1.EDI の概要 (概要) ・ 繊維・アパレル業界の B2B 取引の基盤をASP サービスとして提供している。サービス内容は,受発注などの基盤 サービスとしての「ApparelArc サービス」(XML ベース)と,繊維・アパレル業界の各機能(原糸製造機能,コンバータ 機能,アパレル機能)の SCM サービス「TF ネット,AS ネット」(XML ベース)及び「AT ネット」(非 XML ベース)を提供し ている。
・ 繊維・アパレル業界標準(QR-XML 標準)を組み込んだサービスである。
(導入スケジュール・規模) ・ 2000 年 7 月に「ApparelArc-XML 協議会」発足,ApparelArc 実運用開始。(事業母体は NTT コム)
・ 2001 年 5 月に「QR-XML 普及協議会」に改称。2001 年 8 月から事業母体がイー・シャトルとなった。
・ 2002 年 8 月時点で 73 社が実運用している。(業界での母数:約 4,000 社)
(EDI 方式) ・ ファイル転送型,Web 型のインターネットEDI 通信方式を提供し,ユーザーニーズに対応している。
・ 通信ネットワークは,IP-VPN(ファイル転送型)及びインターネット網(Web 型)を利用している。
(EDI システム構成) ・ Host-GW(ゲートウェイ)と呼ばれるApparelArc 側のサーバーが各利用者企業のサーバー又はパソコンを結び,
メッセージ集配信処理を行なう,ASP サービスの形態をとっている。
・ ApparelArc サーバー内に EDI 通信機能,Web 機能などを有する。
(システム構築) ・ ApparelArc の ASP サーバーに接続するだけで,簡単にシステム構築が可能。
・ 繊維・アパレル業界標準に対応した XML トランスレータを有償(NT 版,10 万円)で提供しており,繊維・アパレル 業界各社はこのソフトウェアを利用して社内システムなどへの変換処理を行なう。
2.XML/EDI 導 入の背景・目的
(インターネットEDI) ・ インターネットは低コストでのサービスの基盤である。(繊維・アパレル業界の事業者の大半は中小企業である)
・ 業界としての標準を策定,及び標準準拠ソフトウェアを提供して,EDI 化率を向上する。
(XML/EDI) ・ 各社の社内基幹システムと自動連携を容易にするために XML を採用。(XML⇔CSV,固定長⇔社内基幹システム)
・ 標準メッセージ及びデータ要素の変更・追加に柔軟に対応するため。(XML の柔軟性,拡張性を活用)
3.標準の機能 (1)取引合意書 ・ 業務レベル:取 引 基 本 契 約 書 相 当 を 各 社 間 又 は Hub 企業グループ毎に締結している。
(ApparelArc は関知しない)
・ システムレベル:「ApparelArc サービス利用規約」で制定している。利用者間で受発注契約の成 立に関する合意が存在しない場合は,「ApparelArc サービス利用規約」に規定されている「受発注 契約の成立」が当該利用者間に適用される。
(2)ビジネスプロセス定義 ・ 標準メッセージの授受の仕組みを標準化している。(繊維・アパレル業界標準)
(3)企業・製品コード管理 ・ 企業コード管理:CII 統一企業コードを優先的に採用。ユーザーが CII 標準企業コードを持ってい ない場合は,イー・シャトルが企業コードを符番する。
・ 製品コード管理:Hub 企業が決めている。繊維・アパレル業界標準又は ApparelArc としての統一 管理はしていない。
(4)標準メッセージ管理 ・ 「QR-XML 標準メッセージ」として標準化している。154 メッセージがある(上流から下流までの全 工程をカバーしている。もの作りの標準メッセージが多い)。・QR-XML 標準メッセージに準拠した DB を構築。メッセージのリポジトリは QR-XML 推進協議会のものを利用。
(5)メッセージ搬送(ルーティング,信頼性搬送) ・ ルーティングは FTP 接続時のファイル名の指定で行なう。信頼性搬送の仕組みは特にない。
(6)EDI 電文のパッケージング ・ ない。(XML メッセージをそのままプロトコルに乗せている)
(7)セキュリティ機能 ・ Web 型は SSL V3.0 を採用。サーバー認証を実施。クライアント認証は実施していない。
(8)通信プロトコル ・ ファイル転送型:標準は FTP,オプションとして全銀 TCP/IP が可能。(FTP の場合のネットワーク は IP-VPN を利用)
・ Web 型:HTTP,HTTPS
4.XML 採用の 部分と仕組み
(1)XML 採用の部分 ・ EDI サーバー内のデータ(社内システムとの情報交換領域),及びインターネット上を流れるEDI 電文
・ EDI 電文内のデータはテキストデータのみ(バイナリデータはない)
(2)ファイル転送型の仕組み ・ XML トランスレータで変換し,スケジュール機能でデータ送受信のタイミングを選択。
・ 基本的にバッチ処理となっており,ユーザー側からApparelArc にデータを取りに行くGET 処理となる。最短 1 分間隔の受信間隔設定が可能。
・ EDI 電文の内容の確認(画面,帳票)は,各企業の社内システムの中で行う。
・ ユーザー側に実装するソフトウェアは XML トランスレータだけで良い。このソフトウェアの中に,トランスレー タ機能,EDI 通信機能などファイル転送型 EDI で必要な機能が含まれている。
(3)Web 型の仕組み ・ 画面表示:HTML で表示。XML 文書→(XML トランスレータ)→固定長データ→(DB)→HTML 変換→画面表示
・ 帳票出力:XML ファイルをダウンロードし,CSV 又は EXCEL 等に変換して帳票出力する。(ApparelArc とし ては,特に帳票設計はしていない)
・ ユーザー側にXML トランスレータを実装する。この役割は データの XML 変換,送受信。
・ 社内システムとの接続:EDI データを固定長ファイル,CSV ファイル等に変換して連携可能。
・ ユーザー側に実装する機能:不要。トランスレーションが必要な場合はXML トランスレータ機能を実装。
(4)XML タグ ・ QR-XML 標準メッセージの項目名をそのままタグ名(日本語)にしている。CII 命名規約に近 い。
(5)スキーマ設計 ・ DTD を採用。
・ XML トランスレータが DTD を参照する。
(6)XSL の活用 ・ 基盤サービス「ApparelArc サービス」では XSL を利用していない。
・ 電子カタログサービス(サービス)では XSLT を利用している。
(7)バックエンド(社内システム)との統合 ・ XML トランスレータにて実現。
(8)リポジトリ ・ApparelArc は,リポジトリ機能を持っている。FormFlow99(Web 型の帳票作成機能)のテンプレート,DTD など が格納される。
5.標準化対応 (1)業界標準メッセージ ・ 繊維ファッション XML 統合研究会で策定された標準「QR-XML 標準メッセージ」に準拠。
(2)CII/XML ・ 対応していない。(互換性がない)
(3)EDIINT ・ 不明。
(4)ebXML,RosettaNet など ・ ebXML の採用は実需に応じて行なう。
6.XML 化の留 意事項
(1)タグ設計 ・ タグ名は日本語。長さの制限はなし。
・ 文字コード:シフトJIS
(2)XML 化で重くなる点 ・ 必要な場合は DOM でなくSAX で対処。
・ ネットワーク的な問題はあまりなし。ターンアラウンドタイムは約 3 秒。(送信 1 秒,ASP 処理 1 秒,受信 1 秒)
(3)XML 関係ツールとバージョ ンアップ対応
・ ほとんどの処理をXML トランスレータで処理。(固定長化してから処理している)
・ ブラウザは IE5.01 以上,IE6.0 まで対応。
7.XML/EDI のおおよその開発費,運用費 (1)開発費 ・ 中規模の Hub 企業でおよそ 200 万円から。XML トランスレータは NT 版で 10 万円。
(2)運用費 ・ Hub企業が運用費用を策定する。10 社〜20 社規模の SCM で,全体費用が 15〜20 万円/月。
・ XML トランスレータ(NT 版)のライセンス料は年額 12,000 円。
8.効果 ・ システム間連携は XML でないと無理。
(1) サービス内容(ApparelArc)
合繊メーカー
・紡績
原糸 糸加工
コンバータ機能
生地 ニット用糸
アパレル機能
副資材
二次 製品 商社・合繊メーカー・紡績・他
原糸製造 リテール
アパレル・商社・他 小売・百貨店・
量販店SPA アパレル・他
FiberEC Apparel〜Textile SCM
Textile〜Fiber SCM Apparel〜Sewing SCM
A〜R,SCM/CRM ファイバー取引サイト
<ファイバーフロンティア>
TFネット
<イー・シャトル>
ATネット
<イー・シャトル>
ASネット
<イー・シャトル>
繊維ファッションXML標準統合研究会 XML-EDI標準メッセージ、サプライチェーン共有情報、
技術標準(セキュリティ、実装規約など)
ApparelArcサービス <イー・シャトル>
コミュニケーション基盤サービス
コラボエージェントサービス <富士通>
商品コード、商品カタログ検索サービス
織布 染色 縫製
ニット加工
物流 貿易
情報発信・コロモサイト<コロモ・ドット・コム>
情報発信・コロモサイト<コロモ・ドット・コム>
調達サイト<ファイバーフロンティア>
調達サイト<ファイバーフロンティア>
基盤サービス 基盤サービス
標準化 機関 標準化 機関
百貨店eMP
<NTT-com>
<富士通>
ApparelArc のサービス内容
出展:イー・シャトル㈱(2002年8月)
(1) 繊維・アパレル業界の業態
・ 商流は,原糸製造→コンバータ機能→アパ レル機能→リテール
・ これらの機能は複数の機能を包含している。
(2) 繊維・アパレル業界の業態に合った SCM 機 能
・ これらの業態(ビジネスプロセス,画面など)
は相互に異なるため,それぞれの業態に適 した SCM 機能を提供している(TF ネット,AT ネット,AS ネット)。これらのサービスはコラ ボレーションサービスでもある。
・ これらのサービスは ASP サービスで提供す る。
・ AT ネットは XML ベースではない。
(3) 基盤サービス
・ コミュニケーション基盤サービスとしてインタ ーネットEDI サービス(ApparelArc サービス)
を提供している。このサービスは XML ベース である。
・ 受発注 EDI サービス(XML/EDI)のほか,電 子カタログ(iFEM ),大 容 量 デ ー タ 転 送
(iMEDEX),企業間コラボレーション(iPAC)
のサービスを提供している。
(2) システム構成(ApparelArc)
標準We b Host-GW
XML-EDI iPAC iFEM
各社 ホスト
Arcstar IP-VPN
ApparelArc
各社 サーバー ファイル転送型接続
(FTP) 各社
PC
各社 PC
Web型接続
(HTTPS)
インターネット網
(1) ApparelArc では,Host-GW(ホストゲートウエイ)と呼ばれるサーバーが各社の Host・Server 及び ApparelArc の各アプリケーションサーバーを結び,メッセージの集配 信機能を担っている。各社のホスト,サーバーとは IP-VPN(仮想私設網)を利用して接続される
(2) 標準 Web:各社の PC(パソコン)とWeb 型で接続する時の Web サーバー。各社の PC(パソコン)とはインターネット網を利用して接続される。
(3) XML-EDI,iPAC,iFEM:ApparelArc 基盤サービスのサーバー。Host-GW を経由して,Web サーバー(標準 Web)及び各社ホストと接続する。
① XML-EDI:ApparelArc 基盤サービス機能
② iPAC:共通フォルダー,基盤機能
③ iFEM:商品カタログ機能(各社の商品説明書を登録できる。)
(4) Hub 企業は,一般的にはファイル転送型で ApparelArc に接続する。それに対応するSpoke 企業は,ファイル転送型又は Web 型でApparelArc に接続する。