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土木工学専攻  17 号  菊地  慶 Kei KIKUCHI

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Academic year: 2021

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(1)

事前放流を用いたダム貯水池放流操作手法とその洪水水位低減効果に関する研究 

A study on Reservoir Operation Method Using Anticipatory Release And Its Reduction Effects on Flood

土木工学専攻  17 号  菊地  慶 Kei KIKUCHI

1.はじめに  

  流域総合治水において最も大きな効果を発揮する手法 の 1 つとしてダムのゲート操作による洪水調節が挙げら れる.計画規模を上回る超過洪水に対して,現況以上の 治水効果を発揮するためにダムの治水・利水機能を効率 的に運用し,洪水時にいかに治水容量を大きく設定でき るかが重要である.そこで著者らは,従来から流域の流 出特性を用いてダムからの事前放流量を決定する手法を 提案している

1)2)

.また,著者らの従来の研究から,放 流を行う際の準備に多くの時間を要するため,治水容量 増大の効果を期待するには可能な限り準備時間を少なく する必要があることを示した.本研究では,事前放流を 行う時間を確保するために,従来から提案する手法に降 雨予測を組み込んだ洪水調節を行い,その効果を検証し た.図-1 に現在までの研究の流れを示す.

2.本研究で対象としたダムの諸元 

本研究では,利根川水系の渡良瀬川上流 78km 地点に位 置する草木ダムを対象として解析を行った.草木ダムは 多目的ダムであり,流域面積は 254km

2

である.草木ダ ムでは昭和 52 年の建設当初に定められた操作規則に従 って洪水調節が行われている.それによると草木ダムで は流入量 500m

3

/s 以上を洪水と定義し,洪水時の放流量 は式(1)により決定される.

Q

OUT

=( Q

IN

−500)×0.1+500    (1)

洪水調節は式(1)の操作規則に従って放流している.本 論文ではこの放流操作を 1 割放流と定義する.この放流 は常用洪水吐の操作によって行われるが,ダムが満水に 近づくとただし書き操作として常用洪水吐と非常用洪吐 から流入量と同じ量が放流される. 図-2 に草木ダムにお ける 2001 年 9 月の台風 15 号に伴う出水(既往最大の放 流量 906m

3

/s を記録)を対象とした洪水調節を示す.こ の時の操作では洪水のピーク付近において洪水流量を溜 め込み,放流量を最小限に留めている.しかしダム貯水 位が満水位に近づくとただし書き操作が行われ,流入量 と同じ量が放流されている.

3.本研究で提案する貯水池からの放流量決定手法  本研究で提案するダム放流量決定手法の概念を以下 に述べる.ダム貯水池における流入量,放流量に関して は式(2)に示す連続式が成立する.

( Q Q ) dt V

t

OUT

IN

− =

− ∫

0

(2)

ここに, V:現時点(=時刻 t)以降に確実にダム貯水

池に流入する総流入量(=ダム流域における総直接流 出量)[m

3

],Q

IN

:ダム貯水池への流入量[m

3

/s],Q

OUT

: ダム貯水池からの放流量[m

3

/s]である.

これは著者らが従来から提案している考え方であり,

ある時刻における流入量や降雨量などのダム貯水池に おける水文諸量から,その後最低限貯水池へ流入する総 流入量を算出し, それに見合う流量を事前放流量とする.

事前放流としては降雨終了後に確実に流入する量だけを 放流するものであり,洪水終了後にはダム貯水池は最低 でも夏期制限水位まで回復することができる.この放流 方法はいかなるダム流域においてもその流出特性を明ら かにすることで適用することができる最も単純かつ合理 的な放流方法と言える.

ここで,放流量の算出においては以下に示す時々刻々 の累積降雨量の関数 R(t)で V を表す手法を用いる.

事前放流をする時間を確保するために 提案する手法に降雨予測を組み込む

事前放流による治水容量の増大効果を期待するためには可能な 限り放流開始準備時間を少なくする必要がある

利水に支障を与えない事前放流手法の提案 計画規模以上の洪水の増加→ただし書き操作回数の増加

超過洪水に対応するために

放流開始準備時間に多くの時間を要する

図-1 現在までの研究の流れ 

400 420 440 460

0 50 100

0 24 48 72 96 120

0 500 1000 1500

40 20

降雨強度(mm/h

時間(hour)

:流入量

:貯水位

:残存調節容量率

残存調節容量率(%)

:放流量

:降雨強度

流量(m3/s)貯水位(m)

最低水位 (EL.403.7m) 夏期制限水位 (EL.440.6m)

サ–チャ–ジ水位 (EL.454m)

図-2 草木ダム流域における洪水時の流入量・放流量及び貯水位 

(2)

0 100 200 300 400 500 600 0

5 10 [×10+7]

累積降雨量(mm) 総直接流出量 (m

3

)

:実測値

:利水に有利(総直接流出量が既往最小)

:平均値

:治水に有利(総直接流出量が既往最大)

LineB

LineA

LineC

図-3 草木ダム流域における総降雨量 R(t) と総直接流出量 V の関係

( Q Q ) dt V ( ) R ( ) t

t

OUT

IN

− =

− ∫

0

    (3)

本研究では,この手法を総降雨量方式(山田方式)と 定義する.以下に累積降雨量から V を算出する理論を記 す.現行のダム操作規則による放流操作は,時々刻々の 流入量データを基に行っているが,洪水の発生要因であ る降雨の情報を得る事により,ダム貯水池への流入量を 実際に流入が開始する前に算出することが可能となる.

これにより,さらに効率的な洪水調節を行える可能性が ある.式(3)を時間(t)で微分し,式(4)の dR/dt=r(t)の関係 を用いると式(5)が得られる.

=

t

r t dt t

R

0

( ) )

(     (4)       

) (t dR r Q dV dt dR dR Q dV

Q

OUT

=

IN

+ ⋅ =

IN

+ ⋅ (5)

ここに,R(t):ダム流域において降雨が開始した時刻 から現時点までの累積降雨量[ mm] , r(t):時々刻々の降 雨量[mm/h]である.この山田方式では,降雨開始時を 時刻 t=0 と定義する. 図-3 に草木ダムにおける累積降雨

R(t)と総直接流出量 V の関係を示す.式(5)を用いると

ともに,流域における VR(t)の関係を事前に作成して おくことで,事前放流量が決定される.つまり,実測の データに対して回帰直線を作成する事で放流量を決定す ることができる.ここで,この累積降雨量と直接流出量 の関係のばらつきが大きいダム流域に対しては,回帰直 線の傾きを変化させることで,平均値のライン( LineA) , 治水に有利なライン(LineB),利水に有利なライン

(LineC)を定義し用いることができる.どのラインを使 用するかはダムの管理者サイドが出水規模,貯水容量,

洪水調節の主目的などに応じて決定することができる.

これにより,著者らが提案する放流手法はいかなるダム に対しても普遍的に適用可能である.5 章および 6 章で 記す事例では平均ラインを用いている.ダム貯水位に関 しては式(6)より算出可能であり,利水容量の安全性も同 時に確認できる.

( ) Q

IN

Q

OUT

dt

h dh

A = − (6)

ここに,A(h):湛水面積[m

2

],h:貯水位[m]である.

草木ダム流域において 2001 年 9 月(台風 15 号)の洪 水に対して,上述した総降雨量方式及び低減特性方式を 用いて事前放流を行う洪水調節を適用した. 図-4 に流入 量,放流量,貯水位の時系列を示す.この出水のように 降雨継続時間が長く,ダム貯水池の容量を超えるような 出水の際には,放流量=流入量とする ”ただし書き操作”

を行わざるを得ない.それに対して本研究で提案する洪 水調節手法は,前述した手法に基づき事前放流を行い,

流入量が 500 m

3

/s に達した後は現行の操作規則通り洪水

調節を行った.この手法により”ただし書き操作”を行う 必要がなくなった事から,洪水調節に非常に有効である ことが言える.

ところで,降雨に伴う流出は雨が降った瞬間から始ま るものではなく,ある閾値に達しなければ流出は始まら ない.本研究ではこの閾値を R

SA

と定義し, R

SA

に到達し た時刻をt=0 とした.草木ダム流域における R

SA

は平均 して 46mm である.

4.提案する放流量決定手法に降雨予測を組み込む方法  著者らは前述のように降雨予測を用いない事前放流 量決定手法を提案しているが,放流を開始する際にダム 管理者は,放流開始の準備として,人員の確保やゲート 等放流設備の点検,関係機関への放流通知などに約 2 時 間を要し,放流開始の判断や所員の集合指示等を含める と約 3 時間の準備時間を必要とするのが現状である(図 -5) .これらの放流準備時間を考慮した場合に,事前放流 による治水効果を最大限に発揮するためには可能な限り 早く事前放流を開始することが必要となる.そこで本研 究では,山田方式より事前放流量を決定する際に,時々 刻々の累積降雨量ではなく,気象庁の降水短時間予報に よる予測降雨量の累積値を用いる.予測降雨量を用いる ことにより放流開始を早めようという試みである.気象 庁の降水短時間予報は 30 分間隔で発表され, 6 時間先ま での各 1 時間雨量を予測する.予測降雨量を用いること で,時々刻々の累積降雨量を用いるよりも早い時期から 洪水に備えることが可能になると考える.予測降雨量に 伴う総直接流出量を図-3 に示した総直接流出量Vと累積

降雨量 R(t)の関係から求め,事前放流量を決定する.

0 24 48 72 96 120

0 500 1000 1500

40 30 20 10 0 400

420 440 460

時間(hour)

放流量(m3/s)貯水位(m)

夏期制限水位 (EL.440.6m) サーチャージ 水位 (EL.454m)

最低水位 (EL.403.7m)

降雨強度(mm/h)

:放流量

(現行の操作規則通り)

:流入量(実測値)

:放流量(総降雨量方式)

:貯水位(総降雨量方式)

:貯水位(現行の操作規則通り)

:放流量(低減特性方式)

:貯水位(低減特性方式)

流入量が500m3/sに 達してからは 現行の操作規則 通りの流量制御 流入量が500m3/sに達する

までは算出した放流量を放流

:降雨強度(実測値)

図-4 総降雨量方式と低減特性方式を用いて事前放流を 

行った洪水調節と現行の操作規則に従った洪水調節との比較  

(3)

5.降雨予測を取り入れた洪水調節手法の適用  総直接流出量と予測降雨量の累積値の関係に基づき 事前放流量を決定する洪水調節を実際の洪水に適用した.

対象とした洪水は,過去の降水短時間予報データが得ら れた 2007 年 9 月の台風 9 号 (草木ダムへのピーク流入量

1,190 m

3

/s,既往 2 番目の規模)に伴う洪水である.ここ

で,ダムからの放流により人工洪水が発生する場合,洪 水調節の意味が無くなる.さらに,事前放流の段階にお いて洪水流量以上の放流はできない.よって,事前放流 量の最大値は,解析対象としている草木ダムにおいて洪 水流量と定義されている 500m

3

/s とし,洪水調節開始流 量に到達以降は現行の操作規則に従う洪水調節を行った.

本事例の場合,現行の操作規則通りに放流した場合でも ただし書き操作に移行することなく洪水調節を行うこと に成功しているが,放流の最中により多くの降雨がある 場合に,ただし書き操作に移行することが予想されるた め,事前放流を行うという前提に基づいている.

6 時間前に発表された降水短時間予報に基づき事前放 流量を算出した際の流入量,放流量,貯水位の時系列を 図-6 に示す.比較のために,実測降雨量に基づいて決定 した放流量,貯水位,および対象洪水発生時に実際行わ れた操作による放流量,貯水位も同時に示す.

予測降雨量を用いて事前放流を行ったことにより,

時々刻々の実測降雨量を用いた場合よりも多くの量を事 前放流できていることがわかる.また,洪水終了後の貯 水位を見ると貯水位は夏季制限水位へと回復しており利 水容量を確保していることがわかる.これにより,降水 短時間予報を著者らが従来から提案している事前放流手 法へ組み込むことで,最長 6 時間前から洪水に備えるこ とが可能であるとともに,不確実性を伴う予測降雨量を 用いたとしても貯水容量を失うことなく事前放流が可能 であることを示した.以上により降水短時間予報を用い た事前放流が治水にとって非常に有効な手法であること を示した.

5.提案する洪水調節手法の適用範囲と放流量の補正  前章で対象とした予測降雨量は実測降雨量よりも初 期の段階から全体を通じて少ない量の降雨を予測してい る.よって,さらに高精度な予報を用いることができれ ば,多くの事前放流を早い段階から行うことができ,本 論文で示した結果よりも大きな治水効果を得ることが可 能となる.逆に降雨イベントの初期に降雨を過大に予報 するような予測結果に対しては,予測降雨量に対する 次々刻々の補正を行うなどにより利水容量を失うことを 回避するための取り組みが必要となる. 本章では,本研 究で提案する事前放流手法がどの程度の予測結果に まで利水容量を損なわずに適用可能であるかを定量 的に評価するとともに,予測値をいかに補正し予測誤 差をいかに小さくするかについて検討を 行う.なお,

本章における降雨予測は現時点の 6 時間前に行われたも のと仮定する. 2001 年 9 月(台風 15 号)の洪水に対し て,放流量を算出した.例として,予測した降雨の時間 と雨量がともに的中した場合( 図-7) ,実測降雨の 1.6 倍

の降雨量を予測した場合(図-8)の流入量,放流量,貯 水位,可能放流量の時系列を示す.比較のために,現行 の操作規則に従った洪水調節および実測降雨量に基づい て行った洪水調節に対する放流量, 貯水位も同時に示す.

図-7 において,現行の操作規則に従った洪水調節および 実測降雨量に基づいて行った洪水調節がただし書き操作 に移行しているのに対し,降雨予測を用いて事前放流を 行ったことでダム貯水池への流入が卓越する前に治水容 量を増大させ,ただし書き操作を回避した.また,洪水 終了後に利水容量を確保していることがわかる. 図-8 に おいて,降雨予測を用いて事前放流を行ったことでダム 貯水池への流入が卓越する前に治水容量を増大させたが,

貯水位が夏期制限水位まで回復せず,洪水後期に流入量 を溜め込む操作を行った.貯水位が夏期制限水位まで回 復しなかったことは,実測降雨の 1.6 倍の予測降雨に対 して放流量を算出したこと,流入量が 500m

3

/s に到達以 降に行った現行操作を行ったことに起因すると考える.

前述のように,事前放流を行ったことにより利水容量 を失うことがあってはならない.そこで,降雨予測に基 づいて算出される放流量に対して予測が外れた分だけ 時々刻々補正を行う.放流量補正方法の概念を以下に示

時間[hour]

流量[m3/s] 降雨強度[m3/s]

〇放流警報(操作規則による)

〇関係機関への放流通知(操作規則による)

〇放流開始準備作業(調節計画作成、ゲート・車両・通信機器等の点検)

☆放流開始

〇洪水警戒体制(人員の確保、関係機関への通知文作成) 30min

1hour〜2hours

:降雨強度

:流入量

:放流量

洪水調節開始流量

図-5 放流開始準備時間について 

0 12 24 36 48 60 72 84 96 108 120 132 144 156

0 400 800 1200 1600 2000

50 40 30 20 10 400

420 440 460

時間(hour)

放流量(m3/s)貯水位(m)

サーチャージ 水位 (EL.454.0m) 夏期制限水位 (EL.440.6m)

最低水位 (EL.403.7m)

降雨強度(mm/h)

:流入量(実測値)

:降雨強度(実測降雨)

:放流量(実測降雨を用いた山田方式)

:貯水位(実測降雨を用いた山田方式)

:貯水位(現行の操作規則通り)

:放流量(現行の操作規則通り)

:降雨強度(6h前に予測した降雨)

:放流量(6h前の降雨予測を用いた 山田方式)

:貯水位(6h前の降雨予測を用いた 山田方式)

500m3/s

図-6 草木ダム流域における洪水時の流入量,6 時間先の予測降雨

量に基づき算出した放流量及び貯水位 

(4)

す.放流量は,6 時間前に予測された降雨量に従って算 出しており,予測した 6 時間後にはその降雨予測がどれ だけ外れたかがわかる.そこで,現時点の放流量を決定 する際の降雨情報として,6 時間先に降ると予測された 降雨量に現時点の実測降雨量と 6 時間前に予測された降 雨量との差を加えたものを用いることとする.この補正 方法は最も単純な方法であると考える.なお,本補正方 法は降雨流出現象を本来の非線形関係ではなく,線形関 係とみなすことで成り立つものである.本補正方法を,

2001 年 9 月(台風 15 号)の洪水に対して,実測降雨の 1.6 倍の降雨量を予測した場合に適用する. 適用結果を図 -9 に示す.本補正方法を適用したことにより,洪水後期 に流入量を溜め込まなくとも,貯水位は夏季制限水位へ と回復しており利水容量を確保していることがわかる.

最後に,本論文はダム貯水池からの新しい放流方法の 決定論(思想論)を語るものであり,事前放流を用いた洪 水調節の新たな枠組みを提案するものである.ダム流域 の流出特性に基づき事前放流量を算出し,降水予測情報 やダム上下流の水文情報を洪水調節に有効利活用するこ とで,既存ダム貯水池の更なる洪水調節機能の向上を目 指した.社会基盤整備における厳しい財政状況や自然環 境・気候変動に関する社会的関心の高まりから,新規に ダムを建設する事が困難な状況である.このため,各機 関に既設ダムの有効活用の取り組みが進められており,

今後さらにこの取り組みが増加していくものと考えられ る.本研究が,既設ダムの有効活用の手段の一つである 洪水調節方式の変更および超過洪水対応の基本的な操作 手法の枠組みとなり,さらに今後とも研究や技術開発,

精度向上が進められていく降雨予測と組み合わせること により,更に効率的なダム運用に繋がっていくものと考 える.

6.まとめ  

本論文では実測降雨量と気象庁の降水短時間予報に よる予測降雨量を用いたダム放流量を比較し,それに基 づく現実的なダム管理を提案した.それにより得られた 知見を列挙する.

1) 著者らが従来から提案している事前放流を用いた洪 水調節手法の効果をより有効にするために,降水短 時間予報による降雨量をもとにダムからの事前放流 量を決定した.この結果を実測降雨量を用いた事前 放流と比較した.予測降雨量を用いて事前放流を行 うことにより,実測降雨量を用いた場合よりも多く の量を事前放流し,ダム貯水池への流入が卓越する 前に治水容量を増大させることで洪水調節に成功す るとともに,利水容量を失うことなく洪水調節が可 能であることを示した.

2) 仮想的な降雨予測に対し,本事前放流手法の適用範 囲を示すと共に降雨予測が外れた場合に,時々刻々 放流量を補正する方法を提案し,その手法が適用可 能であることを示した.

参考文献 

1) 戸谷英雄,秋葉雅章,宮本守,山田正,吉川秀夫:ダム流域

における洪水流出特性から可能となる新しい放流方法の提案, 土木 学会論文集,BVol.62,No.1,pp.27-40,2006

2) 下坂将史,呉修一,山田正,吉川秀夫:既存ダム貯水池の洪 水調節機能向上のための新しい放流方法の提案, 土木学会論文集,

印刷中,2009

0 24 48 72 96 120

0 500 1000 1500 2000

40 30 20 10 0 400

420 440 460

時間(hour)

放流 量

(m3 /s)

貯水位

(m)

夏期制限水位 (EL.440.6m) サーチャージ 水位 (EL.454m)

最低水位 (EL.403.7m)

降雨強度

(mm/h)

:放流量(現行の操作規則通り)

:流入量(実測値)

:放流量(6h前の降雨予測 を用いた山田方式)

:貯水位(6h前の降雨予測を用いた 山田方式)

:貯水位(現行の操作規則通り)

:放流量(実測降雨 を用いた山田方式)

:貯水位(実測降雨を用いた 山田方式)

:降雨強度(実測降雨)

:降雨強度

(6h前に予測された降雨)

500m3/s

図-7 草木ダム流域における洪水時の流入量・放流量及び貯水位 

(6 時間前の降雨予測が的中した場合) 

0 24 48 72 96 120

0 500 1000 1500 2000

40 30 20 10 0 400

420 440 460

時間(hour)

放流 量

(m3 /s)

貯水位

(m)

夏期制限水位 (EL.440.6m) サーチャージ 水位 (EL.454m)

最低水位 (EL.403.7m)

降雨強度

(mm/h)

:放流量(現行の操作規則通り)

:流入量(実測値)

:放流量(6h前の降雨予測 を用いた山田方式)

:貯水位(6h前の降雨予測を用いた 山田方式)

:貯水位(現行の操作規則通り)

:放流量(実測降雨 を用いた山田方式)

:貯水位(実測降雨を用いた 山田方式)

:降雨強度(実測降雨)

:降雨強度 (6h前に予測された降雨)

500m3/s

図-8 草木ダム流域における洪水時の流入量・放流量及び貯水位 

(6 時間前の降雨予測が実測降雨の 1.6 倍を予測した場合) 

0 24 48 72 96 120

0 500 1000 1500 2000

40 30 20 10 0 400

420 440 460

時間(hour)

放流 量

(m3 /s)

貯水位

(m)

夏期制限水位 (EL.440.6m) サーチャージ 水位 (EL.454m)

最低水位 (EL.403.7m)

降雨強度

(mm/h)

:放流量(現行の操作規則通り)

:流入量(実測値)

:放流量(6h前の降雨予測 を用いた山田方式)

:貯水位(6h前の降雨予測を用いた 山田方式)

:貯水位(現行の操作規則通り)

:放流量((6h前の降雨予測 を用いた山田方式)を補正)

:貯水位((6h前の降雨予測 を用いた山田方式)を補正)

:降雨強度(実測降雨)

:降雨強度 (6h前に予測された降雨)

500m3/s

図-9 草木ダム流域における洪水時の流入量・放流量及び貯水位 

(6 時間前の降雨予測が実測降雨の 1.6 倍を予測した場合を補正)

参照

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