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第 4 章 シランカップリング剤によるシリカ薄層で被覆した Ni ナノ触媒の CO 選択メタン化活性 . 81

4.2 実験方法

(a) SiO2被覆層の形成

Fig.4-1にNi(OH)2コア粒子へのSiO2被覆層の形成方法を示す。多種類のシ ランカップリング剤の中から本研究では 3-アミノプロピルトリエトキシシラ ン(信越化学工業製、KBE-903)を選択した。この3-アミノプロピルトリエトキ シシランは水への溶解度が大きく、かつ水溶液が塩基性であるため、Ni(OH)2

粉末と混合した際のスラリーの安定性と分散性に優れていることから、本研究 の目的に適している。このシランカップリング剤に脱イオン水を加え、20%シ ランカップリング剤水溶液を調製した。この溶液にV担持Ni(OH)2粉末を添加 し、ホットプレート上で蒸発乾固した後、120 ℃で2時間乾燥を行った。得ら れた固体を粉砕した後、大気中、550 ℃で3時間焼成しV担持Ni(OH)2粉末

Fig.4-1 Block diagram of preparation procedures for SiO2/V/Ni powder after calcination.

SiO

2

/V/Ni powder Calcination

V-added Ni(OH)

2

powder

Stirring

20% Silane coupling agent solution

Evaporation to dryness

550 ℃ -3h

Room temperature

Drying 120 ℃ -3h

表面に SiO2を被覆した触媒試料を得た。SiO2被覆量はシランカップリング剤 水溶液の添加量により調節した。

(b) 供試触媒

Table 4-1 に調製した全ての触媒試料を示した。ここで、ySiO2/xV/Ni の x はNiに対するVのモル比(V/Ni)、yはNiに対するSiのモル比(Si/Ni)である。

これらのモル比は還元処理後の試料に対して高周波誘導結合プラズマ(ICP)発 光分析法により求めた。

また、放熱材の検討では、ZrO2粉末 (和光純薬工業)、α-Al2O3粉末(和光純 薬工業)Cu2O粉末(三井金属鉱業)を使用した。触媒粉と各種放熱材の粉末が重 量比で2:1になる様に乳鉢で混合した。

4.2.2 触媒活性評価

(a) 温度依存性評価と長期耐久評価

温度依存性評価及び長期連続耐久評価は 2.2.2 の触媒活性評価方法に従って 実施した。

(b) 素反応評価

CO選択メタン化反応では主反応であるCOメタン化反応(式1-1)と副反応で

あるCO2の水素化反応(式1-2, 式1-3)の3種類の反応から成る。本章ではSiO2

被覆層によりVの反応選択性に差が確認されたことから、CO2を含まない反応 ガスによりCOメタン化反応を、COを含まない反応ガスによりCO2水素化反 応をそれぞれ個別に評価し、SiO2被覆層形成によるVの酸化状態が触媒活性に 与える影響を検討した。COメタン化反応の条件は、入口CO濃度0.5%、H2(純 度99.99%)バランス、SV4800 h-1(ドライベース)、steam/CO比 34とした。一 方、CO2水素化反応の条件は入口CO2濃度20%、H2(純度 99.99%)バランス、

SV4800 h-1(ドライベース)、steam/CO比 34とした。

Table 4-1 List of catalyst samples

Catalyst series x y

( V/Ni molar ratio ) ( Si/Ni molar ratio )

Ni 0 0

ySiO

2

/Ni 0 0.02, 0.03, 0.06, 0.10,

0.12, 0.16, 0.20

ySiO

2

/xV/Ni

0.039 0.097 0.097

0.12

0.12

0.06

4.2.3 触媒のキャラクタリゼーション (a) SiO2被覆層の分析

シランカップリング剤処理後の触媒試料の官能基の分析にはフーリエ変換赤 外分光光度計(FT-IR: サーモフィッシャー、Nicolet Nexus 670)を用いた。分 析方法はKBr錠剤法を用いた。

(b) SiO2/V/Ni の分析

作製した触媒のSiO2被覆層の厚みやSiO2及びVのNi 表面での分布状態を 確認するため2.2.2と同様にTEM、STEM-EDXにより観察した。還元前後の NiO及びNi結晶子径はXRDより求めた。Ni金属表面積は、パルス法化学吸 着量測定装置 (マイクロトラックベル、BEL-METAL-3)を用いてCO吸着量に より求めた。前処理として触媒を還元処理し、50 ℃の一定温度条件の下 CO ガスをパルスで送り熱伝導度検出器(TCD)の時間積分強度から、吸着ガス量 を求めた。吸着ガス量から単位容積あたりの金属表面積を計算した。

(c) V の酸化状態の分析

還元後の触媒中のVの酸化状態をXPSにより評価した。更にXAFS (X-ray Absorption Fine Structure、X線吸収微細構造) により、V酸化物の構造をよ り詳細に解析した。XAFS評価はSpring 8 で透過法により測定し、測定吸収端

はV K-edgeとした。評価サンプルは触媒活性評価後の触媒を粉砕した試料と

BNをグローブボックス内で混合し、φ10 mm×1 mm厚になる様にプレス成 型することで作製した。