6.1 開発費,運用費
XML/EDIでないインターネットEDIを含めて,インターネットEDIのおおよその開発費・運
用費を表 6.1 インターネット EDI の開発費・運用費に示す。本表は,10数件の事例調査を纏めたも のである。
表 6.1 インターネットEDI の開発費・運用費
自前構築 ASP活用事例 イ ン タ ー ネ ッ ト
EDI
(not XML/EDI)
・ インターネットEDI構築用ソフ トウェア製品として,約150万 円から提供されている。(EDI サーバー構築の場合)
・ クライアント側は,インターネッ ト接続環境さえあれば接続可 能。(構築費用はゼロ)
[運用費(ファイル転送型)]
約2 万円/月,ユーザーID,5,000 メッセー ジまで
[運用費(Web型)] 約1万円/月,ユーザーID
[一次導入費用(ファイル転送型,センター)] 約150万円〜
[一次導入費用(ファイル転送型,ユーザー)] トランスレータは約10万円
ベ ー シ ッ ク XML/EDI
・ インターネットEDI構築用ソフ トウェア製品として,約150万 円から提供されている。
・ XMLトランスレータは約10万 円。
・ 業界標準XML/EDIソフトウェ アを無料で提供し,運用費用 として1万円〜/月の事例あ り。
[運用費(ファイル転送型,Web型)]
約1 万円/月,ユーザーID,2,000 メッセー ジまで
[一次導入費用(ファイル転送型,センター)] ASPにより,5対向メッセージで300〜500万 円かかる場合がある。(企業情報の設定,
XMLメッセージマッピング費用)
[一次導入費用(ファイル転送型,ユーザー)] XMLトランスレータは約10万円。
[一次導入費用(Web型,ユーザー)] XMLトランスレータは約10万円。
コラボレーション XML/EDI
・ 通信機能ソフトウェア(アプリ ケーションサーバー)で約 100万円から。
・ 一般的なシステム開発費用 は,500〜1,000 万円。(ハー ドウェア,コラボレーション機 能,通信機能,SI(実装)費用 を含む,バックエンド連携を 含まない)
(運用費)
・ 基本料金:約30万円/年
・ サービス料金:20〜30 円/メッセージ又 は100万円/年
(一次導入費用,センター)
・ 300万円〜(企業情報の設定,メッセージ マッピング費用)
(一次導入費用,ユーザー)
・ 約100万円〜(通信機能ソフトウェアのソ フトライセンス費)
(本事例は,RosettaNetのASP事例)
(1) ベーシックXML/EDI
l ベーシックXML/EDIの開発費・運用費はインターネットEDI(not XML/EDI)とほ ぼ同等である。XMLトランスレータとして10万円レベルで提供されている。
l ベーシックXML/EDIのASPサービスは,ファイル転送型とWeb-EDI方式で1万円
/月から提供されている。これはインターネット EDI(not XML/EDI)と同等であ る。
l ASP活用の一次導入費用として,300〜500万円かかる場合がある。(ASP側の企業 情報の設定,メッセージマッピング費用)
l ASPサービスは,ASPからの技術サポートがあり,中堅企業・中小企業に取って一つ のシステム導入方法として合理的なオプションである。
(2) コラボレーションXML/EDI
l コラボレーションXML/EDI用のソフトウェアは,EDIメッセージ搬送機能レベルの アプリケーションサーバーとして100万円から提供されている。
l 本来の意味でのコラボレーションXML/EDI を実現するビジネスプロセス処理機能を 実現するには,基本的なハードウェアとソフトウェア製品の購入費用だけで約500〜
1,000万円の開発費用が必要である。
l ASPサービスが提供されている(例:RosattaNet)。ベーシックXML/EDIのASP サービスよりも,付加価値が大きいだけに高価となっている。
l ASPサービスは,ASPからの技術サポートがあり,中堅企業・中小企業に取って一つ のシステム導入方法として合理的なオプションである。
6.2 効果
(1) インターネットEDIの効果 以下の事例がある。
① 業界標準XML/EDIの導入
・従来:500万円/年(VAN-EDI費用)
・導入後:100万円/年(業界標準XML/EDIの運用費)
② 業界で運営しているインターネットEDI(ASP)へ加入
・従来:80万円/年(VAN-EDI費用)+90万円/年(NTT専用回線使用料)
・加入後:20万円/年(業界運営ASP費用)+12万円/年(NTT公衆回線使用料)
(2) XML/EDIの効果
XML/EDIは,XMLベースのインターネットEDIであり,前述のインターネットEDIの
効果が得られる。
従来からのインターネットEDI(not XML)に比較して,XML/EDIのメリット・効果は,
XMLの柔軟性・拡張性の特長を活かすことによる改造・増設のやり易さ,コストダウン,及 び社内バックエンドシステムも含めた関連のシステムとの連携の向上がある。また ebXML などの国際標準を採用することにより,IT ベンダーに依存しない相互運用性のあるEDIシ ステムの構築が可能である。
21世紀初頭の大きなIT技術革新の一つがXMLであり,XMLの基本標準と多くの関連標 準が制定され,最近のeビジネス構築フレームワークは全て XML ベースとなっており,イ
ンターネットビジネスのパラダイムシフトを起こすと見なされているWebサービスはXML ベースの技術である。また XML を実装するための多くのソフトウェア製品が出回ってきて おり,各種のXML応用事例が開発・稼動している。WebサービスやebXMLを適用するこ とにより,半永久的に自動連携が可能になる。
XML/EDI 導入の判断は,投資費用対コスト削減による判断もあるが,企業又は業界とし
ての戦略的判断が必要である。