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図6.2.1貧困問題に関するJICAの取り組み方策

 また、JICAの開発課題のうち、都市計画制度と最も関係が深い都市開発・地域開発に

ついては、「課題の概要」とそれに関する取り組みを次のように整理している9)。

①開発課題の内容(3)

 「開発途上国では人口増加、都市化に進展の度合いが大きく、都市化の進展は経済発 展や効率的な都市運営などの面で正の効果をもつものの、一方では急激な都市化により、

都市の住環境の悪化、交通混雑、治安の悪化、スクオッター・スラムの発生などの様々な問 題を引き起こしている。また、都市の周辺地域や地方部でも地域経済の衰退、インフラ整備 の遅れ、公共サービスの欠如など様々な問題を抱えている。」

 「それらの問題は様々な事象が複雑かっ相互に影響しあっており、また、地域二一ズが多 様化・複雑化するなかで、個々の問題解決型の開発協力では対応しきれないものも多く存 在している。そこで、それらの都市・地域問題に対し、都市・地域といったある特定のエリアを 面的に捉え、中長期的な視点で複合的アプローチにより、都市・地域の開発問題に対応し ていく必要がある。」

②JICAの都市・地域開発の取り組み

 「JICAの都市・地域開発の取り組みとしてはM/P調査や地域総合開発計画調査や個別 の技術協力などを行っている。MIP調査は、国全体または特定地域での総合開発計画や、

セクター(分野)別の長期開発計画を策定するための調査で、その策定によって、複数のプ ロジェクトが互いに整合性をもち、各プロジェクトの優先順位が明らかになり、計画が効率的 に行うことができる。(中略)」

 「それぞれの調査の過程で相手国行政関係者の計画立案能力の向上も図れる一方、都 市・地域開発に関する様々な問題を解消するための、都市・地域開発に関する技術向上を

目指した技術協力や研修などを行っている。」

 このようにJICAでは、都市問題の解消・緩和手段として都市計画を策定し、各種事業を 効率・効果的に行うためには、M/P等の都市の基本的な計画の策定とそのための人材能力

の向上が不可欠であると認識していることが確認できる。

3)JICAの分野別、地域別実績

 JICAの技術協力の分野別実績にっいては人数ベース、金額ベースによる幾っかのデー タ整理がなされているが、参考として技術協力のうち、開発調査における分野別の割合を図 6.2.2に示すlo)。このうち、都市計画制度と関連する分野としては公益事業、建設、運輸、お よびその他が対象とされる。

2003年度

  その他

  23.5%

鉱工業/

20.2%

公益事業

    建設8.9%

   15.0%

農林水産業

20.7%

運輸

11,ア%

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図6.2.2開発調査における分野別割合

 我が国の技術協力は、JICA以外にも財務省など13の省庁(外務省を含む)が技術協力 を行っている(4)。JICAはその中で最も多い51.7%に及ぶ技術協力の事業予算を有しており

(2004年度)、目本政府全体から見た技術協力の地域・事業別実績は表6.2.1のとおりであ

るII)。

これについても、都市計画制度について厳密に限定できないが、全体的にはアジアが

38.71%と最も高く、中南米、アフリカと続いている。

表6.2.1日本政府全体の技術協力の地域・事業別実績

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(2)世界銀行が行う都市計画制度に関する技術・経済協力 1)世界銀行の組織体制

 世界銀行とは、実際には①国際復興開発銀行(IBRD)、②国際金融公社(IFC)、③国 際開発協会(IDA)、④多数国間投資保証機関(MIGA)、⑤国際投資紛争解決センター

(ICSID)の5つの機関により構成されており、これを総称して世界銀行グループと呼んでい る。このうち、開発途上国における都市計画制度に関する技術協力を行う組織はIBRDであ

る12)。

2)世界銀行の技術・経済協力の目的、活動内容、担当部署

 世界銀行は、主として開発途上国の貧困緩和に向けた事業支援を目的に、①融資国に おける持続的成長、人々の生活水準の向上に資するプロジェクト、②構造調整プログラムの 実施に関して、貸出による支援、および専門家やコンサルタントの派遣によって技術協力を 行っている。主要機関であるIBRDは1944年、IDAは1960年に設立されており、本部は 米国ワシントンDCにある13)。

 開発途上国を対象として融資事業を所管しているIBRDの都市開発部門は、

Infrastructure Vice Presidency(INFVP)局傘下にある6つあるDepartment(部)の一っ Transport&Urbanが所管している。なお、INFVPのDept.(部)は次の構成となっている14)。

①Transport&UrbanDept.(交通・都市部門)

②Energy&WaterDept.(電力・水資源部門)

③InfrastructureEconomic&FinanceDept.(インフラ経済・経営部門)

④ConsultativeGrouPtoAssistthePoor(CGAP)Globa1Program.(貧困対策)

⑤Oi1,Gas,Mining&ChemicalDept,(燃料・鉱工業部門)

⑥Globallnformation&CommunicationTechnologyDept.(情報・通信部門)

3)世界銀行の技術・経済協力の分野別、地域別の実績

 近年、世界銀行は、社会開発等の貧困削減に向けた取り組みにカを入れている。特に、

基礎保健や教育を通じた「人への投資」や、貧困削減の重要な要素である開発途上国の

「ガバナンス(行政能力)向上」の支援等を行っている。また、開発途上国の主体性に配慮 すべきという要望を受け、開発途上国自身が策定する「貧困削減戦略ぺ一パー(PRSP)」に 沿った形で支援を行うこととし、より効果的かっ効率的な支援の実施という観点から、「包括 的援助フレームワーク(CDF)」を導入して他援助国/機関との協調を進めている15)。

 世界銀行は設立当初から開発途上国の都市問題、あるいは都市開発についてもインフ ラ整備支援という形で積極的な協力を行っている。

 世界銀行などの開発金融は、通常、民間融資が十分に利用出来ない事業に融資される

(つまり民間の融資事業としては採算性が低い事業)。世界銀行の分野別融資の割合は図 6。2,3に示すとおりである。これによると世界銀行の全融資における都市開発の割合は8%と なっており、分野別にはll分野中6番目の規模となる。また、都市開発案件同様にインフラ 整備事業を主体とする5番目の農村開発(RuralDevelopment)と合算すると18%になり、民 問融資部門(22%)に次いで2番目の規模にランクされる。

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