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図4.20 10進数を5進数に変換するための割り算

 この割り算をお金工場の両替操作と対応させながら、商がまとめた硬 貨の個数、あまりが残った硬貨の個数になり、残った硬貨の個数がその 桁の数になり、小さい桁の数から決っていくことを全員の生徒に指導し

た。

 次に、割り算を続けて行う、連除法の仕方を教え、10進数を変換す る問題を解かせた。

 そして、10進数を割っていく計算を数式の変形を板書しながら、累 乗を単位とした式になることを示していった。

4.4.3 n進法として統合する指導

 最後に、n進数はみな累乗を単位とした式によって数を表現したもの であり、10進数も累乗を単位としta式に表せることを確認し、1)進数 が同じしくみであり、同じ方法で求められることを振り返えらせながら、

位取り記数法としてまとめだ。

 生徒の中には授業を終えてからも、コンピュータを操作したいと申し 出る者があり、帰りたい者はかえってよいということで使用させたとこ

ろ、全員がしばらくの間、コンピュータの操作を行っていた。

4.5 授業実践のまとめ

 授業実践したn進数の指導における単元全体の流れは第2章で述べだ ように、学習素材にn進数のお金を取り上げ、次のようになっている。

①数のしくみの異なる国の買物場面の設定   (日常生活の買物と関連ある場面の設定)

② 買物場面での値段・店の比較課題の投げかけ   (状況に埋め込まれた課題の投げかけ)

③ 課題解決のためのn進数のしくみを調べる活動   (課題解決のための準備的な活動)

④ 買物場面での値段・店の比較課題の解決   (状況に埋め込まれだ課題の解決)

⑤ 課題解決を数式処理に方向付ける課題の投げかけ   (数学化する課題の提示)

⑥ 計算による変換の仕方とn進法の指導   (数学化する活動と指導)

 コンピュータによる学習は、③n進数のしくみを調べる活動と④買物 場面での課題解決であり、これは1時問目、2時鳥目に位置づけられて

いる。

 生徒がコンピュータ教材を利用した1時間目、2時問目について生徒 の操作過程の分析をもとに、授業実践の結果を以下にまとめる。

4.5.1 1時五目のコンピュータ学習について

 1時問目の授業では、お金の両替をn進数の位の関係、国の違いを進 法の違いに関連させ、n進数のお金を両替してn進数のしくみを調べさ せ、n進数に対して具体的に操作できるようにする。この授業の要点は

次の4つである。

  ①11進数のお金を学習素材として取り上げ、

  ②数のしくみの異なる国の買物場面を設定し、

  ③状況に埋め込まれた課題を投げかけ、課題解決のための準備的な    活動を行う。

  ④準備的な活動の道具として、コンピュータ教材を利用する。

 授業設計、指導方法、及び、そこに位置づけられたコンビュー一iタ教材 に関する実践結果をまとめると、次のようになる。

 どの生徒も操作過程に違いにあるものの、コンピュータ教材を使った 学習に熱心に取り組んでいた。2名の生徒は遊びもなく、試行錯誤的な 操作から、思いつき、規則的、組織的な両替・総画の操作を順に進歩す

る形で良好な学習活動が行われていた。1名の生徒は思いつきの両替操 作なしに規則的、組織的な両替・両替の操作に進んでいた。1名の生徒 は組織的な両替・総画を行っていないが、規則的な両替操作にまで進ん でいた。また、n進数のしくみの調べ方にとして、位取り原理に沿った 規則的な両替操作や各進数の違いが確認できる組織的な両替・総替の操 作がそれぞれ5名の生徒によって行われた。

 これらの結果は、授業実践に当たっての授業設計が適切であり、上の 4つの要点が効果的なものであったことを意味している。

 生徒がn進数のしくみを調べていくために必要なコンピュータ教材の 操作を行えたのは、生徒の身近なお金と関連させ、n進数のお金を学習 素材に取り上げ、数のしくみの異なる買物場面を設定したことによるも のである。そのことにより、生徒がn進数を架空の存在でなく、より身 近な存在として、抵抗なく働きかけられた結果として、このような操作

課題を投げかけ、その課題の解決のための準備として、生徒がn進数の しくみを調べる意義、目的を見い出していけだから、n進数のしくみを 調べるための操作が生徒によって主体的に行われた。さらに、このよう な学習の流れの中で、生徒にとってお金と結びついた両替ができるコン ピュータ教材の開発と利用は必要であり、有効なものであった。特に、

コンピュータ教材の両替として、崩す両替とまとめる両替の両方があっ たことは可逆的な操作につながり、有効であった。

 しかし、これらの操作が行われなかっだ2名の生徒にとってはまだn 進数のお金は身近なものではなく、よく知っているお金や両替とは結び つかなかった。それが遊び的な操作につながった。遊び的な操作はコン ピュータに対する興味・関心の高さからとも考えられるが、それに終始 したのは、11進数のお金や数のしくみの異なる国の買物場面は日常生活 の買物とはかけ離れた架空の存在、数学的な場面でしかなく、日常生活 でお金を両替するように、n進数のお金のしくみを調べるために両替す ることは思いつかなかったし、できなかった。コンピュータ教材で両替 ができることだけでは、これらの生徒をn進数に働きかけさせることは できなかった。これらの生徒には、教師の指導や援助が必要であり、日 常生活の場面と関連付けさせ、実際のお金の両替や具体物を数えるなど の具体的な活動を行わせるような対策がとられなければならない。

 また、コンピュータ教材のメニューの番号による選択の問題や初期化 機能の不備は、これらの生徒の学習の妨げにもなった。この点に関して

は実践後、すぐ改善できた。

4.5.2 2時問目のコンピュータ学習について

 2時忍目の授業では、買物とお金という状況に埋め込まれた課題を解 決させる。この授業における要点は次の5つである。

 数のしくみの異なる国の買物場面で、

  ①状況に埋め込まれta課題を与え、課題解決させる。

  ②課題解決のための道具として、コンピュータ教材を利用する。

 数式処理に方向付けるために、

 ,③数学化する課題を与え、

  ④数の表示・計算で計算できることを教え、

  ⑤処理できない値を挿入しておく。

、授業設計、指導方法、及び、そこに位置づけられたコンピュータ教材 に関する授業実践の結果をまとめると次のようになる。

 どの生徒も操作方法に違いはあるものの、コンビュー・一霞教材の操作で n進数を10進数に変換することができた。位取り原理に従った変換に つながる規則的な両替操作による変換を5名の生徒が行っていた。また、

そのままでは処理できない値段や合計の変換には5名の生徒が両替操作 と計算を併用して行っていた。併用した計算は位取り原理を部分的に適 用したものであり、計算のみによる変換につなげていけるものであった。

 このらの結果は、授業における5つの要点が適切であったことを示唆

している。

 まず、生徒がn進数の値段を10進数に変換して課題解決できたのは、

1時問目のn進数のしくみを調べる活動で、しくみの違いがはっきりし たものになり、生徒がn進数の存在を実感し、働きかけていけるものと して、認識できたからである。異なるしくみで表されていることがはっ

進数を10進数に変換することを生徒が思いつけた。この2時問目の活 動において、状況に埋め込まれた課題になったといえる。また、いくつ かの品物のある店を比べるには、店ごとに合計して比べればよいことに 気づけたのも、生徒が日常生活の中の体験と結びついたからである。そ

して、また、1時間目の活動ができていなかった2名の生徒が課題解決 のだめに、他の生徒が1時間目に行っだような操作を行ったことは、状 況に埋め込まれた課題がこれらの生徒にとって、如何に重要であるかを 示している。つまり、状況に埋め込まれた課題は、・これらの生徒にとっ て身近な存在ではなかったn進数のしくみを調べる操作を行わせること ができた。もちろん、その解決が十分なものでないが、これらの生徒に そうした操作を主体的に行わせることは教育にとって価値のあることで ある。状況に埋め込まれた課題が適切に機能するのは、状況に埋め込ま れた課題を解決していく、その時であることが明らかになった。

 次に、生徒が状況に埋め込まれた課題を解決していくとき、1時問目 に行った規則的な両替操作が規則的な両替操作による変換に対応してい たように・これらの両替操作と変換がつながりをもち・1時品目に調べ たことが利用ざれた。また、n進数のしくみを振り返る操作は課題を解 決するtaめに、 n進数のしくみを自ら理解しようとした表れである。計 算を併用した変換や計算のみによる変換が5名の生徒によって自ら行わ れtaことは、コンピュータ教材がn進数の変換に有効に働いたことにな

る。

 それは両替操作が単位のお金を1個ずつ行う効率の悪いものであった ことが、かえって、計算に向かわせた。生徒がはじめは小さいお金から 位取り原理を適用していき、理解にし炬がって適用範囲を広げていけた ことは、生徒の主体的な学習の道具としてコンピュータ教材を利用しta