本装置は,フレームを宛先 MAC アドレスによって目的のポートへ中継するレイヤ 2 スイッチングをしま す。宛先 MAC アドレスによって特定のポートだけに中継することで,ユニキャストフレームのフラッディ ングによるむだなトラフィックを抑止します。
MAC アドレス学習では,チャネルグループを一つのポートとして扱います。
2.1.1 送信元 MAC アドレス学習
すべての受信フレームを MAC アドレス学習の対象として,送信元 MAC アドレスを学習して MAC アド レステーブルに登録します。登録した MAC アドレスはエージングタイムアウトまで保持します。VLAN 単位に学習して,MAC アドレステーブルは MAC アドレスと VLAN をペアにして管理します。異なる VLAN であれば,同一の MAC アドレスでも学習できます。
2.1.2 MAC アドレス学習の移動検出
学習済みの送信元 MAC アドレスを持つフレームを学習時と異なるポートから受信した場合,その MAC アドレスが移動したものと見なして MAC アドレステーブルのエントリを再登録(移動先ポートに関する上 書き)します。
チャネルグループで学習した MAC アドレスについては,そのチャネルグループに含まれないポートからフ レームを受信した場合に MAC アドレスが移動したものと見なします。
2.1.3 学習 MAC アドレスのエージング
学習したエントリは,エージングタイム内に同じ送信元 MAC アドレスからフレームを受信しなかった場合 にエントリを削除します。これによって,不要なエントリの蓄積を防止します。エージングタイム内にフ レームを受信した場合は,エージングタイマを更新してエントリを保持します。エージングタイムを設定で きる範囲を次に示します。
• エージングタイムの範囲:0,10〜1000000(秒)
0 は無限を意味します(エージングしません)。
• デフォルト値:300(秒)
ポートがリンクダウンした場合は,該当ポートから学習したエントリをすべて削除します。チャネルグルー プで学習したエントリは,そのチャネルグループが Down した場合に削除します。
2.1.4 MAC アドレスによるレイヤ 2 スイッチング
MAC アドレス学習の結果に基づいてレイヤ 2 スイッチングをします。宛先 MAC アドレスに対応するエ ントリを保持している場合,学習したポートだけに中継します。レイヤ 2 スイッチングの動作仕様を次の 表に示します。
表 2‒1 レイヤ 2 スイッチングの動作仕様
宛先 MAC アドレスの種類 動作概要
学習済みのユニキャスト 学習したポートへ中継します。
未学習のユニキャスト 受信した VLAN に所属する全ポートへ中継します。
宛先 MAC アドレスの種類 動作概要
ブロードキャスト 受信した VLAN に所属する全ポートへ中継します。
マルチキャスト 受信した VLAN に所属する全ポートへ中継します。
2.1.5 MAC アドレス学習抑止
受信フレームによる MAC アドレス学習に制限を設けて,使用する MAC アドレステーブルのエントリを 管理できます。
(1) VLAN 単位の MAC アドレス学習抑止
VLAN ごとに,MAC アドレス学習を抑止できます。MAC アドレス学習を抑止すると,学習抑止の対象と なる VLAN で受信したフレームはフラッディングします。
すでに MAC アドレスを学習しているときに MAC アドレス学習を抑止すると,学習していた MAC アド レステーブルのエントリは削除します。
2.1.6 MAC アドレステーブルのクリア
本装置はコマンドの実行やプロトコルの動作などによって MAC アドレステーブルをクリアします。
MAC アドレステーブルをクリアする契機を次の表に示します。
表 2‒2 MAC アドレステーブルをクリアする契機
契機 説明
ポートのリンクダウン※1 該当ポートから学習したエントリを削除します。
チャネルグループの Down※2 該当チャネルグループから学習したエントリを削除します。
運用コマンド clear mac-address-table の実行
パラメータに従って MAC アドレステーブルをクリアします。
MAC アドレステーブル Clear 用 MIB
(プライベート MIB)
セット時に MAC アドレステーブルをクリアします。
VLAN のコンフィグレーション の削除および変更
コンフィグレーションコマンド switchport access および switchport trunk で VLAN ポートを削除した場合や,コンフィグレーションコマンド switchport mode でポート種別を変更した場合に,該当ポートの該当 VLAN の MAC アドレ ステーブルをクリアします。
コンフィグレーションコマンド shutdown で VLAN をシャットダウン状態にし た場合に,該当 VLAN の MAC アドレステーブルをクリアします。
コンフィグレーションコマンド isolate-vlan でアイソレート VLAN を有効また は無効にした場合に,該当 VLAN の MAC アドレステーブルをクリアします。
コンフィグレーションコマンド switchport isolate でアイソレートポートを設定 または削除した場合に,該当ポートの該当 VLAN の MAC アドレステーブルをク リアします。
スパニングツリーのトポロジ変 更
トポロジ変更を検出した時に MAC アドレステーブルをクリアします。
契機 説明 Ring Protocol による経路の切
り替え
[本装置がマスタノードとして動作]
経路切り替え時に MAC アドレステーブルをクリアします。
[本装置がトランジットノードとして動作]
経路切り替え時にマスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信し た場合,MAC アドレステーブルをクリアします。
リングポートフォワーディング遷移時間のタイムアウト時に MAC アドレステー ブルをクリアします。
MAC アドレス学習抑止のコン フィグレーションの設定
コンフィグレーションコマンド no mac-address-table learning で MAC アド レス学習抑止を設定した場合,該当 VLAN の MAC アドレステーブルをクリアし ます。
注※1
回線障害,運用コマンド inactivate の実行,コンフィグレーションコマンド shutdown の設定などによるポートの リンクダウンです。
注※2
LACP,回線障害,コンフィグレーションコマンド shutdown の設定などによるチャネルグループの Down です。