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4.2 N = ∫

4.2.1 証明

さてN[U]はwinding数NCSと記号の置き換え(4.13)によって移り合えることからも予 想されるように、微小ゲージ変換(4.15)で不変な“トポロジカル”な量である。ではN[U]

を変化させるような大きなゲージ変換とはどのようなものだろうか。Uのどのような構造 がN の値を変更するのだろうか。ここでCS理論とCSFTの作用の数学的構造の類似性か ら、大胆にも位相的構造にも類似性が存在すると予想する。つまりwinding数が多様体か ら群への巻き付きを与えるという位相的構造を持っていたように、CSFTにも多様体や群 に対応する構造が存在し、N[U]がそれらの間の写像として何か整数になる量を数えてい るのではないか、と予想するのである。もちろんCS理論とCSFT理論は物理的内容にお いては全く異なる理論である。CSFTには多様体の概念も無く、ゲージ群の概念も無い。

多様体がコンパクトであるとか、表面積分という概念もない。しかし全くことなるからこ そ、もしそこに位相的構造あるいは幾何学的構造が成立していれば重要な発見となる。

この章ではCSFTの位相的構造を解明するための試みとして、まずwinding数NCSが全 微分の表面項の形に書けることに注目する。この形は解の特異的な構造が見えやすい。多 様体がコンパクトゆえほとんどゼロの量であるが、ゲージ場が多様体上に特異性を持つ場 合に表面項が非自明な寄与を与えるのだった。CSFTでも似たような状況になる。置き換

えルール(4.13)によれば、全微分の積分形に対応するのは

M

d(· · ·)

QB(· · ·) (4.25) という表式である。右辺はBRSTカレントの積分路が弦の左足と右足で逆方向のためキャ ンセルしてし、どのような弦の場(· · ·)に対しても代数的にゼロになる表式である(4.6)。

つまりN はエネルギーに比例しているのだから、単純にはN =∫

QB(· · ·)と書き直せる とすると矛盾なのである。しかしwinding数もほとんどゼロの量であったが、多様体上の 特異点を種にして値を獲得したのであった。さてN がそのような構造を持つのかどうか 次の章から調べて行く。

V

τ

]

0

T

25

τ

0

1 τ

図 17: τ パラメーターは摂導的真空V = 0と非摂導論的真空V 6= 0を結ぶ。0 τ 1 間ずっと解なのでどこかの真空にいるはずである。よって真空の遷移は点で起こる。τ0 の値は

parametrizationの取り方に依る。また真空の遷移は複数回起っても構わない。

pure-gauge解Ψ =UQBU1に対して、実数パラメータτ [0,1]を用いてΨτ =UτQBUτ1 を導入する。Uτ は以下の境界条件を満足するものである。

Uτ =

{U (τ = 1) 1 (τ = 0)

(4.26) τを入れてもpure-gauge型であることに変わりは無いので、Ψτ も形式的には運動方程式 の解である。Ψττが0から1へ動くことで摂導論的真空から非摂導論的真空へ変かす るが、運動方程式を満たし続けるため、不連続に変化することになる。(図17)。

ではNQB-exactな積分形に書き直そう。

N = π2 3

Ψ3 = π2 3

1 0

d

Ψ3τ =π2

1 0

Ψτ ∗dΨτ Ψτ

=π2

1

0

∫ (

Ψτ d

τΨτ)Ψτ Ψτ d Ψτ

)

=−π2

1 0

∫ (

Ψτ d

dτQBΨτ (QBΨτ) d Ψτ

)

=π2

1 0

QB

(

Ψτ τ

)

QBA (4.27)

途中でΨτ が運動方程式の解であることを用いた。またτ 微分は積に対してLeibniz則 を満たすとした。A

A=π2

1 0

Ψτ ∗dΨτ

(4.28)

で与えられる。

大川型のpure-gauge解(3.50)では、例えばF2(K)をτ-parameter化してFτ2 =τ F2とし てΨτを定義することができる。

Ψτ =Fτ(K) KB

1−Fτ2(K)cFτ(K) (4.29) Fτ の取り方を変えれば、図.17のτ0の位置が動いたりする。実は、証明ではΨτ

pure-gauge型に書けていることは要求されない。古典解から古典解へ、解であることを保ち続

けながら遷移するようなΨτを導入できれば証明は成立する。しかし一般的には、τによ る変形で解であることを保つのは難しいと思われるので、実際的には上で述べたように

pure-gauge型に表した古典解が有用であろう。

N が真空を階段関数的に跳び移る様子(図.17) を調べたいので、

N =π2

1 0

dτB(τ) (4.30)

と表し、B(τ)を定義する。

B(τ) =

Ψτ τ

Ψτ (4.31)

特に大川型のpure-gauge型解の場合のB(τ)を求めておくと、(4.29)を(4.31)へ代入し、

KBc代数を用いてBを一つになるまで変形すると B(τ) =

BcFτ2c K 1−Fτ2

( d

dτBcFτ2c K 1−Fτ2

)

BcFτ2c K 1−Fτ2

=

Bc[

cK, Fτ2] 1 1−Fτ2

( d

[cK, Fτ2] 1 1−Fτ2

) [cK, Fτ2] 1 1−Fτ2

=

BcGτcK [

cK, 1 Gτ

dGτ

] [ cK, 1

Gτ ]

(4.32) という表式を得る。ここで

G(K) = 1−F2(K), Gτ(K) = 1−Fτ2(K) (4.33) と定義した。更にB(τ)は二つのQB-exactな項の和として書けて

(4.32) =B1+B2 (4.34)

B1 =

QB

(

BcGτcK Gτ

dGτ cK

Gτ )

(4.35) B2 =

QB

(

BcGτcK 1 G2τ

dGτ cK

)

(4.36) となる。