1 相談の傾向
⑴年度別相談件数
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワー ク・システム)に寄せられた相談のうち、モー ル業者を介して購入した情報商材に関する相 談件数注2は、2006年度は37件、2007年度は 157件であったが、2008年度は389件と倍増し ている。更に2009年度は718件と2008年度268 件(前年同期)と比較すると、倍増している。
注2)データは国民生活センターが把握しているモール 業者名をもとに集計したため、当該モール業者が 行っている情報商材以外に関する相談や同名異業 者に関する苦情が含まれている可能性がある。
図 情報商材に関する相談件数の推移
800 700 600 500 400 300 200 100
0 2006 2007 2008
(年度)
(件数)
2006 年度〜2010 年2月末日までの登録分 2009 37
157
389
718
268
⑵契約当事者の属性
①30歳代が32.5%と最も多く、次いで40歳代 が27.4%、20歳代が16.7%となっており、
比較的若い世代が目立つ。平均年齢は約40 歳である。
6.「絶対儲かる」「返金保証で安心」とうたう情報商材に注意!
② 男 性 が54.9%、 女 性 が45.1% と な っ て お り、若干男性の方が多い。
③給与生活者が47.4%と最も多く、ついで無 職が19.4%、家事従事者が17.1%、自営・
自由業が10.9%となっている。
⑶契約金額と支払方法
①契約金額は1万円以上5万円未満が49.0%
で、5万円未満が半分以上の割合を占めて お り、 つ い で 5 万 円 以 上10万 円 未 満 が 17.1%、 1 万 円 未 満 が14.8% と な っ て い る。平均金額は約5万2,000円である。
②支払方法は「現金払い」が51.2%、「販売 信用」が48.8%とほぼ半々となっている。
2 主な相談事例
【事例1】全く収入が得られない
自宅でできる内職を探していたところ、
メールマガジンの広告の中に「毎日1万円を 稼ぐ方法」という情報商材をみつけた。広告 を見て、自分でもできると思ったので、クレ ジットカードで代金を支払った。購入後、指 示通りに作業をしたが報酬はもらえなかっ た。広告には「業務手当てを保証する」等と 必ず報酬があるような記載があったので納得 できない。 (40歳代・男性・給与生活者)
【事例2】指示された作業は現実的に実行不 可能
インターネットで内職を探していたとこ ろ、「指示された作業をするだけで、100%確 実に収入が得られる」という情報商材を見つ け、代金を振り込み、購入した。作業を行う ために、情報の中身を確認したところ、実現 不可能な内容であった。販売者に返金を求め たが「返金保証の条件を満たしていないので 返金できない」の一点張りで、全く対応して くれない。 (70歳代・男性・無職)
【事例3】さらに高額な資金が必要
情報商材を扱うモールで、情報商材を購入 した。購入後、中身を確認すると、開業をす る手続きの方法等が書いてあった。これを実 行しようと自分でも調べたところ開業資金等 として合計500万円以上が必要であると分 かった。事前に高額な資金が必要であること は広告にも情報商材にも書かれていない。販 売者に返金を求めたが「実行していないので 返金条件を満たさない。返金できない」と拒 否され続け、その後、販売者と連絡がとれな くなった。 (20歳代・女性・給与生活者)
【事例4】社会通念上問題があるような内容 の情報
インターネットの情報商材を扱うサイトで
「簡単なクリック作業だけで高額な収入を得 られる」という広告を見つけた。家でもでき るならと思い購入した。情報商材をダウン ロードして中身を確認したところ、「出会い 系サイトに個人情報を登録し、他のサイト等 で相手を募り、その相手を出会い系サイトに 誘導する」という内容であった。広告の記載 と内容が大きく異なるだけでなく、作業の内 容も問題であると思う。
(40歳代・女性・家事従事者)
3 問題点
⑴購入前、購入時
①情報商材は「情報」自体が商品であるため どのような情報が得られるのかは購入し、
中身を見るまで分からない。そのため、実 際の情報は購入者が考えていた内容ではな いというケースがみられる。
②「確実に収入が得られる」「確実にモテる」
等、利益や効果が確実であるかのような表 示がみられる。
③「利益、効果が出ない場合に全額返金する」
等の、誰にでも確実に返金されるかのよう な表示や、長期間、同じ表示で販売を続け ているにもかかわらず、「今だけ特別価 格!」「通常価格○○のところ○○円で販 売!」等という、今だけ安価だという印象 を与える表示がみられる。
④販売者とモール業者の区別をするのが難し く、情報商材をモール業者から購入したと 思っているケースが多くみられる。
⑤消費者がモール業者を介して情報商材を購 入し、クレジットカードで支払いをした場 合、カード会社から発行される請求書の購 入先の項目には、販売者およびモール業者 名ではなく、決済代行会社注3の名称が記 載される場合がある。
注3)決済代行会社とは、クレジットカード会社と販売 者やモール業者との間に立ち、クレジットカード 決済の手続き等の業務を行っている会社。
⑵購入後、トラブル発生後
①情報の内容が実行不可能であるケースがみ られる。
②事前に説明のなかった高額な費用が必要に なるケースがみられる。
③社会通念上問題があるような仕事を促す ケースがみられる。
④返金を求めるため等に販売者に問合せよう としても、連絡が取れないケースがみられ る。また、連絡が取れても、返金条件に合 わないと言い対応しないケースや、条件に 合っていることの証明を求めるケースがあ る。時には提示が困難な証拠を求められ、
消費生活センターがあっせんしても交渉に 応じないケースもある。
4 アドバイス
⑴購入は広告に注意して慎重に
「誰でもできる簡単作業で毎日収入が得ら
れる」などという話は実現困難な場合があ る。「必ず」「確実に」等の断定的な広告があ る場合には、注意が必要である。
⑵返金保証があるからと、安易に契約しない 消費者の多くは広告の「返金保証」を信じ て「何かあっても返金してもらえるだろう」
という気持ちで情報商材を購入していると考 えられる。しかし、実際は販売者が応じない 場合があり、その上、販売者と連絡が取れな くなってしまうこともある。返金保証という 記載があっても、必ず全額返金されるとは限 らないことに注意が必要である。
⑶購入前に販売者の連絡先を確認
購入する前にまず、販売者の特定商取引法 の表記(所在地や電話番号等)を確認し、連 絡が取れるか等を確認する。
⑷カード会社に協力を求める
割賦販売法の適用対象となる取引で、抗弁 の対象となる場合(2ヶ月を超える支払いと なる取引で、一定額以上(リボルビング払い の場合は3万8,000円以上、それ以外の場合 は4万円以上)の取引の場合)には、カード 会社に請求の停止を求め、販売者と解約・返 金交渉を行う。また、割賦販売法が適用され ない取引の場合は、カード会社に直ちに対応 を求めることはできないが、できるだけ早め に申し出て解決への協力を相談する。
⑸消費生活センターに相談する
トラブルが生じた際は、勧誘時の説明内容 や交付された書面、購入時の画面等の取引 データ、広告や情報商材の不当性を示す資 料、取引に至った経緯等を書面で整理して、
最寄りの消費生活センターに相談する。
(相談部)