• 検索結果がありません。

博 士 ( 理 学 ) 加 藤 哲 哉

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博 士 ( 理 学 ) 加 藤 哲 哉"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 理 学 ) 加 藤 哲 哉

学 位 論 文 題 名

       A phylogenetic study (Polychaeta,  Annelida) ,  with

of Phyllodocidae

revisions of two genera.

(サシバ ゴカイ科 多毛類( 環形動物 )の系統 分類学的研 究)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  

サ シ バ ゴ カ イ 類 は 底 生 性 の 環 形 動 物 多 毛 綱 の 主 要 な 一 科 を な す 動 物 群 で 、 海 洋 環 境 に 広 く 分 布 し 、 こ れ ま で に 約

400

種 が 記 載 さ れ て い る 。 サ シ パ ゴ カ イ 類 は 人 目 を 引 く 鮮 や か ナ ょ 色 彩 ・ 斑 紋 を 持 つ 種 が 多 い こ と も あっ て 少数 の標 本 に基 づき 記 載さ れた こ とも 多 く 、 情 報 不 足 解 消 の た め に 分 類 の 再 検 討 が 必 要 な 状 況 に あ る 。

  

本 研 究 で は 、 特 に 分 類 の 見 直 し が 必 要 で あ り 、 形 態 的 多 様 性 の 高 さ か ら 系 統 学 的 に も 重 要 な 位 置 に あ る

N otophyllum

属 、Panmaitis属 に つい てタ イ プ標 本な ら びに 新た に 採集 さ れ た 状 態 良 好 な 標 本 を 用 い 分 類 学 的 再 検 討 を 行 い 、 さ ら に 分 岐 学 的 手 法 に よ ル サ シ バ ゴ カ イ 科 内 の 系 統 関 係 の 推 定 を 試 み た 。 本 研 究 の 主 要 な 結 果 は 以 下 の 通 り で あ る 。

1

.分類 学的再検討

1

−1.Notophyllum属の再検 討

  Notophyllum

属 の 既 知 の 担 名 種

15

種 に 加 え、 同 属の シ丿 ニ ムと みら れ るMacropり

Z

た 卿 属、

n

c

加啣 りぬ 伽属 、

N

pD

″ 印り 轟 珊属 、″ | 碑地

M

め跏

1

属の 全種につ いて、現存する全て の タ イ プ 標 本 、 な ら ぴ に 多 数 の 状 態 良 好 な 標本 を元 に 検討 した 。 〃.

D

卿 りぬ

m

属の 特 徴の ー っ は 、 科 内 他 属 に 例 の な ぃ 大 き く 発 達 し 枝 分 か れ し た 頸 器 官 を 持 つ こ と で あ る 。 従 来 の 研 究 で は こ の 頚 器 官 の 分 岐 数 が 重 視 さ れ て き た が 、 特 に 多 く の 個 体 が 観 察 で き た

N

′ ° ぬ 恥

Hm

N

. 皿

P

弸 ぬ 贓 を 用 い て 解 析 し た結 果、 こ の形 質は 体 サイ ズ依 存 的に 変異 す るも の で あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 こ れ に 対 し 、 口 吻 、 特 に そ の 両 側 の 突 起 の 形 態 、 第 一 第 二 体 節 の 退 縮 の 度 合 い 、 背 触 鬚 基 節 の 伸 長 、 背 剛 毛 の 有 無 と い う こ れ ま で 注 目 さ れ て い な か っ た 形 質 に 種 間 の 差 異 が 認 め ら れ た の で 、 こ れ ら を 新 た に 分 類 に 導 入 し た 。 そ の 結果、N.′。Zi伽Hm(sarS,1835),〃.弸釘む洲珊Ve襾n,1885,N.加み廟ロぬmMoore,1906,N. 卩ば珊む珊M卸enZener,1879,N.mH眦cめ心くく洫止盻 ,1878),N.闘鬱mぬれ1伽IZukも1912,N. や 切 庇 恥 (

schma

甜 も

1861

) の

7

種 が 区 別 さ れ、 日本 か ら未 記載 の

1

N

.洫 可 珈ロ

fsp

noV

. を 確 認 し た 。 こ の う ち

N

M

ぬ ; 卿 お は 原 記 載 直 後 か ら 〃 . 甲 切

1

あlJの新 参 同物 異名 と され て き た 種 で あ る が 、 夕 イ プ 標 本 を 確 認 し た 結 果 、 明 確 に 区 別 さ れ る 別 種 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 上 記

8

種 の 形 態 的 特 徴 、 生 息 環 境 、 地 理 的 分 布 、 生 物 学 的 特 徴 を 記 載 し た 。 ま た 、

N

. な

c

加 缸MmWiney,

1905

と〃 . セc鰤 (Chambedin,

1919

冫 は標 本 の不 在と 記 載情 報 の 不 足 の た め

ND

り め

y

肌 弸 属 の 不 明 種 と し て 扱 い 、

N

c

弛 弸

lFauvel

1913

は 同 じ く

Notophyllinae

亜 科 の 不 明 種 と し て 扱 っ た 。 形 態 観 察 の 結 果 得 ら れ た 形 質 情 報 を も と に

Ab

嶼 り ぬ

m

属 内 の 分 岐 解 析 を 試 み た 。 そ の 結 果 、

Abf

p

り ぬ

m

属 の 単 系 統 性 が 強 く 支 持 され た他 、 属内 には

N

.′

DffD

m

、N. 洫6廊

n

H

、N.

a

脚翩 搾Hm、 〃.ぬづ弧ロfsp.nov.の4

― 3ー

(2)

種から成るクレ ードが口吻と背触鬚基節、背剛毛に関する形質により支持された。

1ー2.Paranaぬ 属の 再 検討

    n黼4譱b属 の 既 知 種14種 に 加 え 、 同 属 の シ ノ ニ ム と さ れ るAnロ む お 属 、R雅 紬e属 、 の ´ 響 聡 伽 ロ 葩b属 、 五 , 血 ぬ 伍lmy刪 亜 属 の 全 種 に つ い て 、 現 存 す る 全 て の タ イ プ 標 本 、 な ら ぴ に 多 数 の 状 態 良 好 な 標 本 を 観 察 し た 。P 脚 地 ぬ 属 の 特 徴 の ー っ に 口 吻 の 多 様 性 の 高 さ が 挙 げ ら れ る 。 し か し 、 こ れ ま で 体 系 だ っ た 記 載 が な さ れ な か っ た た め に 種 間 で 対 応 が 難 し か っ た 。 本 研 究 で は 口 吻 の 形 態 を 詳 細 に 記 載 す る と 共 に 、 背 触 鬚 基 節 の 形 態 、 剛 毛 の 相 称 性 、 感 触 手 の 付 着 位 置 な ど の 新 分 類 形 質 を 導 入 し た 。 そ の 結 果 、P.w伽 め ビ ′ ず 叫almgM,1865) ,P. ロ 枷 鋸 ぬmmann―Schr6ぬ ,1975冫 ,P. 6emむDなmox,1960) ,P. みDw塔f¢enh拙 ,192乃 ,P.c粥m叫oore,1903) ,P. 駟 伽 馴 Parkjns,1984,P. む ゲ 施 mchin鈩 &Mul・rり ,1984) ,P. 舩 セ ぬ 硲 お 舛dmがn,1867) ,P.p枷D轟 ぬ 舛00re,1909) ,P 甲 鹹n粥m′ebst・er,187り ,P. 恥 む 洳WEibye・Jacobsen,1991の11種 が 区 別 さ れ 、 日 本 か ら 未 記 載 の3種P.mお ロ 施nぷ むsp.nov. ,P.MlぬSp.nov. ,P.mw轟 勣 塔 むsp.nov. を 確 認 し た 。 上 記14種 の 形 態 的 特 徴 、 生 息 環 境 、 地 理 的 分 布 、 生 物 学 的 特 徴 を 記 載 し た 。 ま た 、P. c印 吼 血pay,1960) とP. ′D刪 伽 (Ve而11,1885) ,P.pをfロ (Vedn,188の は情 報 の不 足の た め AM 1ロ ぬ 属 の 不 明 種 と し て 扱 い 、AnロfmぴM ザDrむaapar甜 e,1870,An4|rむ 勿 蜘1伽 Wi11ey,1905,Pり 砒めcP仏nロffりp 」Pi欣艫ロEhlerS,1887,Pり眦 あ卯ばnロ む緲n ぬれゞGrube, 1880は同 じ くNotophymnae亜科 の 不明 種 とし て扱 っ た。

2 . サシバゴカイ科内の系統関係

   サ シバ ゴカ イ科 内の 系 統関 係を 分岐 学的 手 法を 用い て推定した。 内群には科内19 属 か ら 各1 種 を選 定 し用 いた が、 特に形態 的多様性の高いPhyllodoce 属 、Paranaitis 属、

Mysta 属か らは そ れそ れ4 種、 7 種 、2 種 を選 ん で用 いた 。外群にはサ シバゴカイ科の姉 妹 群 と 目 さ れ て い る ラ キ ド ニ ア 科 か ら 1 種 を 選ん だ 。46 形態 形質 を 採用 し、 PAUP に よ り 最節 約樹 形を 探索 し た結 果13 の等 しく 節 約的 な樹 形を得た。こ れらの厳密合意樹 か ら 示される 主要な結果は以下の通りで ある。(1 )Notophyllinae 亜 科の単系統性が支 持 さ れた。( 2 )Panma ぬ属7 種との懈碑桝 むn ぬ賂D ″i が単系統群を形 成した。このため AmM ぬ 属は 側系 統 群と なっ たが 、 クレ ード 内分 岐の 崩 壊指 数は いず れも 低 く、 現段階 で の 分類の変 更は避けた。(3 )D8 弸¢属 群(皿弛他属、めs 細属、め pM あB 弸P 属)は単 系統 群n 珊觚姑一の粥岬疏の姉妹 群を形成した。このことは E セ―属群と胸膃f む蛔属群に みら れる第三体節背触鬚の欠損 は別々の起源を持つことを示 している。逆に、凪ピ伽P 属 群 、 凡臘 M 触属 、 のw 卿 耐 む属 、朋y ぬぬ ¢属に存在する頸突起は単一 起源である可能性 が高 まった。

‑4ー

(3)

学位論文審査の要旨

主査   教授    馬渡駿介 副査   教授    片倉晴雄

副査   助教授   佐藤正典(鹿児島大学大学院理工学研究科)

     学位論文題名

    A phylogenetic study of Phyllodocidae     I   ●

(Polychaeta , Annelida) , with revis10nSOftWOgenera .      (サシノヾゴカイ科多毛類(環形動物)の系統分類学的研究)

   環形 動 物多毛 綱は一般 に大型の 海産底生 動物群で 、軟体動 物や節足動 物甲殻 綱 と なら ぴ、 海洋ベン トス群集 中で生物 量におい て最大の 分類群のひ とつであ る 。 また 、 多毛 綱 は 17 目 約 80 科 に分 け ら れ、 捕 食性 、 腐 食性 、 濾 過摂食 性、

寄 生 性な ど様 々なニヅ チェに適 応放散を とげる一 方、柔軟 かつ筋肉質 のその体 は タ ンバ ク質 に富み、 魚類、大 型甲殻類 などより 大型な捕 食者の良質 な飼料と な り 、海 洋食 物網の中 で極めて 重要な位 置を占め る。さら に砂泥中に 棲管を作 っ て 生息 する ものも多 く、特に 河口干潟 などの富 栄養化し た底質中で は多毛類 の 棲 管中 を流 れる水流 により底 質中の有 機物の分 解が促進 され、いわ ゆる「干 潟 の 浄化 作用 」の一翼 をなすな ど、環境 保全を考 える上で も極めて重 要毅動物 で あ る。 しか しながら 、環形動 物多毛類 の研究は 軟体動物 や節足動物 に比ベ大 き く 後れ をと っている 。体が軟 らかく硬 い部分の 少ない事 に加え、環 形動物の 特 徴 でも ある 同規的体 節からな るその体 は、体節 ごとの分 化も少ない ため、分 類 形 質が 少な いことが その一因 であると 予想され る。申請 者の研究は 多毛類の 中 で も特 に分 類形質に 乏しく分 類が困難 であると されるサ シバゴカイ 科を対象 とし たもので ある。

   申請 者 はサシ バゴカイ 科の中で 特に分類 が混乱し 、その見 直しが必要 とされ て い る Notop 緲 〃 淵 属と 向 黼 厨ぬ 属 につ いて 、夕イプ 標本なら ぴに、申請 者自 身 に よっ て新 たに採集 された状 態良好な 多くの標 本、さら に海外の研 究者によ り 採 集 さ れ た 多 数 の 標 本 を 併 用 し 、 両 属 の 分 類 学 的 再検 討 を 行っ て いる 。    その 最 初のス テヅプと して申請 者は既存 の分類形 質の見直 しから着手 した。

特に 〃.〇卿カ砂ぬm 属に関しては、これまで極めて重視されていた頸器官の分岐

(4)

数 という 形質 が体 サイ ズ依 存的 な変 異を 持つ こと を明らかにし、変異幅を把握 し た限定 的な 使用 が必 要で ある こと を示 した 。さ らに新たな分類形質の探索を 試 み た 結 果 、 背 触 鬚 基 節 、 口 吻 等 の 形 質 を 分 類 に 新 た に 導 入 し た。 同 様 に Paranaitis 属については、第一体節と第二体節の間の癒合の有無が分類形質とし て 用いら れて いた が、 この 形質 は標 本の 作製 条件 の違いによるアーテイファク ト と区別 でき ない こと を指 摘し 、特 に口 吻か ら、 突起の形状・配列・分布など こ れ ま で 曖 味 だ っ た 情 報 を 整 理 し 、 分 類 形 質 と し て の 利 用 を 可 能に し た 。    次 に 、 再 評 価 し た 形 質 を 用 い、 これ まで に記 載さ れて いた Notop 緲〃 Hm 属 2 1 種 、 跚 弸 函 ぬ 属 27 種 を 比 較 検 討 し た 結 果 、 そ れ そ れ 7 種 と 11 種 が 有 効 名 で あると 結論 し、 残り の種 はそ れそ れ同 物異 名、 不明種とあっかうか、別属に 所 属 変 更 し た 。 有 効 種 そ れ そ れ の 再 記 載 を 行 い 、 新 た に NDf 印 り 〃 Hm1 種 、 P 弸門伍ぬ3 種を新種として記載した。また、それそれの種の地理的分布記録に つ いても 報告 のも とに なっ た標 本を もと に再 同定 を行い、誤同定を修正した結 果 、広 域分 布種 と思 われ てい たも のに 2 種が 混在 して いた 事な どを 発見 し情 報 の 訂正 を行 った 。こ れら の処 置に より 、混 沌と した 状況 にあっ た2 属に つい て 大 幅な情 報の 整理 が行 われ たこ とで 、続 く研 究で の誤同定などの混乱要因を防 止 し 、 記 載 の ス タ ン ダ ー ド を 提 供 し た こ と で も 本 研 究 の 意 義 は 大 き い 。    さらに 、本 論文 では 、上 記の 分類 学的 再検 討の 過程で得られた多くの形質情 報 を も と に 、 サ シ バ ゴ カ イ 科 内の 系統 関係 の推 定を 行っ てい る。 46 形 態形 質 を 用 い た 節 約 法 に よ る 解 析 の 結 果 、 サ シ パ ゴ カ イ 科 の 3 つ の 亜 科 の 内 、 Notophyllinae 亜 科の 単系 統性 は支持 され たが 、Phyllodocinae 亜科は側系統、

Eteomnae 亜 科は 多系 統と の結 果を 得た 。こ れは 、Etconinae 亜 科の タイ プ属 で あるE を弸e 属がPhynodocinae 亜科に包含されたためであるが丶丶この点でOrrhage andEibye 一Jacobsen (1999 )による中枢神経系の形質を用いた結果と一致する。異 な るデー タセ ヅト から 同じ 結諭 が得 られ たこ とで 、E 紹弸e 属の系統的位置につ いてのこの仮説はより強化されたと言える。

   以上の よう に本 研究 は分 類の 混乱 した サシ バゴ カイ科多毛類について現在可 能 な最良 の手 法で 再検 討を 行っ たも ので あり 、そ の結果、形態・分布・生態等 の 情報が 大幅 に整 理さ れた 事は 非常 に大 きな 成果 である。さらにこの研究によ り 現段階 での 知見 がー っに まと めら れた 事で 、以 後の研究での正確な同定を可 能 にし、 間違 った 情報 を減 らす と共 に、 更な る未 記載種の発見を容易にし、将 来の分類学の発展にも大きな貢献をしたといえる。

   よって 申請 者は 、北 海道 大学 博士 (理 学) の学 位を授与される資格があるも

のと認める。

参照

関連したドキュメント

[r]

[r]

および STPR 全長は a ヘリ ックス に富んだ 立体構 造(ヘリ ックス含 量:76%)

ケーラーのフェルミオンが重要な役割を果たすと期待しており、我々の定式化の4

[r]

[r]

[r]

   ウシ舌上の味蕾を含む乳頭(有郭乳頭および茸状乳頭)から得た total RNA と種々 のGCR の膜 貫通領域の 保存的なア