3.国民生活センター相談窓口に 寄せられる消費生活相談
5 要望・情報提供
相談処理を通じて明らかになった問題点や 対応策について、報道機関を通じ、消費者へ 積極的に情報提供した。
また、当該事業者、業界団体、関係行政機 関に対して改善等の要望等を行った。主なも のは次のとおり。
①アフィリエイトやドロップシッピングに関 する消費者トラブルについて
インターネットを利用した手軽なサイドビ
ジネス・副業として、インターネット上に自 分でウェブサイトを作り、商品広告を出して 収入を得るアフィリエイトや、商品を販売し て収入を得るドロップシッピングに関する相 談が急増している。
アフィリエイトは、一般的には提携先の商 品広告を自分のウェブサイト上に掲載し、そ の広告をクリックした人が提携先から商品を 購入するなどした場合、一定額の報酬を得ら れるものである。ドロップシッピングは、自 分のウェブサイト上に商品を掲載し、商品の 注文があった場合、メーカーや卸業者から申 込者へ商品を送り、この時に一定額の報酬が 得られるものである。
いずれも、仲介業者に依頼してウェブサイ トを開設することが多く、高額な契約を結 び、トラブルが発生していることから、相談 の現況をまとめ、問題点を整理し情報提供し た。
②見知らぬ業者からの「怪しい社債」の勧誘 に耳を貸さないで!
国民生活センターや各地の消費生活セン ターに、「『元本保証』と言われ、発展途上国 の難民を支援しているという業者から、自社 株式転換社債を購入したが、怪しいので解約 したい」等、社債契約に関する相談が目立ち 始めた。
相談内容の特徴は、
1.金融機関等が介在せず、社債発行会社 と直接契約をしている
2.不実告知による問題勧誘、見知らぬ買 取り業者からの突然の勧誘
3.社債発行会社の実態が不明 などが挙げられる。
こうした社債の契約に関し、消費者トラブ ル拡大が十分に予測されることから、ここで は、消費者相談の中で上記の特徴がある社債 を「怪しい社債」として、特に相談件数の多
い高齢者に対し、注意喚起を行った。
この情報提供の後も、同種の被害が絶えな かったため、特に苦情相談が多かった事業者 については、本稿⑦に挙げたとおり、事業者 名を示し、広く注意喚起を行うこととなっ た。
③名刺広告掲載の電話勧誘トラブル
「自宅に電話があり、母校を応援するとい う新聞広告欄に自分の名前を載せないか、と 勧められた。断り切れず承諾し、掲載料を振 込んだ。後日、同じ事業者より、別の新聞に 自分の名前を掲載したとして一方的に掲載料 を請求された」という名刺広告に関する相談 が寄せられた。
この事業者の所在地はいわゆるレンタル・
オフィスであり、同所での法人登記はなかっ た。同種相談は、各地の消費生活センター等 にも相次いでおり、被害回復は実質的に難し いと判断されたことから、国民生活センター では消費者被害の未然防止・拡大防止の観点 から、手口とともに事業者名(会社名(株)
経済社(代表者不明)、所在地東京都中野区 中央2-30-9-2F)を公表し、消費者へ注意を呼 びかけた。
④パチンコ・パチスロ攻略法の取引に注意!
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワー ク・システム)に登録されているパチンコ・
パチスロ攻略法に関する相談は、2009年11月 末日現在で18,525件寄せられている。
相談事例を見ると「無料で提供するといわ れたのに、いつの間にか高額な契約をしてし まった」、「絶対儲かるからと言われ契約した が儲からない」、「保証金としてお金を預かる だけだからと言われたのに返金してくれな い」というケースが多く寄せられており、パ チンコ・パチスロ攻略法に関する問題点が見
3.国民生活センター相談窓口に寄せられる消費生活相談
られた。
そこで、パチンコ・パチスロ攻略法に関す る相談件数、相談事例、問題点をとりまと め、消費者に対してパチンコ・パチスロ攻略 法の業者とは絶対に取引しないよう情報提供 することとした。
⑤利用の前によく確認を!クレジットカード のリボルビング払い
クレジットカードのリボルビング払いに関 する相談が増加傾向にある。カードの申し込 み時、リボ専用カードと認識せずに契約し、
気づかないまま利用していたという相談や、
リボ払いの仕組みをよく分からずに利用し、
「手数料ばかり支払っていて、支払残高が減 らない」などの相談があった。また、「複数 枚のクレジットカードでリボ払いを利用し、
支払えなくなった」等の多重債務に陥ってい る事例が散見された。
リボ払いは月々の支払いを一定額に抑えら れる分、支払期間が長期化し、手数料がかさ むことがあり、気軽に利用を重ねると多重債 務の一因にもなる。キャッシュバックなどの 特典をうたい、カード会社が積極的にリボ払 いへの移行を促す動きが見られ、今後さらに トラブルが増加する可能性がある。
そこで、消費者には、リボ払いの利用に当 たっては仕組みを認識するよう注意を呼びか け、カード会社に、消費者にリボ払いの仕組 み等を分かりやすく情報提供するよう体制整 備を要望した。
⑥「無料」を強調しながらも有料期間に自動 移行する宅配ビデオレンタルのトラブル
消費者トラブルメール箱には、特定の期間
「無料」「お試し」等とうたう宅配ビデオレン タルに関し、「勝手に有料契約に自動更新さ れた」「有料契約の前に連絡がない」「お試し
期間に注文した商品が届かない。やめたいが 解約してくれない」「延滞金が無料と書いて あったのに請求が来た」などの情報が寄せら れている。
宅配ビデオレンタルの「無料」「お試し」
契約に関する相談件数を調べたところ、全国 の消費生活センター等に寄せられている相談 件数も急増していた。
事業者のホームページには「無料」「お試 し」が強調されていたが、有料期間に自動的 に移行することがわかりにくく、消費者に誤 解を招くと思われる表示が見受けられた。
そこで、被害未然防止のため、問題点を整 理し、消費者に情報提供するとともに、業界 に対しはトラブル防止の対策を講じるよう要 望を行った。
⑦商号変更後・会社解散後も旧社名で社債を 発行する業者
自社社債を発行しているアフリカントラス ト株式会社(以下、AT社)、アフリカンパー トナー株式会社(以下、AP社)に関する苦 情相談が、PIO-NET(全国消費生活情報ネッ トワーク・システム)に、2010年2月末日現 在で約550件登録されている。いずれもすで に2009年11月18日付けで登記情報上ワール ド・リソースコミュニケーション株式会社
(以下、ワ社)となり、ワ社は登記情報上商 号変更・会社解散している旧社名(AT社、
AP社名義)で社債発行を行っていた。
相談内容としては「元本保証と説明され、
社債を購入してしまったが解約してもらえな い」や「見知らぬ業者から高値で買い取ると 言われ株式転換社債を購入してしまったが解 約したい」があり、ワ社は社債の募集を今後 も行う意向であることを表明している。
同社の販売方法に関しては、事情聴き取り や、販売時の問題点の指摘、関係行政庁への 情報提供を含め、度重なる対応を取ったもの
の、契約当事者の8割が60歳代以上であるこ と、支払金額の平均が1件当たり約470万円で あることなどの実態を踏まえ、トラブルの拡 大防止の観点から、国民生活センター情報提 供規程第6条に基づき、事業者特定情報の公 表を行い、消費者に対して注意を喚起するこ ととした。
⑧「絶対儲かる」「返金保証で安心」とうた う情報商材に注意!
インターネットを介して購入する情報商材 に関する相談が急増している。特に「確実に 儲かるという広告を見て購入した。書かれて いた通りに作業したのに収入にならない」な ど、商品の内容に関するトラブルが目立つ。
そこで、モール業者を介して情報商材を購 入した際に生じたトラブルの問題点を整理 し、消費者に情報提供した。
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワー ク・システム)に寄せられた情報商材に関す る相談のうち、モール業者を介して購入した 情報商材に関する相談件数は、2006~2009年 度 で1,301件 で あ っ た(2010年 2 月 末 日 現 在)。更に2009年度は718件と2008年度268件
(前年同期)と比較すると倍増しており、相 談件数は年々、増加している。
「確実に収入が得られる」
「確実にモテる」等、
利益や効果が確実であるかのような表示が みられた。
どのような情報が得られるのかは、購入 し、中身を見るまでわからないため、実際に 得られる情報が考えていたものではなかった というケースもみられた。
収入を得るための開業資金、情報を継続的 に得る為の月額更新料など、事前に説明のな かった費用が必要になる場合がある。消費者 が広告や情報商材に記載されている販売者の 電話番号やメールアドレスに連絡しても連絡
が取れないケースや、返金保証の条件を満た しているのに返金されないなど、トラブルが 絶えなかったため、注意を呼びかけた。
(相談部)