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110 補論  データについて

ドキュメント内 わが国の国際収支における中長期的な分析 (ページ 117-121)

以下では、各国の1)労働投入係数、2)原材料投入係数、3)製造業各産業の第三次 産業投入係数と第三次産業の労働投入係数、4)製造業名目賃金指数、5)輸出、輸入物

価指数、6)輸出シェアについて、データの出所と作成方法について述べる。なお日本、

米国、韓国、台湾、タイ、マレーシアについては 1980年から2000年まで、中国につい てのみ1985年から2000年までの時系列データである。

1.労働投入係数

  労働投入係数は、産業別就業者数を産業別実質生産額で割った産業別労働投入係数を、

各国の輸出シェアで加重平均したものを利用した。各国のデータ出所は以下のとおりで ある。

① 日本

国民経済計算年報(内閣府経済社会総合研究所)の産業別実質生産額(1995年価格)

と産業別就業者数を利用した。

② 米国

BEA (Bureau of Economic Analysis, US Department of Commerce)のホームページからダ ウンロードした Gross Domestic Product by Industry (Detailed data files)より、GOC (Gross Output for Double -Deflated Industries)とGOIPD (Implicit Price Deflators for Gross Output for Double -Deflated Industries)から計算した産業別実質生産額(1996年価格)と、PEP (Persons Engaged in Production)を利用した。

③ 韓国

産業別名目生産額と産業別就業者数は、1990 年までは Industrial Statistics Yearbook

(United Nations)の各年号を利用し、1992年以降は韓国統計年鑑(経済企画院)の工業統

計表(要約)を利用した。実質化のためのデフレータは、韓国銀行のホームページから ダウンロードした産業別生産者物価指数(1995年=100)を利用した。

④ 中国

産業別名目生産額は、1985、90、96年については中国長期経済統計 (JETRO)を、ま た中間年については中国統計年鑑(国家統計局)の各年号を利用した。産業別就業者数 は、1985、90、93年については中国長期経済統計 (JETRO)を、また中間年については 中国統計年鑑(国家統計局)の各年号により推計した33。なお生産額、就業者数とも独 立採算企業を対象としており郷鎮企業は含まれていない。また実質化のためのデフレー タは、学芸大学の劉徳強教授が作成した「戦後中国の工業物価指数に関する推計:1952

33 中国長期経済統計の産業別就業者数と中国統計年鑑の産業別就業者数では、中国長期経済統計の方がよ り広い範囲を対象としたデータである。よって、二つの統計が重複する年次における中国統計年鑑のデー タのカバー率を計算し、中間年においてはそれを線形補完し、中国統計年鑑のデータに乗じることにより 産業別就業者数を推計した。

‐1997年」を利用した34

⑤ 台湾

産業別就業者数は、台湾行政院主計局ホームページよりダウンロードした産業別雇用 者数を利用した。産業別実質生産額については、産業別名目生産額、生産者物価指数と も適切なデータを入手することが出来なかったので、以下のような推計を行った。

まず、台湾行政院主計局ホームページよりダウンロードした産業別労働生産性指数

(1996年=100)、産業別雇用者数、産業別労働時間より産業別生産指数(1996年=100)

を推計する35。その後、基準年次(1996年)の産業別生産額(1996年産業連関表による)

に、上記の産業別生産指数を乗じることにより得られた系列を産業別実質生産額とした。

⑥ タイ

本来であれば、産業別就業者数、産業別生産額とも工業統計表のデータを利用するべ きではあるが、公表されているタイの工業統計、もしくはそれをベースに作成される Industrial Statistics Yearbook (United Nations)等のデータは、その信頼度について疑問を抱 かざるを得ない。

そこで、産業別労働投入係数を推計することは断念し、宮川・外谷(1999)と同様に、

製造業就業者数を製造業実質 GDPで割った、製造業計の労働投入係数を利用すること とした。なお、製造業就業者数はLabour Force Survey (National Statistical Office)、製造業 実質GDPはMonthly Bulletin、Quarterly Bulletin (Bank of Thailand)を利用した。

⑦ マレーシア

産業別就業者数、産業別名目生産額ともに武蔵大学東郷賢助教授より提供していただ いた工業統計表を利用した。実質化のためのデフレータは入手することが出来なかった ので、東アジア長期経済統計シリーズ第 5巻『工業発展』(拓殖大学アジア情報センタ ー)に掲載されている産業別生産指数(1995年=100)36を利用し、基準年次(1995年)

の産業別名目生産額に、産業別生産指数を乗じることにより得られた系列を産業別実質 生産額とした。

2.原材料投入係数

原材料投入係数は、産業連関表による各産業の鉱業投入係数、各産業の石油・石炭製 品投入係数、石油・石炭製品の鉱業投入係数から計算した産業別原材料投入係数を、各 国の輸出シェアで加重平均したものを利用した。なお推計期間において上記データが利 用できない場合は線形補完を行っている。各国のデータ出所は以下のとおりである。

① 日本

国民経済計算年報(内閣府経済社会総合研究所)のU表を利用した。1980、85、90、

95年が利用可能である。

34 詳細は補論5.を参照。

35 労働生産性指数に雇用者数×労働時間の指数を乗じることにより生産指数を推計する。

36 掲載されているデータは1990年=100であるが、1995年=100に変換して利用した。

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② 米国

Survey of Current Business (US Department of Commerce)の各年号から産業連関表U表 を利用した。1981、82、83、84、85、87、92、96、97、98年が利用可能である。

③ 韓国

韓国産業連関表(韓国銀行)を利用した。1980、83、85、86、87、88、90、93、95、

98年が利用可能である。

④ 中国

東アジア長期経済統計シリーズ第12巻『中国』(拓殖大学アジア情報センター)の産 業連関表を利用した。1986、90、92、95、97年が利用可能である。

⑤ 台湾

台湾行政院主計局ホームページよりダウンロードした産業連関表を利用した。1981、

84、86、89、91、94、96、99年が利用可能である。

⑥ タイ

National Economic and Social Development Boardホームページよりダウンロードした産 業連関表を利用した。1980、85、90、95、98年が利用可能である。

⑦ マレーシア

アジア経済研究所統計資料シリーズの『日本・マレーシア国際産業連関表(1985、90 年表)』、『アジア国際産業連関表(1995年表)』を利用した。

3.製造業各産業のサービス投入係数とサービス業の労働投入係数

  日本、韓国、米国については第三次産業の生産性をも考慮した均衡為替レートを推 計したが、その際利用したデータは以下のように作成した。なおサービス業は農林水産 業、鉱業、製造業以外の全ての産業を意味している。

① 日本

サービス投入係数は原材料投入係数と同様に、国民経済計算年報(内閣府経済社会総 合研究所)の U 表を利用した。サービス業の労働投入係数も製造業各産業の労働投入 係数と同様に、国民経済計算年報(内閣府経済社会総合研究所)の産業別実質生産額

(1995年価格)と産業別就業者数を利用した。

② 米国

サービス投入係数は原材料投入係数と同様に、Survey of Current Business (US

Department of Commerce)の各年号から産業連関表U表を利用した。サービス業の労働投

入係数は、BEA (Bureau of Economic Analysis, US Department of Commerce)のホームペー ジからダウンロードしたGross Domestic Product by Industry (Detailed data files)ではサー ビス業の実質生産額が1987年以降しか利用できないため、生産額ベースでの労働投入 係数の計算を断念し、GPR (Real Gross Domestic Product by Industry)と PEP (Persons Engaged in Production)から付加価値ベースでの労働投入係数を計算しこれを利用した。

③ 韓国

サービス投入係数は原材料投入係数と同様に、韓国産業連関表(韓国銀行)を利用し た。サービス業の労働投入係数は米国と同様に生産額ベースでの労働投入係数が計算で きないため、韓国経済統計年鑑(韓国銀行)よりサービス業の実質 GDPとサービス業 の就業者数から付加価値ベースでの労働投入係数を計算しこれを利用した。

4.製造業名目賃金指数

製造業名目賃金指数は、製造業名目賃金水準しか利用できないデータの場合は2000 年=100として指数化して利用した。各国のデータ出所は以下のとおりである。

① 日本

毎月勤労統計月報(厚生労働省)より、製造業、企業規模30人以上、就業形態計の 現金給与総額指数(2000年=100)を利用した。

② 米国

BEA (Bureau of Economic Analysis, US Department of Commerce)のホームページからダ ウンロードした Gross Domestic Product by Industry (Detailed data files)より、製造業計の COMP (Compensation of Employees)を製造業計のFTE (Full-Time Equivalent Employees)で 割ることにより、製造業計での一人あたり雇用者所得水準を計算し、2000年=100とし て指数化したものを利用した。

③ 韓国

韓国経済統計年鑑(韓国銀行)より、Monthly Earnings of Regular Employees in

Manufacturingを2000年=100として指数化したものを利用した。

④ 中国

中国統計年鑑より、製造業雇用者一人あたり平均賃金を2000年=100として指数化し たものを利用した。

⑤ 台湾

台湾行政院主計局ホームページよりダウンロードした、製造業一人あたり雇用者所得 を2000年=100として指数化したものを利用した。

⑥ タイ

Labour Force Survey (National Statistical Office)より、製造業月間平均賃金を2000年=

100 として指数化したものを利用した。なお、利用できるのは 1983 年以降のデータの みであるため、利用できない1980〜82年のデータについては、1983〜88年の5年間の 平均成長率を利用して延長した。

⑦ マレーシア

武蔵大学東郷賢助教授より提供していただいた工業統計表より、雇用者所得を雇用者 数(ともに製造業計)で割ることにより、製造業計での一人あたり雇用者所得水準を計 算し、2000年=100として指数化したものを利用した。

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ドキュメント内 わが国の国際収支における中長期的な分析 (ページ 117-121)