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来物速度の関係は図 3. 1.4-1 に示される。

3.1.4.3 降雨のみの影響

(1)重要パラメータ(プラントに影響を与える因子)

降雨の場合は荷重による構造物の破損は考えにくいため、没水や被水による機器故障が 考えられる。したがって、降雨ハザードの重要パラメータは単位時間あたりの降雨量(例 えば、1時間降水量)と降雨継続時間の組み合わせとなる。

(2)機器別のマージン評価

a. 重要機器

異常降雨時に崩壊熱除去に必要な重要機器は次のとおり。

・排水設備(原子炉補助建物の屋上、及び地上に配置されていると仮定)

・海水ポンプ

・電気設備室

・メンテナンス冷却系

・補助冷却設備

・ディーゼル発電機

各機器は没水や被水により機能喪失すると考え、機能喪失する水位に至るまでの猶予時

間をマージンと定義した。排水設備の機能喪失は後述のようにパラメータとして扱い、屋

外にある海水ポンプは

1.2m、屋上からの浸水を考えた電気設備室は屋上扉の高さ 1m

から

浸水し被水すると考え、1m で機能喪失すると考えた。メンテナンス冷却系は電気設備喪失

により機能喪失するため、電気設備室に代表させる。補助冷却設備は屋上扉からの浸水を

考慮しても空気冷却器が設置されている部屋は防水扉であり浸水により機能喪失するとは

考えにくい。仮に浸水があれば、3m の没水により機能喪失すると仮定した。ディーゼル発

3.1.4-9

電機は建物内のディ-ゼル発電機室の浸水を考慮して機能喪失すると考えた。

b. 定式化

通常、建物やその周辺には排水設備が設置されており、過去最大の降水量でも排水に問 題なく、降雨時に雨が溜まることはない。本評価では、設計上の排水設備の排水能力を

140mm/hr

と仮定した。さらに、異常降雨時には小枝や落ち葉といったゴミが大量に排水設

備に流れ込むことで排水設備が閉塞する仮定を設けた。この場合、プラント作業員は排水 設備の閉塞物を除去し、排水能力を維持しようとすると想定される。極端な降雨環境では 閉塞物除去作業は困難になると考えられ、排水能力は低下すると想定される。そこで、本 評価では、排水能力係数を導入してマージン評価を行うこととする。ただし、排水能力が 低下しても、1時間降水量が少なければ浸水することはないため、排水能力が

1

時間降水 量を下回った時のマージンを評価する必要がある。

異常降雨時の水位 h (m)は、1時間降水量 P (mm/hr)と排水設備の排水能力 W

140

(mm/hr)に排水能力係数 ϕ を乗じたものの差に降雨継続時間 T

margin

を乗ずることにより

得られる。

(

140

)

margin

/1000

h = P W − ϕ × T (3.1.4-4)

この水位が前節の機能喪失する水位を上回る場合、除熱機能喪失に至ると考えられる。そ の機能喪失に至るまでの降雨継続時間を猶予時間、すなわちマージンとして定義できる。

機能喪失水位 h

failure

(m)に到達すれば除熱機能喪失と判断でき、次式で表される。

( P W

140

ϕ ) × T

margin

/1000 ≤ h

failure

(3.1.4-5)

よって、機器別のマージン T

margin

(hr)は次式で表される。

1000 (

140

)

margin failure

Th × P W − ϕ

,

if W

140

ϕ ≤ P (3.1.4-6)

margin

T = ∞

,

if W

140

ϕ > P (3.1.4-7)

屋外(地上)の場合、排水設備がなくても低位方向(海側)に流れていくと考えられる。

200mm/hr

であっても排水できるとのことから、屋外水位係数

φ

を導入する。よって、海水

ポンプは次式でマージンを評価できる。

1000 (

140

)

margin failure

Th × φ P W − ϕ

,

if W

140

ϕ ≤ P (3.1.4-8)

平成26年度に実施した異常降雨に対する事象シーケンス評価(3.3.1.3 節)で示した ように、ベルヌーイの定理に基づき、ディーゼル室への浸水を計算できる。

海水ポンプは降雨による屋外水位でマージンを評価できるが、ディーゼル発電機は建物

内に設置されているため、ディーゼル建物

1

階扉の隙間から浸入し、ディーゼル発電機が

設置されている部屋に浸入し、ディーゼル発電機が没水する水位にまで浸水することを計

算する必要がある。そこで、屋外から区画部屋

1(

A

1=約300m2

を仮定)に一旦浸入してか

3.1.4-10

n 部屋ある区画部屋

2(

A

2=約 1,000m2

を仮定)うちの一つのディーゼル発電機室に浸入 すると想定した。ベルヌーイの定理から、区画部屋

1

及び区画部屋に浸入する流量 W

1

W

2

はそれぞれ次式で表される。

1 door room1

2 (

room1

)

W = C t g h h − (3.1.4-9)

2 door room2

2 (

room1 room2

)

W = C t g hh (3.1.4-10)

ここで、 g は重力加速度、 C

door

は縮流係数(=0.61)、 t

room1

t

room2

はそれぞれ区画部屋

1

と区画部屋

2

の扉の隙間面積であり、それぞれ

0.01m2

0.005m2

と仮定した。 h

room1

2

h

room

は区画部屋

1

と区画部屋

2

の水位を表しており、次式で計算できる。

{ }

1

(

1 2

)

1

h

room

= ∑ WnW ∆ τ A (3.1.4-11)

{ }

2 2 2

h

room

= ∑ W ∆ τ A (3.1.4-12)

τ

∆ は計算上のタイムステップ、 A

1

及び A

2

はそれぞれ区画部屋

1

と区画部屋

2

の床面積 であり、積分することで水位を計算できる。

ディーゼル発電機の場合は、ディーゼル発電機室への浸水高さ

1m

で機能喪失すると考 え、上式で計算される h

room2

1m

に到達するときの時間をマージンと定義する。

一方、屋上の場合、垂直面外壁に沿って柵が設けられており(建築基準法では

1.1m

以 上)の、水位が柵高さを超えると屋上から流れ落ちる構造となっている。そこで、屋上に ついては、柵高さに相当する屋上限界水位 h

limit

(m)を設定すると、次式で表される。

1000 (

140

)

margin failure

Th × P W − ϕ

,

if h

failure

h

limit

(3.1.4-13)

margin

T = ∞

,

if h

failure

> h

limit

(3.1.4-14)

電気設備室は建物内に設置されているため、屋上扉の隙間から浸入し、階段が浸水し、

階段扉を通って、電気設備室に浸入し、電気設備が没水する水位にまで浸水することを計 算する必要がある。これは上記のディーゼル発電機と同様に、屋上から区画部屋

1(

A

1

=20m2

を仮定)に一旦浸入してから n 部屋( n

=4

を仮定)ある区画部屋

2(

A

2=約100m2

を仮 定)うちの一つの電気設備室に浸入すると想定した。屋上扉高さ

1m

と仮定した場合、屋 上限界水位 h

limit=1.1m

であるため、0.1m 分の水位が継続していると想定できる。したがっ て、1 時間降水量に関係なくある程度の時間が経てば

0.1m

一定で計算を行った。屋上扉は

0.1m

浸水し、隙間を通じて浸入すると隙間面積は小さいと想定できる。そこで、 t

room1

2

t

room

は共に

0.0001m2

と仮定した。

c. マージン評価

海水ポンプは(3.1.4-6)式を用いて、ディーゼル発電機は(3.1.4-12)式を用いて、

屋上設置のメンテナンス冷却系が電気設備室で代表させて(3.1.4-12)と(3.1.4-13)式

3.1.4-11

を用いて、マージン評価を行う。補助冷却設備は(3.1.4-14)式により、機能喪失に至る ことはない。

3.1.4-7

は海水ポンプのマージン評価結果を示す。左図は屋外水位係数

0.1

の場合で

あるが、排水溝の閉塞がない排水能力係数

1

の場合はマージンが非常に大きいが、閉塞を 考慮して排水能力係数が

1/10

になった場合はマージンが小さくなるものの、50mm/hr の異 常降雨に対しても

300hr

程度のマージンを有することが分かる。右図の屋外水位係数

0.5

の場合では

1

時間降水量が大きい場合にはマージンは小さいものの、排水溝の閉塞物を除 去して排水能力を高めればマージンは大きくなることが分かる。図

3.1.4-8

は海水ポンプ のマージンに対する屋外水位係数の影響を示しているが、1.0 と

0.5

はさほど変わらない が、0.5 から

0.1

にすると大きく変化する。実際には降水のうち海に流れ込む分も多く、

水位上昇は有意でないと考えられるため、0.5 よりも

0.1

程度で想定しておいてよい。

3.1.4-9

はディーゼル発電機室の水位上昇履歴を示す。200mm/hr の異常降雨時に排水

能力係数

0.1、屋外水位係数0.1

の場合、90 時間程度で水位

1m

に到達し機能喪失に至る。

3.1.4-10

はディーゼル発電機室のマージン評価結果を示す。排水能力係数

0.1

を用い

て、屋外水位係数は

0.5

0.1

で計算を行った。海水ポンプと比べると、建物内浸入によ る時間遅れを考慮しているため、マージンは大きくなっている。例えば、排水能力係数

0.1、屋外水位係数0.1

の場合、200mm/hr で比較すると、海水ポンプの

65hr

に対して、デ ィーゼル発電機は

90

時間のマージンを有している。

3.1.4-11

は電気設備室の水位上昇履歴を示す。1 時間降水量にかかわらず屋上水位は

1.1m

で一定であり、浸水を考慮しても

115hr

0.08m

程度の水位であった。これから線形 外挿すると、1m 到達には

1,000hr

以上を要するので、機能喪失には至らないと言える。

機器別のマージン評価結果として表されるのは海水ポンプとディーゼル発電機だけであ り、排水能力係数

0.1、屋外水位係数0.1

を用いたマージンを図

3.1.4-12

に示す。双方と も同程度であるが、例えば、100mm/hr を見ると、海水ポンプは

140hr、ディーゼル発電機

144hr

の猶予時間であり、マージンは非常に大きい。

(3)シーケンス別のマージン評価

a. イベントツリー

降雨に対するイベントツリーを図

3.1.4-13

に示す。イベントツリー1 及び

2

はそれぞれ

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