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開発途上国における都市問題相互間の影響の有無を明らかにする分析の

まとめ

 本実験により、図3.3.9に示す開発途上国の都市問題相互間の影響に関する構造化 モデルを得た。この事例を検証し、実験結果をまとめる。

(1)構造化モデルに見る都市問題相互間の影響の有無

 本実験では、被験者が認識する都市問題の因果相関の有無を明らかにするため、

ISM法を用いて構造化分析を行った。これにより、①「前提条件」、②「計画・管理の問 題」、③「空問利用の問題」、④r施設整備の問題」、⑤「持続可能性の問題」の5っの階 層から構成された開発途上国における都市問題の構造化モデルを得た。

 表2.3.3の国際機関等が対象とする都市問題、図3.3.6の因果相関分析のモデルでは、

いずれも①都市計画制度、②都市基盤施設、③都市政策、施設運用を中心とした3っ の課題、問題に分類・体系化、構成されている。

 同様に本実験の構造化モデルも、これらの課題、問題に相当する「計画・管理の問 題」、「施設整備の問題」、「持続可能性の問題」の3つ階層の問題を有しており、本3つ の問題は、開発途上国における代表的な都市問題であることが確認できる。

(2)空間利用の問題の位置付け

 本実験の構造化モデルでは、「空問利用の問題」が、都市問題の中間部に位置付け られた。ここれにより、同問題は、「計画・管理の問題」と「施設整備の問題」を結びつけて いる問題であることが構造的に明確になった。

 「土地利用」、「居住施設」、「都市基盤施設」の3っの関係は、因果相関分析のモデ ルでは1つのグループに編成されたが、本実験では、「空間利用の問題」が「居住施設」

と「都市基盤施設」を規定する構造となっている。これにより、都市問題における「空間利 用の問題」の位置付け、および「施設整備の問題」に与える影響の存在が明確になった。

 実際にr土地利用」は、合理的な判断だけでなく、社会の風習、歴史、地形、自然・環 境によって培われたその国、地域特有の価値観に大きく左右される。従って、先進国より 得た都市計画に関する制度・技術を適用して有効な利用を図ろうとしても、特有の価値 観の影響を受け、整備が遅延する場合が多い。

 そこで、「土地利用」の問題を解消・緩和する場合は、本実験の構造化モデルに見るよ うな「計画・管理の問題」、「施設整備問題」との位置関係、因果相関を念頭に、国、地域 に固有の特殊性、地理的条件について十分に認識する必要のあることが本構造から確

認できる。

(3)都市問題相互間の影響の有無を明らかにするためのISM法の適用性

 本実験に用いたISM法は、階層的に問題を構造化し、これにより問題相互間の影響 の有無を明らかにするための有効な分析手法であることが、本実験で確認された。ただし、

ISM法を用いて精度が高い分析を行うためには、一対比較の対象となる問題の設定を適

切に行うことが重要である。

 実際に、問題の定義、設問の設定次第で構造化されるモデルの精度が決定されること を勘案すると、本分析を行うためには、事前に対象とする問題の十分な情報整理、およ

び分類が不可欠である。

 このため、ISM法の適用に際しては、質問用紙によるデータ収集に先立ち、本実験で 行ったようなブレーン・ストーミング法による検討やKJ法による問題の図解化により、被験 者(参加者)の問題理解を深めておくことが、同法を有効に行うための前提条件となる。

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3.3.6開発途上国における都市問題相互間の関連度・影響度の程度に関する 分析

1.都市問題相互間の関連度・影響度の程度の分析方法

 Dematel法はISM法と同じく、構造モデル化手法の一つである。本実験の目的は、

Dematel法を用いて、問題相互問の関連度・影響度の程度を定量的に把握することにあ る(附録4参照)。

 なお、本実験の流れは基本的にISM法の適用方法と同様である。

2.都市問題相互間の関連度・影響度の程度の分析結果

本実験によって得た結果は以下のとおりであった。

(1)関係行列の作成

 ISM法でも用いた前掲の表3,3.3に示す一対比較調査の結果を元に、下記に示す基 準値を用いて記号を数値変換し、表3.3.7に示す関係行列を作成した。

O=5

〉=3

<=1

×=0

相互間に影響がある。

他の項目へ影響を与える。

他の項目の影響を受ける。

相互問の影響がない。

表3.3.7関係行列

1 2 4 7

1 Development Funds/PFI

1 1 1 1 1 1 1

2 Housing

5 5 1 3 1 1

3 1nfヒastructure

1 5 5 3 1 1 1

4 Land Use

3 3 5 3 5 1 1

5 NaturaI Conservation

3 1 1 1 1 1 1

6 Public Involvement

0 5 3 1 5 3 3

7 Urban Management

1 3 5 3 3 1 1

8Urban Planning

3 3 3 3 3 1 3

(2)正規直接影響行列

 1)で得た関係行列を用いて、演算により表3.3.8に示す正規直接影響行列(X)を求め た。演算方法としては、1)で求めた関係行列(D)より各行の要素の総和(d)を導出し、各 要素を求められた値の最大値によって除す。

      1  で       1  1       1  1       1  1

D=      1  1       3  3

       0  1

      3  0

   ワ   08 薩 匿々 一■◎

       らづ

       一

 711

⊂P最大値

ll

J9

(総和)

X = D/d = 

O 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05  0.24 O 0.24 0.05 0.14 0.05 0.05 0.05  0.05 0.24 O 0.24 0.14 0.05 0.05 0.05  0.14 0.14 0.24 O 0.14 0.24 0.05 0.05  0.14 0.05 0.05 0.05 O 0.05 0.05 0.05  O 0.24 0.14 0.05 0.24 O 0.14 0.14  0.05 0.14 0.24 0.14 0.14 0.05 O 0.05  0.14 0.14 0.14 0.14 0.14 0.05 0.14 O 

i  3.3.8 IE I t = " '( T l] 

(3)  1 "" '( T ljO)fl ! d: 74b 

1) 2)   .  3.3.9 }C;f t' f,^*・¥A." ;." . ff [J if Lt・・.̲. ( ; ) i   FLfILTT iJ  ( I )  * lli T r L "*;." 'f T [j 1 F. i i:ff [J ) .  t・・.̲ IL 1n U Lt "*.*'.・ T lJ )2

(X')  ; )C +1 *"  iCJ;‑C4' f   U . 

X = 

0.04 0.05 0.05 003 0.05 002 0.02 0.02  0.05 0.11 0.05 009 0.08 0.05 0.05 0.04  0.12 0.07 0.15 004 O1 008 0.05 0.04  0.07 0.14 0.1 O1 0.13 004 0.07 0.07  0.03 0.05 0.05 0.04 0.05 0.03 0.03 0.02  0.13 0.09 0.13 0.1 0.1 0.05 0.05 0.04  0.09 0.1 0.09 0.08 0.1 006 0.05 0.04  0.09 0.1 0.12 008 0.1 007 0.04 0.05 

(1‑X) = 

1 ‑0,05 HD 05  ).05 ‑0.05  .05 ‑0.05  .05  )24 1 HD24  ),05 ‑0.14  ].05 ‑0.05  l05  ){)5 ‑0.24 1 ‑0,24 ‑0.14  ).05 ‑0.05  ).05  H:)14 ‑0.14  )24 1 ‑0.14  }.24 ‑0.05  ).05  ).14 ‑0.05  ),05  ),05 1  .05 ‑0.05  ).05  o ‑0.24  ),14  .05 ‑0.24 1 ‑0.14  ).14  HD.05 ‑0.14  ).24 HD.14 ‑0.14  ).05 1  .05  HD.14 ‑0.14  ).14  .14 ‑0.14  l05 ‑0,14 1 

(1‑X)‑ = 

1.17 024 0.26 02 024 0.17 0.17 015  0.52 1.36 0.58 034 0.48 0.26 024 023  0.42 O.61 1.45 0.52 0.54 0.31 027 025  053 0.62 0.71 1.37 062 0.49 031 029  032 0.26 0.28 0.22 122 018 0.18 0.17  042 0.66 062 041 0.67 126 038 035  04 o.54 065 046 0.53 0.3 122 024 

0.51 0.56 0.59 0.47 0.55 0.31 036 1 21 

106 

X2(1−X)一1 ニ

0,15 0.22 0.23 0.18 0,22 0、15 0,51  0.36  0.57  0.33  0.47  0.25 0.42  0,61  0.45  0.51  0.53   0.3 0.53  0,62  0.71  0、37  0.62  0.49

0.3  0.24  0.26   0.2   0,2  0.16 0.42  0.66  0.62  0,41  0.67  0.26

0.4  0.54  0.64  0,45  0.53  0、29 0.5  0,55  0.59  0.46  0.55  0.31

0.14 0,13 0.24 0,22 0.26 0.24 0,31  0.29 0.16 0.14 0.38  0.35 0.21  0、24 0,36  0,21

表3.3.9総合影響行列

表3.3.8の総合影響行列を座標化し、図3.3,8にその散布状態を示すグラフを作成し

た。

       2       1.5        1      遡 0、5      騨      融  0      >      蝉一・5      達      ム ー1       −1.5       −2       −2.5

       D+R(X軸)/関連度        図3.3.10総合影響の散布図

(4)Dematel法による構造化モデル

Dematel法は、図3.3.10総合影響行列の散布図から、項目間の関係を論理的に判断 して近接する点を矢印で連結することで、モデルの構造化を行うものである。

 本実験では、より高い精度で接点の連結を可能とするため、都市問題相互間の影響 の有無を明らかにする分析より得たISM法の構造化モデルの有向線を適用し、各項目の 節点を連結した。

⑧●  ⑥ ◎◇、

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