学術情報基盤サービスでは「ホスティング・ホームページサービス」と称して,全国共同利用施設である学術情 報メディアセンターが保有する大型計算機システムの汎用コンピュータシステム内に占有または共有のバーチャル マシン(VM)を設置し,学術研究・教育等に関する情報発信・広報に利用するための環境を提供している.本サー ビスを利用することで,各自が自前でサーバを用意することなくサーバの運用やホームページの公開・メールアド レスの作成をすることが可能になり,サーバ環境の維持管理やセキュリティ対策などに要する負担を軽減すること ができる.
京都大学情報環境機構では,情報環境における「コンソリデーション(整理統合)」として,学内の情報基盤サー ビスへの汎用コンピュータシステムの活用を推進しており,従来からのホームページサービスのような共有サー バを利用したサービスの他に,占有サーバを利用して,各部局のメールサーバや学術情報ネットワークシステム
(KUINS),京都大学教職員対象の全学メール(KUMail),研究資源アーカイブ(KURRA),学術情報リポジトリ
(KURENAI)などの情報基盤システムにも利用されている.
1. 2. 1 サービス内容について
「ホスティング・ホームページサービス」と称して,「VMホスティングサービス」「ホームページサービス」「個 人向けホームページサービス」「メール転送サービス」「ストリーミングサービス」の5つのサービスを用意する.
以下にサービスの特徴および主な機能とメリットを紹介する.
VMホスティングサービス 占有バーチャルマシン(VM)による独自ドメインの計算機環境(サーバ)を提供する.
利用者への管理者(root)権限付与による自由なサーバの構築・運用ができる.データベースのオプションサービ スに加え,希望に応じてディスク容量やシステム資源(CPU,メモリ)などの提供機能の拡張にも対応している.サー ビスの主な機能とメリットは以下の通りである.
・主な機能
1.RHEL5またはRHEL6によるサーバ環境を提供
2.占有のVMでハードウェアを提供
3.独自ドメイン名でサーバ環境を運用
4.Webサーバ・メールサーバ(メールスプール有り)を利用可能
5.ハードウェアの基本構成はCPU:2コア,メモリ:8GB,ディスク容量:200GB
6.仮想ホスト利用可能
7.SSL・PHP・CGI 利用可能
8.CMS(コンテンツマネージメントシステム) 利用可能
9.Mailmanによるメーリングリスト管理システムの提供
10.データベースのオプションサービス
11.VM 資源の増量などの提供機能の拡張にも対応 ・メリット
1.自前でサーバ用のハードを購入する必要がない(VM単位でシステム資源を提供)
2.サーバの運用に必要な労力・費用を軽減できる
3.占有サーバとして管理者(root)権限が付与される
4.独自ドメイン名のネットワークサーバとして利用できる
5.占有サーバ内で複数の仮想ホスト・仮想ドメインを利用できる
6.メールスプールを用意でき,メールアカウントも自由に作成できる
ホームページサービス 共有サーバの仮想ホスト機能を用いた独自ドメイン名でのホームページ公開とメール転送 の環境を提供する.専用のサーバを用意することなくホームページやPHP・CGIを利用したWebアプリケーショ ンの公開などができる.また,データベースのオプションサービスを用意している.サービスの主な機能とメリッ トは以下の通りである.
33 1. 2 学術情報基盤サービス
・主な機能
1.RHEL5およびRHEL6上に構築されたWebサーバを提供
2.VMの共有サーバでホームページ公開スペースを提供(容量:20GB)
3.共有サーバの仮想ホスト機能を用いて独自ドメイン名の利用が可能
4.SSL・PHP・CGI 利用可能
5.CMS(コンテンツマネージメントシステム)利用可能
6.独自ドメイン名でのメール転送を利用可能
7.Mailmanによるメーリングリスト管理システムの提供
8.データベースのオプションサービス
・メリット
1.ホームページ公開のためにサーバを用意する必要がない
2.サーバの維持管理やセキュリティ対策などに労力・費用を必要としない
3.独自ドメインでのホームページ公開や転送用メールアドレス作成が可能
4.複数名でのコンテンツ更新が可能
5.KUINS-IIの負担金が不要
個人向けホームページサービス 個人レベルで利用申請が可能な機能縮小版のホームページサービスとして,汎用 コンピュータシステムドメインでのホームページを公開する環境を提供する.サービスの主な機能とメリットは以 下の通りである.
・主な機能
1.RHEL 5上に構築されたWebサーバを提供
2.VM の共有サーバでホームページ公開スペースを提供(容量:2GB)
3.公開用のディスクスペースとアクセス制限機能のみを提供
・メリット
1.ホームページ公開のためにサーバを用意する必要がない
2.サーバの維持管理やセキュリティ対策などに労力・費用を必要としない
3.KUINS-IIの負担金が不要
メール転送サービス 独自ドメイン名によるメール転送サービスを提供する.任意の文字列による複数の転送メー ルアドレスを作成し,メールの転送先を管理できる.サービスの主な機能とメリットは以下の通りである.
・主な機能
1.メール転送環境の提供
2.Mailmanによるメーリングリスト管理システムの提供
・メリット
1.任意のメールアドレスを自由に作成し転送先メールアドレスを管理可能
2.汎用コンピュータシステムのドメイン名のメール転送をサポート
3.旧来から使用しているメールアドレスを転送アドレスとして継続利用できる
ストリーミングサービス 映像や音声などのメディアコンテンツを学内外にストリーミング配信する環境を提供す る.専用のサーバを用意することなく汎用コンピュータシステムドメインでのストリーミング配信ができる.サー ビスの主な機能とメリットは以下の通りである.
・主な機能
1.VM内の共有サーバ(Helix Server) で映像・音声などのストリーミング配信環境を提供(容量:20GB)
・メリット
1.ストリーミング配信のためにサーバを用意する必要がない
2.コンテンツごとにグローバル配信・学内限定配信を分けられる
1. 2. 2 サービス提供の体制について
学術情報基盤サービスに係わる技術スタッフは,情報部情報基盤課の情報環境支援グループに所属する赤坂浩一 技術専門職員(グループ長),小林寿技術専門職員,針木剛技術専門職員,赤尾健介技術職員である.学術情報基盤サー ビスに係わる利用者窓口担当は,野口美佳事務補佐員である.汎用コンピュータシステムを活用した情報基盤サー ビス運用支援の全学メール利用者サポート担当は,再雇用職員の櫻井恒正技術職員である.
情報環境機構運営委員会の下に設けられた汎用コンピュータシステム運用委員会は,汎用コンピュータシステム およびディジタルコンテンツ作成支援の事業報告,そして委員による意見交換を行っている.同委員会は学内の関 連部局の委員も含めて構成されており,年1回以上開催している.2012年度は11月に開催された.表1.2.1に同 委員会の名簿を示す.また,汎用コンピュータシステム運用委員会の下にスタッフ会議を設けてサービスの運用を 実効的に対応できる体制で毎月1回開催している.スタッフ会議のメンバーはデジタルコンテンツ部門の教員,コ ンテンツ作成室スタッフ,情報環境支援グループ(学術情報基盤担当)のスタッフと外部委託している汎用コン ピュータシステム運転管理業務担当者である.
所 属 職 名 氏 名 備 考
1 学術情報メディアセンター 教 授 美 濃 導 彦 スタッフ
2 学術情報メディアセンター 教 授 河 原 達 也 委員長・スタッフ 3 学術情報メディアセンター 准教授 椋 木 雅 之 スタッフ
4 学術情報メディアセンター 准教授 森 信 介 スタッフ 5 学術情報メディアセンター 助 教 秋 田 祐 哉 スタッフ 6 学術情報メディアセンター 助 教 舩 冨 卓 哉 スタッフ 7 学術情報メディアセンター 教 授 岡 部 寿 男
8 学術情報メディアセンター 准教授 仙 田 徹 志
9 情報環境機構IT企画室 助 教 元 木 環 スタッフ
10 文学研究科 准教授 蘆 田 宏
11 経済学研究科 准教授 飯 山 将 晃
12 医学研究科 教 授 山 田 亮
13 工学研究科 教 授 松 尾 哲 司
14 農学研究科 准教授 中 嶋 洋
15 人間・環境学研究科 准教授 日 置 尋 久
16 情報学研究科 准教授 高 木 一 義
17 地域研究統合情報センター 教 授 原 正一郎
18 防災研究所 准教授 畑 山 満 則
19 総合博物館 講 師 五 島 敏 芳
20 附属図書館 情報管理課長 加 藤 晃 一
21 情報部情報基盤課 課 長 平 野 彰 雄
22 情報部情報基盤課共同利用掛 専門職員 小 西 満
23 情報部情報基盤課情報環境支援グループ グループ長 赤 坂 浩 一 スタッフ 24 情報部情報基盤課情報環境支援グループ 技術専門職員 針 木 剛
25 情報部情報基盤課情報環境支援グループ 技術職員 赤 尾 健 介 スタッフ 26 情報部情報基盤課情報環境支援グループ 技術専門員 四 方 敏 明
表1.2.1:汎用コンピュータシステム運用委員会名簿
1. 2. 3 サービスの提供状況について
1. 2. 3. 1 ホスティング・ホームページサービスの利用状況
2012年度のホスティング・ホームページサービスの利用状況と月ごとの利用申請件数の推移を図1.2.1 および表 1.2.2 に示す.