分析工程の「プロセス分析」,「概念クラスモデリング」といった方法論でビジネストランザ クションをモデル化し,ビジネス文書として各ビジネストランザクションで利用する情報を抽出す
注文書要求
[成功] [契約失敗]
顧客:顧客 小売業者:小売業者
<<CommercialTransactionActivity>>
注文する 注文書応答
<<RespondingBusinessActivity>>
注文を処理する
[コントロール失敗]
ることができた。また,これまでの工程で各業務プロセスの関係や利用する情報,制約,業務プロ セスの概略などを詳細化した。しかし,実際にそれぞれの情報を伝達するメッセージについてはま だ触れていない。
先にUMMでは実装技術やプロトコルに依存しないモデルを開発するためのモデリング手法と 説明したが,実際にモデルを開発する場合,ある程度実装技術を意識する必要があり,設計工程は,
実装を実現できるように,これまでの工程と違い,より実装に近いモデリングを行うことになる。
付図 3.14 「発注する」サービストランザクションシーケンス図
「付図 3.14 「発注する」サービストランザクションシーケンス図」のサービストランザクション例で は「顧客サービス」から「小売業者サービス」に対し,要求するというメッセージが流れていて,
そのときに「注文書要求」というビジネス文書を渡している。また,それを受けて,「小売業者サ ービス」側は無事に要求を受け取ったという内容のシグナルを返す。
このようにして,設計工程では分析工程で作成したビジネストランザクションアクティビティ を基に,メッセージのやり取りに焦点を絞ったサービストランザクションを作成していく。この行 程をメッセージモデリングと呼ぶ。
また,メッセージモデリング時も,ビジネストランザクションアクティビティを作成したときのように,パター ンを適用することができ,このパターンをビジネスサービスインタラクションパターンと呼んでいる。取引当 事者2者間と中間のエージェントを含めた3者間の5種類の標準テンプレートがある。
①Service-Service
②Agent-Service-Service
③Service-Service-Agent
④Service-Agent-Service
⑤Agent-Service-Agent
付図 3.14 「発注する」サービストランザクションシーケンス図の例は,取引当事者の2者間でのやり 取り(Service-Service)でビジネス文書の交換を定義している。
分析工程で利用したビジネストランザクションパターンは,「要求/応答パターン」のように シグナルを送る(注文書要求受領確認)
要求する(注文書要求)
シグナルを送る(注文書要求受託確認)
応答する(注文書応答)
シグナルを送る(注文書応答受領確認)
顧客サービス 小売業者サービス
業務要件に焦点を合わせてパターンを定義した。そのため,UMLのダイアグラムもアクティビテ ィ図で表現しているが,ビジネスサービスインタラクションパターンは「サービス−サービスパタ ーン」や「エージェント−サービス−サービスパターン」といったように,取引当事者間でやり取 りするメッセージの関係に焦点を合わせて,パターンを定義しているため,UMLのダイアグラム もシーケンス図を用いて表現している。
クラス図は,オブジェクト指向でシステムを開発する場合に設計用資料の中心となり,分析工 程ではビジネス文書のクラス図を作成したが,分析工程で作成したクラス図は,ビジネス文書単位 で作成していて,他との関連が不明瞭になっているため,概念的なクラスとなっていた。設計工程 では,実装に大きく依存しない範囲で最終的なクラス図を作成し,この作業のことをインフォメー ションモデリングと呼んでいる。
【参考文献】「UN/CEFACTモデリング手法解説」