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学位論文題名Differences in Infectivities and Genomic Structures ● between OncogenlCandNOn―OnCOgenlC Marek’SDiSeaSeViruSeS

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 獣 医 学 ) 李    成 一

     学位論文題名

Differences in Infectivities and Genomic Structures      ●

    between OncogenlCandNOn ― OnCOgenlC     Marek SDiSeaSeViruSeS

(腫瘍原性および弱毒マレック病ウイルスの遺伝子構造と      感染性の相違に関する研究)

、 学 位 論 文 内容 の 要 旨

    マレック病(MD)は、マレック病ウイルス(MDV)の感染によって起こる鶏の悪性リンバ腫症で、

伝播性が極めて強く、末梢神経の腫大や各種臓器におけるりンバ腫形成を特徴とする。MDVは、その 病 原 性 や抗 原 性 の違 い か らMDV1,MDV2,及 びMDV3の3血清型 に分け られてい る。  弱 毒MDV1 な らびにMDV2や七面鳥 ヘルベス ウイル ス(MDV3)はMDワクチンとして用いられているが、その防 御機構については不明な点が多い。  本研究では、腫瘍化の分子機構ならびにワクチンの機序を知る目 的 で、MDVのT細胞サブ セッ卜に 対する 感染性の相違を解析し、腫瘍原性MDV1に対するMDワクチ ンの影響を検討した。  さらにMDV各株間でみられた感染性の相違を解析するため、他のヘルベスウ イルスなどの受容体として知られているへパラン硫酸プ口テオグリカンをMDVが利用している可能性 についてへパリンを用いて検討した。  また、弱毒及び腫瘍原性MDV1株間で生じている感染性や腫瘍 原性の違いについて、MDVゲノム中で腫瘍化に重要と考えられているmeq遺伝子領域における両株間 の相違を検討した。

    T細胞サ ブセッ トにおけ るMDV1腫瘍 原性株Md5の増殖に対して、ワクチン株であるくVI9 88 (MDVl)やSB―1(MDV2)の 接 種 によ る 影 響と 、CVI988、SB一1及 びMd5株 間のT細胞サ ブセット ヘ の指向性 の相違 を検討し た。Md5株の接 種群ではCD8+よりCD4+T細胞サブセッ卜から高力価の ウイルスが分離された。  しかし、CVI988株あるいはSB―1株をワクチン接種後、腫瘍原性MDVで攻 撃した鶏ではいずれのT細胞サブセットからもワクチン非接種鶏に比べて分離ウイルス量は有意に低下 していた。  このことは血清型に関係なくワクチン接種により腫瘍原性MDVの感染がCD4+、CD8+い ずれのT細胞サブセットにおいても抑制されていることを示している。  また、くニVI988、SB―1及び Md5株接種鶏のT細胞サブセットからのウイルス分離を検討した結果、Md5株接種群ではCD4+T細胞 から高力価のウイルスが、CVI988株接種群ではCD4+、CD8+T細胞いずれからも同程度のカ価のウイ ルスが分離された。  しかし、SBー1株接種群ではいずれのT細胞サブセットからもウイルスは分離され なかった。CVI988株とSB−1株間での細胞指向性の相違はこれらのワクチンがそれぞれ異なった機構 で作用する可能性を示している。

‑ 997

(2)

    Md5株、CVI988株およびSB―1株間でのT細胞サブセットヘの感染性が異なることが判明したが、

MDVは細胞随伴性が強く未だにMDVの細胞受容体は同定されていない。そこで感染細胞から超音波 処理により作製した細胞遊離型MDVを用いて、細胞表面のへバラン硫酸プロテオグリカンと類似構造 を有するへパリンによる感染抑制能を検討した。  ヘパリン存在下では、細胞遊離型MDVによるプラ ーク形成が濃度依存的に抑制された。  また、予め細胞をへパリナーゼ処理した時にも、部分的なプラ ーク形成の抑制が認められた。  これらの結果は、他のへルペスウイルスと同様に、細胞遊離型MDV は細胞表面のへバラン硫酸プロテオグルカンを細胞受容体として利用していることを示している。

    Md5株及びCVI988株はともに腫瘍化の標的細胞であるCD4゛T細胞ヘ感染カがあり、また細胞遊 離型では同じ受容体を利用していたが、両株間における腫瘍原性の相違がどのような因子によって決定 されるかは解明されていない。  そこで、MDV1特異的夕ンバクをコードし、腫瘍化に重要と考えられ ているmeq遺伝子の構造について、両株間で比較検討した。その結果、Md5株では既に報告されてい るmeq遺伝子のみが検出されたが、弱毒のCVI988株では、meq遺伝子と共に、178 bpの塩基が挿入 された新しいmeq遺伝子が検出された。  また、この新しいrneq遺伝子では塩基挿入によってフレー ムシフトが起こっていることが示された。  このようなmeq遺伝子の変化がCVI988株の弱毒化と腫瘍 原性の消失に関係していることが示唆された。

    本研究の成績から、MDV1株間あるいは血清型間でT細胞に対する感染性に違いがあり、ワクチン 接種によって腫瘍原性株のT細胞サブセットヘの感染が抑制されることが判った。  さらにこのような 腫瘍原性株と弱毒株との相違に、meq遺伝子構造の変化が関わっている可能性が示唆された。  また細 胞遊離型MDVでは細胞表面のへバラン硫酸プロテオグリカンを細胞受容体として利用していると考え られたが、生体内でのウイルス受容体に関しては不明である。  本研究において明らかにされた細胞指 向性の相違、受容体ならびに発癌遺伝子の相違はMDVによる腫瘍化ならびにワクチン機序の解明に重 要な知見を提供している。

‑ 998

(3)

学位論文審査の要旨

     学 位 論 文 題 名      ●    .    ●

Differences in Infectivities and GenomlCStruCtureS      ●

    betWeenonCOgenlCandNOn‐ OnCOgenlC     Marek SDiSeaSeViruSeS

(腫瘍原性および弱毒マレック病ウイルスの遺伝子構造と      感染性の相違に関する研究)

  マレック病(MD)は、マレック病ウイルス(MDV)の感染によって起こる鶏の悪性リンパ腫症である。

MDVは 、 その 病 原 性や抗 原性の 違いからMDV1〜3の3血 清型に 分けられ ている。 弱毒MDV1な らび にMDV2や3はMDワクチンとして用いられている。本研究では、腫瘍化の分子機構ならびにワクチン の機序を知る目的で、MDVのT細胞サブセッ卜に対する感染性の相違、ウイルス受容体の相違ならびに MDVゲ ノ ム 中 で 腫 瘍 化 に 重 要 と 考 え ら れ て い るmeq遺 伝 子 領 域 の 相 違 を 検 討 し た 。   ま ずMDV1腫 瘍原 性 株Md5の 増 殖に 対 し て、 ワク チン株で あるCVI988 (MDV1)やSBー1(MDV2) の接種による影響と、CVI988、SB―1及びMd5株間のT細胞サブセットヘの指向性の相違を検討した。

ワクチン接種後、Md5で攻撃した鶏ではいずれのT細胞サブセットでもワクチン非接種鶏に比べて分離 ウイルス量は有意に低下していた。このことはワクチン接種によりMd5の感染がCD4゛、CD8゛しゝずれの T細胞サブセットにおいても抑制されることを示している。ウイルスを単独感染させた場合、Md5株接種 群ではCD4゛T細胞から高力価のウイルスが、CVI988株接種群ではCD4゛、CD8゛T細胞いずれからも 同程度のカ価のウイルスが分離されたが、SB―1株接種群ではしゝずれのT細胞サブセットからもウイルス は分離されなかった。

  MDVは 細胞随 伴性が強 く未だ にMDVの 細胞受容 体は同 定されていない。そこで細胞遊離型MDVを 用いて、細胞表面のへバラン硫酸プ口テオグリカンと類似構造を有するへパルンの感染抑制能を検討し た。ヘパリン存在下では、細胞遊離型MDVによるプラーク形成が濃度依存的に抑制された。ヘパリナー ゼ処理した時にも、部分的なプラーク形成の抑制が認められた。これらの結果は、細胞遊離型MDVは細 胞表面 のへパ ラン硫酸 プ口テオ グルカンを細胞受容体として利用していることを示唆している。

  最後にMDV1特異的夕ンパクをコードし、腫瘍化に重要と考えられているmeq遺伝子の構造について 比較検 討した。その結果、Md5株ではmeq遺伝子のみが検出されたが、弱毒のCVI988株では、meq遺 伝子と共に、178 bpの塩基が挿入された新しいmeq遺伝子が検出された。このようなmeq遺伝子の変

‑ 999

操 司

尋 則

   

   

孝 千

沼 村

本 埼

小 梅

杉 岡

授 授

授 授

   

   

教 教

教 教

助 助

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

化 が CVI988株 の 弱 毒 化 と 腫 瘍 原 性 の 消 失 に 関 係 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。   本研究の成績から、MDV1株間あるしゝは血清型問でT細胞に対する感染性に違いがあり、ワクチン接 種によって腫瘍原性株のT細胞サブセッ卜への感染が抑制されることならびに腫瘍原性株と弱毒株間で のmeq遺伝子構造の変化が明らかとなった。本研究はMDVによる腫瘍化ならびにワクチン機序の解明 に重要な知見を提供している。よって、審査員一同は李成一氏が博士(獣医学)の学位を受ける資格が十 分あると認めた。

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参照

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