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有明粘土のせん断強度の異方性における間隙水質の影響

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Academic year: 2022

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(1)III‑007. 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3). 有明粘土のせん断強度の異方性における間隙水質の影響 佐賀大学. ○学. 清水亨朗. 同 正 根上武仁. 同. 齋藤昭則. 同 正 柴. 錦春. 1. はじめに 有明海沿岸の地域には、有明粘土といわれる軟弱な粘性土層が広く堆積している。軟弱な粘性土地盤に盛 土等の土木工事を行う際、地盤の安定性の検討が必要不可欠である。この場合、地盤のせん断強度は重要な 設計パラメータになる。一般的には、粘土粒子は小さな薄片状であり、堆積環境過程で形成される微視的土 構造が異方性を持つことが多い 1,2,3)。微視的土構造の異方性により、堆積面に対して水平面と垂直面上のせ ん断強度が異なることがある。堆積環境が微視的土構造に大きく影響を及ぼす4)ので、せん断強度の異方性 にも影響を与えると考えられる。本研究では、有明粘土の間隙水の水質がせん断強度の異方性におよぼす影 響を明らかにすることを目的とした。有明粘土に分散剤と凝集剤を加えた試料を用いて、一面せん断試験お 試料の物理的性質 添加無 し. 2. 試料と試験方法 自然含水比(%). 本研究で使用した粘土は、佐賀県小城市芦刈町より採取. 土粒子の密度(g/cm ). 間隙水質の影響を調べるため、再圧密試料を作製する際に 粘性土に凝集剤(塩化カルシウム)と分散剤(ヘキサメタ リン酸ナトリウム)をそれぞれ混合した。なお、間隙水中 の濃度をそれぞれ 3%に調整した。表-1 に試料の物理的性 界(wL)と塑性限界(wP) の値は無添加の場合より低下し. 子間の面と面との接触状態が増えて、間隙が小さくなっ たと推測できる。供試体の作製については初期含水比 130~140%で、まず一定の圧力(30、60、100kPa)で再圧 密試料を作り、この再圧密試料から 2 種類の一面せん断. 72.2. 塑性限界 wP(%). 55.7. 45.9. 40.8. 塑性指数 IP. 51.8. 52.1. 31.4. シルト. 32. 粘土. 68 せ ん 断 応 力 (V供 試 体) 垂直変位 ( V供 試 体 ) せ ん 断 応 力 (H供 試 体) 垂直変位 (H供 試 体). 1. 60. 0.6. 40. 0.4. 20. 0.2. の上面(圧密荷重をかけた面)を水平面とし、せん断面が水 平のものを H 供試体、せん断面が垂直のものを V 供試体. 0 0. 2 4 せん断変位 δ (mm) 100. ん断速度は 2mm/min である。 試験結果と考察. 3.1 一面せん断試験結果:添加なしの供試体のせん断変位. せん断応力 τf H (kPa). 定の圧密応力で1日再圧密したのちせん断試験を行った。せ. 6. 0.8. 0. 図-1 せん断変位とせん断応力の関係(添加無し、100kPa) V供試体 H供試体. とする。これらの供試体を一面せん断試験機にセットし、所. φ=30.0 φ=23.0. 80 60 40 20. (δ)とせん断応力(τ)の関係を図-1 に示す。V 供試体の強度. 0 0. 図-2. ‑285‑. 0. 80. の供試体(φ60mm×20mm)を切り取る。再圧密した試料. 3.. 砂分. (kPa). 剤の場合は、粘土の微視的土構造が分散状態になり、粒. 98.0. τ. によりwL と塑性限界wP は減少したと考えられる。分散. 107.5. 100. せん断応力. た。凝集剤の場合、粘土粒子周りの電気二重層厚の減少. 2.628. 液性限界 wL(%). 粒度 組成 (%). 質を示す。分散剤あるいは凝集剤を添加した試料の液性限. 分散剤 添加. 140 3. した乱した有明粘土である。せん断強度の異方性における. 凝集剤 添加. ⊿H (mm). 表-1. 垂直変位. よび SEM 観察を行った。. 20. 40 垂直応力. 60 80 σ N(kPa). 一面せん断試験結果(添加無し). 100.

(2) III‑007. 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3). 1.3. は H 供試体より高いことがわかる。また、せん断中の生じる垂直 τfV/τfH. 変位は V 供試体の場合が大きい。図-2 は添加なしの供試体のせん 断強度と垂直応力(初期圧密応力)との関係を示したものである。こ れより、V 供試体と H 供試体にみられた強度差は、主に内部摩擦 角の差によるものであることがわかった。 せん断変位 2mm のせん断応力をせん断強度とし、垂直面のせ. 1.2 1.1 1 0. ん断強度をτfv、水平面のものτfH をとする。試験したすべてのケ. 添加無し 凝集剤 分散剤. 20. 40. 垂直応力. ースのτfv/τfH と垂直応力の関係を図-3 に示す。いずれの試料に ついても、垂直応力の増加に伴い、τfv/τfH の値が大きくなって. 図-3. 60. 80. 100. σN(kPa). τfV/τfH と垂直応力の関係. いる。これは、垂直応力の増加に伴って、土粒子の配向性が強ま り、異方性の程度が増加したためと考えられる。垂直応力が一定の 状態で比較すると、凝集剤、添加なし、分散剤、の順でτfv/τfH の 値が増加していく。これは、分散剤によって粒子の配向性が増強し たことによるものと推測できる。凝集剤を加えた場合は、土粒子の 凝集によってアグリゲーションが形成され、配向化しにくい状態で あったと考えられる。 5μm. 3.2SEM 観察結果:図-4 に、添加無しの試料を 100kPa で圧密した. 図-4(a)水平断面. 際の水平断面および垂直断面の SEM 観察結果を示す。水平断面は、 土粒子やその集合体がランダムに重なった様相を示すことがわ かる。これと比較すると、垂直断面には片状の土粒子をカットし た様子がうかがえる。なお、紙面の都合上省略するが、凝集剤や 分散剤を加えた試料でも、水平断面と垂直断面の微視的土構造に は違いがみられ、特に垂直断面では土粒子が配向化する傾向が確 認できた。また、圧密圧力が増加した場合に、土粒子はより配向 化する傾向が確認できた。一面せん断試験で見られた V 供試体. 5μm. と H 供試体のせん断強さの差は、この土粒子やその集合体の配 向性によるものと考えられる。. 図-4. 図-4(b) 垂直断面 添加無しの試料(σN=100kPa)の SEM 写真. 4. まとめ 本研究で得られた結果をまとめると以下のようである。 (1)一面せん断試験結果から、垂直面上のせん断強度(τfV)は水平面上のせん断強度(τfH)より強いことがわ かった。この強度差は、粘着力ではなく内部摩擦角の差によることを明らかにした。また、せん断強度の 異方性を示すτfv/τfH の値は、凝集剤、添加なし、分散剤試料の順に増加していく。また、垂直応力(初 期圧密応力)の増加によりτfv/τfH の値が増加した。 (2)SEM 観察結果から、圧密圧力の増加によって土粒子やその集合が配向化する傾向が観察された。せん断 強度の異方性は微視的土構造の異方性によるものであることが分かった。 参考文献:(1) 鬼塚ら:有明粘土の異方性について、土質工学会論文集 Vol.16、No.3、pp.111-121,1976. (2) Chai et al.: Anisotropic consolidation behavior of Ariake clay from three different CRS tests. Geotechnical Testing Journal, ASTM, Vol. 35, No. 6, pp. 1–9, doi:10.1520/GTJ103848,2012. (3) Aiga et al.:Anisotropic consolidation behavior and microstructure of Ariake clay. Proceedings of International Symposium on Lowland Technology 2014, Saga, Japan, pp. 125-130, 2014. (4) J. K. Mitchell and K. Soga :Fundamentals of soil behavior, 3rd edition, 2005.. ‑286‑.

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参照

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