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光ループバック方式による線路監視方法

第 3 章 光ループバックを用いた光中継器監視方法

3.3 光ループバック方式による線路監視方法

図 3.2 光ファイバ損失増加に対する受信光SNRへの影響

視信号を発生するとともに,各中継器からの光ループバック信号を検出する機能を 有する.LMEで発生させた監視信号は,光送信器(OS: Optical Sender)で光伝 送信号の強度に重畳され送出される.光伝送信号は,各中継器でその一部がHLLB 回路を介して対向光伝送路に合波され,対向光伝送路を伝搬する光伝送信号と共に 送信側(LME側)に伝送される.光受信器(OR: Optical Receiver)は,光伝送 信号と光ループバック信号を同時に受信し,それぞれを分離した後,ループバック 信号のみを LMEに供給する.LME は,各中継器からの光ループバック信号強度 を検出する.光伝送信号に重畳する監視信号の変調度を増減することにより,イン サービスとアウトオブサービスの両方の監視を可能としている.以上によって検出 された光ループバック信号レベルの経時変動を定期的に測定することによって,各 中継区間の光伝送信号の相対パワーレベルの変動をモニタすることができ,中継伝 送系のレベルダイヤグラムを間接的に把握することができる.

図 3.3 ループバック方式を用いた線路監視システムの構成

3.3.2 光ループバック回路

図 3.4 に光増幅中継器に採用した光ループバック回路の構成を示す.光ループ バック回路は,4個の光カプラで構成される.本章で提案するHLLB回路のほか,

OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)を用いた各中継区間内の光ファイ

バの高精度障害位置検出 [11] 用に使用するための光伝搬経路(OTDRパス)も構 成されている.光ループバック回路の各経路の損失は,モニタカプラ(Monitoring coupler)と高損失カプラ(High loss coupler)のスルーポートとクロスポートの 分岐比の組合せにより設定している.

ここで,HLLB 回路の損失量に対する伝送劣化量を推定し,所要特性を満足す るための HLLB 損失量について検討する.恒久的に接続された HLLB 回路に起因 する伝送特性の劣化要因は,伝送路を伝搬する光伝送信号に対する,対向線路から 漏えい累積した同符号速度の信号光のスペクトル成分との干渉と雑音光の累積量 の増加が支配的となる.すなわち,HLLB(損失L)による信号光(パワー PS)の 漏えいによる累積量は,中継器数をkとするkPS/Lであり,また自然放出光の漏え いによる累積量は増幅器1台当りの光雑音パワーのk(k+1)/2L倍となる.以上を考 慮した9,000km, 300中継におけるQ-Factor(Qualification-Factor) [12] の計算結果 を図 3.5 に示す.ここで信号光は,符号速度 5.3Gbit/s,符号形式 NRZ,マーク率

l/2,消光比20dBとした.また光フィルタ帯域は1nmとし,評価しようとする伝送

路を伝搬する信号光と対向伝送路を伝搬する信号光との光周波数差は,お互いの光 スペクトル間で生じる受信帯域内のビート雑音量が無視できる光周波数差以上,か っ 1mn 以内として,対向伝送信号光のデータ成分のみが干渉するものとした.図 3.5 から,ループバック損失 を約 38dB 以上に設定することにより,十分な伝送 特性を確保できることがわかる.本研究では, ∞からの1dB程度のペナルティ を見込んで,HLLB回路は45dBの損失量とした.

図 3.4 中継器ループバック回路の構成 L

図 3.5 光ループバック回路損失量とQファクタの関係