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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Anti-mouse RANKL Antibodies Inhibit Alveolar Bone Destruction in Periodontitis Model Mice

(抗マウス RANKL 抗体は、マウス歯周病モデルにおける歯槽骨破壊を抑制する)

掲載雑誌名

Biological and Pharmaceutical Bulletin (2018

41

4

号 掲載予定) 障害者歯科学 栗谷 未来

内容要旨

【目 的】

障がい者は自己による口腔管理が困難であるため、歯周病の発症リスク が高く、患者によっては炎症性歯槽骨破壊が進行し、歯を喪失する恐れが ある。従って、機械的な口腔清掃が困難な症例に対し、薬物を用いた歯槽 骨破壊抑制方法の開発は極めて重要である。

骨吸収抑制薬であるデノスマブは、破骨細胞分化誘導因子である RANKL を分子標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体製剤であり、骨粗鬆症や 骨転移を伴う癌などの治療に適応している。しかし、現在のところ歯周病 に伴う歯槽骨破壊の治療には使用されておらず、その効果は不明である。

そこで本研究では、デノスマブが歯周病に伴う骨破壊の抑制に有効か否 かを明らかにするため、2 種類の炎症性骨破壊モデル動物すなわち、① Lipopolysaccharide (LPS)誘導性頭蓋骨炎症モデルと②歯周病モデルを 用いて検討した。

【方 法】

デノスマブはマウス RANKL には結合しないため、実験では同等の作用を もつ抗マウスモノクローナル RANKL 抗体を使用した。また比較のため、ビ スホスホネート(ゾレドロネート)も用いた。①LPS 誘導性頭蓋骨炎症モデ ルでは、8 週齢の雄マウスの頭蓋骨縫合部に LPS(25 mg/kg) および抗マウ ス RANKL 抗体(3 mg/kg)またはゾレドロネート(0.2 mg/kg)を局所投与し、

5 日目に頭蓋骨を摘出後、破骨細胞特異的酵素活性を利用した染色(TRAP 染色)とμCT による骨形態解析を行った。なお、LPS および薬物の局所滞

(2)

留性を高めるため、コラーゲンゲルを基材として用いた。②歯周病モデル では、上顎第二大臼歯を絹糸で結紮し歯周炎を誘発させた。この時、抗 RANKL 抗体(5 mg/kg) またはゾレドロネート(0.2 mg/kg)を腹腔内投与し、

1・2 週間後に歯槽骨と歯根の形態をμCT で解析した。

【結 果】

①LPS 誘導性頭蓋骨炎症モデルでは、LPS により破骨細胞形成および骨 破壊が促進されたが、抗 RANKL 抗体はこれらを抑制した。ゾレドロネート は骨破壊を抑制したものの、破骨細胞形成は抑制しなかった。一方、大腿 骨の骨量変化は認められなかったことから、頭蓋骨に投与した薬物の作用 が局所的であることが確認された。②歯周病モデルでは、1 週間以内に歯 槽骨の破壊とそれに伴う歯根露出が認められたが、抗 RANKL 抗体はそれを 強力に抑制した。一方、ゾレドロネートは抗 RANKL 抗体に比べて歯槽骨破 壊に対する抑制作用が弱く、歯根露出を防げなかった。この時、ゾレドロ ネートは大腿骨の骨量を抗 RANKL 抗体と同等に増加させたことから腹腔 に投与した薬物の作用が全身的であることが確認された。

【考 察】

これらの結果から、デノスマブはゾレドロネートよりも歯周病に伴う歯 槽骨破壊に対する抑制作用に優れており、ブラッシングなどの自己による 口腔清掃が困難な症例に対し、デノスマブが有効であることを示唆する。

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