第 4 章 光増幅中継システムにおける光ファイバ線路障害位置検出法
4.5 OTDR 測定ダイナミックレンジ
図 4.10 5,600kmシステムの測定結果
kB n G
hv R
SNR P
SP LB B o
) 1 ( 8
/
−
= Γ
(4.2)
ここでPoはFSKプローブ信号の中継器出力パワー,RBはFSK信号のパルス部 分のパルス幅によって決定される光ファイバのレーリー後方散乱係数,ΓLBは HLBPの損失である.またhはプランク定数,vは光周波数,Gは増幅器利得,nsp
は増幅器の自然放出光係数,kは光増幅器数,Bは中間周波数帯域幅である.
また1nm当たりの光雑音密度をPsp(W/nm)とすると,SNRは次式でも表すこと ができる.
B P
f R SNR P
SP LB B O
4 Δ
= Γ
(4.3)
ここで,Δfは123.5GHzである.したがって光増幅中継伝送システムの受信線路
の光雑音密度を測定することにより,SNRを求めることができる.一方,包絡線 検波後のベースバンドにおいて平均加算処理を行なうことにより,測定ダイナミッ クレンジを改善することが可能である.平均化回数nが十分大きい場合,信号処理
後のOne-wayダイナミックレンジDRは,次式から求めることができる.
( ) ( )
[
SNR n]
DR 10log 3 5log 2
1 + +
= (4.4)
図 4.7および図 4.8の実験において,上式から求められるダイナミックレンジは 17.9dBおよび17.3dBを得た.実験で求められた値とよく一致している.
4.5.2 所要測定時間の検討
光増幅中継伝送システムの過大な自然放出光雑音から微弱なレーリー散乱光を 検出するためには,平均化処理によるダイナミックレンジの改善が重要である.図 4.11は,平均化によるダイナミックレンジの改善効果について実験的に求めたもの である.理論値とよく一致しており,平均化によるダイナミックレンジの改善度が
上式に反映できることがわかる.
図 4.11 平均化処理による改善効果
OTDRの適用可能な範囲を明確にするために,中継スパンが異なる3つの光増幅 中継伝送システムにおいて,4種類の距離分解能を用いて測定を行なう場合の平均 化時間と測定可能な光ファイバ長について検討を行なった.
(1) 33km-span,300中継(10,000km) (2) 66km-span,60中継(4,000km) (3) 99km-span,20中継(2,000km)
計算結果を図 4.12にそれぞれ示す.ここで,光増幅中継伝送システムは正常で あり,受信線路にローディングが行なえことを条件としている.またHLBP損失は 23dBとした.各システムの中継スパン長以上を達成できれば,スパン全長の観測 が可能となることを示している.SNRの条件はほぼ同等であるが,短スパンシス テムでは所要のダイナミックレンジが小さいため,適用が容易である.一方,長ス パンシステムでは所要のダイナミックレンジが大きいため,全スパンの測定を行な うためには,測定距離分解能あるいは測定時間を犠牲にする必要がある.
図 4.12 平均化時間と測定可能な光ファイバ長
(a) 33km×300中継システム,(b) 66km×300中継システム,
(c) 99km×20中継システム