• 検索結果がありません。

(4) BPDU ガード

9.2  IGMP snooping の解説

(b) IGMP 即時離脱機能設定時の動作

本装置は,IGMPv2 Leave メッセージを受信したポートをエントリからすぐに削除します。IGMP クエリ ア機能を設定していても,Group-Specific Query メッセージは送信しません。

(3) IGMPv3 メッセージ受信によるエントリの削除

IGMPv3 Report(離脱要求)メッセージを受信すると,受信したポートだけエントリから削除し,この ポートへのマルチキャストトラフィックの中継を停止します。VLAN 内のすべてのポートにグループメン バが存在しなくなった時点で,エントリを削除します。

(a) IGMP クエリア機能設定時の動作

本装置は,IGMPv3 Report(離脱要求)メッセージを受信したポートから Group-Specific Query メッ セージを 1 秒間隔で 2 回送信します。応答がない場合にエントリからこのポートだけを削除します。

ただし,受信した IGMPv3 Report(離脱要求)メッセージのマルチキャストアドレスレコードタイプが BLOCK_OLD_SOURCES の場合,これらの削除処理が実行されるのは,該当する VLAN に IPv4 マルチ キャストを使用していないときだけです。

(b) IGMP 即時離脱機能設定時の動作

本装置は,マルチキャストアドレスレコードタイプが CHANGE_TO_INCLUDE_MODE の IGMPv3 Report(離脱要求)メッセージを受信したポートをエントリからすぐに削除します。

IGMP クエリア機能を設定していても,Group-Specific Query メッセージは送信しません。

(4) エントリのエージング

IGMP Report(参加要求)メッセージを受信してから一定時間経過すると,マルチキャストルータは直接 接続するインタフェース上にグループメンバが存在するかを確認するため,定期的に IGMP Query メッ セージを送信します。本装置はルータからの IGMP Query メッセージを受信した場合,VLAN 内の全ポー トに中継します。IGMP Query メッセージへの応答である IGMP Report(参加要求)メッセージを受信 しない場合,エントリからこのポートだけを削除します。すべてのポートから応答がない場合は,エントリ 自体を削除します。

本装置では,ポートへの中継を停止するタイムアウト時間は 260 秒(コンフィグレーションコマンド ip igmp query-interval のデフォルト値から算出)であり,この間に IGMP Report(参加要求)メッセージ を受信しない場合,該当するポートへの中継を停止します。

次の場合,タイムアウト時間は動的に設定します。

• 他装置が代表クエリア(IGMPv3 での運用)

代表クエリアからの IGMPv3 Query メッセージ(QQIC フィールド)から算出します。

• 自装置が代表クエリアで IPv4 マルチキャストを使用

IGMPv2/IGMPv3 に関係なく,自装置に設定した Query Interval で算出します。ただし,Query Interval を設定していないときは,デフォルト値での運用となります。

• 他装置が代表クエリア(IGMPv2 での運用)で IPv4 マルチキャストを使用

該当する VLAN に IPv4 マルチキャストを使用しているときは,自装置に設定した Query Interval で 算出します。ただし,Query Interval を設定していないときは,デフォルト値での運用となります。

また,次の場合,タイムアウト時間はデフォルト値での運用となります。

• 自装置が代表クエリアで IPv4 マルチキャストは未使用

IGMPv2/IGMPv3 に関係なく,デフォルト値での運用となります。

• 他装置が代表クエリア(IGMPv2 での運用)で IPv4 マルチキャストは未使用

該当する VLAN に IPv4 マルチキャストを使用していないときは,デフォルト値での運用となります。

この場合,該当する VLAN では Query Interval を 125 秒で運用してください。

注 タイムアウト時間は,Query Interval(QQIC フィールドの値)×2+Query Response Interval で 算出します。

9.2.2 マルチキャストパケットの中継制御

(1) MAC アドレス学習によるマルチキャストパケット中継

本装置は VLAN インタフェースに IGMP snooping を設定した場合,受信者からの IGMP Report(参加 要求)メッセージの収集が完了するまで,マルチキャストパケットの VLAN 内フラッディングを継続しま す。IGMP Report(参加要求)メッセージの収集が完了したあと,MAC アドレスの学習結果に従い,該 当する受信者だけにマルチキャストパケット中継を開始します。マルチキャストパケットは,同一の MAC アドレスに対応する IPv4 マルチキャストアドレスの IGMP Report(参加要求)メッセージを受信したす べてのポートに中継します。

「9.2.1 MAC アドレスの学習 (1) エントリの登録」の例で述べた 224.10.10.10 と 225.10.10.10 のマ ルチキャスト MAC アドレスはどちらも 0100.5E0A.0A0A となるため,224.10.10.10 宛てのマルチキャ ストパケットをレイヤ 2 中継する際に,225.10.10.10 への IGMP Report(参加要求)メッセージを受信 したポートへも中継します。

(2) 中継制御対象外のマルチキャストパケット

IGMP snooping がポート単位の中継制御をするマルチキャストパケットはデータトラフィックであり,

ルーティングプロトコルなどの制御パケットは VLAN 内の全ルータや全受信者が受信できるように VLAN 内にフラッディングする必要があります。そのため,本装置では,次の表に示すアドレス範囲に含 まれる宛先 IP アドレスを持つマルチキャストパケットは,VLAN 内の全ポートに中継し,アドレス範囲外 の宛先 IP アドレスを持つマルチキャストパケットは,マルチキャスト MAC アドレスの学習結果に従って 中継します。

表 9‒4 VLAN 内にフラッディングする IP アドレス範囲

プロトコル IP アドレス範囲

IGMP snooping 224.0.0.0/24

9.2.3 マルチキャストルータとの接続

マルチキャストパケットの中継先は,マルチキャストグループ参加済みの受信者だけでなく,隣接するマル チキャストルータも対象とします。本装置とマルチキャストルータを接続して IGMP snooping を使用す る場合,マルチキャストルータへマルチキャストパケットを中継するためにマルチキャストルータと接続す るポート(以降,マルチキャストルータポートとします)をコンフィグレーションで設定します。

(1) マルチキャストルータポートの設定

(a) 冗長構成時

スパニングツリーによる冗長構成時,スパニングツリーのトポロジ変更でルータとの接続が変わる可能性が ある場合は,ルータと接続する可能性のある全ポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要が あります。

(b) レイヤ 2 スイッチ間の接続時

複数のレイヤ 2 スイッチだけで構成される VLAN で,マルチキャストトラフィックの送信者を収容するレ イヤ 2 スイッチと接続するポートをマルチキャストルータポートに設定しておく必要があります。

冗長構成にする場合は,送信者を収容するレイヤ 2 スイッチと接続する可能性のある全ポートをマルチ キャストルータポートに設定しておく必要があります。

(2) IGMP メッセージの中継動作

本装置は設定したマルチキャストルータポートに全マルチキャストパケットを中継します。

また,IGMP はルータと受信者間で送受信するプロトコルであるため,IGMP メッセージはルータおよび 受信者が受け取ります。本装置は IGMP メッセージを次の表に示すように中継します。

表 9‒5 IGMPv1 メッセージごとの動作

IGMPv1 メッセージの種類 VLAN 内転送ポート

IGMPv1 Query 全ポートへ中継します。

IGMPv1 Report マルチキャストルータポートにだけ中継します。

表 9‒6 IGMPv2 メッセージごとの動作

IGMPv2 メッセージの種類 VLAN 内転送ポート

IGMPv2 Query 全ポートへ中継します。

IGMPv2 Report マルチキャストルータポートにだけ中継します。

IGMPv2 Leave ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートにも 中継しません。

ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャスト ルータポートに中継します。

注※

自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルー タポートに中継します。

表 9‒7 IGMPv3 メッセージごとの動作

IGMPv3 メッセージの種類 VLAN 内転送ポート

IGMPv3 Query 全ポートへ中継します。

IGMPv3 Report(参加要求) マルチキャストルータポートにだけ中継します。

IGMPv3 Report(離脱要求)

(CHANGE_TO_INCLUDE_MODE)

ほかのポートにまだグループメンバが存在する場合はどのポートに も中継しません。

IGMPv3 メッセージの種類 VLAN 内転送ポート

ほかのポートにグループメンバが存在しない場合はマルチキャスト ルータポートに中継します。

IGMPv3 Report(離脱要求)

(BLOCK_OLD_SOURCES)

マルチキャストルータポートにだけ中継します。

注※

自装置にクエリアを設定している場合の中継動作です。クエリアを設定していない場合は,常にマルチキャストルー タポートに中継します。

9.2.4 IGMP クエリア機能

IGMP クエリア機能は,VLAN 内にマルチキャストルータがなく,マルチキャストパケットの送信者と受 信者だけが存在する環境で,本装置が受信者に IGMP Query メッセージを代理で送信する機能です。

マルチキャストルータは定期的に IGMP Query メッセージを送信し,受信者からの応答を受け取ることで グループメンバの存在を確認します。マルチキャストルータがない場合,受信者からの応答がなくなるた め,グループメンバを監視できません。このような場合,IGMP クエリア機能を使用すれば,VLAN 内に マルチキャストルータがなくてもグループメンバを監視できるため,IGMP snooping が利用できるように なります。本装置では IGMP Query メッセージを 125 秒間隔で送信します。

IGMP クエリア機能を動作させるには,IGMP snooping を利用する VLAN に IPv4 アドレスを設定する 必要があります。

VLAN 内に IGMP Query メッセージを送信する装置がある場合,IGMP Query メッセージの送信元 IPv4 アドレスの小さい方が代表クエリアとなって IGMP Query メッセージを送信します。VLAN 内のほかの 装置が代表クエリアの場合,本装置は IGMP クエリア機能による Query メッセージの送信を停止します。

代表クエリアが障害などで停止すると新たに代表クエリアを選定します。VLAN 内の他装置が障害などで 本装置が代表クエリアに決定すると Query メッセージの送信を開始します。本装置の代表クエリアの監視 時間は 255 秒です。

本装置で送信する IGMP Query のバージョンのデフォルト値は,IGMPv2 です。装置起動以降,IGMP Query のバージョンは,代表クエリアの IGMP バージョンに従います。

9.2.5 IGMP 即時離脱機能

IGMP 即時離脱機能は,IGMPv2 Leave および IGMPv3 Report(離脱要求)メッセージを受信したとき に,該当ポートへのマルチキャスト通信をすぐに停止する機能です。

IGMPv3 Report(離脱要求)メッセージのうち,マルチキャストアドレスレコードタイプが

CHANGE_TO_INCLUDE_MODE の IGMPv3 Report(離脱要求)メッセージだけを,本機能のサポー ト対象とします。

9.2.6 同一 VLAN 上での IPv4 マルチキャストが動作する場合

本装置では,IPv4 マルチキャストと IGMP snooping の両方を同一の VLAN 上で同時に動作させること ができます。この場合の動作を次に示します。