第 6 章 バッチアプリケーションのテスト環境への配備
6.2 C言語アプリケーションの配備
6.2.1 IDLファイルの作成
IDLファイルを“Interstage Job Workload Server 開発環境パッケージ”をインストールしたWindows(R)上で作成します。
・ IDLファイルには、バッチアプリケーションのインタフェースを記述します。
・ IDLファイルは任意のフォルダに作成します。
・ バッチアプリケーションの関数1つに対して1ファイル作成してください。
IDLファイルの記述形式を以下に示します。
IDLファイルの記述例を以下に示します。
module test1{
interface intf1{
int func( in long parm1, in short parm2 );
};
};
バッチアプリケーションとIDLファイルの関係については、“2.5.3.2 C言語アプリケーションのインタフェース”を参照してください。
IDLファイルの記述形式について以下に説明します。
型宣言
オペレーション宣言の復帰値、およびパラメタで使用する型宣言について、書式と記述例を以下に示します。
基本データ型
[書式]
typedef データ型 データ型名;
[記述例]
typedef short shortdata;
typedef long longdata;
typedef long long longlongdata;
typedef string stringdata;
データ型
IDLファイルで使用できるデータ型、およびC言語とIDLファイルのデータ型の対応について説明します。
サポートするデータ型
IDLファイルで使用できるデータ型は以下のとおりです。
データ型
基本データ型 整数型 short
long long long
文字列型 string
データ型の対応
IDLファイルのデータ型とC言語バッチアプリケーションのパラメタのデータ型との対応関係は以下のとおりです。
IDLファイルのデータ型 C言語バッチアプリケーションのデータ型
short short
long int
long long long long
string char*
注意事項
・ IDLファイル名に使用できる文字種を、以下に示します。
- 半角英文字(大文字および小文字)
- 半角数字
- アンダースコア(_)
・ IDLファイル名に指定できる拡張子は“.idl”だけです。
・ オペレーション宣言で指定するオペレーション名には、バッチアプリケーション名を記述してください。
・ C言語実行基盤インタフェース生成ツールで使用するIDLファイルは、IDLの文法に準拠していますが、以下の制限があります。
- モジュール宣言を入れ子にすることはできません。したがって、1つのIDLファイル内に、複数のモジュール宣言を定義するこ とはできません。
- 1つのIDLファイルに、複数のインタフェース宣言、およびオペレーション宣言は定義できません。
- インタフェース宣言、およびオペレーション宣言は省略することはできません。
- モジュール宣言は省略可能です。
- 例外宣言、定数宣言、属性宣言は使用できません。
- オペレーション宣言に指定するパラメタの方向はINのみ使用できます。ただし、oneway定義、およびraises定義は使用できま せん。
- 構造体、および多次元配列は使用できません。
- 型宣言は、すべてモジュール宣言の外側に定義してください。
- COBOLで作成されたバッチアプリケーションと連携する際、COBOLでstringを使用する場合は、長さ指定を定義して使用して
ください。
- プリプロセス機能は使用できません。
・ IDLファイルに記述する型名などの値には、以下の予約語は使用できません。なお、大文字と小文字は区別されません。
any、apfw_result、apfwExcept、apfwSequenceOctet、attribute、boolean、case、char、const、
context、default、double、enum、exception、fixed、float、in、inout、interface、long、longdouble、
longlong、module、Object、octet、oneway、out、raises、readonly、sequence、short、string、struct、
switch、TD_RTNVAL、typedef、union、unsigned、void、wchar、wstring、FALSE、TRUE
IDLファイルの詳細は、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“IDL定義”を参照してくだ さい。
6.2.2 アプリケーション情報入力ファイルの作成
アプリケーション情報入力ファイルを“Interstage Job Workload Server 開発環境パッケージ”をインストールしたWindows(R)上で作成し ます。
アプリケーション情報入力ファイルは、バッチアプリケーション名、ライブラリ名、インタフェースなどをバッチ実行基盤に通知するための 情報を設定するファイルです。
アプリケーション情報入力ファイルは、XML形式のテキストファイルです。以下に書式を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<apfw-app>
<server>
<target name="バッチアプリケーション名"/>
<library name="バッチアプリケーションライブラリ名"/>
<comment>コメントファイル</comment>
<result_info flag="OFF"/>
</server>
</apfw-app>
アプリケーション情報入力ファイル内のタグの概要は、以下のとおりです。アプリケーション情報入力ファイルのタグの詳細な説明につ いては、“付録D アプリケーション情報入力ファイル”を参照してください。
タグ名 必須 概要
apfw-appタグ ○ アプリケーションインタフェース情報の定義を表します。
serverタグ ○ バッチアプリケーションの定義を記述します。
targetタグ ○ バッチアプリケーション名を設定します。
バッチアプリケーション名はバッチジョブ定義からの呼 び出し名(サーバアプリケーション名)として使用します。
libraryタグ ○ バッチアプリケーションが存在するライブラリ名を設定
します。
commentタグ - 生成したCOBOL実行基盤インタフェースの先頭に注
釈として挿入する情報を格納したファイル名を指定し ます。
result_infoタグ ○ バッチ実行基盤に、バッチアプリケーションの復帰コー
ドを通知することを設定します。flag属性に必ず“OFF” を指定します。
○:必須
-:省略可
以下にアプリケーション情報入力ファイルの作成例を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<apfw-app>
<server>
<target name="hatyuu"/>
<library name="libhatyuu.so"/>
<comment>/aaa/bbb/comment</comment>
<result_info flag="OFF" />
</server>
</apfw-app>
・ アプリケーション情報入力ファイルに記述できるバッチアプリケーションは1個のみです。アプリケーション情報入力ファイルは、バッ チアプリケーションごとに作成してください。
・ アプリケーション情報入力ファイルは、任意のフォルダに作成してください。
・ アプリケーション情報入力ファイルの作成にメモ帳を使用する場合、文字コードに“UTF-8”を指定して保存してください。
・ 指定できるタグ名、および値については大文字と小文字を区別します。
・ 記述できる個数を超えて同じタグを記述した場合は、先に記述したタグが有効になります。また、タグに同じ属性を複数記述した 場合についても最初に記述した属性の値が有効になります。