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1. 6 サイバーラーニングスペース

ドキュメント内 untitled (ページ 66-72)

1. 6. 1  背景と概要

 情報環境機構では,教職員や学生に対して行われている学内の様々な研修について共通利用可能なeラーニング プラットフォームサービスを検討するため,2010年5月に「カジュアルeラーニングタスクフォース」を設置した.

従来,学内のeラーニング研修では,それぞれの担当部署において,システム構築や運用がバラバラに行われてき たが,このやり方では,(1)システム構築や運用コストが個別にかかる,(2)受講しなければならない研修が散在 しアクセスしにくい,(3)システムによりインターフェースに違いがあり操作しにくい,などの問題点があった.

これらを解決するとともに,システム構築やアカウント管理などの技術的な問題と,必要な作業量・費用・人員な どの運用上の問題を把握するため,タスクフォースでは,Moodleをベースとしたeラーニング研修支援サービス「カ ジュアルeラーニング」を試行してきた.

 一方で,教育の情報化を推進するため,2009年度から情報学研究科のレンタル計算機予算でBlackboard Learning

System(旧名称WebCT)CE8の全学ライセンスを導入し,情報環境機構が情報教育支援サービスの一環として提

供してきたが,語学等で高度な利用があるものの,利用支援体制を十分に構築することができず,積極的な利用者 開拓には至っていなかった.また,高等教育研究開発推進機構が全学向けに提供する教務情報システムKULASIS との機能重複(資料配付やレポート提出,授業に関するお知らせなど)も問題となってきており,抜本的な戦略の 練り直しが必要となった.

図1.6.1:京都大学のすべての「学び」を対象

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 これらを受け,情報環境機構では,eラーニング研修だけでなく,正規授業やOCW,スキルトレーニングなど の自学自習環境までを含めた京都大学における「学び」をトータルに支援できる共通基盤を整備しつつ,情報セキュ リティ研修・研究費適正利用研修などのコンプライアンス系研修や情報環境機構が提供する新人教職員・学生向け 情報サービス研修などの部局講習を対象にしたeラーニング研修支援サービスを提供するため,カジュアルeラー ニングタスクフォースを改組し新たにサイバーラーニングスペースタスクフォースを2012年1月から開始するこ ととなった.新タスクフォースでは,Moodleに代え,新たにSakai CLE(Collaboration and Learning Environment)

を共通基盤として採用している.

 本報告では,サイバーラーニングスペースが提供している(1)eラーニング研修支援サービス,および,教育 の情報化に関係する(2)学習支援システムPandAおよび(3)思修館eポートフォリオシステムについて合わせ て報告する.

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eラーニング研修支援サービス Sakaiを用いた学習支援システムにより,コンプライアンス研修や部局講習など をeラーニング型の研修として実施するための支援を行う.

学習支援システムPandA Sakaiを用いた学習支援システムにより,正規の授業を中心に支援を行う.

思修館eポートフォリオシステム 「電子的に蓄積された履歴,成果物などを評価(自己評価・他己評価)や共有 を通じて俯瞰することで,学びのプロセスを振り返り,次の課題へつなげていくことを支援するツール」(小川賀 代・小村道昭編著,“ 大学力を高めるeポートフォリオ ”,東京電機大学出版局,2012年)として利用されるもので,

博士課程リーディング大学院「思修館」および平成25年度から設置される総合生存学館での利用を目指してシス テム構築を行う.

1. 6. 2 サービスの提供体制

 システム開発や構築・運用の最終的な体制をイメージしつつ推進するため,図1.6.2 に示すような「関心事の分 離」を促進し,既存業務体制との連携がしやすくなるよう,カジュアルe ラーニングタスクフォースの体制を見直 し,水平統合しやすくしている.なお,学生の個人情報の取扱の制限から,研修支援サービスに用いるSakai は,

教育学習用Sakai とは別に構築している.

図1.6.2:サイバーラーニングスペースの業務体制

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 本年度はじめには,サービス提供体制を財政的・組織的に明確化するため,「サイバーラーニングスペース運用 委員会」を設置した.年度当初から,すでに試験サービスを提供していた関係上,研修支援サービスを中心に教育 の情報化に関係する関係者,サービス提供の際の既存業務体制との連携がしやすくなるよう,教育用コンピュータ システム・情報部情報基盤課・コンテンツ作成室の関係者に委員として就任して頂いている.

 サービス提供に関わる詳細な体制は以下の通りである.

1. 6. 2. 1 eラーニング研修支援サービス

 ・ Sakaiが使用する仮想マシンおよびリレーショナルデータベース(Oracle)は汎用コンピューティングのVM ホスティングサービス(情報基盤課情報環境支援グループ.特に,赤坂技術専門員,小林技術職員)を利用.

 ・ ユーザ認証は,統合認証サービスを利用(特に,古村准教授).

 ・ 研修用Sakaiの構築・運用はサイバーラーニングスペース運用委員会梶田委員長が担当.

 ・ 受講状況報告・コース登録はサイバーラーニングスペース運用委員会梶田委員長が担当.

 ・ Sakaiへの教材登録は,経費負担なしの場合はサイバーラーニングスペース運用委員会梶田委員長が,経費負 担ありの場合はコンテンツ作成室が担当.

 ・ 新規研修支援対象の拡大は,サイバーラーニングスペース運用委員会梶田委員長および元木助教が担当.

 ・ カジュアルeラーニングシステムからの移行のため,研究費適正使用研修に関しては椋木准教授,情報セキュ リティ研修に関しては相楽技術職員が担当.

1. 6. 2. 2 学習支援システムPandA

 ・ Sakaiが使用する仮想マシンおよびリレーショナルデータベース(Oracle)は汎用コンピューティングのVM ホスティングサービス(情報基盤課情報環境支援グループ.特に,赤坂技術専門員,小林技術職員)を利用.

 ・ ユーザ認証は,統合認証サービスを利用.

 ・ 教育学習用Sakaiの構築・運用はサイバーラーニングスペース運用委員会梶田委員長・情報基盤課教育支援グルー プ外村技術職員が担当.

 ・ KULASIS連携に関してはサイバーラーニングスペース運用委員会梶田委員長および教育用コンピュータシス テム運用委員会喜多委員長(サイバーラーニングスペース運用委員会委員を兼務)が担当.

 ・ その他,既存の学習支援システムからの移行に関しては,情報教育支援サービス関係者と「引越のSakai」プロジェ クトチームを構成して担当.

 ・ UIデザインについては,コンテンツ作成室に支援を依頼するとともに,学生からトータルデザインを募集・

選定した.主に,元木助教が担当.

1. 6. 2. 3 思修館eポートフォリオシステム

 ・ 仮想マシンおよびリレーショナルデータベース(Oracle)は汎用コンピューティングのVMホスティングサー ビスを利用.

 ・ パーソナライゼーション基盤構築支援は,センター長裁量経費により米国UNICON 社に委託し,サイバーラー ニングスペース運用委員会梶田委員長が担当.

 ・ 学習ポートフォリオ基盤構築支援およびポートフォリオデザイン支援は,思修館プログラム経費により米国

Three Canoes社に委託し,サイバーラーニングスペース運用委員会梶田委員長および平岡助教が担当.

1. 6. 3 サービスの提供状況

1. 6. 3. 1 eラーニング研修支援サービス

 本年度は,

 ・ 研究費適正利用研修(研究国際部研究推進課,2012年4月開始)

 ・ 情報セキュリティ研修(情報セキュリティ対策室,2012年4月開始)

が本サービスを利用するとともに,次年度からの研修開始を目指して,

 ・ 安全保障輸出管理研修(研究国際部研究推進課)

 ・ 情報環境機構講習会(情報環境機構広報教育委員会)

の支援を行った.なお,情報セキュリティ研修(情報環境機構情報セキュリティ対策室)は3月末をもって終了し,

4月から学認連携Moodle講習サイト「りんりん姫」に移行した.

1. 6. 3. 2 学習支援システムPandA

 ・ 後期からの試験利用を目指し,パイロットシステムの構築およびKULASIS連携・機能重複解消の議論を進めた(4 月〜9月).

 ・ WebCTからの教材移植を行った(7月〜9月).

 ・ パイロットシステムの利用を通じて,負荷対策・不具合修正を進めた(10月〜2月).

 ・ 新年度からの本格運用を目指し,運用版システムの構築を進めた(1月〜3月).

 ・ 学生からトータルシステムデザインの公募を行い,愛称として “PandA(Peaple and Academe)” を定めた.

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1. 6. 3. 3 思修館eポートフォリオシステム

 ・ 思修館内にeポートフォリオ委員会(委員長:櫻井教授)が設置されるとともに,学内のICT基盤整備を推 進している情報環境機構に設置されたeポートフォリオ構築プロジェクト(主査:梶田教授)と密に連携しな がらデザインフェーズ・実装フェーズ・運用フェーズに分けて進めた.

 ・ 思修館で行われる学位論文研究,サービスラーニング,総合学術基盤講義,海外武者修行,プロジェクトベー スラーニング,学位論文執筆などの広範囲にわたるアクティビティを通じて生成される学習エビデンスを系統 的に収集するとともに,学習エビデンスに基づいた学生自身による省察やメンターによる学生指導を行うため のeポートフォリオシステムとするため,各アクティビティに沿ったユースケースの設計と学びの規準として のPh.D. Values RubricおよびGlobal Leadership Values Rubricの設計を行った.

図1.6.3:ルーブリックとユースケース

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1. 6. 4  業務改善の取り組み状況

 サイバーラーニングスペースでは,既存業務体制を活用しつつ,新たな業務もソフトウェア等でできるかぎり簡 略化・自動化したり,業務の共通化を進めることで,最終的な定常運用業務体制を必要最小限のリソースで行える ように業務改善を進めている.

1. 6. 4. 1 eラーニング研修支援サービス

 ・ センター長裁量経費の支援を得て,Sakaiベースの研修支援ツールを開発している.これが完成すれば,現在 手動で行っている受講状況の集計や受講者管理が研修実施担当部署主導で可能になる.

 ・ ユーザ情報について,カジュアルeラーニングのサービス提供時と同じワークフロー(電子事務局から直接取 得)で運用を開始したが,改姓・身分変更に伴うSPS-IDの変更や学振特別研究員のID 問題に伴う受講情報 の名寄せが問題になったため,統合LDAPの利用や共通IDの導入に向けた働きかけを行った.

1. 6. 4. 2 学習支援システムPandA

 学習支援システムとしては,情報教育支援サービスとしてWebCTが運用されてきたが,Sakaiに一本化するこ とにより,運用コストを大幅に削減することができた.

1. 6. 4. 3 思修館e ポートフォリオシステム

 ・ eポートフォリオシステム以外のコース管理機能等は,学習支援システムPandAを利用している.

 ・ 集約化効果を担保できるよう,他の博士課程リーディング大学院プログラムや共通教育における情報教育等で

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