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RE100 に関連する再エネ電力調達の取り組み

18. 企業名 Sky Plc

18.1 RE100 に関連する再エネ電力調達の取り組み

企業概要

Skyはオンライン配信を中心とした放送会社であり、コンテンツ製作、配信を行うヨーロ ッパ最大級のエンターテインメント会社である。

2016年度の売り上げは1290億ポンド、利益は15億ポンドである。コンテンツへの投資 は年間60億ポンドに上る。雇用者数は3万1000人以上である。

現在は主に英国、アイルランド、ドイツ、オーストリア、イタリアの5カ国で活動してい る。

若者の教育支援に熱心であり、これまでに Sky Academyで何かしらのプログラムに参加 した人数は17万264人である。

再エネ電力調達の目標と達成状況

Skyの再エネ目標は大きく2つある。1つが電力の再エネ化、もう1つが熱を含む全体の 再エネ比率である。全体の再エネ目標は2020年までに20%まで高める目標であり、電力の

みは2020年までに100%を目指している。

表 18-1 Skyの英国とアイルランドの再エネ比率 項目 目標 2008/09

(基準年)

2014/15 2015/16 2016/17 自社サイトから

えられるエネル ギー(%)

20 5 7 6

オンサイトの再 エネ(kWh)

0 5,788,585 6,405,512 6,103,015

出所)各種資料より作成

Sky(英国とアイルランド)のエネルギー目標は 2020年までに炭素集約度を 50%低減す

ることであり、2016年度は基準年と比較して、47%の削減を実現できた。2010年以来Sky が調達している自社で消費している電力のうち、英国とアイルランドの系統から購入して いる電力については 100%再エネとなっている。加えて自主的カーボン・オフセット

(voluntary carbon offsets)の調達により、グループ全体のネット排出もゼロである。

表 18-2 Skyの英国とアイルランドのエネルギー目標 項目 目標値 2008/09

(基準年) 2014/15 2015/16 2016/17 収益における CO2 の排出削減比

率(%)

50 - 37 44 47 全ての建物におけるエネルギー

効率の向上(%)

20 - 3 4 -4

自社のサイトで所有している再 エネ設備からのエネルギー供給

(%)

20 - 5 7 6

交通のエネルギー効率向上(%) 15 - 11 9 10 出所)Sky Plc 2017,P.10より作成

図 18-1 2016年度の自社サイトの再エネ供給量

出所)Sky Plc 2017,P.10より作成

図 18-2 2015 年度のオンサイトの再エネの比率(電力と熱を含む)

出所)Sky Plc 2016, P.14より作成

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表 18-3 Skyグループのエネルギー関連指標(2016年度)

項目 Sky グループ 英国とアイルランド ドイツとオーストリア イタリア

グロスの炭素排出量絶対値(tCO2e)

SCOPE 1 30,350 25,564 2,149 2,637

化石燃料消費(ガス、ディーゼルオイル、石油、ガソ リン)

-ディーゼル 191 134 5 52

-石油 33 Na Na 33

-ガス 5,568 5,401 Na 167

-ガソリン 23,245 19,267 2,095 1,883

設備運営(冷却材)

-冷却材 1,313 762 16 535

SCOPE 2(ロケーション)

(マーケット)

91,917 44,267

69,245 18,973

3,487 686

19,185 24,608

調達地域熱(ロケーション) 649 0 208 441

調達電力(ロケーション) 91,268 69,245 3,279 18,744

調達地域熱(マーケット) 649 0 208 441

調達電力(マーケット) 43,618 18,973 478 24,167

合計(Scope 1 +Scope 2)(ロケーション)CO2e(tCO2e) 122,267 94,809 5,636 21,822 合計(Scope 1 +Scope 2)(マーケット)CO2e(tCO2e) 74,617 44,537 2,835 27,245 ジョイントベンチャーの合計のネット及びグロスの

CO2e(tCo2e)貢献

568 567 Na na

炭素集約度

収益(百万£) 12,916 8,600 1,858 2,458

炭素集約度(tCO2e/収益百万ポンド) 9.47 11.02 3.03 8.88

注:1.排出量は1会計年度の合計である(71日から630日)。

2.CO2の排出の計量は温室効果ガスプロトコル(Greenhouse Gas Protocol)と言う、温室効果ガス排出報告のグローバルスタンダードを用いている。自社のグロスのCO2

出量は全ての直接的な温室効果ガス排出を含んでいる。ネットの排出量は、再エネ供給源以外から調達しているエネルギーである。ネットの排出量はScottish and Southern

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Energy Groupとの再エネ調達契約による再エネ調達を引いた後に残っている排出量を示す。Scottish and Southern Energy Group Skyの求めに応じて気候変動税免除証明

(Levy Exemption Certificates)と再エネ発電源証書(Renewable Energy Guarantee of Origin、REGOs)を調達・管理している。加えて、Skyはグロスの排出全量をVoluntary Carbon Standard offsetsの購入によって相殺している。

3.SkyCO2排出量のデータはDeloitte LLPによって独立的に評価、保証されている。Skyの環境目標とパフォーマンスについてのより詳細な情報はSkyのウェブサイト

(sky.com/environment)から得ることができる。

4.過去のデータは毎年最新のDefra/DECCガイドラインの企業報告向け温室効果ガス換算係数を用いて再計算し、提示している。

5.石油はドイツ国内のSkyビルの暖房にのみ用いている。

6.地域熱(例えばコージェネレーション設備からの熱供給を受けるなど)は熱を供給するガスの代替源として用いることもできる。イタリアとドイツの Sky は地域熱から

熱供給を受けている。英国ではSkyは地域熱の供給を受けておらず、オンサイトのバイオマス設備で熱エネルギーを生産している。

7.イタリアのSkyは現在再エネ電力供給契約による電力調達を行っておらず、グロスとネットの排出量に差異はない。

8.ジョイントベンチャーとはSkyが過半数のシェアを持っている企業またはビジネスを指す。

出所)Sky Plc 2017,P.10より作成

表 18-4 Sky(英国とアイルランド)のエネルギーからのCO2排出量(2016年度)

2008/09 2013/14 2014/15 2015/16 2016/17 SCOPE 1(tCO2e)

ディーゼル 62 606 607 187 134 ガス 4,817 4,149 4,593 3,980 5,401 ガソリン 13,621 15,496 18,459 19,488 19,267 冷却材 1,821 382 747 678 762 合計 20,321 20,633 24,406 24,333 25,564 SCOPE 2(tCO2e)

調達地域熱(ロケーション) 0 3 1 0 0

調達電力(ロケーション) 85,517 73,784 76,632 73,251 69,245 合計 85,517 73,787 76,633 73,251 69,245

調達地域熱(マーケット) 0 3 1 0 0

調達電力(マーケット) 15,614 1,803 16,360 17,996 18,973 合計 15,614 1,806 16,361 17,996 18,973 合計排出量(ロケーション) 105,838 94,420 101,039 97,584 94,809 合計排出量(マーケット) 35,935 22,439 40,767 42,329 44,537 売り上げ(百万£) 5,121 7,632 7,820 8,371 8,600 炭素集約度(tCO2e/収益百万ポ

ンド)

20.67 12.37 12.92 11.66 11.02

出所)Sky Plc; 2017,P.11より作成

再エネ電力以外の気候対策目標

既に述べたとおり、Sky(英国とアイルランド)のエネルギー目標は2020年までに炭素

集約度50%削減することであり、2016年度は基準年と比較して、47%の削減を実現した。

排出量の削減方策 特に記述はなかった。

再エネ電力調達の達成手法

Skyは自社のカーボン・フットプリントを会計年度の期末に計測している。Scope 1 及び

Scope 2 の排出量については、自社社屋及び自社の所有する自動車や冷却剤の利用からの

CO2排出を計算している。Scope 3の排出量は、被雇用者の出張や埋め立てられる廃棄物か らの排出などを含んでいる。

Skyは自主的炭素排出量削減プロジェクト(voluntary carbon emission reduction project)の

一環として、CO2排出量をカーボン・オフセットしている。

 排出削減:カーボン・ニュートラルを達成するため、Skyは排出を回避、削減するため の努力を行なっている。特に交通と埋め立て廃棄物からの排出を削減し、エネルギー効 率の向上を達成しなければならない。

 オフセット:Scope 1とScope 2のグロスのCO2排出量全量に対してカーボン・オフセ ットを実施。Scope 3については、いくつかの項目にのみオフセットを実施している。

 Scope 1:ガス、ディーゼルオイル、蒸気エネルギー、冷却材からの排出量、Skyが所

有する自動車からの排出量

 Scope 2:消費者電力から排出される排出量

 Scope 3:被雇用者の出張や埋め立て廃棄物から発生する排出量

Southern Energy Group が、Sky の求めに応じて、気候変動税免除証明(Levy Exemption

Certificates)と再エネ発電源証書(Renewable Energy Guarantee of Origin、REGO)を調達・管 理している。これにより Sky が消費している電力については発電設備までデータを追跡す ることができる。

加えて、SkyはグロスのCO2排出量をVoluntary Carbon Standard offsetsによって相殺して いる。排出量の計算方法はDefraのガイドラインに従っており、電力については系統平均換 算係数を用いている。こうして算出されるグロスのCO2排出1トンにつき、上記の証明書 を調達して相殺し、CO2排出を削減している。

Skyは自社が公表している「自社のエネルギー消費のうち20%を自社のサイト内で所有ま たは管理している再エネ設備から調達する」という目標を達成するため、サイト内の再エネ 設備に対して多くの投資を行ってきた。2016 年度までに暖房と冷房用のコジェネレーショ ンシステムの購入予約や100 kWの風車、太陽光パネル、バイオマスボイラー(Osterleyの 本社社屋で)などに延べ850万ポンド以上の投資を行っている。

Skyは既に自社サイト内に風車とバイオマスボイラーを持っており、再エネによる電力と 熱を供給している。バイオマスは、コジェネレーションシステムだが、2015 年度は技術的 な問題により4ヶ月間稼働できなかった。これにより Skyの全体の再エネ比率に多少影響 がでた。

自社のサイトで所有・管理している再エネ設備からの(電力と熱の)エネルギー供給率の

目標値は20%であるが、上記の問題により2016年度は6%にとどまった。コジェネレーシ

ョンシステムが完全に稼働することはできなかったが west London キャンパスにある建物 全てがこの設備につながっており、2017 年度以降は、これらの設備の熱エネルギーにより CO2排出の削減が可能となった。

また同社社屋に 1000m2 のソーラーパネルの設置が完了し、2017 年よりフル稼働できる ようだが、2016年度の報告書では反映されていない。

太陽光パネルはOsterleyの本社社屋以外にも英国内のサイトで随時導入されており、今後 も新設を進める予定でいる。

さらに電力調達契約(Power Purchase Agreement、PPA)を通じて外部の再エネを追加で調 達することによって 20%目標を達成する予定である。

電力についてSkyは既にほぼ100%再エネであり、2020年までに完全な100%再エネを目 指している。

スコットランドでもバイオマスボイラーを導入し、ドイツでは地熱による電力も調達し ている。同様に主要な社屋とカスタマーサービスセンターで用いられる電力は100%再エネ 電力となっている。

一方でイタリアでは、2016 年時点では再エネ電力の調達をしていない。しかし、近いう ちにサイト内にコジェネレーションシステムを導入する予定である147

このように、Skyは長期投資計画ではより多くの施設内の再エネ設備からのエネルギー利 用を模索しており、太陽光、風力、バイオマス・コージェネレーション熱供給設備等による エネルギー供給を進めていく計画である。

現在ネットの排出量として計算されるのは、上述の再エネ電力の調達量を差し引いたも のであり、例えば賃貸のオフィス等、地主の意思決定に Sky が及ぼすことができる影響が 小さな施設からの排出でオフセットできていないものとなっている。

図 18-3 Skyのドイツ本社社屋 出所)Sky

ウェブサイト、https://www.skygroup.sky/corporate/media-centre/articles/de-de/Gesellschaftliche_Verantwortung、2018320日取得

ドイツとオーストリアの企業センターの建設プロジェクトでは建築の環境側面が重視さ れており、施設内の再エネへの投資も行っている。また2016年度は、ドイツ国内とオース トリア国内のすべての建物で消費される電力の95%をエコ電力メニューで調達している。

SkyオーストリアのオフィスはウィーンのRivergate Complex内にあり、その建築は2010 年時点の最新の環境建築の研究開発成果に基づいたものとなっている。Rivergate は EU の

147 Clean Energy News ウェブサイト、https://www.cleanenergynews.co.uk/news/efficiency/sky-cuts-emissions-despite-slow-adoption-of-renewables、2018319日取得