第 4 章 光増幅中継システムにおける光ファイバ線路障害位置検出法
4.6 波長分割多重(WDM)伝送システムへの適用性
表 4.1 チャンネル配置
Channel Wavelength (nm)
Maintenance (MN) 1552.3
1 1553.1 2 1553.9 3 1554.7 4 1555.5 5 1556.3 6 1557.1 7 1557.9 8 1558.7
図 4.14 光スペクトラム
4.6.2 測定結果
図 4.15にメンテナンスチャンネル(1552.3nm)を用いたCOTDR測定波形を示 す.距離分解能は3kmとした.全システムにわたって後方散乱光は明瞭に観察さ れている。次に、帯域内の測定能力を確かめるために、OTDRプローブ光は、NRZ 変調された信号の代わりにバンド内WDMチャンネル波長にセットした。チャンネ ル数を同じにするため、連続光(CW)をOTDR光の代わりにメンテナンスチャン ネルに供給した。図 4.16は,チャンネル4での測定結果を示す。このCOTDRの 適用によって,WDMチャンネルの伝送ペナルティは確認されなかった.一方,
COTDR測定においては,特に強度変調されたWDMデータ信号と同時伝送される
ため,相互位相変調(XPM: Cross Phase Modulation)などの光ファイバ非線形の影 響を受けやすい.しかし,本測定の1,000kmでは,問題となるような劣化は見られ
ず,1,000kmにおけるWDMシステムの中継器インタースパンのインサービス監視
は可能であることがわかった.
図 4.15 1,000km 測定結果(測定波長MN:1552.3nm)
図 4.16 1,000km 測定結果(測定波長CH-4:1555.5nm)
0 200 400 600 800 1000 1200
System Length (km)
Optical Power (5dB/div)
10 15
5
0 200 400 600 800 1000 1200
System Length (km)
Optical Power (5dB/div) 10 155
4.6.3 距離制限に関する検討
COTDR測定に距離限界を把握するため,ループ実験系を構築して,COTDR信
号の伝送を行った.図 4.17に実験構成を示す.光増幅中継伝送システムは500km を用意し,これをループ伝送させることで,擬似的に伝送距離を伸ばす.
実験結果を図 4.18および図 4.19に示す.プローブ光はループ系を伝送し,伝送 後の光信号をシグナルアナライザでスペクトラムを観測した.データ信号の変調パ ターンをPRBSにした場合の測定結果を図 4.18に示す.1,000km伝送したころか ら,プローブ信号レベルが低下していることがわかる.一方,図 4.19の通り,デ ータ信号の変調パターンを10固定パターンとした場合,18,000km伝搬も問題ない と見られる.OTDRの場合,双方向伝送が必要なので,9.000kmを超えるモニタが 可能になると思われる.図 4.20は,これらの測定結果をまとめた信号レベルの距 離依存性を示しており,データ信号の変調を10固定パターンにすることで,飛躍 的に観測距離が広がることがわかる.
図 4.17 ループ実験の構成 SW
Optical Signal Analyzer
Coupler DSF-2
#3 #2 #1
#10
DSF-1 DSF-10
SMF 2.5Gbit/s, 8ch
WDM OS Probe-LD
Coupler
500km
Acousto-Optic Modulator
図 4.18 信号成分のレベル変化(PN変調)
図 4.19 信号成分のレベル変化(固定パターン10変調)
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power (5dB/div)
IF Frequency (500kHz/div)
IF
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power
1,500km 2,000km
1,000km
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power
2,500km IF Frequency (500kHz/div)
IF P(
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power (5dB/div)
500km 0km
IF Frequency (500kHz/div)
IF P (5dB/di)
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power (5dB/div)
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power (5dB/div)
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power (5dB/div)
IF Frequency (500kHz/div)
IF P
IF Frequency (500kHz/div)
IF Power IF Frequency (500kHz/div)
IF Power
0km 3,000km 6,000km 9,000km
18,000km 15,000km
12,000km
図 4.20 信号レベルの距離依存性