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電力不足問題への対応 計画停電の見直し

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政府・東京電力は, 国民や企業の声を踏まえて, 徹底的な見直しを 図り, 分かりやすく周知する。

電力供給力強化に向けた支援

事業者による自家発電設備の導入促進や活用助成 (設備購入や燃料 費への助成等) を行う等, 政府はあらゆる手段を講じる。

電力需要の分散化

国民生活や経済への影響を最小限にするため, 一層の節電, 使用最 大電力の制限も含め, 業界や地域単位でのきめ細かい対応の取組みを 進める。

以 上

経営経理研究 第94号 2012年3月 pp.99148

国税徴収におけるいわゆる ぐるぐる回りの事例研究 (上)

小 林 幹 雄

目 次 はじめに

1. 国税債権の一般的優先権と他の債権との優劣の基準

2. いわゆるぐるぐる回りが生じた場合の調整に関する国税徴収法の規定の概要 3. いわゆるぐるぐる回りが生じた場合の調整例と問題点及びその検討

事例1 国税徴収法26条が適用される場合 (1) 事例2 国税徴収法26条が適用される場合 (2) 事例3 国税徴収法15条4項が適用される場合 (1) 事例4 国税徴収法15条4項が適用される場合 (2)

事例5 国税徴収法15条4項が適用される場合 (3) (以上, 本号) 事例6 国税徴収法17条の適用がある場合 (1) (以下, 次号) 事例7 国税徴収法17条の適用がある場合 (2)

事例8 国税徴収法18条の適用がある場合 (1) 事例9 国税徴収法18条の適用がある場合 (2) 事例10 国税徴収法18条の適用がある場合 (3) 事例11 国税徴収法18条の適用がある場合 (4) 事例12 国税徴収法施行令9条の適用がある場合 事例13 破産手続きが絡む場合

4. 総括 終わりに

付表1 法定納期限等 (国税徴収法15条1項)

付表2 私債権における基本的な優劣の基準と国税債権との関係

キーワード:ぐるぐる回り, 国税の一般的優先権, 担保物権, 法定納期限等, 予測可能性の確保

論 説〉

は じ め に

国税徴収法は, 国税の徴収において他の租税債権, 公課及び私債権との 債権回収上の優劣に関する規定を置いているが, その基本的な制度設計は, 国税債権に一般的優先権を認め (国税徴収法8条), 私債権との関係にお いては, 原則として国税債権の存否・金額を私債権者が確認できる日以前 に担保権を設定・成立させた場合に私債権者に国税に対しての優先権を認 めるものとなっている (国税徴収法第2章第3節及び第4節1))。 国税債権 に一般的優先権が認められている2)のは, 租税が公共財を提供するための 財源として強い公益性を有している3)という理念的なもののほか, 私債権 者のように債権・債務の成立・不成立を選択できるものではなく, 債務者 (納税者) の財産状況等に応じた対応ができないことから4), 現実の問題と して租税債権の免脱等を防止するためには国税債権に一般的優先権を認め つつ, 私債権者サイドに国税債権の存否・金額を確認させ, 債権・債務の 成立・不成立を選択させるものであるという点において租税債権の公益性 といった理念的なものだけでなく一般的優先性の現実的な意義があるとい えよう5)。 このため国税徴収法は国税に一般的優先権を認めつつ, 私経済 における取引の安全=私債権者の予測可能性の確保の観点から, 私債権に 優先する国税債権の存否・金額を私債権の成立前に知ることができるよう 納税証明書の発行が法律により義務付けられているところである (国税通 則法123条1項。 なお, 同趣旨の規定として地方税法20条の106))。

ところで, 租税債権間の優劣の基準は私債権間の優劣の基準とは異なっ ているため, 租税債権と私債権とが3個以上ある場合においては時には優 劣の順位付けに矛盾が生じる場合がある (このような矛盾は優劣を決する 実体的要件の相違だけでなく手続的要件の相違によっても生ずる場合があ る。 事例3〜6, 9及び10)。 すなわち, 国税債権と地方税債権 (又は国税

債権間若しくは地方税債権間) は互いに全く平等であること及び租税債権 が基本的に担保権により担保される債権ではないこと7), したがって, 便 宜的なものと評価されるものであるが, 国税債権と地方税債権との間 (又 は国税債権間若しくは地方税債権間) においては原則として差押えの先後 等により租税債権の優先劣後を決することとされている (国税徴収法12 条〜14条, なお, 地方税法14条の6〜14条の8)8)ことから, この両債権 に私債権が絡んだ場合にその優劣に関して矛盾が生じる場合がある。 これ ら債権者間の債権回収の優劣に矛盾が生じ, 三すくみ (いわゆるぐるぐる 回り) に陥った場合において, どのようにこれら債権間の調整がなされる べきかが問題となる。 これについては, 国税徴収法26条 (国税及び地方 税等と私債権との競合の調整) の規定が置かれているところである。 また, 同法15条2項 (法定納期限等以前に設定された質権の優先), 同法17条 2項及び同法18条1項ただし書の規定の適用がある場合においてもいわ ゆるぐるぐる回りが生ずる場合が観念できるが, これらについてはそれぞ れ格別の調整規定を置いているところである。 さらに, 破産手続において もいわゆるぐるぐる回りが生ずると観念できる場合がある。

このいわゆるぐるぐる回りについては国税徴収法基本通達に実務上の取 扱いについて租税徴収庁の見解が示されているほかコンメンタール9)及び 実務書10)においていくつかの解説が置かれているものの, 現行国税徴収法 の立法趣旨及びその基本的な構造からの合理的な判断基準の検討が十分に なされている状況にはないと思われることから, 本稿は, 明文の規定が直 接適用されないケースにおいて矛盾調整がいかになされるべきかにつき具 体的に考察するものである。 具体的な考察にあたっては, 国税に一般的優 先権を認め, これに対し私債権者に一般的優先権を有する国税債権の存否・

金額につき予測可能性を与えている国税徴収法の基本的な枠組みが基礎と されるべきであると考えている。 すなわち, 租税の一般的優先権の根拠と なる公益性は極めて抽象的な理念に止まることから, 一般的な公平を論ず

る場合はともかく, 私債権との個別具体的な優劣の判定において衡平11)を 図る具体的な基準を導き出すものとしては必ずしも適切ではなく, したがっ て, 個別具体的なケースにおいて優劣の判定に関する国税徴収法の規定の 解釈においては, いきなり一般的優先権による判定を行わず, まず私債権 者の予測可能性を確保している同法第2章第3節及び第4節の積極的な類 推適用が試みられるべきであると考えるものである12)

現行国税徴収法は昭和34年に抜本的に改正されたものである (昭和34 年4月20日法律第147号) が, その改正の主要な目的の一つが国税債権 と私債権との調整において国の財源である租税債権を確保しつつ私法秩序 を尊重するということであった13)。 このような基本的理念は経済取引が改 正当時と大きく変容した現在においても堅持されるべきであろう。 現在で は, 金融取引に対する規制緩和により多くの金融商品が現れ, 国税徴収法 の制定当時に前提としていた民法や商法などが想定していない取引も多く 見られるところである。 多くの個別経済取引に関する法律により各取引に つき法的な枠組みが創設されている14)が, また, 民法等の規定の解釈の拡 大により取引の現状に対応している15)という現実もある。 近年における金 融商品の多様化に代表されるように, 私的経済部門における取引の複雑化 が進んでいる中にあっても私法秩序 (特に担保制度) を尊重しつつ租税債 権の確保を図るという現行国税徴収法への抜本改正時の基本的な理念を変 える必要はないと思われるが, 経済取引の複雑化により現行の債権の優劣 に関するルールに矛盾が生ずる可能性は相対的に高くなっていると思われ る。

国税債権の確保のため私的経済取引が阻害されることはあってはならな いが, しかし, 地方税も含め租税債権は, 債務者・債権額を選択できない といった特殊事情があり, またその回収手続きも自力執行権があるとはいっ ても細部に至るまで法的手続きにより規制され, 新たな取引形態に関し柔 軟で機動的な回収という点からは私債権に劣るものである16),17)。 また, 債

務者の自主的な弁済・納付の可能性においては事実上租税債権は最劣後に あると評価できるものである18),19)。 このような租税債権の特殊性は個別具 体的な租税債権と私債権との衡平を図る点において考慮されなければなら ないであろう。

本稿では私債権者の予測可能性の確保は, 租税債権の一般的優先の例外 又は特例として位置付けるものではなく, むしろ租税債権の一般的優先権 は私債権者の予測可能性が確保されることが前提となってその正当性を有 するとの視点か20)ら, 個々のケースにおける衡平を論ずるものである。 こ のような視点がアプリオリに正当性を有するとは必ずしも考えているわけ ではなく, 本稿が取り上げるいわゆるぐるぐる回りが生ずると観念できる ケースでの租税債権と私債権との優劣の具体的基準を探る中で本稿の視点 の是非が検証されるべきものと考えている。 とはいえ, わずかな事例に基 づくものであり, 私債権者の予測可能性を確保するという視点が本稿の取 り上げる個々のケースにおいて妥当性を有するとしてもそのことが普遍的 な正当性につながるか否かはさらに多くのケースに基づき検証される必要 があろう。

なお, 本稿では私債権者の予測可能性を確保する観点から, いわゆるぐ るぐる回りが観念できる場合において具体的な配当基準を考察するもので あるが, 国税債権と私債権との衡平の問題だけではなく, 国税徴収法の規 定に基づき国税債権が絡むことにより, 私債権者間の衡平が崩れる場合に ついても考察を加えたいと考えている。

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