(4) BPDU ガード
7.4 マルチリングの動作概要
(1) 共有リンク非監視リング
共有リンク非監視リングは,マスタノード 1 台とトランジットノード数台で構成します。しかし,共有リ ンクの障害を監視しないため,補助的な役割として,共有リンクの両端に位置する共有リンク非監視リング の最終端ノード(共有ノード)から,ヘルスチェックフレームをマスタノードに向けて送信します。このヘ ルスチェックフレームは,二つのリングポートのうち,共有リンクではない方のリングポートから送信しま す。これによって,共有リンク非監視リングのマスタノードは,共有リンクで障害が発生した場合に,自身 が送信したヘルスチェックフレームが受信できなくなっても,共有リンク非監視リングの最終端ノード(共 有ノード)からのヘルスチェックフレームが受信できている間は障害を検出しないようにできます。
図 7‒13 共有リンク非監視リングでの正常時の動作
(a) マスタノード動作
片方向リンク障害による障害誤検出を防止するために,二つのリングポートからヘルスチェックフレーム
(HC(M))を送信します。あらかじめ設定した時間内に,両方向の HC(M)を受信するか監視します。マス タノードが送信した HC(M)とは別に,共有リンクの両端に位置する共有リンク非監視リングの最終端ノー ド(共有ノード)から送信したヘルスチェックフレーム(HC(S))についても合わせて受信を監視します。
データフレームの転送は,プライマリポートで行います。セカンダリポートはブロッキング状態になってい るため,データフレームの転送および MAC アドレス学習は行いません。
(b) トランジットノード動作
トランジットノードの動作は,シングルリング時と同様です。トランジットノードは,HC(M)および HC(S) を監視しません。HC(M)や HC(S)を受信すると,リング内の次ノードに転送します。データフレームの転 送は,両リングポートで行います。
(c) 共有リンク非監視リングの最終端ノード動作
共有リンク非監視リングの最終端ノード(共有ノード)は,共有リンク非監視リングのマスタノードに向け て HC(S)の送信を行います。HC(S)の送信は,二つのリングポートのうち,共有リンクではない方のリン グポートから送信します。マスタノードが送信する HC(M)や,データフレームの転送については,トラン ジットノードの場合と同様となります。
(2) 共有リンク監視リング
共有リンク監視リングは,シングルリング時と同様に,マスタノード 1 台と,そのほか数台のトランジッ トノードとの構成となります。共有リンクの両端に位置するノードは,シングルリング時と同様にマスタ ノードまたはトランジットノードとして動作します。
図 7‒14 共有リンク監視リングでの正常時の動作
(a) マスタノード動作
片方向リンク障害による障害誤検出を防止するために,二つのリングポートからヘルスチェックフレーム
(HC(M))を送信します。あらかじめ設定された時間内に,両方向の HC(M)を受信するかを監視します。
データフレームの転送は,プライマリポートで行います。セカンダリポートはブロッキング状態になってい るため,データフレームの転送および MAC アドレス学習は行いません。
(b) トランジットノード動作
トランジットノードの動作は,シングルリング時と同様です。トランジットノードは,マスタノードが送信 した HC(M)を監視しません。HC(M)を受信すると,リング内の次ノードに転送します。データフレームの 転送は,両リングポートで行います。
7.4.2 共有リンク障害・復旧時の動作
共有リンクありのマルチリング構成時に,共有リンク間で障害が発生した際の障害および復旧動作について 説明します。
(1) 障害検出時の動作
共有リンクの障害を検出した際の動作について次の図に示します。
図 7‒15 共有リンク障害時の動作
(a) 共有リンク監視リングのマスタノード動作
共有リンクで障害が発生すると,マスタノードは両方向の HC(M)を受信できなくなり,リング障害を検出 します。障害を検出したマスタノードはシングルリング時と同様に,次に示す手順で障害動作を行います。
1. データ転送用リング VLAN 状態の変更 2. フラッシュ制御フレームの送信 3. MAC アドレステーブルのクリア 4. 監視状態の変更
(b) 共有リンク監視リングのトランジットノード動作
シングルリング時と同様に,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると次に示す動 作を行います。
5. フラッシュ制御フレームの転送 6. MAC アドレステーブルのクリア
(c) 共有リンク非監視リングのマスタノードおよびトランジットノード動作
共有リンク非監視リングのマスタノードは,共有リンクでのリング障害を検出しないため,障害動作は行い ません。このため,トランジットノードについても経路の切り替えは発生しません。
(2) 復旧検出時の動作
共有リンクの障害復旧を検出した際の動作について次の図に示します。
図 7‒16 共有リンク復旧時の動作
(a) 共有リンク監視リングのマスタノード動作
リング障害を検出している状態で,自身が送信した HC(M)を受信すると,リング障害が復旧したと判断し,
シングルリング時と同様に,次に示す手順で復旧動作を行います。
1. データ転送用リング VLAN 状態の変更 2. フラッシュ制御フレームの送信 3. MAC アドレステーブルのクリア 4. 監視状態の変更
(b) 共有リンク監視リングのトランジットノード動作
シングルリング時と同様に,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると次に示す動 作を行います。
5. フラッシュ制御フレームの転送 6. MAC アドレステーブルのクリア
(c) 共有リンク非監視リングのマスタノードおよびトランジットノード動作
共有リンク非監視リングのマスタノードは,リング障害を検出していないため,トランジットノードを含 め,復旧動作は行いません。
7.4.3 共有リンク非監視リングでの共有リンク以外の障害・復旧時の動 作
共有リンク非監視リングでの,共有リンク以外のリング障害および復旧時の動作について説明します。
(1) 障害検出時の動作
共有リンク非監視リングでの共有リンク以外の障害を検出した際の動作について次の図に示します。
図 7‒17 共有リンク非監視リングにおける共有リンク以外のリング障害時の動作
(a) 共有リンク非監視リングのマスタノード動作
共有リンク非監視リングのマスタノードは,自身が送信した両方向の HC(M)と共有ノードが送信した HC(S)が共に未受信となりリング障害を検出します。障害を検出したマスタノードの動作はシングルリン グ時と同様に,次に示す手順で障害動作を行います。
1. データ転送用リング VLAN 状態の変更 2. フラッシュ制御フレームの送信 3. MAC アドレステーブルのクリア 4. 監視状態の変更
(b) 共有リンク非監視リングのトランジットノードおよび共有ノード動作
シングルリング時と同様に,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると次に示す動 作を行います。
5. フラッシュ制御フレームの転送 6. MAC アドレステーブルのクリア
(c) 共有リンク監視リングのマスタノードおよびトランジットノード動作
共有リンク監視リング内では障害が発生していないため,障害動作は行いません。
(2) 復旧検出時の動作
共有リンク非監視リングでの共有リンク以外の障害が復旧した際の動作について次の図に示します。
図 7‒18 共有リンク非監視リングでの共有リンク以外のリング障害復旧時の動作
(a) 共有リンク非監視リングのマスタノード動作
リング障害を検出している状態で,自身が送信した HC(M)を受信するか,または共有ノードが送信した HC(S)を両方向から受信すると,リング障害が復旧したと判断し,シングルリング時と同様に,次に示す手 順で復旧動作を行います。
1. データ転送用リング VLAN 状態の変更 2. フラッシュ制御フレームの送信 3. MAC アドレステーブルのクリア 4. 監視状態の変更
(b) 共有リンク非監視リングのトランジットノードおよび共有ノード動作
シングルリング時と同様に,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると次に示す動 作を行います。
5. フラッシュ制御フレームの転送 6. MAC アドレステーブルのクリア
(c) 共有リンク監視リングのマスタノードおよびトランジットノード動作
共有リンク監視リング内では障害が発生していないため,復旧動作は行いません。
7.4.4 共有リンク監視リングでの共有リンク以外の障害・復旧時の動作
共有リンク監視リングでの共有リンク以外のリング障害および復旧時の動作について説明します。
(1) 障害検出時の動作
共有リンク監視リングでの共有リンク以外の障害を検出した際の動作について次の図に示します。
図 7‒19 共有リンク監視リングでの共有リンク以外のリング障害時の動作
(a) 共有リンク監視リングのマスタノード動作
共有リンク監視リング内で障害が発生すると,マスタノードは両方向の HC(M)を受信できなくなり,リン グ障害を検出します。障害を検出したマスタノードはシングルリング時と同様に,次に示す手順で障害動作 を行います。
1. データ転送用リング VLAN 状態の変更 2. フラッシュ制御フレームの送信 3. MAC アドレステーブルのクリア 4. 監視状態の変更
(b) 共有リンク監視リングのトランジットノード動作
シングルリング時と同様に,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると次に示す動 作を行います。
5. フラッシュ制御フレームの転送 6. MAC アドレステーブルのクリア
(c) 共有リンク非監視リングのマスタノードおよびトランジットノード(共有ノード)動作 共有リンク非監視リング内では障害が発生していないため,障害動作は行いません。
(2) 復旧検出時の動作
共有リンク監視リングでの共有リンク以外の障害が復旧した際の動作について次の図に示します。