C

及びM F測 定 用 ア セ ト ン 溶液を

5o C

の暗所に

1

週 間 放 置 し で も 各 エ ス テ ル の 顕 著 な 減 少 は 見 ら れ な か

ったことから,試料採取後はただちに抽出操作を行なう必要がある。

‑20 ‑

(28)

(0 ) 

(b)  100 

冶4

CK0

w ̲ ̲ ̲  

一 一 一 一 一 也

'" '

"4

q

~

20  40  60  80  100  120 

Time

, 

Fig.  2‑9.  Deterioration of OPE  in  river water  (a)  and sea water  (b)  during storage  in  the  dark at  5 oC. 

lnitial  samples  each had  10  ng of  OPEs. 

TBP;

TCPP; TCEP; TOP;

CRP; ...  TPP;

TCP.

2.  4 

総 括

GC

法 に よ る 環 境 試 料 中 の

7

種 類 の

OPE (TBP

, 

TCPP

, 

TCEP

, 

TOP

, 

CRP

, 

TPP

, 

TCP)

の同時微量定量方法を検討した。

水 試 料 か ら の 抽 出 溶 媒 は ジ ク ロ ロ メ タ ン が

7

種 類 の

OPE

すべてに対し抽出 率が高く,操作上も簡単かつ安全で, 0 P Eの揮散も少ないことがわかった。

‑21  ‑

(29)

底 質 試 料 に つ い て は ア セ ト ン 抽 出 後 , 水 一 ア セ ト ン ー ジ ク ロ ロ メ タ ン 系 抽 出 が 回収率も高く簡単であった。 G Cカ ラ ム の 固 定 相 液 体 は OV‑17に等量の pz‑

179を 加 え る こ と に よ り , す べ て の O P Eに 対 し 分 離 効 率 の 高 い 鋭 い ピ ー ク が 得 ら れ , 熱 安 定 性 を 増 す こ と が で き た 。 検 出 器 と し て リ ン 化 合 物 に 対 し 高 感 度 で 選 択 性 の 高 いF P Dを用い,また, M Fに よ り 数 十 pgまでのO P Eを確認 す る こ と が で き た 。 妨 害 物 質 は , フ ロ リ ジ ル カ ラ ム を 用 い , は じ め , ジ ク ロ ロ メ タ ン 含 有 ベ ン タ ン (10 

v /

叫) 100 mLで 洗 浄 し , つ ぎ に , エ チ ル ア ル コ ー ル 含 有 ジ ク ロ ロ メ タ ン (1  v/叫) 100 mLでO P Eを 流 出 さ せ る こ と に よ り 分 離することができた。

水 試 料 3 Lに各O P Eを

0 . 3

'"'J

1

μgずつ添加したモデ、ル試料の全操作の回 収 率 は 71'"'J98%, 底 質 試 料 50gに 3 μ gず つ 添 加 し た と き の 回 収 率 は 78'"'J  95児 で , 検 出 下 限 は 水 試 料 に つ い て は

5

'"'J

2 0

ng/Lで , 底 質 試 料 に つ い て は 2

'"'J 10 ng/gと極低濃度の O P Eの 環 境 調 査 に 十 分 適 用 で き る 方 法 を 確 立 す る こ

とができた。

ω

参照

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