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分岐器新設・撤去による設計有効長延伸工事の施工計画

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Academic year: 2022

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(1)

分岐器新設・撤去による設計有効長延伸工事の施工計画

東日本旅客鉄道(株)東北工事事務所 正会員 ○高橋 慶太 東日本旅客鉄道(株)東北工事事務所 大河原 雄二

1.はじめに

現在当社においては、新在直通乗入れ区間の輸送改 善として、単線区間の行違い駅における設計有効長延 伸工事に取り組んでいる。羽後境駅は秋田新幹線「こ まち」の行違い駅であり、設計有効長延伸を目的に分 岐器(片開き分岐器 12#)新設・撤去による駅構内の 改修を行う。

本稿では活線の線路閉鎖間合いでの分岐器新設・撤 去および羽後境駅構内改修工事の施工計画について報 告する。

2.計画概要および切換ステップ

図‐1 に施工フロー、図-2 に羽後境駅改修概要図を 示す。羽後境駅改修は以下のステップで行う。

本施工区間はロングレール区間であるため、切換に 伴い施工区間の両脇に仮 EJ を挿入し、レール定尺化

(50m)を図る。また分岐器の品質確保を図るため、事 前に新分岐器の仮組みを行う。仮組みは挿入箇所脇に 設置した受台上で行う。

次に線路閉鎖間合いで棒線区間を破線し、事前に仮 組みした新分岐器をソロバン・山越器を使用して横取 り挿入する。

その後新分岐器の後端側軌道を敷設し、後既設レー ルの横移動(約 70m)および曲線整正(約 140m)を行 い、敷設した新分岐器後端側軌道と接続する。

最後に旧分岐器を撤去棒線化し、挿入した仮 EJ 撤去、

ロングレール復旧および新絶縁挿入を行う。

3. 本工事における課題

本工事には以下の課題が挙げられた。

(1)分岐器挿入スペースの確保

本施工では分岐器撤去・新設により有効長延伸を行 うが、新分岐器挿入スペースは線路盛土であるため十 分な分岐器挿入スペースがない。そのため分岐器挿入 スペースの確保が必要である。

(2)レール勾配変更点について

図-3 に線路縦断勾配計画図を示す。新分岐器挿入箇 所の既設軌道部にはレール勾配変更点が存在する。そ のため、現状の軌道面高と新分岐器挿入後の計画軌道 面高には差異がある。このレール勾配変更点の移設を 行い、新分岐器挿入後の計画軌道面高を確保する必要 がある。

(3)分岐器挿入時の電化柱支障

新分岐器挿入は事前に挿入箇所脇に分岐器を仮組み し、切換当日に分岐器を横取り挿入する。

キーワード:線路切換 分岐器挿入

連絡先:仙台市青葉区五橋一丁目1番1号 東日本旅客鉄道株式会社 TEL 022-266-9667 図‐1 施工フロー

図‐2 羽後境駅改修概要図

大曲方 秋田方

設計有効長 169m→200m

幹本 幹上

12片 12片 踏切

SG保守基地線 12番分岐器 12片

挿入④

本線(NG)

上1(NG) 軌道こう上・低下①

(縦曲線位置変更)

曲線整正⑥ 軌道敷設③

12番分岐器 撤去⑤

線路切換⑤ L型擁壁延伸② 電化柱

仮EJ挿入・ロングレール定尺化 分岐器仮組み 分岐器横取り挿入 分岐器後端軌道敷設

既設軌道横移動・接続 旧分岐器撤去棒線化 仮EJ撤去・ロングレール復旧・絶縁挿入

IV-36

土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)

(2)

しかし新分岐器挿入箇所脇には電化柱があるため、分 岐器の横取り挿入時に支障する。

4. 本工事における課題への取組み

(1)L 型擁壁施工による分岐器挿入スペースの確保 図-4に L 型擁壁施工図を示す。分岐器敷設位置の地 盤高を確保するため、民地境界側に L 型擁壁(L=44.0m、

H=1.9m)を設置し、分岐器挿入スペースの確保を行うこ ととした。

(2)軌道こう上・低下による計画軌道面高確保 計画軌道面高確保のため延長200m 区間において軌道 こう上・低下を行う。

図-5 に軌道こう上・低下量図を示す。新分岐器挿入 箇所起点側の60m 区間では軌道こう上(最大40mm)、新 分岐器挿入箇所の55m 区間では軌道低下(最大65mm)

の施工を行う。上記軌道こう上・低下区間は新分岐器 挿入箇所であるため、挿入前に施工を行う。

旧分岐器箇所およびその終点側の 85m 間においては 軌道こう上(最大 38mm)の施工を行うが、この区間は 旧分岐器撤去後に施工を行う。

軌道低下の施工ステップとしては、まず軌道低下箇 所の路盤低下を行う。この段階ではレールレベルの変 更を行わない。その後下バラスト掻き出しによる軌道 低下の施工を行う。

(3)分岐器分割挿入

図-6 に分岐器挿入図を示す。今回挿入する新分岐器 の全長は軌道脇の電化柱間隔よりも長いため、一括で の横取り挿入は困難である。そこで分岐器一括挿入で はなく分割挿入を行うこととする。新分岐器を「ポイ ント部+リード部」と「クロッシング部」に 2 分割し て挿入を行う。

支障する電化柱の秋田方に 2 分割した分岐器を仮組 するため、「ポイント部+リード部」に関しては挿入時

に約20m 程度の縦移動を行う。

5.おわりに

本報告では設計有効長延伸工事に伴う課題とそれに 対する取組みについて述べた。今後も引き続き分岐器 挿入に伴う線路切換工事に向けて、安全かつ確実な施 工を行く。

図‐4 L 型擁壁施工図 図‐3 線路縦断勾配計画図

軌道こう上

(最大40mm)

軌道低下

(最大65mm)

軌道こう上

(最大38mm)

60m 55m 85m

新分岐器挿入前 に施工

(H22.10)

現分岐器撤去後 に 施工(H23.5)

図‐5 軌道こう上・低下量図

図-6 分岐器挿入図

秋田方

継目 継目

ポイント部・リード部 クロッシング部 電化柱支障

横取り

大曲方

土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)

参照

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