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0.5 1.0 1.5 2.0 y 0.2

0.4 0.6 0.8 1.0

intHyL

図 26: 様々なyに対する積分値int(y) = ∫

0 estanhπys の値 最終的に我々はinversion symmetric な表式を得た。

2

{QB, γL}Ψ = 2π2(Wmid− Wend) = −n0−n. (6.78) この結果はN のanomaly項A(n0,)を除いて一致する。N = ±1,±2の多重ブレイン解 に対しては EOM-term は消えるので(Appendix.D参照)、正準エネルギーN は“拡張さ れた重力結合”に等しくなる。

N2 = 1

2

Ψ[QB,G] Ψ =

VmidΨ

VendΨ. (6.79)

これこそが正しい関係で(6.29)は(6.79)で置き換えられなければいけない。また差Wmid Wendはこの後の第節で説明するように、sz-trickのデルタ関数をどのように定義するかに 依らないwell-definedな量である。この意味でもWmidだけでは足りず、差Wmid− Wend

こそ真に意味のある量である。

• Wendは弦の端点に結合しているように見えるが、バルクの自由度である重力との結 合と見なして良いのか。

• N はup to EOMでゲージ不変である。Wmid− Wendは一般にゲージ不変では無い。

どうして等号で繋がるのか。

以下これらの疑問点についてコメントする。

6.5.1 [25]との相違点

最初に我々の得た結果(6.79)と[25]の与えた結果(6.29)の違いについて説明する。相違

の起源は(6.30)における極限δ 0の取り方である。我々は何度も強調して来たように、

s積分を行った後に極限δ→0 を取る。この極限操作はK =の特異性を拾うために重 要であった。一方[25]では演算子[QB,G]のδ 0での振る舞いについて調べており、s積 分の前に極限を取っていることになる。またδ 0の中にはcゴーストが存在するため、

Ψとの相関を調べる必要があるのだが、それも行っていない。結果として[25]は、TIIの 中でTIIB (6.58)に含まれるκ(D,D)¯ だけを落とさずに残した。κ(D,D)¯ はhX∂Xiから来 る1/δの特異性を含むからである。即ち[25]のχ(i.e. 第6.2節のχL)とγL

χL =γL−κ(D,D),¯ (6.80)

という関係にある。κ(D,D)¯ はδ << 1でκ(D,D)¯ ∼ −(c(D) +c( ¯D))/(4πδ)と振る舞う。

このκ(D,D)¯ は{

QB, κ(D,D)¯ }

=Vend+O(δ)となるため、(6.80)の第一項目から出て来 るVendとキャンセルし(6.22)を出すのである。

TII の中でκ(D,D)¯ 項を単独で残すことは、WIIB (6.59)の中の(1/s) coth(2πδ/s) 1/δ (δ0)がかかっている項だけを取り、他の項を忘れることと同じである。しかし我々が 行ったようにΨも考慮に入れて評価すれば、κ(D,D)¯ 項の寄与はKBc相関関数を含んで おり、WIIB (6.61)にはcosh(2πδ/s) tanh(πδ/s)がかかるのである。この項は有限のδに対 して、s= 0で発散するためs積分が定義されていない。TIIの中の全ての項は(6.57)およ

び(6.61)で見たように、KBc相関関数を考慮すれば等しく重要である。そして幸運なこ

とに全ての項の和はs= 0で正則な被積分関数(6.63)を与えるのである。

6.5.2 sz-trickの不定性

二つ目のコメントは(6.74)の中に現れる−nδ(s)の項の取り扱いについてである。(6.76) と(6.77)を得る際に、我々はデルタ関数δ(s) =i∞

idz/(2πi)eszが∫

0 ds δ(s) tanh(πy/s) = 1を満たすとした。しかしもしs >0を積分しているという事から∫

0 ds δ(s) tanh(πy/s) = 1/2を採用すれば、我々は(6.76)及び(6.77)と異なった結果I(y 0) = n/2I(y

) =−n0−n/2を得ていただろう。更にもしsz-trickにおいて1 =∫

−∞ds δ(s−

iLi) を挿入し(s積分の範囲が(−∞,∞)に拡張されたもの。相関関数の幅は必ず非負なので、

拡張しても良いはずである。)、∫

−∞ds δ(s) tanh(πy/s) = 0を用いれば、WmidK = 0と K =両方の特異性を勘定するという結果、I(y0) = 0及びI(y → ∞) = −n0−n を得る。これらの事実は、1 = ∫

ds δ(s−

iLi)を挿入しLi積分とs積分を入れ替えると いうsz-trickの操作が、z積分の後にδ(s)が残るような量に対してwell-definedでは無い ことを示している。しかし幸運なことに、差I(y→ ∞)−I(y0)にはこの不定性は現れ ず常に−n0−nである。差においては(tanh(πΛ/s)tanh(πδ/s))δ(s) = 0だからであ る。つまり個々のWmidWendの値を議論するのは意味の無いことである。両者の差こそ 意味のある量である。今までWmidだけを扱ってこの不定性が現れなかったのは、n = 0 の古典解を考えていたからである。δ(s)はn = 0によって消されていたのである。

6.5.3 本当に端点で結合しているのか

デルタ関数の不定性の話で述べたようにWend単独で議論することに意味は無い。中点 だけで結合させるようにデルタ関数の定義を取ることも可能である。しかしここでは更 に、(6.76)とデルタ関数を取った場合でも(i.e.∫

0 ds δ(s) tanh(πy/s) = 1) Wendが端点で 結合していると考えるには微妙な点があることをコメントしておく。

y 0の計算(6.76)で効いてくるのが、(6.74)の中の−nδ(s)である。yを有限に保っ ている以上、この計算では無限小幅s= 0の相関関数の寄与だけが効く。これを図.27に 表した。よって実際にはVの挿入が無限遠にある相関関数の寄与を拾っていると思われ

る。Wendに“end”と添え字をつけたが、これは単に端点からの正則化パラメーターδ

由来するという意味で名付けたにすぎない。Wendが重力結合であるならば、端点で結合 している訳ではなさそうである。実際にどこで結合しているのか、本当に重力結合と見な せるか調べることは今後の課題である(第7章参照)。

6.5.4 Wendのゲージ対称性

第2.5.1節でも述べたようにGIOはΨが運動方程式を満たすかすら問わないという非常

に強いゲージ対称性を持っている。このゲージ対称性はclosed string が開弦の中点に挿 入されていることによって保証されている。端点とclosed string vertexが結合している と一般のゲージ不変性は補償されない。

しかしWendnで書けていることから分かる通り、G(K)の特異性の構造を変えない 変換、即ちエネルギーの値を変えない変換に対してはもちろん不変である。よって物理的 にはゲージ不変である。但しWmidがΨの中身まで見ずに形式的にゲージ不変性を証明で きるのに対して、Wendにはそのような強力な対称性は存在しない。

δ V(iδ)

s

図 27: Wendに効く相関関数の計算は、端点からの正則化δを有限に保ったままs積分を行う。デ ルタ関数δ(s)があるために幅ゼロ(s= 0)の相関関数のみが拾われることになる。よって実際に

closed string vertex Vは端点というよりも中点に挿入されていると解釈する方が自然である。

もともとN にはEOMを課せば成り立つ形式的なゲージ不変性が存在した。よってWmid

程の強力なゲージ不変性は必要ないものの、N から等式によって得たWmid− Wendにも ゲージ不変性が存在するはずである。どうして形式的なゲージ不変性が破れたのか。これ は∫

Ψ [QB,G] Ψを∫

γLΨ2とする変形する際に相関関数を評価していることに原因がある。

もともと[QB,G]は経路ABCD(図.21) を積分されていた。横積分部分BCからの寄与が 無い場合には[QB,G]は弦の右半分ABと左半分CDからだけの寄与となり、Ψ2 =−QBΨ が使え、更なる式変形ができた。この横積分が落ちるかどうかは形式的には言えない。実 際にΨの中身まで見て相関関数を評価したのだった。従って最終の形Wmid− Wendには 形式的なゲージ不変性は存在しない。

一方∫

Ψ [QB,G] Ψには形式的なゲージ不変性が存在する。第2.5章の始めに述べたよう に、∫

Ψ [QB,G] Ψを重力結合と見なして良いかという問題があるものの、ゲージ不変性 の観点からは、Wmid− Wendまで式変形しなくとも∫

Ψ [QB,G] Ψまでで止めておけば問 題が生じることは無い。

ゲージ不変性に関する議論も前節で述べたように、Wendが本当に端点で結合しているの かという問題とも深く関わる。

7 結論

7.1 結果

ボゾニックな開弦の場の理論であるCubic String Field Theory (CSFT)の作用の代数的 構造が、三次元コンパクト多様体上のトポロジカルなゲージ理論であるChern-Simons(CS) 理論と似ている(記号の置き換えだけで移り合い、作用に含まれる演算子の性質が同じ) 事に注目し、その類似性をCSFTにおいて追求することで、CSFTにおける位相的構造を 探った。CS理論にはwinding数と呼ばれる整数に量子化されたトポロジカル不変量が存 在する。winding数は作用の有限ゲージ変換で得られるが、同様にしてCSFTの作用にお いて有限ゲージ変換Ψ→U(QB+ Ψ)U1 で得られる量N

N = π2 3

(U ∗ QBU1)3 (7.1)

を定義し、N がwinding数と同じように位相的量と見なせるのか、そしてその性質を支 える背後の構造は何かを明らかにするというのが本研究の目的である。

本研究ではKBc代数(3.37)で構成されたピュアゲージ型の解(3.50)に対して調べた。

先ずNを全微分の積分形に対応する表式である∫

QBAの形に書き直すことに成功した。

この形式∫

QBAは、QB,∗,

の諸性質より代数的にゼロになる量であるが、タキオン凝 縮解[6]に対して評価を行った所、Aが特異性を含んでおり∫

QBA = 0× ∞となってい ることが分かった。そこでQB-exactな形ゆえの代数的なゼロと、K = 0における特異 性の両方正則化するものとしてKε-正則化を行った所、∫

QBAの表式から望ましい値を 得た。ある種の代数を満たす三つの量K, B, cで構成された一般的な古典解(3.50)に対し て、N =∫

QBAの評価一般的に行った所、N は解(3.50)を特徴付ける関数G(K)の詳し い関数形に依らず、K = 0,における振る舞いだけで決まることが証明された。しかし G(K)K = 0,でシングルゼロ点/ポールでない時には、N を整数からずらすアノマ

リ項(4.62)が付く。しかしピュアゲージ型解を正則化するとピュアゲージが破れるので、

正則化パラメーターをゼロに持っていった時に運動方程式を満たしているか確認する必 要がある。運動方程式と解自身との内積∫

Ψ(QBΨ + ΨΨ)もN 同様G(K)の詳細に 依らず、K = 0,における振る舞いだけで決まり、G(K) がK = 0,でシングルゼロ 点/ポールでない時には、運動方程式が破れていることが分かった。即ちこれらを考え合 わせると古典解に対してはN は整数値を取る事が分かった。K = 0,の特異性からは N = 0,±1,±2の解が構成出来ることが分かった。

NK = 0からの寄与とK =からの寄与が等しく入っている事に気付く。これは背 後に強力な定理が存在するためであることが分かった。KBcで構成される任意の相関関 数はKBc代数を保ちながらK = 0とK =を入れ替える操作(5.4) に対して不変ある ことの証明に成功した(inversion symmetry)。このことからKBcで構成されたN や運動 方程式にはK = 0とK =の寄与が等しく含まれていることを示すことができる。

K = 0,の特異性だけではN =±1,±2の解しか存在しないことが分かったので、ナ イーブには良く定義されていないK =a1, a2,· · · (ai 6= 0, a < )の特異性を使える枠組 みを提案し、|N | ≥3を与える古典解の構築を試みた。これはKBcの固有値空間をaiの 場所で分割し、有限な位置の特異性も固有値空間の端、即ちK = 0, K = に還元する というものである。そしてN は個々の固有値空間上で定義されたNiの和として定義する のである。この方法はこれまでのN の定義の自然な拡張になっており、任意のN を構成 できる。

さてここからはK = 0とK =だけに特異性がある解に限る。N は(静的)古典解の 作用から決められる正準エネルギーであるが、CSFTには重力結合から読み取るエネル ギーと目されているGravitational coupling GC =Wmidと呼ばれる量が考えられてきた。

開弦の中点にon-shellのgravitonが結合した相互作用を表す。この量が真に重力結合なら ば、正準エネルギーと同様inversion symmetry が存在すると期待される。しかしGCを N = 0,±1,±2に対応する多重ブレイン解に対して評価するとK = 0における特異性n0 しか感知せず、inversion symmetryを破ることが分かった。[25]によってN とGCの直接 的な関係が導かれており(但し[25]ではN =GCという結論に達している。) その関係式 を再考察するとこれまでに見落とされていた新しい項Wend(6.67)を発見した。この項は K =からの特異性を拾い、WmidWendの和(差)は明白なinversion symmetricな形 をしている。そして両方の項の和がN と等しいエネルギーを与える。

N

2 =Wmid− Wend (7.2)

n 6= 0の古典解のWmidには、sz-trick計算において不定性が存在する。しかし幸運なこ とにGCWendで不定性が丁度キャンセルするようになっており、両方の和には不定性 は無くwell-definedになっている。