(4) BPDU ガード
7.5 Ring Protocol のネットワーク設計
7.5.8 Ring Protocol の禁止構成
Ring Protocol を使用したネットワークでの禁止構成を次の図に示します。
(1) 同一リング内に複数のマスタノードを設定
同一のリング内に 2 台以上のマスタノードを設定しないでください。同一リング内に複数のマスタノード があると,セカンダリポートがブロッキング状態になっているためにネットワークが分断されてしまい,適 切な通信ができなくなります。
図 7‒24 同一リング内に複数のマスタノードを設定
(2) 共有リンク監視リングが複数ある構成
共有リンクありのマルチリング構成では,共有リンク監視リングはネットワーク内で必ず一つとなるように 構成してください。共有リンク監視リングが複数あると,共有リンク非監視リングでの障害監視が分断され るため,正しい障害監視ができなくなります。
図 7‒25 共有リンク監視リングが複数ある構成
(3) ループになるマルチリング構成例
次に示す図のようなマルチリング構成を組むとトランジットノード間でループ構成となります。
図 7‒26 ループになるマルチリング構成
(4) マスタノードのプライマリポートが決定できない構成
次の図のように,二つの共有リンク非監視リングの最終端に位置するノードにマスタノードを設定しないで ください。このような構成の場合,マスタノードの両リングポートが共有リンクとなるため,プライマリ ポートを正しく決定できません。
図 7‒27 マスタノードのプライマリポートが決定できない構成
(5) マスタノードの両リングポートが共有リンクとなる構成
次の図のように,共有リンク上に共有リンク監視リングのマスタノードが存在するマルチリングを構成しな いでください。このような構成では,共有リンク非監視リングで障害が発生した場合,共有リンク非監視リ ングでは経路が切り替わりますが,隣接する共有リンク監視リングでは経路が切り替わりません。この結 果,共有リンク監視リングを構成する装置では古い MAC アドレス学習の情報が残るため,すぐに新しい通 信経路に切り替わらないおそれがあります。また,共有リンク非監視リングのリング障害が復旧した場合も 同様になります。
図 7‒28 マスタノードの両リングポートが共有リンクとなる構成