6 操船シミュレーション
6.1 操船シミュレーションの概要
6.1.1
目的明石海峡において、南海トラフを震源とする巨大地震に伴い生じる津波が来襲し た場合、同海峡を航行する船舶の操船に与える影響を、可能な範囲で定量的に把握 し評価するものである。
6.1.2
検討方法本検討はビジュアル式操船シミュレータを用い、外力条件として予想される地震 津波を設定して、明石海峡を航行する船舶の操船シミュレーションを実施し、津波 が海峡航行船舶の操船へどのような影響を及ぼすかを把握し評価するものである。
操船シミュレータを用いた検討方法について図 6.1.1 に示すとともに、検討フ ローを図 6.1.2 に示す。
図 6.1.1 操船シミュレータを用いた検討方法
航行船舶への 津波の影響把握
・ 海域別影響評価
・ 船速別影響評価
・ 操船限界の把握
海峡を航行する船舶の操船に 影響を与える要因
・外力
風、波浪、潮流、津波
・地形
航路、水深
・交通環境
航行ルール、他船交通
・航行船舶
船種、船型、速力、操縦性能
・航行援助施設 灯浮標、マーチス
海峡 航行
操 船 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
図 6.1.2 検討フロー 航行環境
基礎調査
自然環境 航行ルール 津波時の航行の
考え方
シミュレーションケースの設定
シミュレーションの実施
シミュレーション結果の解析・評価
外力条件の設定
・風・潮流・波浪
・津波
船舶の設定
・操船船舶(自船)
・航行船舶(他船)
航行ルールの設定
・現状のルール
・津波時のルール
各ケースシミュレーションの結果を解析・評価 地形データ作成 船型データ作成
データ作成
津波データ加工・設定
第一回委員会で承認された下記条件に基づきシミュレーションを実施
①外力条件:風・波浪=なし、潮流=西流最強、津波=進入時最強
②航行船舶:通航実態(AIS)を基本、第 1 第 2 船橋は手動操船 船型モデルは代表船を通航実態から選定
③津波による操船困難度を把握することが目的で操船内容を評価する ものではない。
条件設定
シミュレーションの準備
6.1.3
ビジュアル式操船シミュレータ使用するビジュアル式操船シミュレータ実験は、360 度の水平視野と下方視野を 備えたフルミッションブリッジ操船シミュレータであり、実際の船橋と同様に操舵 装置や航海計器等を配置した模擬船橋と視界再現装置(プロジェクターおよびスク リーン)を有し、船橋から見た景観がスクリーンに投影される。
船舶は操船指令に応じて、数学モデルによって組み込まれている船舶の運動性能 にしたがって動作し、これにより操船者は実際の船舶を操船するのと同様の感覚を 得ることができる。
また、発生する他の航行船舶についても、それぞれの船舶の運動性能に従って航 行するよう設定されている。
ビジュアル式操船シミュレータの外観を図 6.1.3 に示す。
図 6.1.3 ビジュアル式操船シミュレータの概観
第 1 船橋
第 2 船橋
下方スクリーン 360°スクリーン
6.1.4
シミュレーション概要明石海峡を航行する船舶を、通航実績を参考に、ビジュアル式操船シミュレータ 実験に再現し、海峡内を航行中に津波に遭遇した場合、航行船舶の操船にどのよう に影響するかを速力、舵角、離隔距離などの制御データから定量的に把握するもの である。
第 1 船橋及び第 2 船橋の対象船舶は、手動操船する船舶を設定するとともに、そ の他の航行船舶は自動操船により複数隻発生させる。
再現する津波は、南海トラフ巨大地震津波シミュレーション結果から津波の水位 上昇・下降及び流向・流速を時系列データとして海峡内に設定する。
シミュレーションを実施する範囲(海域)は、図 6.1.4 に示すとおり、明石海峡 航路付近とする。
図 6.1.4 シミュレーション範囲(海域)
3160m
4580m 1700m
1500m 1860m
4060m B線
A線
1000m
0 500m 2000m 3000m 4000m 5000m
灯浮標 橋梁灯 橋脚