初期せん断応力を受ける造成宅地盛土材料の動的強度
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(2) る.図-3,図-4 にはそれぞれ,団地 A, B 試料の初期せん断応力作用下の非排 水繰返しせん断強度曲線を示す.二つの破壊の定義を区別するため,軸ひず み両振幅によるものは色塗りのプロットで、ピーク軸ひずみで定義したものは左 半分を黒く塗りつぶしたプロットでそれぞれ表している.図-3 に示す団地 A は, 初期せん断応力比 0.5 までは初期せん断応力の増加に伴い繰返しせん断強 度も増加するが,初期せん断応力比 0.7 では強度が低下する結果となっている. これに対し,図-4 に示す団地 B では,初期せん断応力の増加に伴う繰返し強 度の増加はほとんど見られず,ほぼ同じ大きさの繰返し強度となっている.団地 B で初期せん断の増加に対して強度増加が生じない要因は,細粒分が 18%含. Cyclic dev iator stress ratio σ d /2 σ c '. 発達し最終的に大きな残留ひずみを蓄積し破壊に至っている様子が認められ. σs /2 σc '=0.5. 0.2 0.1 0.0 0.1. 規化した非排水せん断強度,横軸も同様に排水単調せん断強度で正規化し た初期せん断応力である.動的強度τdf(=(τs+τd)f)は初期せん断応力も加え たものであり,排水単調せん断強度はτdf =c+σtanφにより算出している.こ のときの c,φは表-2 の結果を用いている.図-5 のようにまとめたことで,横軸は 常時の安定計算より算出した安全率の逆数となっていることが分かる.よって,. 10. 100. 1000. εD A or ε p =10%. σs /2 σ c ' : 0 : 0.3 : 0.5 : 0.7 : ε D A =10% : ε p =10%. 0.4 σ s /2 σ c '=0.3. σs /2 σ c '=0.5. 0.3 0.2 0.1. σ s /2 σ c '=0.7. σ s /2 σ c '=0. 0.0 0.1. 1. 10. 100. 1000. Number of cycles N. 図-4 団地 B の初期せん断応力下の非排水繰 返しせん断強度 表-2 排水単調圧縮試験結果 Sample c (kPa) φ(deg) 団地A 6.5 40.2 団地B 13.6 39.3 1.4. τd f ( N = 1 0 ) / τs f. εp or ε D A =10%. Dynamic strengt h ratio. にも示されており,縦軸は排水単調せん断強度で正. σs /2 σc '=0. 0.5. 比べ約 2 倍高いことが分かる.これは細粒分含有率の違いによるものと考えら. 1). 1. σs /2 σc '=0.2. 0.6. 力 c と内部摩擦角φを表-2 にまとめた.表より,粘着力 c は団地 B が団地 A に. 理方法は道路土工指針. σs /2 σc ' :0 : 0.2 σs /2 σ c '=0.3 : 0.3 : 0.5 : 0.7 : ε D A =10% : ε p =10%. 0.3. 260kPa であり,団地 B はσc’=50,100,200kPa とした.実験より得られた粘着. 繰返し強度として,初期せん断応力比との関係で図-5 のようにまとめた.この整. σs /2 σc '=0.7. 0.4. 験結果について述べる.それぞれの拘束圧は,団地 A は σ c’=60,130,. れる.図-3,図-4 において,繰返し回数 10 回で破壊に至った繰返し応力比を. εp or εD A =10% σ3 c '=130kPa. 0.5. 図-3 団地 A の初期せん断応力下の非排水繰返 しせん断強度. まれているため,砂の間隙が細粒分により満たされ,砂粒子同士のコンタクトが 妨げられ細粒分主体の挙動となったためと考えられる.次に,排水三軸圧縮試. 0.6. Number of cycles N. σ d /2 σ c '. いずれの初期せん断応力においても片振りであり,圧縮側にのみ軸ひずみが. Cyclic dev iator stress ratio. め,サイクリックモビリティ的な軸ひずみの発達が見られるのに対し,団地 B は. 1.2. 1.0. 0.8. 0.6. 0.4. 0.2. : 団地 A : 団地 B. 0.0 0.0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1.0. Init ial shear st ress ratio τs / τs f. 図-5 を用いれば常時の安全率から初期せん断応力作用下の非排水繰返しせ. 5.0. 2.5. 1.67. 1.25. 1.0. F actor of safety F s s. ん断強度(動的強度)を求めることができる.動的強度の用い方は図-6 に示す ように,図-5 より所定の静的安全率に対し,単調せん断強度に対する初期せん. 図-5 初期せん断応力比-動的強度比関係 (εp or εDA=10%). 断応力作用下の非排水繰返しせん断強度τdf/τsf=X という値が求められた場 合,動的強度τdf は静的強度τsf の X 倍ということになる.その結果,静的強度 定数 c,φも修正され新たな値が算出され,これを用いることで震度法による動 的円弧すべり解析を行うことが可能となった 2). 4. まとめ 本研究は,2つの谷埋め団地から採取した盛土材料を対象に初期. 図-6 動的強度の安定計算への導入. せん断応力下の非排水繰返しせん断強度を求めるために一連の非排水繰返し三軸試験を行ったものである.本実験によ り得られた結果は以下のとおりである.(1)細粒分含有率が低い団地 A の試料は、初期せん断応力の増加に対し,非排水 繰返しせん断強度は増加傾向を示したが、細粒分含有率の高い団地 B では初期せん断応力に依存せずほぼ一定の繰 返しせん断強度となった.(2)非排水繰返しせん断強度を排水単調せん断強度で正規化し,初期せん断応力比との関連 でまとめることで,震度法による円弧すべり解析の強度パラメータを与えることが出来た. 参考文献 参考文献 1)(社)日本道路協会:盛土の地震時安定性評価法に関する参考資料,道路土工 のり面工・斜面安定工指針,pp.458-464,1999. 2)岸田健太朗,古川智,山根陽一,沖村孝,西田良平,藤村尚,兵動正幸:砂丘砂による大規模宅地造成盛土の耐震点検事例,第 46 回地盤工学研究 発表会投稿中.
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