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博士(理学)加藤 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(理学)加藤 学位論文題名

     Weighted Strichartz estimates and existence of self‑similar solutions for semilinear wave equations

(重み付きストリッカーツ評価と半線形波動方程式の自己相似解の存在)

学 位 論 文 内 容 の要 旨

  本研究では第1章で 波の伝播を記述するモデルである波動方程式の自己相似解、第2章 で非圧縮性粘性流体の運動を記述するモデルであるナヴィ工・ストークス方程式の解の一意 性を取り扱った.

  第1章では非線形 項が未知関数uの巾乗lulp(p冫1)で与えられる非線形波動方程式の 自己相似解の存在について考察した.自己相似解とは方程式を不変に保つ時空のスケール変 換で不変な解であり,その性質から非線形偏微分方程式の時間大域解の時間無限大での漸近 挙動の解析に有用であることが知られている.

    自己相似解はそのスケール変換に対する不変性から,特に時刻t‑0では例えばIXI̲若T のような斉次関数となる.ここでpは非線形項の巾である.逆にそのような斉次関数を初期 値として一意な時間大域解を構成すればそれが自己相似解となる.このような、斉次関数を 初期値として方程式の時間大域解を構成して自己相似解を求める研究はナヴィ工・ストーク ス方程式に対し儀我―宮川により始められた。最近ではCazenave‑Weissler, Pecher等により 非線形シュレディンガー方程式。非線形波動方 程式に関しても研究が進められている,

  上で述べた自己相似解を構成する方法は,非線形項がlulpの型の非線形偏微分方程式の 初期値問題の小さな初期値に対する時間大域可解性を考察する枠組みでとらえられる.この 型の方程式の初期値問題の小さな初期値に対する時間大域可解性を示すことは、一般に非線 形項の巾pが小さいほど難しくなることが知られている,特に】非線形項がlulpの型の非線 形波動方程式に関しては,空間次元竹に依存す る臨界指数Po(n)冫1が存在し,p冫Po(n) のとき初期値が小さく滑らかなら時間大域解が存在し】1くpくpo(n)のときはどんなに小 さな初期値に対しても解は有限時間で爆発しうるということが知られている.(John,…

Georgiev・Lindblad一Sogge.)因に,Po(3)〓1十丶厄である.

  第1章での目的は ,非線形項がlulpの型の非線形波動方程式に関してできるだけ小さい 非線形項の巾pに対し自己相似解の存在を示すことである.この問題に関しては、Pecherが 空間3次元のとき初期値が小さな斉次関数の場合に初期値問題の時間大域可解性を考察し、

上 記 と 類 似 の結 果, 即ちp冫1十竹 のと き自 己相 似 解が 存在 し】1くp<l十 拒の とき 自 己相似解は存在しないことを示している.第1章における主結果は、空間変数に関する球対 称性を仮定した場合に一般の空間次元nに対しp冫P0(n)のときに自己相似解の存在を示し たことである.一般の空間次元での考察にあたっては、空間次元が高くなるにっれて基本解 の特異性が増大する点が問題となる.またっPecherの結果からPo(n)が自己相似解の存在す

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る 非線 形項 の巾 の下 限 であ るこ とが 類推 さ れる .

  第1章で の主 結 果は 、考 察す る 微分 方程 式と 等価 な 積分 方程 式に 対し 、 重み 付き 弱ル ペ ー グ 空間 の小 さな 閉球 に おけ る縮 小写 像の 原 理を 用い るこ と で示 され る. そのために は以下で 述 べる2つの 評 価が 鍵と なる ,

  一 つ 目 は 斉 次 関 数 を 初 期 値 と する 斉次 線形 波動 方 程式 の解 に関 する 評 価で ある .こ の 評 価 は 解 の フ ー リ エ 変 換 を 用 い た 表示 式を 初期 値の 斉 次性 を利 用し て評 価 する こと で得 ら れ る .具 体的 には 解の 表 示式 をを 高周 波部 分 と低 周波 部分 に 分割 し、 それ ぞれ振動積 分の漸近 展 開と 停留 位相 法に よ る評 価を 利用 して 評 価す る, この と き特 に高 周波 部分が光錐 に沿った 特 異性 の伝 播に 寄与 し 、低 周波 部分 が空 間 方向 の減 衰に 寄 与す るこ とが わかる,ま たこの評 価 から 斉次 関数 を初 期 値と する 斉次 線形 波 動方 程式 の解 が 自己 相似 解の 存在が示さ れる重み 付 き弱 ルベ ーグ 空間 に 属す るこ とが わか る .

  二 つ 目 は 初 期 値 が 零 の 非 斉 次 線形 波動 方程 式の 解 に対 する 重み 付き ス トリ ッカ ーツ 評 価 で あり ,積 分方 程式 の 非線 形部 分の 評価 に 用い られ る. こ こで 示し た重 み付きスト リッカー ツ 評価 では 評価 に現 れ る指 数が っ り合 っ てい る こと と 方程 式の 非斉 次項の台に 関する制 限 がな い( 台が 光錐 の 内側 にあ る場 合はGeorgiev−Lindblad―Sogge)Tataruによる 結果があ る1こ とで 自己 相 似解 を取 り扱 う こと が可 能と なっ て いる .こ の評 価は 空 間変 数に 関す る 球 対 称性 を利 用し た解 の 表示式 を用い,最終的に重み付きHardyーLittlewood−Sobolevの不等式 に 帰着 する こと で示 さ れる .

  第2章 で は ナ ヴ ィ 工 ・ ス ト ー ク ス 方 程 式 の 初 期 値 問 題 の 空間 無限 遠 で減 衰し ない 解の 一 意性 に 関し て考 察し た ,ナ ヴィ エ・ スト ー クス 方程 式は 非圧 縮 粘性 流体 の運動を記述するモ デ ル で あ り ; , 方 程 式 の 未 知 関 数 (u,p) はそ れぞ れ 流体 の速 度場 ) 圧カ を表 して いる .   初期値及び速度 場uが空間無限遠で減衰して いる場合は,圧力pは速度場u= (Ul, ‑ ‑)uわ)

と り ー ス 変 換Rjを 用 い てp二 ニEゐ :1R+,Rj弧Ujと 表 さ れ る こ と が 知 ら れ て い る ,     こ こで 考察 する 初期 値 及び 速度 場uの空 間無 限遠 で の減 衰を 仮定 し ない 場合 の解 の一 意 性に関しては,p二ニ)fl:l,j=l RtRjUiUjとおくときの解(u,p)の一意性は知られているが,速度 場uの空 間無 限 遠で の減 衰が ない た め, 一般 に圧 力pがp二二 二ニEゐ :1履R眦Ujと表されると は 限 ら ない ,実 際, 初期 値 及び 速度 場uが空 間無 限遠 で 減衰 しな い場 合 ,解 は一 意に は定 ま ら な い こと が知 られ てい る .そ のた め解 を 一意 に定 める ため に は, 圧力pに 関し て何 らか の 制 限 が 必 要 と な る , 第2章 に お ける 主結 果 は, 圧力pが 空間 変数 に関 し て有 界平 均振 動な 関 数 の 空 間 BM〇 に 属 す る と い う 条 件 の 下 で 解 の 一 意 性 を 示 し た こ と で あ る .     関 連す る結 果と して は ,GaldiーMaremonti,岡 本,Kim‑Chaeに よる 圧力pに 関す る空 間 無限遠での増大度 に関する条件の下での解の 一意性が知られている.

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学 位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

小澤 儀我 神保 津田谷

   徹 美一 秀一 公利

     学位論文題名

    Weighted Strichartz estimates and existence of self‑similar solutions for semilinear wave equations

(重み付きストリッカーツ評価と半線形波動方程式の自己相似解の存在)

非線型偏微分方程式の研究では解の存在の一般論が重要であるが、定常解、孤立波解等特別 な形状をもつ解の研究も非常に大切である。特に、時空伸長に対し一定の変換則に従う方程 式に対してはその変換則に不変な解、即ち自己相似解の存在が興味の対象となる。ナヴィエ・

ス ト ー クス 方 程 式 に関 し て は儀 我 ・ 宮川 、非 線型シ ュレデイ ンガー方 程式に 関しては Cazenave‑Weissler、非線型波動方程式に関してはPecherの業績がそれぞれ先駆を成すもの であり、それらに続く数多くの研究がある。

  著者は、Pecherに始まる非線型波動方程式の自己相似解の研究を一般次元に拡張する研究 を行ってきた。その結果、3次元に限られていた従来の研究を球対称性の仮定の下に一般次 元に拡張する事に成功した。その際、許容される非線型性は冪では優シュトラウスかつ劣ソ ボレフであるので現状で考えられる最も範囲の広いものである。証明に用いたストリッカー ツ型評価は、重み付きローレンツ空間の補間により導出されており、全く独自のものであり 今後の応用も期待される。

  これを要するに、著者は非線型波動方程式の自己相似解の存在証明において重み付きスト リッカーツ評価の新知見を得たものであり、非線型偏微分方程式に対して調和解析的手法を 新たに加えたとぃう点で貢献するところ大なるものがある。

  よ って著者 は、北海 道大学 博士(理 学)の 学位を授 与され る資格あるものと認める。

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参照

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