• 検索結果がありません。

システム導入のポイントとシステム構築上の留意事項

ドキュメント内 インターネットEDI(XML/EDI)導入手引書 (ページ 53-57)

3 コラボレーション XML/EDI

3.4 システム導入のポイントとシステム構築上の留意事項

文書のヘッダー情報に利用される。

(2) ビジネスプロセス設計の標準化対応

①  ビジネスプロセス標準がある場合

業界または企業グループで標準としているビジネスプロセスがある場合はこれでビジネ スを実施することになる。

このビジネスプロセスを電子化する場合は,ebXML BPSS仕様準拠のBPSSインスタ ンスを記述して電子化できる。このebXML BPSS仕様ベースのビジネスプロセス記述(ビ ジネスプロセス仕様)はビジネスプロセスレベルでの電子コラボレーションの自動化に繋 がる。

②  ビジネスプロセスを新たに設計する場合

ビ ジ ネ ス プ ロ セ ス を 新 た に 設 計 す る 場 合 は ,UMM(UN/CEFACT Modeling Methodology)の手法を用いて設計することになる。又は,ビジネスプロセスを新たに設計 する場合でも,BPSSインスタンスをテキストエディターを利用して直接生成可能である。

相互運用性を確保するには,UMMを利用してのモデリング手法が推奨される方法である。

①  受発注ビジネスプロセス

従来からEDIの中心がこの受発注プロセスの電子化であり,業界を問わず高い必要性が ある。導入効果としては,ビジネスターンアラウンドタイムの短縮,自動化による省人・

誤処理の防止などがある。

導入対象のビジネスプロセスの優先順位は高い。

 

図  3.7  受発注ビジネスプロセス   

②  協働予測

効果的なサプライチェーンを構築するためには,この協働予測のビジネスプロセスの導 入が必要である。

日や週単位(短期)の販売見込や発注見込みのやり取りと,数ヵ月単位(長期)の需要 予測の交換のビジネスプロセスがある。

 

図  3.8  協働予測ビジネスプロセス   

③ 電子カタログ

取引先の発見,購買,設計,製造のための技術,設計情報,製品情報の交換のためのビジ ネスプロセスであり,照会型とプッシュ型がある。

 

図  3.9  電子カタログビジネスプロセス  バイヤー 

発注) 

技術情報照会  技術情報応答 

新製品情報配信 

サプライヤ 

受注) 

バイヤー 

発注) 

注文  注文回答 

変更  変更回答 

取消  取消回答 

サプライヤ 

受注) 

バイヤー 

発注) 

予測提供(短期) 

予測確認(短期) 

予測通知(長期) 

予測確認通知(長期) 

サプライヤ 

受注) 

  (2) ビジネスプロセス再構築の検討

コラボレーションXML/EDIシステムの意義としては,戦略的なサプライチェーンを構築 して,企業グループ又は業界の競争力を高める狙いがある。この意義に沿ってのビジネスプ ロセスの再構築の検討が必要である。この検討の過程では,各企業の社内システムとの連携 方法の検討も必要である。

(3) TPA機能の適用の検討

取引基本契約書相当(取引成立条件,準拠する法律,秘密契約,紛争時の管轄裁判所など)

は,企業グループ又は業界として雛型の策定が必要である。

RosettaNetはTPA(Trading Partner Agreement)の雛型を提供している。

必要に応じて取引上のパラメータ(リードタイムやロットサイズなど)を定型化して電子 化することも考えられる。

3.4.2 コンピュータシステム構築の観点

コンピュータシステム構築上の観点としては,社内バックエンドとの連携方式,安全な高稼動 性システムの構築などがある。

3.4.2.1 社内バックエンドとの連携方式

社内バックエンドシステムとの連携方式は大きく分類して,①ファイル転送による簡易連携方 式と,②多様なシステムをアダプタでハブ(EAI サーバー)に繋ぎ,企業内・企業間プロセスを シームレス・準リアルタイムに繋ぐ高機能連携方式がある。

(1) 簡易連携方式

XML/EDI電文を,XMLトランスレータにて社内ファイル形式に変換して,社内バックエ

ンドシステムと連携させる。ビジネスプロセスを制御する仕組みはアプリケーションで構築 するか,人間系で処理する。システム構築が,比較的簡単でシンプルである。

(2) 高機能連携方式

EAIサーバーが,各種・多様なシステムとのハブ機能を司る。

このEAIサーバーが各種のビジネスプロセスを制御することになる。ビジネスプロセスを 電子的に記述して,ビジネスプロセスの自動制御に繋げる標準仕様として,ebXML BPSS

(Business Process Specification Schema)仕様が開発・公開されており,このebXML BPSS 仕様の採用が一つの検討テーマである。

  EAI  サーバー 

  B2B  サーバー  トランスレータ   

社内  バックエンド 

(ERP)  

 

  B2B  サーバー  トランスレータ 

  社内  バックエンド 

 

――― 高機能連携方式 ―――  ――― 簡易連携方式  ――― 

図  3.10  社内バックエンドとの連携方式   

3.4.2.2 安全な高稼動性システムの構築

(1) トラッキングとリカバリ

コラボレーションXML/EDIシステムの運用性を向上するため,ビジネスプロセスの処理

状況,XML/EDI電文の内容,エラー情報,履歴情報などのトラッキング機能が必要である。

またエラー発生時,原因除去後のリトライによるリカバリ機能も必要である。

(2) セキュアなサーバーの配置

企業のセキュリティポリシーに合わせたサーバー分割,配置の検討が必要である。

図  3.11  セキュアなB2B サーバーの配置図の上のB2Bサーバー配置は,DMZにXML/EDI データが置かれるシステム構成であり,図の下はDMZにはXML/EDIデータを一つも置か ない安全なシステム構成である。

図  3.11  セキュアなB2B サーバーの配置   

(3) 可用性とスケーラビィティ

EDI電文のトランザクション数が多くなると,B2Bサーバーが高負荷になり処理の遅れ,

場合によっては EDI電文の処理漏れなどの障害に結びつく。想定される EDI電文のトラン ザクション量からB2Bサーバーの負荷状態を計算して,必要に応じて負荷分散システムの検 討が必要となる。B2B サーバーの負荷分散システム構成例を図 3.12  B2B サーバーの負荷分 散システム構成例に示す。 

ロードバランサー(L/B)が負荷状況を検出して,トランザクションをB2Bサーバーに振 り分ける。また,B2Bサーバーを簡単に追加できるようにリニアなスケーラビィティの考慮 も必要である。

  B2B  サーバー 

GW) 

  社内  バックエンド   

  B2B  サーバー 

本体) 

F/W  F/W 

―――― DMZ ―――― 

――  イントラネット  ―― 

  B2B  サーバー 

本体) 

  社内  バックエンド   

 

F/W  F/W 

 

 

図  3.12  B2B サーバーの負荷分散システム構成例 

3.4.2.3 メッセージ搬送レベル標準適用の場合の IP アドレスについて

メッセージ搬送レベルの標準(例:ebXML MS仕様,RosettaNet RNIF仕様)の中には,固 定 IPアドレス(あるいはURL)を持ったサーバー間でのみ使用可能なものがある。これらの標 準は,ダイアルアップ接続によってインターネット接続業者を介してインターネットを利用するよ うな場合には使用することができない。このような問題は,中小企業などが大手の取引先からEDI の実施を要請されたときに顕在化するものと考えられる。

この問題の対処法としては,これらの標準をサポートするASPサービスを利用することが簡単 かつ安価な方法である。

3.4.2.4 Web 画面表示方法と標準メッセージ変換方法

コラボレーションXML/EDIでの交換メッセージ(XMLビジネス文書)は,各社の自社社内シ ステムで画面表示又は帳票印刷して確認することになる。

XMLビジネス文書の画面表示方法は,XMLスタイルシート(XSLTスタイルシート)を利用 して表示できる。この方法は,ベーシックXML/EDIのWeb-EDIでの画面表示方法と同一であり,

2.5.2項(XML,XMLスタイルシートを活用したWeb-EDIの方式設計)を参照されたい。

コラボレーション XML/EDI でも,採用している標準メッセージ(ビジネス文書)の変換が必 要になる(例:自社固有メッセージ→業界標準メッセージへの変換,業界標準メッセージ→業界連 携標準メッセージへの変換)。XSLT(XSL Transformations)を利用したメッセージ変換が可能 であり,この方法は,2.5.4項(XMLベース標準メッセージの変換方法)を参照されたい。

ドキュメント内 インターネットEDI(XML/EDI)導入手引書 (ページ 53-57)