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土木工学専攻

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(1)

避難行動シミュレーションに基づく避難困難度マッピングシステムの構築

Development of Mapping System of Evacuation Difficulty Based on Human Evacuation Simulation

土木工学専攻

9

号 岡本 睦

Atsushi OKAMOTO

1. はじめに

現在,我が国では東南海・南海地震などの巨大地震の 発生が危惧されている.これらの海溝型地震は大規模な 津波を引き起こす可能性が高く, 中央防災会議によれば,

次回の東南海・南海地震で想定される死者数は最大で約

1万7千人となり,その半数近くは津波災害による.

このような津波被害を軽減するためには,防潮堤の整 備などのハード面の対策だけでなく,避難体制や情報伝 達体制の確立などのソフト面の対応までも含んだ総合的 な津波防災体制の確立が必要である.

そこで本研究では,ハード対策とソフト対策の両者の 評価と住民個人の視点から津波防災対策の効果が見える システムの開発を試みた.すなわち,津波災害時の避難 行動シミュレーションに基づく避難困難度マッピングシ ステムである.

2. 避難行動のモデル化 2-1 ポテンシャルモデル

本研究ではポテンシャルモデルに基づいた避難行動モ デル

1)

を用いてシミュレーションを行った.このモデル は対象空間を図 1 に示すように, 「物理的な要因」 「個人 特性」 「災害要因」の3つのポテンシャル分布の重ね合わ せとして考えることで,異なった個人特性を有する多数 の人間の避難行動が簡単に取り扱えるモデルである.

避難者1人1人に対して、その位置 と時間によって変動するポテンシャ ル空間が定義される

物理的な要因 個人特性 災害要因 重ね合わせる

出口1 障害物2 障害物1

よく知っている出口

火災や煙

出口3 出口2 よく知らない出口

避難者1人1人に対して、その位置 と時間によって変動するポテンシャ ル空間が定義される

物理的な要因 個人特性 災害要因 重ね合わせる

出口1 障害物2 障害物1

よく知っている出口

火災や煙

出口3 出口2 よく知らない出口

図 1 ポテンシャルのイメージ

3つのポテンシャルを重ね合わせることによって,避 難者1人1人に対して,その位置と時間によって変動す るポテンシャル空間が定義される.このようにして決め

られた対象空間内において,それぞれの避難者は,時間 ステップごとにポテンシャルの低い方を進行方向として 選択し,移動を繰り返すことによって,最終的に出口に 辿り着く.

また,それぞれの避難者は自分の周囲のメッシュの混 雑度を認知し,その混雑度に応じた速度で避難する.な お,走行による避難速度は歩行速度の経験式

2)

を基にし て,図 2 に示す曲線で表現することとした.図中の空間 モジュールとは,人口密度の逆数で混雑度を示す指標で ある.

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5

歩行者空間モジュール(㎡/人)

歩行速度/

Fruinの経験式の近似曲線 成人男性   : Vmax = 1.5(m/s)

成人女性  : Vmax = 1.3(m/s)

高齢者・子供 : Vmax = 1.0(m/s)

Fruinの近似曲線 成人男性:Vmax=1.5(m/s) 成人女性:Vmax=1.3(m/s) 高齢者・子供:Vmax=1.0(m/s)

歩行者空間モジュール(m2/人)

歩行速度(m/s

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 0.0

0.4 1.0

0.2 0.6 0.8 1.2 1.4 1.6

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5

歩行者空間モジュール(㎡/人)

歩行速度/

Fruinの経験式の近似曲線 成人男性   : Vmax = 1.5(m/s)

成人女性  : Vmax = 1.3(m/s)

高齢者・子供 : Vmax = 1.0(m/s)

Fruinの近似曲線 成人男性:Vmax=1.5(m/s) 成人女性:Vmax=1.3(m/s) 高齢者・子供:Vmax=1.0(m/s) Fruinの近似曲線

成人男性:Vmax=1.5(m/s) 成人女性:Vmax=1.3(m/s) 高齢者・子供:Vmax=1.0(m/s)

歩行者空間モジュール(m2/人)

歩行速度(m/s

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 0.0

0.4 1.0

0.2 0.6 0.8 1.2 1.4 1.6

図 2 歩行者空間モジュール ・ 密度と避難速度 2-2 情報伝達モデル

災害時に行政や報道機関などから発信される『災害情 報』は,住民にとっては適切な対応を行うための重要な 判断材料である.

本研究で用いる避難行動シミュレーションでは,各種 情報伝達メディアによる時系列的な情報伝達の過程を再 現した情報伝達モデルも導入している

3

.災害情報伝達 モデルは,被災状況下において避難勧告・指示などの災 害情報が地域住民に対して発令されてから,その情報が 各種伝達メディア「防災行政無線,広報車,マスメディ ア(テレビ・ラジオ等) 」を通じて住民に伝達されていく 過程を表現するモデルである.

本研究では,表 1 に示すような伝達メディアをとりあ

げた.本研究において情報伝達メディアとして扱った各

種メディアによる情報伝達過程の様子や特性パラメータ

は表 1 と 図 3 に示す通りである.

(2)

表 1 伝達メディアと情報伝達特性パラメータ 伝達メディア 情報伝達特性パラメータ 対象 地震の揺れ 発信タイミング,取得率

マスメディア 放送タイミング,取得率

全住民

防災行政無線 (屋外拡声器)

発信タイミング,配置数,

音声到達範囲,取得率 広報車 発車タイミング,台数,速度,

音声到達範囲,取得率

音 声 到 達 エリア内に いる住民

d:音声到達半径 防災行政無線による情報伝達

防災行政無線 の部分=音声到達エリア

d’

d’ :音声到達半径 広報車による情報伝達

の部分=音声到達エリア

広報車 =T

=T+⊿T

=T+2⊿T

d:音声到達半径 防災行政無線による情報伝達

防災行政無線 の部分=音声到達エリア

d’

d’ :音声到達半径 広報車による情報伝達

の部分=音声到達エリア

広報車 =T

=T+⊿T

=T+2⊿T

図 3 防災行政無線,広報車による情報伝達の様子 3. 対象空間

今回は,東南海・南海地震において大規模津波災害が 懸念される三重県尾鷲市を対象地域とする.解析では住 民の集中する市街地沿岸部の区域を対象とした.

尾鷲市は平成18年11月1日現在,人口22,664人,世帯数 10,313世帯の都市である.住民の集中する市街地は熊野 灘に面したリアス式海岸の湾奥に位置しているため,津 波の常襲地域となっている.過去の東海・東南海・南海 地震においても津波によって被害を被っており,1944年 の東南海地震では最大で9m以上の津波が来襲したことで 尾鷲市において死者30人,行方不明者26人を出した.ま た,中央防災会議では今後発生する東南海・南海地震に おいて,津波によって三重県全域で400人~1,000人の死 者が想定されている.

図4に対象地域のGISデータと市街化沿岸区域の写真 を示す.

撮影方向 撮影方向

図4 対象地域と市街地沿岸地域

4. 津波のモデル化 4-1 使用する津波データ

本研究では,越村による尾鷲市における津波氾濫シミ ュレーション

4)

の解析結果(波高分布,流速分布)を使 用した.より高分解能な津波データを避難解析に反映さ せるため,メッシュサイズ 5.6m,時間間隔 1.2 秒のデー タを基に,それぞれ 1.0m,1.0 秒に補間したデータセッ トを作成した.

4-2 津波が人間行動に及ぼす影響のモデル化

津波の浸水深や流速の変化は,歩行速度の低下を招き 避難効率を悪化させる.そこで,浸水深や流速の変化が 歩行速度に影響を及ぼすような歩行速度減衰モデルを利 用した(図 5) . 表 2 に示す避難者属性別に歩行限界水深・

流速の限界値を設定している.

表 2 各避難者の歩行限界水深/流速と最高速度 限界水深 限界流速 最高速度 成人男性 0.7(m) 2.5(m/s) 1.5(m/s) 成人女性 0.5(m) 2.0(m/s) 1.3(m/s) 子供・高齢者 0.3(m) 1.5(m/s) 1.0(m/s)

0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

流速(m/s)

歩行限界水深 : 0.7(m)

歩行限界流速 : 2.0(m/s)

最高速度 : 1.5(m/s)

0% 20 40 60 80 100

歩行が困難な領域

→歩行速度は0とする

水深(m)

低 減 率

0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

流速(m/s)

歩行限界水深 : 0.7(m)

歩行限界流速 : 2.0(m/s)

最高速度 : 1.5(m/s)

0% 20 40 60 80 100

歩行が困難な領域

→歩行速度は0とする

水深(m)

低 減 率

図 5 歩行速度減衰モデル(成人男性)

4-3 津波が人体に与える力の算出

これまでの目黒らによる研究

3

においては,人的被害 発生の基準を「避難者が存在する領域の水深が

1.0mを

越えた時点」としてきた.しかし本研究ではより詳細な 検討を行うために,流体中の物体に作用する流体力と人 体の歩行面に作用する摩擦力を比較することで,力学的 に人的被害を評価した

5

.図 6 に人体のモデルと算出に 用いた式を示す.

±

(3)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

摩擦(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水(m

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

擦力(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

摩擦力(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

摩擦(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水(m

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

擦力(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

摩擦力(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

+

dV

t C u u dS

C w

mg

f( ) α 0.5ρ D 2 ρ M

dV:浸水した人体部分の体積要素 CD:抗力係数(=1.0)

CM:付加質量係数(=2.0)

f:歩行面における静止摩擦係数(=0.5)

m:考慮する人体の質量

(男性:64.5kg,女性53.1kg,高齢者51.4kg) w:流水中の人体に作用する浮力

歩行者の体力,流れに対する感じ方を 考慮した係数(=2.0)

α

ρ:水の密度(=1.0g/cm2

dS:人体モデルの流れに対する微小投影面積 dV:浸水した人体部分の体積要素 CD:抗力係数(=1.0)

CM:付加質量係数(=2.0)

f:歩行面における静止摩擦係数(=0.5)

m:考慮する人体の質量

(男性:64.5kg,女性53.1kg,高齢者51.4kg) w:流水中の人体に作用する浮力

歩行者の体力,流れに対する感じ方を 考慮した係数(=2.0)

α

ρ:水の密度(=1.0g/cm2

dS:人体モデルの流れに対する微小投影面積

dV dS dV

dS

+

dV

t C u u dS

C w

mg

f( ) α 0.5ρ D 2 ρ M

dV:浸水した人体部分の体積要素 CD:抗力係数(=1.0)

CM:付加質量係数(=2.0)

f:歩行面における静止摩擦係数(=0.5)

m:考慮する人体の質量

(男性:64.5kg,女性53.1kg,高齢者51.4kg) w:流水中の人体に作用する浮力

歩行者の体力,流れに対する感じ方を 考慮した係数(=2.0)

α

ρ:水の密度(=1.0g/cm2

dS:人体モデルの流れに対する微小投影面積 dV:浸水した人体部分の体積要素 CD:抗力係数(=1.0)

CM:付加質量係数(=2.0)

f:歩行面における静止摩擦係数(=0.5)

m:考慮する人体の質量

(男性:64.5kg,女性53.1kg,高齢者51.4kg) w:流水中の人体に作用する浮力

歩行者の体力,流れに対する感じ方を 考慮した係数(=2.0)

α

ρ:水の密度(=1.0g/cm2

dS:人体モデルの流れに対する微小投影面積

dV dS dV

dS

図 6 人体のモデルとモリソン式

この式によって得られる人体の歩行面に作用する摩擦 力と流体力に加えて,浸水深の時刻暦を主要な交差点に おいてグラフ化したものを図 7 に示す.

このグラフにより各地点において,いつどれだけ浸水 するかが明確になると共に,人的被害が発生すると予測 される時間も表示することができる.これを用いて各交 差点をいつまでに通らなければいけないか,個々の住民 がいつまでに避難を開始しなければいけないかなど,各 個人に与えられる猶予時間を含めたミクロな視点から避 難方法を議論することができる.

HB

HWHA HA=HB-HW

HB

HWHA HA=HB-HW

HB

HWHA HA=HB-HW

図 8 防潮堤の写真とモデル化

4-4 防潮堤の効果の検証

尾鷲市の沿岸部には高さ約 2.0m の防潮堤が県道に沿 って南北に約 570m 設置されている.この防潮堤は 1959 年の伊勢湾台風の際の被害を基準にして建設されたもの であるが,適切に使用することで津波発生時にも効果を 発揮することが予想される.そこで本研究では,この防 潮堤が機能する場合としない場合での人的被害発生の比 較を行なった.

越村による津波氾濫シミュレーション

4)

では防潮堤を 考慮しない場合の浸水深を算出している.この結果を用 いて,防潮堤を越流した際には防潮堤の後ろ側にある地 域の浸水深から 2.0m 分差し引き, 単純化して防潮堤が機 能する場合の浸水深を求めた.実際の防潮堤の写真とモ デル化の様子を図 8 に示す.

図 9 は防潮堤が機能する場合の各地点における最大浸 水深を示したものである.作成した津波データを用いた シミュレーションによる死者数の変化を図 10 に示す.

これによると防潮堤が機能した場合,死者数を 513 人か

6.0(m) 0.0(m) 最大浸水深

6.0(m) 0.0(m) 最大浸水深

防潮堤

6.0(m) 0.0(m) 最大浸水深

6.0(m) 0.0(m) 最大浸水深

6.0(m) 0.0(m) 最大浸水深

6.0(m) 0.0(m) 最大浸水深

防潮堤

図 9 防潮堤が機能する場合の最大浸水深 図 7 主要な交差点における浸水深と人体に作用する力

±

(4)

ら 78 人にまで減らすことが可能という結果が得られた.

なおこのシミュレーションは,行政などからの情報伝達 に遅れはなく,情報取得率 30%,避難準備時間 15 分とい う条件のもとで行った.

63 132 318

10 45 23

0

100 200 300 400 500 600

機能しない場合 機能する場合

死 者数(人 )

子供・高齢者 女性 男性

85%減

78 513

63 132 318

10 45 23

0

100 200 300 400 500 600

機能しない場合 機能する場合

死 者数(人 )

子供・高齢者 女性 男性

85%減

78 513

図 10 防潮堤の効果の検証 5. 避難経路の検討

次に,得られたシミュレーション結果を用いて,より 効果的な避難経路の検討を試みた. 具体的には,海岸線 に平行な方向への移動よりも垂直方向の移動を優先させ ることで図 11 に示すように人的被害数を 513 人から 287 人に減らすことができた.実際の場合においても,事前 にシミュレーション結果を用いて地域ごとに避難経路を 検討しておくことで,被害を軽減できると考えられる.

63 28

132

68 318

191

0 100 200 300 400 500 600

最短経路 検討した経路

死者数 (人)

子供・高齢者 女性 男性

44%減

287 513

63 28

132

68 318

191

0 100 200 300 400 500 600

最短経路 検討した経路

死者数 (人)

子供・高齢者 女性 男性

44%減

287 513

図 11 避難経路の検討 6.避難困難度マッピングシステムの構築

本研究では来襲する津波の浸水深とそれによって人体 に作用する力の算出を交差点ごとに行った. この結果を 住民に開示するための閲覧システムもあわせて作成した.

システムの全体像は図 12 のようになっている.

使用方法は,津波のパターン・住んでいる地域を選択 することで,その地点での浸水深・人体に作用する力を 表示する.それに加えて,避難場所までの距離や標高な ど,選んだポイントについての避難に関する基本的な情 報を表示するものとなっている.

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

摩擦力(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

摩擦力(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

-1000 -500 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

0 10 20 30 40 50 60

時間(分)

摩擦力(N)/流体力(N)

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

浸水深(

歩行面の摩擦力(N)

津波による流体力(N)

浸水深(m)

図 12 避難困難度マッピングシステム 7.まとめ

避難シミュレーションに基づき,防潮堤の効果の検証 など様々な検討を行い,死者数への影響など,具体的に どれほどの効果があるかを示した.また,本研究により 得られた津波が人体に与える力や避難に関する基本的な 情報を住民に開示するための閲覧用マッピングシステム を構築した.

今後はシステムの効果的な利用方法や,さらに付け足 すべき機能に関する検討が求められる.

【謝辞】

本研究を進めるにあたり,尾鷲市長の伊藤允久氏,大 川誉史氏,川口昭則氏をはじめとする尾鷲市防災危機管 理室の皆様,東北大学大学院工学研究科助教授の越村俊 一氏にはデータのご提供など,多大なるご支援をいただ きました.ここに感謝の意を表します.

【参考文献】

1) 原田雅也・目黒公郎:ポテンシャルモデルを用いた最 適避難誘導のための基礎的研究,東京大学大学院工 学系研究科社会基盤工学専攻修士論文,1998.

2) Fruin.J:歩行者の空間,鹿島出版会,1974.12.

3) 織田浩平・目黒公郎:津波災害時の避難行動シミュレ ーションモデルの開発,中央大学大学院理工学研究 科土木工学専攻修士論文,2005.

4) 越村俊一:津波の市街地氾濫シミュレーションと人 的被害評価,文部科学省「大都市大震災軽減化特別 プロジェクト」平成

16

年度成果報告書

5) 越村俊一:越村俊一:津波の市街地氾濫シミュレー

ションと人的被害評価,文部科学省「大都市大震災

軽減化特別プロジェクト」平成

14

年度成果報告書

表 1  伝達メディアと情報伝達特性パラメータ  伝達メディア  情報伝達特性パラメータ  対象  地震の揺れ  発信タイミング,取得率  マスメディア  放送タイミング,取得率  全住民  防災行政無線  (屋外拡声器)  発信タイミング,配置数, 音声到達範囲,取得率  広報車  発車タイミング,台数,速度, 音声到達範囲,取得率  音 声 到 達エリア内にいる住民  d d:音声到達半径防災行政無線による情報伝達防災行政無線の部分=音声到達エリア d’ d’ :音声到達半径広報車による情報伝達の部分=

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