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博士(工学)森 太郎 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)森   太郎 学位論文題名

積雪寒冷地域におけるアトリウムの温湿度環境 の実態とその測定・解析手法に関する研究

学位論文内容の要旨

積雪 寒冷地 域のア トリ ウムに は主建 物の機 能を 補完す る複合 施設の 一部と して 、外の 厳しい 気候か らある程度被覆さ れたモールとしての役割や、この地域の冬には得ることの難しかった光、水、緑に溢れ、一年を通してアクテヒ゛ティのある公 共 空 間と し て の 役 割 が、 求 めら れてい る。 そのた めには 冷涼な 気候 を利用 した夏 期の環 境調整 や日 射を利 用した 冬 期の 温度保 証が温 湿度 の環境 計画の 基本と なる 。最近 、積雪寒冷地域においてもアトリウムの建設数は多くなってきた が、気候に対処したアトリウムの建築計画、建築環境設計、管理・運営はいまだに手探りであり、設備とエネルキ゛ーによるカ 任せの解決を図った事例も多い。アトリウムは外壁面に占めるカ゛ラス面積の割合が多く、外の気候の影響が侵入し易い空 間で ある。 また大 空間 でもあ るため 、建設 する 地域の 気候に 合わせ た建築 計画 、建築 環境設 計、管 理・運営が適切に 行わ れない 場合には、無駄にエネルキ゛ーを浪費するだけの附属建物になってしまう可能性もある。地球環境時代という 流れの中で、アト9ウムの計画や管理・運営のあり方にも転換が求められている。

本論文では、積雪寒冷地域のアトリウムの実態把握を通して、アトリウムの計画と運営に、環境測定と環境シミュレーションを 効果 的に組 み込む こと でその 転換を 図るこ とを 提案し ている。その上で、この目的に沿って、現状の環境測定と環境シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 方 法 を 開 発 、 改 良 し た 。 本 論 文 は7章 か ら な っ て い る 。 以 下 に 各 章 の ま と め を 示 す 。 1章では、本論文の目的である、環境測定(特性計測)と環境シミュレーションによってアトリウムの計画や管理・運営を見直 す 必 要性 に つ い て 概 説し 、 それ ぞれに 関係 する既 往の研 究を整 理す ると共 に、本 論文の 位置付 けを 明らか にした 。 2章では、本論文の背景として、積雪寒冷地域におけるアトリウムの存在意義を示すと共に、現状のアトリウムの遮蔽度を 主 な 指標 と し て 分 類 し、 そ れぞ れのタ イフ ゜毎に 生じて いる温 湿度 環境や 管理・ 運営上 の問題 にっ いて概 説した 。 温湿度環境の管理・運営上の問題は、計画者、設備技術者と管理者の間のコミュニケーションのキ゛ヤッフ°や、建物や空調シ ステ ムの限 界から 生じ ている ことが 多く、 簡易 で空調 に頼らない環境調整手法を駆使する必要があり、そのための環境 シミュレーションと環境測定の必要性を示した。

3章 では 、ア トリウ ムの環 境測定 に必要 な現 場測定 の工夫 や、特 性測 定に必 要な情 報量を 得るた めの 工夫と 手法を 示 した 。まず 温度環 境の 測定法 では、 アトリ ウム の温度 分布の測定時に必要な簡易さと、仮設に伴う危険性の問題を提示 し、それを保証するために行ったセンサーの設置方法の工夫を示し、アトリウムの環境測定に有用であるニとを明らかにし た。

湿 度 環境 の 測 定 法 で は、 ア トリ ウムに 付設 される 水面や 植栽な どの 空間演 出装置 の湿度 分布へ の影 響を測 定する た めに 、温湿 度セン サー の精度 と設置 法を検 討し た。ま た、そ れらの 空間演 出装 置の局 所的な 影響を 測るための測定装 置を開発し、それらがアトリウムの環境測定に有用であることを明らかにした。

気 流 動の 測 定 法 で は 、こ れ ま で 測 定の 難 し か っ た空 間 全 体 の 気流 動 を 簡 易に、 また定 量的に 把握 可能な 手法と し

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て自由浮遊ハ ゛グを利用した気流 分布の測定法の概要を示し、実験室実験によって自由浮遊ハ゛ゲが示す気流速はハ.ク゛

スケールの空 間平均値を表してい ることを明らかにした。また風洞実験を行い、安定した流れ場の中ではハ゛ク゛の速度が 気流速の参考値として十分な精度を持っていることを確認した。

4章で は、積雪寒冷地域 に建つ4タ イフ゜のアト9ウムの環境測 定結果を紹介し、 現状のアト9ウムの温湿度環境とその変動 要因 、 自然 換気 を 利用 した 温 湿度 環境 の 改善 の可 能 性、 管理 ・ 運営 上の 問 題点 につ い て把 握、 検討を行った。その 結 果 、 中 規 模 空 間 で は 、温 度 変動 の主 要 因が 日射 量 にな り、 大 規模 空間 は 低層 居住 域 が内 外温 度 差の 影響 を 受け ることを示した。

夏 期 の 外 気 温 が 空 間 内 温 度 よ り も 低 い 積 雪 寒 冷 地 域 で は 、 自 然 換 気 に よ る頂 部温 気 の排 出や 外 気冷 房が 有 効な 環境改善手法であることを明らかにした。

アト リ ウム の温 湿 度環 境上 の 管理 ・運 営 問題 では 、計画時の 予測だけでは管理 ・運営の指針や方 策を見出すことに限 界がある事を示した。

5章では、4章の結果を踏まえ、アトリウムの温湿度環境のシミュレーションとその境界条件を整理し、シミュレーションの種類によ り境界条件の 選択が必要になるこ とを示した。その 上で、アトリウム に特徴的な環境の境界条件として、空間内の温度変 動の主要因で ある日射と、アトリ ウム内によく持ち こまれる空間演出 装置である流水面の凝縮、蒸発現象を取り上げ、そ れぞれにっいて検討を加えた。

  日射の取り扱いでは、モンテカル口法を利用して、壁面への短波長の入射量を解析するシミュレーション方法を提示し、解析 手法の有用性を明らかにした。遮光の方式と布の種類をハ°ラメーターにして、アトリウム内壁面の照度分布、入射日射量の 分布を求め、光環境の調整効果と温度環境の改善効果を検討した。

流 水 面 の 取 り 扱 い で は 、小 型 模型 を用 い 、流 水面 温 度を 周囲 空 気の 露点 温 度以 下に 設 定し た並 行 流条 件の 下 で、

流 水 面 の 凝 縮 水 量 を 計 測す る 実験 を行 い 、凝 縮量 を 風速 、水 蒸 気圧 差、 相 対湿 度差 と の関 係で 整 理し た実 験 式を 導出した。また熱伝達率と物質伝達率のルイス関係から実験の精度を確認し、実験結果よルマクロなシミュレーションが可能で あることを示した。

6章で は、CFDによってアトリウム 内の温湿度・気流・輻射の連成シミュレーションを行うために、水蒸気の輸送方程式を作 成し、濃度差による影響を浮力(含湿浮力)として運動方程式に組み込むスキームを示し、二次元のアトリウムのシミュレーション をk‐E二方程式乱流モデルによって行った。その結果、アトリウムタイフ°が温熱環境にも大きな影響を与えることをシミュレーシ ヨンからも確 認し、また自然換気 をアトリウムに導 入することによってこの計算条件の元では5℃以上の温度降下が得られ ることを確認にした。

湿 度 環 境 で は 、 凝 縮 時 の絶 対 湿度 の等 値 線が 水面 付 近で 上下 方 向に 密に 積 層し 、蒸 発 時の 等値 線 は縦 ライ ン にな ることを示し 、また水面の水温コ ントロールが、空間内の湿度分布にも影響を与えることを明らかにした。また、水面で蒸 発や凝縮をコントロールするには流れ場のコントロールが必要であり、事前の数値シミュレーションが必要であることを示した。

7章は総括であり、本論文で得られた結果を述べるとともに今後の課題を取り上げた。

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学位論文審査の要旨

主 査    教 授    絵 内 正 道

副査   教

副査   教 授   落藤 授   持田

学 位 論 文 題 名

澄 徹

積雪寒冷地 域におけるアトリウムの温湿度環境 の実態とその測定・解析手法に関する研究

   積 雪 寒 冷 地 域 で ; ・ よ 、 冬 期 間 、 住民 のア ク ティ ビテ ィー を高 める ため に、 光や 緑 に 溢 れ た ア 卜 リ ウ ム が 求 め ら れ て い る ・ 、 そ の 環 境 計 画 の 基 本 燉 、 積 雪 寒 冷 地 域 の 場 合 、 冷 涼 な 気 候 を 利 用 し た 夏 期 の 環 境 調 整 や 日 射 を 利 用 し た 冬 期 の 温 湿 度 環 境 の 保 証 に あ る 。 し か し 、 ア ト リ ウ ム ( 熱 的 に 弱 い 硝 子 外 壁 面 積 の 割 合 が 大 き い 大 規 模 吹 き 抜 け 空 間 ) は 、 事 前 の 建 築 計 画 、 建 築 環 境 設 計 や 竣 工 後 の 管 理 ・ 運 転 の 面 で 、 未 だ 手 探 り の 状 態 に あ る と 言 わ ね ば な ら な い 。 地 球 環 境 時 代 と い う 文 脈 の 中 で 、 ア 卜 リ ウ ム 空 間 も ま た 大 掛 か り な 機 械 設 備 や 多 量 の エ ネ ル ギ ー 消 費 に 支 え ら れ た カ 任 せ の 解 決 を 避 け 、 サ ス テ ィ ー ナ ブ ル な 環 境 計 画 や 管 理 ・ 運 転 シ ス テ ム の 確 立 が 求 め ら れ て い る 。

   本 論 文 で f ま 、 積 雪 寒 冷 地 域 の ア ト リ ウ ム の 実 態 把 握 を べ ー ス に 、 環 境 測 定 と 環 境 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を ア 卜 リ ウ ム の 事 前 の 環 境 計 画 や 竣 工 後 の 管 理 ・ 運 転 に 効 果 的 に 組 み 込 む こ と に よ っ て 、 力 任 せ の 解 決 か ら の 転 換 が 容 易 に な る こ と を 提 唱 し て い る 。 そ の 目 的 に 沿 っ て 、 実 態 把 握 及 び 環 境 測 定 と 環 境 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 方 法 を 開 発 ・ 改 良 し た 成 果 燉 、 次 の よ う に 要 約 で き る 。

◎ 温 湿 度 環 境 の 管 理 ・ 運 営 上 の 問 題 は 、 計 画 者 や 設 備 技 術 者 と 管 理 者 の 間 の 意 思 伝 達 の ギ ャ ッ プ 、 建 物 や 空 調 シ ス テ ム の 限 界 か ら 生 じ て い る こ と を 明 ら か に し 、 積 雪 寒 冷 地 で は そ の ギ ャ ッ プ や 限 界 を 埋 め る も の と し て 、 出 来 る だ け 空 調 に 頼 ら な い 簡 易 な 環 境 調 整 手 法 が 求 め ら れ て い る こ と を 示 し た ー

◎ 温 度 環 境 の 測 定 法 で は 、 大 規 模 吹 き 抜 け 空 間 を 測 定 す る 際 に 避 け な け れ ば な ら な い 危 険 な 諸 問 題 を 提 示 し 、 気 象 観 測 用 気 球 に 係 留 し た セ ン サ ー の 設 置 方 法 の 改 良 工 夫 と そ の 有 用 性 を 明 ら か に し た 。 湿 度 環 境 の 測 定 法 で f ユ 、 付 設 水 面 や 植 栽 な ど が 加 わ っ た 湿 度 分 布 へ の 局 所 的 な 影 響 を 測 る 測 定 装 置 を 開 発 し 、 そ の 有 用 性 を 明 ら か に し た ー 気 流 動 の 測 定 法 で は 、 自 由 浮 遊 バ グ と 魚 眼 レ ン ズ 装 着 デ ジ タ ル ビ デ オ カ メ ラ を 利 用 し 、 大 規 模 吹 き 抜 け 空 間 全 体 の 気 流 分 布 や 気 流 動 を 定 量 的 に 把 握 可 能 に す る ビ ジ ュ ア ル な 測 定 法 を 確 立 し 、 安 定 し た 流 れ 場 の 中 で 、 バ グ 速 度 の 簡 易 推 定 値 が 十 分 な 精 度 を 持 っ て い る こ と を 明 ら か に し た 。

◎ 典 型 的 な 2 種 2 事 例 ( 4 件 ) の 詳 細 な 環 境 測 定 結 果 を 踏 ま え 、 パ ッ シ ブ な 温 湿 度 環 境 改 善 の 可 能 性 、 管 理 ・ 運 転 上 の 問 題 点 な ど の 把 握 や 検 討 を 行 い 、 夏 期 に 冷 涼 な 積 雪 寒 冷 地 域 で f よ 、 自 然 換 気 に よ る 頂 部 温 気 の 排 出 や 外 気 冷 房 が 有 効 な 環 境 改

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善手法であることを明らかにした。

@ アト リ ウム の 空間 演出装置 である流 水面の凝縮 ・蒸発現 象を取り 上げ、そ の実 験式を 導出する と共に、空 間内の温 度変動の主要因である日射ゾ)遮光効果を検討 するためにモンテカル口法を援用して、壁面ヘリ)入射量を求め、t ・f/ )解析法ゾ〕禍.

用性及び遮光布の光・熱環境調整効果を明らかにした

(5 )アトリウム空間内(/ 〕温湿度・気流・幅射の連成数値解析のために、従前ゾ〕k‑ F 二 方程 式 乱流 モ デル に水蒸気 の輸送方 程式を加え 、運動方 程式に含 湿浮カを 組み 込むこ とで、独 自の連成ス キームを 提示した.,その数値解析結果からアトリウム の 型が 与 える 温 熱環 境への影 響、自然 換気による 湿度環境 の改善効 果、開放 水面 か らの 蒸 発゜ 凝 縮を 調整する ための水 面温度の影 響を明ら かにし、 数値シミ ュレ ー ショ ン がア ト リウ ムの事前 の環境計 画時に必須 のツール であるこ とを示し た。

  こ れ て 、 そ の 環 境 たモ)の   よ っ め る ‥

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し め 得

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参照

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   第三章では、第二章の溶融凝固材の結果を基に、大型単結晶試料を作製するた めに考案し た Quench and Melt Growth ( QMG) 法について述べた。123