• 検索結果がありません。

1.3-3 に示す。除雪あるいはヒータによる融雪がな ければ、最終ヒートシンクの空気取入口は積雪によりを閉塞し、除熱失敗に至ることが考

えられる。最終ヒートシンクには補助冷却設備とメンテナンス冷却系があるが、メンテナ

ンス冷却系(1m)が閉塞したとしても補助冷却設備(1.5m)が閉塞しなければ炉心損傷に

は至らない。つまり、補助冷却設備(1.5m)が閉塞して初めて炉心損傷に至るシーケンス

が現れる。以下に示すように、イベントツリーに示したシーケンスのうちシーケンス

1~5

9

は、アクセスルート確保には成功するが補助冷却設備の除雪に失敗し除熱失敗になる

3.1.3-3

場合である。シーケンス

6~8

は、アクセスルート確保に失敗しその後は補助冷却設備で 積雪し除熱失敗になる場合である。

シーケンス

1:補助冷却設備による除熱失敗(強制循環)

シーケンス

2:補助冷却設備による除熱失敗(強制循環)

シーケンス

3:補助冷却設備による除熱失敗(自然循環)

シーケンス

4:補助冷却設備による除熱失敗(自然循環)

シーケンス

5:補助冷却設備による除熱失敗(自然循環)

シーケンス

6:アクセスルート確保失敗+補助冷却設備による除熱失敗(強制循環)

シーケンス

7:アクセスルート確保失敗+補助冷却設備による除熱失敗(自然循環)

シーケンス

8:アクセスルート確保失敗+補助冷却設備による除熱失敗(自然循環)

シーケンス

9:補助冷却設備による除熱失敗

b. 定式化

シーケンス

1~5

9

は、機器別のマージン評価で代用できる。一方、シーケンス

6~8

は、アクセスルート確保失敗までは降雪速度と実効除雪速度との差から求めるマージンで 表されるが、アクセスルートを断たれると補助冷却設備の除雪は不可能となるため降雪速 度を用いてマージンを求めることができる。すなわち、次式で表される。

(

VfallVremovaleff

)

Tmargin access, +Vfall

(

Tmargin ACS,Tmargin access,

)

=Dfailure ACS,

(3.1.3-5)

ただし、

Tmargin access,

はアクセスルート確保失敗までのマージン(day)、

Tmargin ACS,

は補助冷

却設備機能喪失までのマージン(day)、

Dfailure ACS,

は補助冷却設備機能喪失積雪深(m)を 表す。したがって、補助冷却設備機能喪失までのマージンは次式で表される。

( )

{ }

, , , ,

eff

margin ACS margin access failure ACS fall removal margin access fall

T = T + DVV T V

,

if V

removaleff

< V

fall

(3.1.3-6)

margin

T = ∞ ,

if V

removaleff

V

fall

(3.1.3-7)

c. マージン評価

3.1.3-4

にシーケンス別のマージン評価としてシーケンス

6~8

の評価結果を示す。

機能喪失積雪深

1m

の機器別評価結果と同等の結果となっている。シーケンス

6

に着目す ると、メンテナンス冷却系での除雪失敗となっている。降雪速度が

1m/day

のとき、除雪

速度

2m/day(実効除雪速度0.67m/day)の場合、機器別評価では機能喪失積雪深1m(メン

テナンス冷却系)には

3day

だったが、シーケンス別評価では

3.5day

とマージンがやや大

きくなる。シーケンスを考えることにより、炉心損傷に至る可能性のある比較的正確にマ

ージンを評価することができるようになった。

3.1.3-4

3.1.3.3

積雪と低温の重畳事象に対するマージン評価手法

(1)重要パラメータ(プラントに影響を与える因子)

積雪と低温の重畳事象を考えると、降雪時にフィルタに氷着してフィルタ閉塞が崩壊熱 除去失敗要因となる可能性がある。その場合の重要パラメータは、日降雪深で表される降 雪速度、降雪継続時間、低温継続時間である。ただし、降雪が継続している間は低温が継 続して凍結可能であると仮定すると、降雪速度と降雪継続時間を考慮すべき指標とできる。

ここでは、ある降雪速度の条件で限界氷着厚みに到達するまでの降雪継続時間をマージン と定義する。

(2)機器別のマージン評価

a. 定式化

(a)大気中濃度

降雪の大気中濃度は次式で表される。

snow fall snow

snow

C V

v

= ρ (3.1.3-8)

ただし、 C

snow

は大気中濃度(kg/m

3

)、 v

snow

は雪片落下速度(=1m/s)[3.1.3-1]、 ρ

snow

は湿った雪の積雪密度(=100kg/m

3

)[3.1.3-2]、

Vfall

は日降雪深(m/day)である。

3.1.3-5

に日降雪深に対する大気中降雪濃度を示す。例えば、日降雪深

1m/day

は大気中濃度は

1.2×10-3kg/m3

となる。

(b)猶予時間(マージン)

空気取入口のフィルタに氷着して閉塞に至る前に、プラント作業員がフィルタを取 り替えればよいため、フィルタ閉塞に至るまでの猶予時間をマージンと定義する。た だし、その猶予時間が降雪継続時間より長い場合、フィルタ閉塞に至る前に降雪が終 了することになるため、機能喪失には至らない。つまり、機能喪失となるのは、降雪 継続時間より猶予時間が短い場合となる。

各機器の吸込み風量は決まっているため、ある大気中降雪濃度で吸い込む場合のフ ィルタの単位面積・単位時間あたりの氷着量

Mice(kg/hr/m2

)は、大気中濃度 C

snow

(kg/m3

)と単位面積あたりの吸込み風量 V

suction

(m

3/hr/m2

)の積で表される。

ice snow suction

M = C V (3.1.3-9)

この氷着量

Mice(kg/hr/m2

)を密度 ρ

ice(=920kg/m3

)で除することで、単位時間あたりの 氷着厚み F

ice

(m/hr)を求めることができる。

ice ice ice

F = M ρ (3.1.3-10)

ここでは、氷着厚みがフィルタ破損限界 F

limit

(1cm と仮定)に到達するとフィルタ機

3.1.3-5

能喪失に至ると仮定すると、フィルタ破損限界 F

limit

を用いて、猶予時間

Tmargin

を算出で き、次式で表される。

limit limit ice limit ice snow

margin

ice snow suction snow fall suction

F F F v

T F C V V V

ρ ρ

= = = ρ (3.1.3-11)

各機器の単位面積あたりの吸込み風量 V

suction

は、ディーゼル発電機が

11,000m3/hr/m2

、 換気空調系が

5,000m3/hr/m2

、メンテナンス冷却系が

9,067m3/hr/m2

、強制通風時補助 冷却設備が

2,833m3/hr/m2

である。自然通風時補助冷却設備が

1,250m3/hr/m2

である。

b. マージン評価

(3.1.3-9)式で示したとおり、フィルタの単位面積・単位時間あたりの氷着量は、図

3.1.3-6

に示されるように大気中降雪濃度が高くなるにつれて氷着量も大きくなる。各機

器の猶予時間(マージン)は、フィルタ破損限界と吸込み風量が定数であるため、大気中 濃度の反比例で表される。図

3.1.3-7

に機器別のマージン評価結果として、大気中濃度に 対する猶予時間を示す。大気中濃度が高くなるにつれて、猶予時間が短くなることが分か る。特に、10

-3kg/m3

以上では補助冷却設備でさえも約

7

時間未満となり、猶予時間は短く なる。わかりやすくするため、大気中降雪濃度

10-2kg/m3

、10

-3kg/m3

、10

-4kg/m3

、10

-5kg/m3

を代表として、フィルタ氷着量及び氷着厚みの時間履歴を図

3.1.3-8

及び図

3.1.3-9

にそ れぞれ示す。これらの図には、同じデータを用いて縦軸と横軸を線形表示と対数表示とし ている。大気中濃度が

10-3kg/m3

以上では余裕が長いものでも約

10

時間未満になるが、10

-5kg/m3

では余裕が短いものでも約

70

時間以上あることが分かる。

大気中濃度より日降雪深を用いることで、わかりやすくなる場合もある。図

3.1.3-10

に日降雪深に対する機器別の単位面積・単位時間あたりの氷着量を示す。また、日降雪深

0.1、1m/day

を代表としてフィルタ氷着量及び氷着厚みの時間履歴を図

3.1.3-11

及び図

3.1.3-12

にそれぞれ示す。日降雪深が

0.1m/day

では十~数十時間の余裕があるが、

1m/day

ではほとんど余裕がないことが分かる。図

3.1.3-13

に機器別マージン評価結果と

して、日降雪深に対する猶予時間を機器別に整理した。1m/day では猶予時間は

6.4

時間し かない。このような降雪は起こる可能性は相対的に高いことを考えると、注意が必要であ る。この結果を踏まえて、フィルタ取替えの体制や手順の強化を図ることが重要である。

(3)シーケンス別のマージン評価

a. イベントツリー

機器別のマージン評価から、補助冷却設備の猶予時間は強制通風より自然通風の方が長 くなり、マージンが大きいことを示した。プラント運用を考えれば、強制通風を停止して 自然通風によりフィルタ閉塞までの猶予時間を長くすることも考えられる。そこで、強制 通風停止の判断をイベントツリーに取り入れた。積雪と低温の重畳事象に対するイベント ツリーを図

3.1.3-14

に示す。

上記を踏まえて、ここで検討する炉心損傷に至るシーケンスは次のとおりである。

3.1.3-6

シーケンス

1:非常用電源使用可能な状態で強制通風時に補助冷却設備のフィルタ閉塞

(強制循環除熱失敗)

シーケンス

2:換気空調系フィルタ閉塞に伴う非常用電源喪失によって、強制通風時か

ら自然循環に移行した後、自然通風時に補助冷却設備のフィルタ閉塞

(自然循環除熱失敗)

シーケンス

3:非常用ディーゼル発電機フィルタ閉塞に伴う非常用電源喪失によって、

強制通風時から自然循環に移行するが、自然通風時に補助冷却設備のフ ィルタ閉塞(自然循環除熱失敗)

シーケンス

4:強制通風停止の判断により、補助冷却設備自然循環モードに移行した後、

自然通風時の補助冷却設備のフィルタ閉塞(自然循環除熱失敗)

b. 定式化

関連したドキュメント