⑴消費生活相談情報
2009年度に収集した消費生活相談情報は 899,433件で、前年度比5.34%減であった。
⑵危害情報
2009年度は、消費生活センターから11,831 件の危害関連の情報を収集した。その内訳 は、「危害情報」が8,217件、「危険情報」が 3,614件であった。協力病院からは、8,668件 の危害情報を収集した。合計は20,499件で、
対前年度比でみると0.8%減であった。
(注)消費生活センターからのデータは、2010年5月末 日までの登録分が対象。
1.情報事業
2 情報の分析・評価および提供
⑴消費生活相談情報から
消費者被害の未然防止・拡大防止に資する ため、下記のような情報提供を行った。
①高齢者が狙われている!「掛軸」の電話勧 誘にご注意!!
②増加する結婚式場・披露宴サービスのトラ ブル─返還されない申込金、納得できない 解約料─
③「消費者トラブルメール箱」1年間のまと め 2008年度に調査した事案を中心に
④関東地方に集中! プロパンガスの訪問販 売のトラブル
⑤個人年金保険の銀行窓口販売に関するトラ ブル─高齢者を中心に相談が倍増─
⑥2008年度のPIO-NETにみる消費生活相談 の概要
⑦未公開株のトラブルが再び増加─「劇場型」
「被害回復型」など新たな手口が次々登場─
⑧ソーラーシステムの訪問販売のトラブルが 増加─「売電収入」や「補助金」の過剰な セールストークに惑わされないで─
⑨消費者契約法に関連する消費生活相談の概 要と主な裁判例
⑩就活中の大学生はご注意! 英会話教室や リクルート講座の強引な勧誘
⑪債務整理をするとうたった電話勧誘に注意!
⑫手口が多様化・巧妙化しているワンクリッ ク請求
⑬「無料」のはずが高額請求、子どもに多い オンラインゲームのトラブル
⑭りんごやみかんの押し売りにご注意!
1.情報事業
⑵消費生活相談データベース
PIO-NETは行政内部情報として利用され ているが、国民に対する積極的な情報提供の 一環として、PIO-NET情報を基に、消費者 が自由に商品・サービス別、また主な相談内 容別の相談件数等をインターネット上で検索 することができる「消費生活相談データベー ス」を運営している。2009年度の月間平均ア クセス数は約9,200件であった。
3 関係機関への情報提供
消費者被害の未然防止・拡大防止を図るた め、関係機関への要望・情報提供を行ってい るが、2009年度は前項の②④⑤⑧⑩⑪⑬⑭に ついて関係機関に情報提供を行った。
4 PIO-NET情報に関する 資料の提供
消費者行政の施策立案や消費者被害の救済 と未然防止のために、さまざまな公的機関等 からの資料提供の要請・照会に応じてPIO-NETに蓄積された情報を提供した。
2009年度は、①国会(政党・議員)からの 資料提供要請が75件、②中央省庁からの要請 が640件あった。さらに、③裁判所からは民 事訴訟法第186条に基づく調査嘱託依頼が41 件、④警察からは刑事訴訟法第197条に基づ く捜査関係事項照会が251件、⑤弁護士会から は弁護士法第23条の2に基づく照会が350件、
⑥適格消費者団体から消費者契約法第40条第 1項(同施行規則第31条第1項第1号)に基 づく照会が52件あった。また⑦報道機関等か らの取材が1,276件、⑧その他の機関からの要 請が36件あり、総件数として3,804件の各機関 からの資料提供の要請・照会等に応じた。
5 研修会および会議の開催
PIO-NETの役割を理解し、消費生活相談
カードの作成に必要な基礎的な技術を習得す るために「消費生活相談員研修 消費生活相 談カード作成セミナー」を、研修部の研修事 業の一環として例年同様2回開催した。
また、PIO-NETの刷新に関するシステム 構築の現状報告と今後の運用方針を都道府 県・政令指定都市に連絡するため「PIO-NET 運営連絡会議」を開催した。
6 PIO-NETの刷新
苦情相談の受付からPIO-NET登録までの 期間を短縮するために、Webベースのシス テムの導入による完全オンライン化のシステ ムを実現し、サーバ等の機器をデータセン ターに一括集約する次期PIO-NETシステム の概要について、全国消費生活センター所長 会議(5月22日)で報告した。
次期システムでは、相談情報の登録だけで なく、PIO-NETの検索・集計ができるオン ライン端末を、全国874ヶ所の消費生活セン ターに3,346台配備した。
システム構築とともに、全国の消費生活セ ンターの協力を得て、旧システムからのデー タ移行を実施した。さらに、2010年2月から 3月にかけて全国7ブロックで35回の操作研 修会を実施し、約3,500人が受講した。
システム構築は平成21年度中に概ね完了 し、2010年3月29日より、新システムの運用 を開始した。
7 早期警戒指標の運用
相談件数が急速に増加する傾向にある事業 者や商品・サービスを把握する「急増指標」
を中央省庁および全国の消費生活センターに 毎月提供し、特定商取引法違反が疑われる事 業者を把握する「特商法指標」を四半期ごと に中央省庁および地方自治体の法執行部門に 提供した。
8 調査研究事業
2009年度は、以下のテーマを実施した。
⑴学童保育サービスの環境整備に関する調査 研究
今回は学童保育サービスの環境整備に焦点 をあて、都道府県の担当部署を対象として、
管内市区町村との連携体制、予算措置状況、
契約の適正化、安全面への取り組みを調査し た。また、市区町村を対象として、実施状 況、予算措置状況、ケガ・事故時の取り組 み、都道府県との連携を調査した。
なお、学童保育に関する都道府県への調査 は全国でも初めての試みであったが、全ての 都道府県より回答があった(回収率100%)。
市区町村からの回収率は55.7%であり、あわ せて自治体へ報告があった4,804件のケガ・
事故の具体的事例の分析を行った。
その結果、運営費補助などの財政支援をは じめとする取り組みや実施状況に格差があり、
指導員の把握、ケガ・事故の報告など市区町 村との連携が不十分である実態がみられた。
社会基盤として学童保育サービスの環境が 整備されるよう、行政にむけて6つの提言を まとめた。(内容の詳細は121頁参照)
⑵「国民生活研究」第49巻(年4回)の発行 消費者問題や生活問題に関する研究論文等 を掲載した研究誌を年4回発行した。
<掲載論文等>
[第1号]
【論文】
・福祉契約に関する理論的諸問題
・学童保育指導員の現状と課題
─サービスの質を担保する指導員の欠員 調査から─
・学校教育において身に着けるべき消費生活 能力の体系化
【調査】
・学童保育の安全に関する調査研究
─求められる放課後の安全な生活空間、格 差の解消、保険への加入─
[第2号]
【論文】
・消費者庁と消費者委員会の誕生(上)
─消費者庁関連3法の成立─
・韓国における不公正な消費者取引行為の規 制(上)
・事故による子どもの傷害予防に取り組む ─医療機関で予防につながる情報を収集す る─
・トレーサビリティ制度の展開と課題
[第3号]
【論文】
・消費者庁と消費者委員会の誕生(下)
─地方消費者行政の強化を目指して─
・韓国における不公正な消費者取引行為の規 制(下)
・消費者シティズンシップ教育試案
─よりよい社会のための責任ある経済投票 権の行使─
・事故による子どもの傷害予防への心理学的 アプローチ─文化を理解し、意識・行動変 容を科学する─
[第4号]
【論文】
・「銀行窓販」の勧誘をめぐるトラブルと金融 機関の責任─「保険窓販」を中心にして─
・大規模データモデリングによる子どもの傷 害予防技術
・食品に関するトータルな表示
─地理的表示、地域団体商標、有機JAS─
第49巻の執筆者は、大学の研究者をはじめ として、医師、法律家、傷害予防研究チー ム、利用者団体のメンバーなど、多方面の専 門家が調査研究の成果である論文等を執筆し
ている。 (情報部)