6 操船シミュレーション
6.7 操船シミュレーション実施結果
6.7.7 Case4
② 第 2 船橋
第 2 船橋では、500GT 級の貨物船を操船した。
設定 Co.281°、速力 9knot で巨大船の右前方の位置からスタートし、航路に沿っ て西航する計画とした。
巨大船から VHF により左側追越しの連絡があり、東航レーンに沿って航行した。
スタート当初は低速であったが、順潮の津波流に乗り、明石海峡大橋下では 18knot を超える状況となり、巨大船に追い越されることはなかった。
順潮であっても舵効きが良く 10°程度の舵角で保針操船及び変針操船は可能で あった。
西方ブイを通過後、第 1 船橋の終了時をもってシミュレーションを終了した。
134
1km
0 2km 3km 4km 5km
淡路島 明石市
神戸市
171m
-99m
淡路島
神戸市
17 1m
-9
9m
図 6.7.17 Case4 第 1 船橋(92,000GT 貨物船・西航)グラフ
-400-300 -200-1001002003004000
0 5 10 15 20 25 30 35
横移動速力(cm/sec)
Time(min) 船首尾横移動速力(cm/sec)
船首 船尾
(右舷)
(左舷)
-40-30 -20-10102030400
0 5 10 15 20 25 30 35
舵角(deg)
Time(min) 舵角(deg)
(右舷)
(左舷)
180 210 240 270 300 330 360
0 5 10 15 20 25 30 35
船首方位(deg)
Time(min) 船首方位(deg)
-50-40 -30-20 -1010203040500
0 5 10 15 20 25 30 35
回頭角速度(deg/min)
Time(min) 回頭角速度(deg/min)
(右舷)
(左舷)
0 5 10 15 20
0 5 10 15 20 25 30 35
対地速力(knot)
Time(min) 対地速力(knot)
(前進)
(後進)
-40-30 -20-10102030400
0 5 10 15 20 25 30 35
横流れ角(deg)
Time(min) 横流れ角(deg)
(右舷)
(左舷)
第3号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過
14.9knot 第2号灯浮標通過 13.7knot
第1号灯浮標通過 11.8knot
第3号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第2号灯浮標通過
第2号灯浮標通過
第2号灯浮標通過
第2号灯浮標通過
第2号灯浮標通過
-400-300 -200-1001002003004000
0 5 10 15 20 25 30 35
横移動速力(cm/sec)
Time(min) 船首尾横移動速力(cm/sec)
船首 船尾
(右舷)
(左舷)
-40-30 -20-10102030400
0 5 10 15 20 25 30 35
舵角(deg)
Time(min) 舵角(deg)
(右舷)
(左舷)
180 210 240 270 300 330 360
0 5 10 15 20 25 30 35
船首方位(deg)
Time(min) 船首方位(deg)
-50-40 -30-20 -1010203040500
0 5 10 15 20 25 30 35
回頭角速度(deg/min)
Time(min) 回頭角速度(deg/min)
(右舷)
(左舷)
0 5 10 15 20
0 5 10 15 20 25 30 35
対地速力(knot)
Time(min) 対地速力(knot)
(前進)
(後進)
-40-30 -20-10102030400
0 5 10 15 20 25 30 35
横流れ角(deg)
Time(min) 横流れ角(deg)
(右舷)
(左舷)
第3号灯浮標通過 第2号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過 第2号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過 第2号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過 14.4knot
第2号灯浮標通過 18.6knot
第1号灯浮標通過 16.1knot
第3号灯浮標通過 第2号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
第3号灯浮標通過 第2号灯浮標通過 第1号灯浮標通過
(3) 操船者及び参加者のコメントのまとめ
操船者及び参加者のコメントを表 6.7.5 にまとめる。
表 6.7.5 アンケート結果
設問 意見
航路航行時の変針 及び針路保持にお ける難易点等につ いて
潮流状況からは外航船は厳しい。
淡路島から離れた西航レーンでは、ほとんどの船の進路が安定して
いる。他船との航行操船 における難易点等 について
東西の両レーンを使用できるので、可航幅が広がり、可航水域では
余裕がある。潮流を含めた津波 流が操船に与える 影響について
横流れの為か、舵効が低下し、左回頭を止めるのに hard/starboard を要した。
巨大船は横倒しとなる。
巨大船の航跡から、津波流の流速が速い淡路島の北部では、淡路島 に近づくほど影響が大きくなっているのが分る。特に大橋を通過し た辺りから船首方位と航路法線の間が大きく、特に夜間の舵行で は、他船との見会い関係を誤らせる恐れがある。操船においては舵 を一杯に取っても立て直しができない。その他、航行操船 に及ぼす影響につ いて
ECDIS の実航針路表示が強力な支援。これが無ければ難しいと思わ
れる。また、30°を超える Leeway は好ましいものではない。 東航レーンのほとんどの船が変針時に横流れが生じていることか
ら東航レーンの東航が禁止されたとしても、同レーンを西航するこ とは西航レーンを西航するより難しい。特に淡路島よりを西航する のは ECDIS をもってしても困難である。 潮流が速い南側海域→船首方位と航路法線との差が約 50°となる。
東航レーンを巨大船が西航する場合危険性があるため、周知が必要
である。 一方通航(西航のみ)でもレーンに沿った航行の必要性がある。
舵一杯でも回頭を抑えられない情況は厳しい。
東航レーンを航行した巨大船は北に圧流され船首は淡路島に向く
ような状態となり船路中央ブイとの接触が考えられる。(今回は接 触なく航行ができた。) 西航レーンを航行する方が好ましい。
意見交換
流れを経験している船長が ECDIS で Leeway を把握しながら走って
いても hard/starboard をとらなければコントロールできない状況 であり、初めてこの状況に出会った巨大船では東航レーンを通るの はかなり危険と感じられた。また Leeway をおさえるため航路法線 に対し、40°~50°も船首方向がズレた状態となって航走するのは 周囲の船にとっても大きな不安を与えることとなり、問題があると 思われる。ECDIS を持たない中小型船を考えると東航船を通航止め しても東航レーンの西航を許すのはかえって危険と思われる。 巨大船をあえて東航レーンを航行させると Leeway が大きくなり、
特に No.2 ブイ付近での斜坑角は 30°超えている。東航レーンが空 いていたとしても航行時には細心の注意が必要(ECDIS 等で自船の 状 況 把 握 は 不 可 欠 ) 明 石 2 番 ブ イ 航 過 時 針 路 を 戻 す の に hard/starboard でようやく左回頭が止まった。(他船に与える影響 は大。)
立会人の総評