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地震保険の基本料率 3 1 保険市場の失敗

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の生活再建費用を補償する保険として2006年から販売されており, 東日 本大震災後に再注目されている。 一部損保会社においても, 地震保険の不 足分を補う商品などが開発されているが, これらの商品は, 特に二重ロー ンのリスクに備える手段の一つとして関心を集めている。

3. 地震保険の基本料率

場合, 高リスク者が保険料の高騰に対応できない等の要因で無保険者とな ることにより, 社会的費用が発生する可能性も生じる。 逆選択とクリーム スキミングのいずれもが, その影響が過度な場合には, 保険市場の失敗に つながる危険性を有する。

32 地震リスクと地震保険の加入率

地震・噴火・津波のリスクは, 民間保険会社単独での対応が困難なリス クとされている。 その理由として, 損害が極めて巨大となる可能性が高い こと, さらに発生時期の予測は難しく, その周期も長期にわたる5)ため大 数の法則をきかせにくいこと, 逆選択の存在などが指摘される。 日本の地 震保険における逆選択とは, 地震リスクが高い地域ほど, 火災保険への付 帯率6)や世帯加入率が高くなることを指す。

地震保険の基本料率は, 建物の構造 (木造, 非木造) と所在地 (全国を リスクの低い1等地から, 最も高い4等地まで分類) により決定される (表3)。

地震保険の基本料率は, 2007年10月1日に, 損害保険料率算出機構に より改定された。 本改定は, 政府の地震調査研究推進本部による地震発生 の最新予測にもとづいた変更であり, 全国平均で木造住宅が9%, 非木造

住宅が5%, 保険料が低減した。

損害保険料率算出機構によると, 2010年度末の地震保険の付帯率は, 全国平均で48.1% (2009 年度末は46.5%) となっている。 付帯率は2003 年度以降, 8年連続して増加している。 また同調査によると, 2010年度末 の地震保険の世帯加入率は, 全国平均で23.7% (2009年度末は23.0%) である。

2010年度末の地震保険の付帯率が, 日本国内で最も高いのは高知県で 75.9% (2009年度末は75.4%) であり, 表3によると基本料率が最も高い 4等地となっている。 ただし改定前の高知県の等地は2等地とされており,

地震リスクに人びとがそれほど敏感ではなかったためか, 当時の付帯率は 低かった。 したがって, 2010年度末の地震保険の世帯加入率は21.5%

(2009年度末は21.0%) と付帯率の高さの割には高くない。

高知県に続いて, 地震保険の付帯率が高いのは宮城県で68.7% (2009 年度末は66.9%), 世帯加入率は33.6% (2009年度末は32.5%) である。

改定前後とも2等地であるが付帯率は高い。 これは, 2008年6月14日に 発生した岩手・宮城内陸地震の影響によるものと推定される。 続く愛知県 は64.6% (2009年度末は64.2%), 世帯加入率は35.3% (2009年度末は 34.5%) であり, 4等地 (改定前は3等地) となっている。

一方, 地震保険の付帯率が全国で最も低いのは長崎県で, 31.8% (2009 1等地

岩手県, 秋田県, 山形県, 福島県, 栃木県, 群馬県, 富山県, 石川県, 福井県, 鳥取県, 島根県, 山口県, 福岡県, 佐賀県, 長崎県, 熊本県, 鹿児島県

2等地 北海道, 青森県, 宮城県, 新潟県, 長野県, 岐阜県, 滋賀県, 京都府, 兵庫県, 奈良県, 岡山県, 広島県, 大分県, 宮崎県, 沖縄県

3等地 茨城県, 埼玉県, 山梨県, 大阪府, 香川県, 愛媛県

4等地 千葉県, 東京都, 神奈川県, 静岡県, 愛知県, 三重県, 和歌山県, 徳島県, 高知県

3 地震保険の基本料率 (200710月以降) (保険金額1,000円, 保険期間1年につき)

建物構造別 非木造 木 造

等地別

1等地 0.50 1.00 2等地 0.65 1.27 3等地 1.05 1.88 4等地 1.69 3.13

(単位:円)

出典:損害保険料率算出機構資料 (http://www.nliro.or.jp/disclosure/pdf/jishinaramasi.

pdf) より作成。

激変緩和措置により, 料率が異なる県。

年度末は29.5%) である。 同県の世帯加入率は11.0% (2009年度末は 10.2%) となっており, 1等地である。 続く群馬県は35.0% (2009年度末 は32.7%), 世帯加入率は12.8% (2009年度末は12.2%) で,1等地である。

このように, 等地と付帯率や世帯加入率には正の相関が指摘できる。 県 民性や過去の地震発生が人びとのリスク認識に与える影響の大きさ等, 様 ざまな要因により若干の変動は考えられる。 しかし総じて, 地震リスクの 大きな地域ほど, 地震保険に加入する傾向, すなわち逆選択がみられるこ とが, 損害保険料率算出機構の発表するデータ等により明らかになってい る。

4. 料率設定をめぐる公平性

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