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各製造プロセスにおける触媒成分の溶出挙動

第 3 章 メソポーラスシリカ被覆コアシェル触媒の耐久性の向上

3.3 各製造プロセスにおける触媒成分の溶出挙動

3.2.3 触媒活性評価

温度依存性評価及び長期連続耐久評価は 2.2.2 の触媒活性評価方法に従って 実施した。長期連続耐久評価では各触媒によって反応温度が異なることから、

各触媒の操作温度域の中央値付近の温度を採用した。Ni-Fe-MS/V/Ni触媒及び Ni-Fe-V-MS/V/Ni触媒はともに反応温度を160 ℃に設定した。

3.3 各製造プロセスにおける触媒成分の溶出挙動

Fig.3-4 The leaching behavior of AlVOx in Ni solusion evaporation to dryness: (a) V leaching percentage by ICP, (b) photograph of V leaching form AlVOx after 2 days in pH 3 ion exchange water.

V Le ach ing per ce n tage (% )

Solution temperature (℃) 0

10 20 30 40 50 60 70

20 30 40 50 60

(a)

(b)

様に、V種がNi種と接近してAlVOx表面に存在することが考えられる。

(b) MS 被覆工程での Ni/AlVOxからの成分溶出挙動

次に MS 被覆工程において Ni/AlVOxから溶液中に成分が溶解していく状況 を検討した。Fig.3-5にMS被覆工程におけるNi/AlVOxから溶液中へ溶解した の成分の ICP 分析結果を示す。Ni/AlVOxスラリーを作製した時点で既に Ni、

Vの溶出が確認され、Niの溶出率は3.2%、Vは1.7%であった。CTAB添加後 のNi の溶出率は3.5%、Vは2.1%であった。TEOSを添加しない場合は、浸 漬後17時間後でNi、Vが確認され、Niの溶出率は5.5%、Vは4.3%であった。

時間の経過と伴に、Ni、V の溶出率は増加する傾向を示した。Al の方は ICP の下限値以下であった。MS 被覆工程では Ni/AlVOxスラリーにはアンモニア 水を滴下していることから、その pH は 10 を超えており、長時間の放置によ りNi/AlVOxからNiOがアンミン錯体( NiO + 6NH3 + H2O → [Ni(NH3)6]2+ +

2OH- )として徐々に溶出していくと推測される。

一方 TEOS を添加した場合、ろ液への Ni、V、Al の溶出は全く確認されな かった。この結果は、Ni/AlVOx から溶出した Ni、V が MS 被覆層形成時に MS被覆層中に取り込まれていることを示唆している。

ここで Ni 担持工程及び MS 被覆工程の触媒成分の溶出挙動を考察する。

Fig.3-6に各プロセスにおける触媒成分の溶出挙動のモデルを示す。各工程で触

媒成分が溶出/再析出を繰り返していることが考えられる。Ni 担持工程では V が溶出し、MS 被覆工程では Ni と Vが溶出する。この様に下地成分が溶解し 次の工程で再析出する現象は、Fig.3-1及び3-2のSTEM-EDXによる観察結果 と一致していた3)。下地の触媒成分の溶出と再析出の繰り返しが、MS/Ni/AlVOx

が高い触媒活性を有する一つの要因であると考えられる。つまり、MS 被覆層 中に微細なNi 及びV が再析出することで、MS被覆層内での COメタン化反 応の進行によりCO濃度が低下し、Ni/AlVOxの劣化が抑制されたと考えられる。

Fig.3-5 The leaching behavior of Ni/AlVOx in MS coating process.

Le ach ing per ce n tage (%)

0 1 2 3 4 5 6

Ni V Ni V Ni V Ni V

Ni/AlVOX slurry

(for 1h) adding CTAB

(for 2h) without TEOS

(for 17h) adding TEOS

(for 17h) Below the minimum limit of detection of ICP

Fig.3-6 Schematic illustration of the elution behavior of MS/Ni/AlVOx

catalyst component in the production process.

Nickel(II) nitrate solution

AlVOx (Al2O3+ V2O5)

V5+ V5+ V5+

Ni impregnation

AlVOx (Al2O3+ V2O5)

NiO + V2O5

NH3/ Si-Ti alkoxide solution

・NiO fine particle

・[Ni(NH3)6]2+

・V5+

AlVOx (Al2O3+ V2O5)

NiO + V2O5 MS coating

AlVOx (Al2O3+ V2O5)

NiO + V2O5 MS + NiO+ V2O5

MS/Ni/AlVOx Drying/ Calcination

Drying/ Calcination

3.3.2 MS/V/Ni 触媒からの成分溶出挙動

本項ではMS被覆工程におけるV担持Ni(OH)2から溶液中に成分が溶解し ていく状況を検討した。Fig.3-7にMS被覆工程におけるV担持Ni(OH)2から 溶液中へ溶解したの成分のICP分析結果を示す。V担持Ni(OH)2スラリーを作 製した時点で既にNi、Vの溶出が確認され、Ni の溶出率は4.8%、Vは2.9%

であった。CTAB 添加後の Ni の溶出率は 5.2%、V は 3.3%であった。TEOS を添加しない場合は、浸漬後 17 時間後で Ni、V が確認され、Ni の溶出率は

8.8%、Vは7.2%であった。時間の経過と伴に、Ni、Vの溶出率は増加する傾

向を示した。 一方 TEOS を添加した場合について、同様にろ液を分析したと ころ、ろ液へのNi、Vの溶出は全く確認されなかった。

以上よりMS/V/Niの場合も、MS/Ni/AlVOxと同様にMS被覆工程ではV担

持Ni(OH)2コア材から溶出した Ni、V がMS被覆層形成時に MS 被覆層中に

取 り 込 ま れ て い る と 推 測 す る 。MS 被 覆 層 中 の Ni 及 び V の 析 出 量 も

MS/Ni/AlVOxと同等レベルであるため、Ni及びVを更にMS被覆層に追加し

て含浸させるだけでは耐久性は十分得られないと考えられる。よって、新たな 耐久性の向上の手法としてNi-Feを含浸したMS被覆層(以下 MS含浸被覆層) のによる耐久性の向上を図ることにした。