論文内容要旨
論文題名
Effect of minodronate, a nitrogen-containing bisphosphonates, on collagen-induced arthritis model mice
コラーゲン誘導型関節炎モデルマウスにおける窒素含有型ビスホスホネ ート製剤ミノドロネートの影響
掲載雑誌名
Cellular Immunology & Immunotherapeutics (投稿中)
口腔解剖学 新井 宏
内容要旨
【目的】窒素含有型ビスホスホネート(NBP)は、破骨細胞による骨吸収 を強力に抑制する骨吸収抑制剤として骨粗鬆症や悪性腫瘍による骨転移 等の疾患に対して臨床で広く用いられている。一方で、食道および胃腸障 害等の炎症や顎骨壊死誘導等の副作用が報告されている。リウマチ性関節 炎における BP による骨破壊の抑制に関する臨床報告は数多くなされてい るが、NBP による明確な抑制効果を示す報告はこれまでにない。我々はコ ラーゲン誘導型関節炎(CIA)マウスにおいて、NBP の一つであるアレン ドロネート(ALN)投与により炎症ならび骨破壊の増悪を過去に報告してい る。近年承認されたミノドロネート(MIN)は、ALN と比較して非常に強 い骨吸収抑制作用を示す。しかしながら、CIA マウスにおける MIN の 影響の報告は少ない。本研究では、CIA マウスに MIN を投与し、骨破壊お よび炎症に対する影響について解析した。
【方法】8 週齢雄性 DBA/1 マウスを用いて、MIN(4μmol/kg)をⅡ型コラ ーゲンによる1次感作の1週間前から週に一度腹腔内投与を行った。ウシ
Ⅱ型コラーゲンと完全フロインドアジュバントを等量混合したエマルジ ョン(50μl/マウス)の皮内投与により CIA を誘導した。2 次感作後 2,4,8 週で MIN 投与群と非投与群の試料採取を行った。
【結果】関節炎スコアでは、MIN 投与群が非投与群よりも全ての期間で高 いスコアを示した。血清中 TNF-α および MMP3 濃度は MIN 投与群において 有意に上昇した。組織学的解析では、MIN 投与群において成長軟骨板およ び骨梁骨の残存が見られた。MIN 投与群および非投与群では CIA 誘導によ り肥厚した膝関節滑膜やパンヌス形成が認められ、さらに、MIN 投与群で は膝関節滑膜および関節腔への持続的な好中球の浸潤が認められた。また、
膝関節滑膜では CD4 陽性 T 細胞および TCRγδ陽性 T 細胞の浸潤と関節
頭部における軟骨の破壊が強く認められた。大腿骨関節遠位における骨髄 では壊死組織が認められた。Flow Cytometry 解析においても、膝関節腔 滑液中に持続的な好中球の浸潤が認められた。RT-PCR 解析で、MIN 投与群 と非投与群滑膜では MMP3,9,13mRNA 発現がどちらにも認められた。一方で、
持続的な IL-1β、TNF-αおよび IL-17mRNA 発現が MIN 投与群において強 く認められた。さらに、リアルタイム RT-PCR 解析で、MIN 投与群滑膜組 織では IL‐17mRNA 発現の上昇が強く認められた。
【考察】これらの結果より、MIN は TNF-αや IL-17 のような炎症性サイト カインを介して炎症を持続的に誘発することで炎症性骨疾患の症状を増 悪させる可能性が示唆された。