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博 士 ( 理 学 ) 鈴 木 俊 哉

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 鈴 木 俊 哉

    

学位論文題名

Supersymmetric Action of SL(2;2)‑covariant D3‑brane     and its k‑symmetry

(SL

(2 ;Z )共変D3 ―ブレーンの超対称な作用と,そのヵ対称性)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  超弦理論は自然界の基本的相互作用を統一し、重カの無矛盾な量子論を与え るものと期待されている理論である。超弦理論によって現実的なエネルギー・

スケールの世界の現象を説明するには、非摂動論的な効果を理解する必要があ るのだが、超弦理論は摂動論的な定式化しか知られていないため、非摂動論的 効果を調べることは難しかった。しかし最近になって超弦理論が双対性と呼ば れる性質を持っことが認識されるようになると、非摂動論的側面に対する研究 は進み始めた。双対性とは、あるカ学変数で書き表されている強結合の理論を、

別の変数を用いて弱結合の理論に書き換えることができるとぃう性質であり、

このような性質を持つ理論では、非摂動論的効果が効いてくる強結合理論の振 る舞いを摂動論的に扱うことのできる弱結合理論の振る舞いから知ることがで きる。

  数学的に無矛盾な超弦理論には5つの型が存在する。それらはすべて10次 元時空で定式化されているもので、摂動論的には独立なものと考えられていた。

しかし今日ではこれらは互いに双対性で関係していることが分かっている。さ ら にM理 論 と呼 ばれ る11次元 の理 論が 存在し 、超 弦理 論は このM理 論とも 双対性で結び付いている。今やこれらの理論はそれぞれ、より大きな理論の真 空の異なる安定点の周りの振る舞いを記述する有効理論であるとみなされるよ うになるなど、我々の理論全体の枠組みに対する理解は飛躍的に進歩した。

  この発展において重要な役割を演じたのが、D−ブレーンと呼ばれる超弦理 論のソリトン(非摂動論的励起)である。D―ブレーンは様々な次元の広がり を持った(高次元の)膜であり、空間方向の広がりを明示するときはDp―ブ レーンとも記される。Dーブレーンは超対称性の一部について不変であるとい う 、BPS飽和 性と 呼ば れる 性質 を持 つ。BPS飽 和で ある ことにより、Dーブ レーンの安定性が量子論的にも保証されている。またこのことを用いて、双対 性の検証が行われた。

  様々な双対性の中でも特に重要なものが、IIB型の超弦理論の持つSL(2;Z) 双対性である。これは双対変換により自分自身に移される自己双対性であり、

基本弦やD―ブレーンとぃったIIB型理論の励起スペクトルに現れる物体は、

SL(2; Z)の何らかの表現に属している。このSL(2; Z)双対性の起源は、興味

(2)

深い 問題であ る。一つ の有カな 説が、F理論と呼ばれる12次元時空の理論で あり 、SL(2; Z)双対性 を幾何学 的に説明する。実は現時点においてF理論の 満足 な定式化 といえる ものはな いのだが 、F理論の基 本的な自 由度は3次元 の膜(3−ブレーン)ではないかというアイデイアが提唱されている。このアイ デイ アが妥当であるならば、明白なSL(2; Z)共変性をもつD3―ブレーンの作 用 はF理 論 の 定 式 化 に お い て 重 要 な 役 割 を 果 た す こ と が 期 待 さ れ る 。   明白 なSL(2; Z)共変性 を持つIIB型ブレーンの作用は、幾っかのグループ によって考えられているが、3−ブレーンより高い次元になると物理的自由度が 多く なりすぎ るとぃう 困難が生 ずる。NurmagambetovM5−ブレーン(M理 論に現れるソリトン)の作用を手本にして、この困難を解決した。この作用は S己(2;Z)共変性のほかにも、D3−ブレーンの世界体積上の一般座標変換共変性 が明白なことや、(上述の)必要な自由度の削減を作用原理にもとづぃて行っ ていることなど、望ましい性質を持っているものである。しかしながらこの作 用はボソン的作用であり、D−ブレーンの重要な性質である超対称性を持って いないものであった。

  本論文で学位申請者は、Nurmagambetovによる明白にS己(2;Z)共変なD3― ブレ ーンの作用を超対称な作用ヘ拡張し、この作用が咒対称性として知られ る局所的なフェルミオン的対称性を持っことを示した。托対称性は、ブレーン

(広がった物体)の作用が望ましい物理的自由度を持ち、場の理論としても超 対称な理論であるために必要な対称性である。

  超対 称化する 際、D3ーブ レーンの背景場であるIIB型の10次元超重力理論 のゲージ対称性:び(1)対称性が明白になるように、作用の書き換えを行った

Nllrmagambetovによる元々の作用は、ゲージ固定された作用とみなすことが で き る ) 。 笂 対 称 性 の 証 明 で は 、 こ の び (1) 対 称 性 を 利 用 し た 。   他の ん対称性を持っブレーンの作用の場合と同様、背景超重力場の運動方 程式は、ん対称性が成り立っための十分条件であることが分かった。超弦理論 は模型にたいする制限が強く、全体の整合性を破ることなく勝手な自由度を持 ち込むことができない理論である。托対称性の証明は、その副産物として、こ の作 用で記述されるD3−ブレーンが、矛盾なく理論の枠組みに収まることの ーつの非自明な検証を与えるものにもなっている。

(3)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査 副査

教授 教授 助教授 助教授 助教授

石 川健 三 河 本    昇 加 藤幾 芳 中 山隆 一 鈴 木久 男

    

学位論文題名

Supersymmetric Action of SL(2;2)‑covariant D3‑brane     and its k‑symmetry

(SL

(2 ;Z )共変

D3

−ブレーンの超対称な作用と,そのヵ対称性)

よ って 著者 が 北海 道大 学博 士( 理学) の学位を授与される資格あるものと認める。

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