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臨界角を超える入射角度の SV 波による波動現象の模型実験的究明

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Academic year: 2022

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臨界角を超える入射角度の SV 波による波動現象の模型実験的究明

東京理科大学 学生員 金森圭祐

東京理科大学 正会員 森地重暉 1.はじめに

地震時に地盤内に生じる波動現象についての研究は,地震工学上,基礎的な課題である.著者等は,

模型波動実験の開発・改善を目的とし,応用例に次の問題を取り上げた.SV 波が自由境界あるいは固 定境界に入射すると反射SV波・反射P波が生じる.SV平面波の入射角度が臨界角より大きくなると,

スネルの法則が実数の範囲では成り立たず,反射波の振幅を表現するのに虚数単位を導入する必要がで てくる.このように,非均質波の生ずるような問題に対して,模型実験的な研究を試みた.

2.実験計画と実験方法

臨界角を超えて入射するSV平面波で生ずる地盤表面での変位を求めた.本実験で用いた地盤模型は,

縦横800㎜,高さ300㎜程度の直方体である.地盤模型材料は,剛基層には鋼材を,弾性層にはアクリ ルアミドゲルを用いた.アクリルアミドゲルは,横波速度が1~3m/sと他の模型材料に比べて著しく低 いので波動現象の把握や波動の生成等が容易であり,実験実施面で有利である.また,ポアソン比が0.5 であるので縦波速度が無限大になる.そのため,SV 波が自由境界や固定境界で反射する場合,臨界角 が0になり入射角によらないので全反射現象に類似したものが常に生じることになる.

図-1には,SV平面波を生成する実験模型の詳細図が示されている.地盤模型の中に加振板としてア ルミニウム板を埋め込んだ.板にはガイドを取り付け,そのガイドに,振り子によるハンマーを衝突さ せ急速に加振し,ゴムバンドにより板が急速に戻るように工夫した.こうしてパルス状のSV平面波を 発生させた.SV平面波の入射角度が,0°,22.5°,45°になるよう3種類の模型を作成した.地盤模 型の横波速度は,2.07m/s,1.94m/s,2.05m/sである.

SV 平面波の入射角度を種々変更して実験を行うには,相当数の模型を作る必要がある.そこで,本 研究では,SV平面波の模型実験を行うとともに,種々の入射角度の波動を一度に表現できるSV円筒波 の模型実験も行い,比較検討を行った.図-2には,SV円筒波を生成する実験模型の詳細図が示されて いる.地盤模型の中心に半径5cmのアルミニウム製の円柱を埋め込み,この円柱を鉄製の補助棒と剛結 した.この補助棒に振り子によるハンマーを衝突させ,円柱からパルス状の SV円筒波を発生させた.

地盤模型の横波速度は,1.79m/sである.

変位の測定には,レーザー式変位計を用いた.このような実験方法により,自由表面上の反射点に測 点を設置し,上下動・水平動の2方向の変位を測定することで,自由表面上の反射点での変位軌跡を調 査した.

図-1 実験模型(平板加振) 図-2 実験模型(円筒加振)

キーワード:模型実験,SV波,非均質波

連絡先:〒278-8510 千葉県野田市山崎2718 TEL04-7124-1501

補助棒 加振棒

ハンマー アクリルアミドゲル模型

ガイド 加振板 アクリルアミドゲル模型 ハンマー

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑1511‑

1‑757

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3.実験結果と考察

図-3には,時刻歴波形の一例が示されている.これは,実験で得られた入射角度23.9°のパルス状 のSV平面波の原波形から,位相差を明瞭にする為,重ね合わせ法により3波で加振した時刻歴波形を 作り,ノイズと思われる高振動数成分をフーリエ逆変換を用いて除去したものである.2ch・3chは,そ れぞれ自由表面において入射角度23.9°の反射点での水平動・上下動になっている.この時刻歴波形よ り,入射角度23.9°の模型表面の反射点において,水平動と上下動では位相差があることがわかる.そ こで,SV平面波による表面の反射点での表面変位軌跡を描いたのが図-4である.この図より,表面変 位軌跡は,回転方向がPrograde(進行方向と車輪の回転方向が一致)な楕円軌跡であることがわかる.同 様の解析を入射角度0°,48.6°についても行った.0°では,水平変位が卓越した直線的な軌跡,48.6°

では,鉛直変位が卓越した直線的な軌跡であることがわかった.

また,平板加振と同様の解析を行うために,円筒加振の実験においても,入射角度0°,26°,45°,

55°の表面変位軌跡を描いた.0°では,水平変位が卓越した直線的な軌跡,26°では,水平動と上下 動で位相差が生じ回転方向がProgradeな楕円軌跡(図5),45°では,鉛直変位が卓越した直線的な軌跡,

55°では,位相差が生じ回転方向がRetrograde(進行方向と車輪の回転方向が逆)な楕円軌跡であること

がわかった.この結果は,平板加振の結果と同様である.

4.結び

臨界角を超えた SV 波の入射により,地盤表面でどのような現象が生じているかを,平板加振・円筒加 振の 2 パターンの模型を用いて模型実験的な究明を試みた.理論上では,入射角度 0°,45°の SV 波によ り生ずる表面変位軌跡は,水平変位,鉛直変位のみの直線的な軌跡となり,それ以外では,45°を境に 45°より小さいと Prograde,45°より大きいと Retrograde な回転方向を持つ楕円軌道の軌跡を描く.

本研究では,このことが模型実験的に確認できた.また,一部ではあるが,円筒加振を用いた模型実験の 有効性も示せたと考えられる.

図-3 時刻歴波形(平板加振,入射角度 23.9°)

図-4 表面の変位軌跡(平板加振,入射角度 23.9°) 図-5 表面の変位軌跡(円筒加振,入射角度 26°)

2ch

3ch 半波伝播前 半波による 半波の後

Prograde

半波伝播前 半波による 半波の後

Prograde

上下動  水平動 

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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参照

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