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SiO 2 被覆層形成による V 酸化状態の変化

第 4 章 シランカップリング剤によるシリカ薄層で被覆した Ni ナノ触媒の CO 選択メタン化活性 . 81

4.4 SiO 2 /V/Ni の CO 選択メタン化活性

4.4.3 SiO 2 被覆層形成による V 酸化状態の変化

反応の抑制効果が減少する傾向となった。またFig.4-13(e)、(f)では、SiO2被覆 層が存在することで V 添加により CO2メタン化反応は抑制されずむしろ促進 される傾向となった。この奇妙な現象に対して考えられる原因の一つとして、

シランカップリング剤とVの相互作用が考えられる。例えば、シランカップリ ング剤で触媒表面を被覆する際に、触媒表面に分散しているV酸化物とメタロ キサン結合を形成し、VとNiの相互作用の低下が生じた可能性が挙げられる。

Fig.4-14 Results ot XAFS spectra: (a) V K-edge XANES spectra, (b)Fourier transforms of V K-edge EXAFS.

5.45 5.47 5.49 5.51 5.53

1.5

1.0

0.5

0.0

Photon energy (keV)

μt(normalized)

0.0 0.8 1.6 2.4 3.2 4.0

800 700 600 500 400 300 200

Distancer×0.1 (nm)

|F(r)|

0.12SiO2/0.097V/Ni 0.097V/Ni

V2O5

(a)

(b)

Fig.4-15にV2O5、VO2及びV2O3の結晶構造のモデル図を示す。V2O5、VO2、 V2O3まで還元が進むにつれて、V-O間の結合距離が等しくなり結晶の歪が小さ くなる傾向となる。Fig.4-14(b)より0.097V/NiのV-O結合距離は等しく、Vは V2O3に近い結晶構造をとり、一方0.12SiO2/0.097V/Niは種々のV-O結合距離 を持ち、V2O5に近い結晶構造と考えられる。

以上XAFSスペクトルよりSiO2被覆層を形成した場合、還元時にVは完全 にV2O3まで完全に還元されずに、V2O5が若干還元された状態で存在している ことが確認できた。

ここでFig.4-12の結果を再度検証する。Fig.4-12より同じV添加量でもSi/Ni モル比の高い方がCO2メタン化反応は更に促進される傾向になった。還元後の 0.06SiO2/0.097V/Niと0.12SiO2/0.097V/Ni についてXPSを測定し、V2p3/2結 合 エ ネ ル ギ ー の 波 形 分 離 を 行 い 各 種 V 酸 化 物 の 割 合 を 比 較 し て み た。

0.06SiO2/0.097V/Ni で は V2O3 34.4 % 、 VO2 65.6 % と な り 、 一 方 0.12SiO2/0.097V/NiではV2O3 13.3%、VO2 86.7%となった。SiO2被覆量の増 加に伴い、V2O5は還元され難くなる傾向を示した。またFig.4-13の結果から、

SiO2 被覆の無い Ni/AlVOX の方は V2O3 まで還元されており、0.12SiO2/

0.097V/Niと比較して、CO2水素化反応は抑制されていた。更にMS被覆層と

SiO2被覆層でもVの還元状態は異なる。0.22MS/0.097V/NiはV2O3 45.1%、

VO2 54.9%となりMS被覆層の方がVは還元しやすい傾向となった。Table 4-3 中の TH(CH4)は 0.22MS/0.097V/Ni で 198℃となり、0.12SiO2/0.097V/Ni の 190℃よりも8℃高いことから、0.22MS/0.097V/Niの方がCO2メタン化反応は 抑制されていた。

最後に本章で開発した0.12SiO2/0.097V/NiではVによるCO2水素化反応の 抑制が十分に発揮されていない原因を考察する。考えられる原因の一つとして、

シランカップリング剤とVが、例えばメタロキサンのような強固な結合を形成

し、V と Ni の相互作用の低下が生じた可能性が挙げられる。今後は V と Ni の相互作用を低下させないような、Vの最適な添加法を検討する必要がある。

4.4.4 SiO2被覆層形成による長期連続耐久性への効果

最 後 に 本 章 に お い て 最 も 高 い CO 選 択 メ タ ン 化 特 性 を 有 し た 触 媒 0.12SiO2/0.097V/Ni について連続耐久評価を実施した。Fig.4-16 に示す通り CO濃度0.5%、SV4800 h-1、触媒温度165 ℃の評価条件下において3000 h経 過後も出口CO濃度10ppm以下、CH4濃度1%以下を維持することを確認した。

0.22MS/0.039V/Ni と比較して、耐久時間は 4 倍以上向上していた。長期連続

耐久性において SiO2被覆層を形成した CO 選択メタン化触媒は非常に耐久性 優れる触媒であることが言える。

Fig.4-15 Crystal structure model of Vanadium oxide: (a) V2O5, (b) VO2, (c) V2O3 .

V-O1 = 1.949(5) Å V-O2 = 1.6446(18) Å V-O1 = 1.980(5) Å V-O1 = 1.9806(18) Å V-O2 = 1.9765(18) Å V-O1 = 2.2685(18) Å V-O2 = 1.875(5) Å V-O1 = 1.592(19) Å V-O2 = 2.023(15) Å V-O2 = 1.875(5) Å V-O3 = 1.767(8) Å

V-O1 = 1.9615(15) Å V-O1 = 1.9615(15) Å V-O1 = 2.066(4) Å V-O1 = 2.0658(19) Å V-O1 = 2.0658(19) Å V-O1 = 1.962(5) Å

(a)

(b)

(c)

Fig.4-16 Durability test of 0.12SiO2/0.097V/Ni catalyst for selective CO methanation at 165℃. Feed gas composition: 0.5% CO, 20% CO2, H2 balance, steam/CO 34, SV 4800 h-1.

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 10 20 30 40 50

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

Outlet CO concentration (ppm) Outlet CH4concentration (%)

CH4 CO

Time on stream (h) MS/V/Ni