論文内容要旨 論文題名
Microscopic study on resorption of β-tricalcium phosphate materials by osteoclasts
(破骨細胞によるβ-TCP 製材の吸収についての顕微鏡的研究)
掲載雑誌名
Cytotechnology 2015 年 掲載予定
整形外科学 松永 朗裕
内容要旨
骨折の治療や骨切り術などの外科治療ではβ-TCP などの骨補填剤が使 用されるが破骨細胞は骨補填剤も吸収することが知られているが、吸収メ カニズムは不明である。そこで本研究では、破骨細胞によるβ-TCP 吸収 する様子を顕微鏡で観察し、吸収のメカニズムについて考察した。
マウスの骨髄細胞から誘導した破骨細胞をβ-TCP 切片および比較対照 として用いた象牙質切片上で 72 時間培養し、破骨細胞と吸収面の微細構 造を走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡で観察し、細胞骨格である アクチンフィラメントを蛍光顕微鏡で観察した。
その結果、象牙質切片には吸収窩が観察され、その大きさはアクチンが 環状に集積してできたアクチンリングの大きさと類似していた。また、破 骨細胞接着面に波状縁が観察された。
また、β-TCP 上で破骨細胞を培養したところ、β-TCP 粒子の側面が溶 解され棘状構造を呈している事が明らかとなかった。さらにアクチンの形 態を観察したところ、明瞭なアクチンリングの形成はなく、波状縁につい ても象牙質と同様の形成をβ-TCP では認めなかった。
以上の結果から、破骨細胞がβ-TCP に接着すると粒子との接着面にア クチンの集積がおこり、β-TCP 粒子を溶解すると考えられる。その際、
明瞭なアクチンリングや波状縁の形成をせずに塩酸を分泌し、吸収を行っ
ていると推察された。